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5/7【タカタイチマニア】白タイツ・タイチが28分超え激闘制す 敗戦・田口はNEVER王座挑戦熱望

『タカタイチマニア2』東京・後楽園ホール(2019年5月7日)
○タイチvs田口隆祐×

 白タイツ姿で試合に臨んだタイチが28分超えの激闘の末に田口を撃破。タカタイチ興行では珍しくタイチとTAKAの2連勝となった。一方、敗れた田口だったが、「ゆくゆくはNEVERのタイチのベルトに届いたらいいですね、この頑張りが」と将来的なNEVER王座挑戦を熱望した。

 タイチは同じく2002年デビューで何かと比べられることの多かった田口に一騎打ちを要求。お笑いを封印した“ファンキーウェポン時代の田口"との対戦をアピールした。一方、田口は正規軍として戦っていた“白いタイツ時代のタイチ"ならと…条件付きで承諾し、久々のシングル戦が決定。タイチは新日本の5・3博多でジェフ・コブを下してNEVER王座に返り咲き。そこで田口はこの一戦にベルトを懸けるよう要求していた。

 田口はファンキーウェポン時代のパンタロンタイツにアフロヘアのカツラを装着して登場。タイチもリング上で黒タイツを脱ぎ捨て、白いロングタイツ姿に。そして、田口の前にNEVERのベルトを放り投げたものの、あくまでのノンタイトル戦としてゴングが打ち鳴らされた。

 タイチはかつてのように正攻法で試合を展開。ロープに押し込んでもクリーンにブレイクし、アームホイップで競り合うなどジュニア時代を彷彿とさせるファイトを繰り広げる。一旦場外に退避して、代わりにセコンドのあべみほをリングに押し入れると、田口が誘惑に乗って態度を一変。タイチもマイクスタンドなどでラフファイトに打って出たが、リングに戻ると再び正攻法にシフトする。

 力比べで競り合い、ポジションが二転三転したが、田口はやっと背後に回り込み、タイガースープレックスで投げ飛ばして逆襲。場外に転落したタイチに三角飛び式プランチャをお見舞いすると、クラッチを外さずブレーンバスターを連発する。

 負けじとタイチも挽回。かつてのパートナーであるミラノコレクションA.T.の得意技・ロープパラダイスで田口の動きを封じてから、低空ドロップキックをぶち込むと、串刺しジャンピングハイキックを突き刺した。ロングタイツを脱ぎ捨てると、その下も白いショートタイツ。ローキックでメッタ打ちにし、「どうした、終わりか? 田口はそんなもんか?」と叫んだ。

 その言葉に田口が呼応。フルスイングのエルボーを乱射してタイチをなぎ倒す。タイチが華麗なドロップキックを披露すれば、田口も負けじとドロップキックをズバリ。昔を思い出したようにトペコンヒーロで飛翔すると、スワンダイブ式ミサイルキックも繰り出して「田口」コールを巻き起こした。そして、アンクルホールドに捕獲する。タイチもジャンピングハイキックや急角度のバックドロップで巻き返したものの、田口はここまで封印していたジャンピングヒップアタックやスライディング式ヒップアタックなどを乱れ打ち、どどんを敢行。場内は沸き返った。これでタイチが沈まないとみるや、アンクルホールドでまたも絞め上げ、秘密兵器のどどん・ジ・エンドへ。

 間一髪で切り抜けたタイチはアックスボンバーとジャンピングハイキックを乱射して怒濤の逆襲へ。残り3分のコールと同時に両者は突進し、アックスボンバーとジャンピングヒップアタックは相打ちとなるが、タイチは止まらず斧爆弾をぶち込んだ。そして、タイチ式ラストライドを敢行。フォールを返して場内を沸騰させた田口だったが、タイチはブラックメフィストでダメ押しし3カウントをもぎ取った。

 28分超えの激闘をタイチが制したが、セコンドの肩を借りて去っていく田口にも大きな声援が飛ぶ。タイチはマイクを持つと、「おい、タカタイチ興行という名で俺とTAKAが勝ったのは珍しくねえ?」とつぶやいたが、疲労困ぱいで座り込んでしまう。

 代わってTAKAが「30分近い激闘のあとなんで…。珍しくタカタイチ興行でTAKAみちのくとタイチが勝ちました! 初めてじゃねえか、2人が勝ったというのは? GW明けの一発目の平日、どれだけ入るか心配でしたが、超はつかないけど、ほぼ満員という入りになったんでしょうかね」と満足げに興行を振り返り、「次はいつになるかはわかりませんが、また俺とタイチが閃いたら、面白いことが浮かんだらやる時がくると思います」と「タカタイチマニア3」開催を予告した。

 タカタイチ興行恒例の締めは「タカタイチニバ〜ン」が定番だったが、TAKAは「それはもう終わりだ。いつまでも俺たち自身で二番って言ってちゃダメだと思う。タイチはもうNEVERチャンピオン。二番でも何でもないよな?」と否定。「…って言いながら、締めの言葉を考えてなかったんだけど」と頭を抱えたが、最終的に「TAKAみちのくのT、タイチのT、略してTT! ハハハハ! あ〜あ」の雄叫びで締めくくった。

 バックステージで「田口のせいでこんな格好させられてよ、恥ずかしいよ」とこぼしたタイチだったが、「まあ、この若かった気持ちを忘れずに歳を取ってもやろうぜっていうメッセージじゃねえのか、あいつからの。俺からもあいつに対してのメッセージかもしれねえ。俺の知っている田口隆祐はあんなんじゃねえっていう」と激闘を振り返った。

 田口がNEVER王座獲りを熱望していたことを伝え聞くと、「俺だってヘビー級なんだよ。ヘビー級相手にあいつは28分堂々とやった。あいつも考えればいいんじゃん? あいつも踏み出せばいいんじゃない?(笑)」と以前、タイチ自身が内藤哲也にヘビー級転向を促されたことを引き合いに出し、エールにも似た言葉を送った。次期防衛戦は新日本6・9大阪城ホールでの石井智宏戦に決定したが、「今日とりあえず石井が決まっちまったから、それに向けてやるけど。そのあといいぞ、田口。いつでも俺はやったって田口だったらいいぞ」とタイチも田口迎撃に前向きな姿勢を示した。

【試合後のタイチ、TAKA】
▼タイチ「田口のせいでこんな格好させられてよ、恥ずかしいよ」

▼TAKA「でも今日、ここでしか見れないものが出たんじゃない? タカタイチならではの白いタイチ。よく当時の(コスチューム)があったな」

▼タイチ「こんなのよ。思い出したくもねえ思い出もあるし、良かったこともあるし。あいつのあれに乗っちまったな。もう一度あの時の2人でって。まあ、あいつはもう四十になったけど、まだまだ年寄りじゃねえぞ…と言いたいところだが歳には勝てねえ。まあ、この若かった気持ちを忘れずに歳を取ってもやろうぜっていうメッセージじゃねえのか、あいつからの。俺からもあいつに対してのメッセージかもしれねえ。俺の知っている田口隆祐はあんなんじゃねえっていう。あまり言いたくねえけど、デビューしてから比べられている部分もあったし。10日違いでデビューして、ジュニアとして同い年で。だけど、あれよあれよのうちにあいつはトップまで行っちまったから。スゲエ悔しかったな。いつのまにかスゲエ差をつけられてよ。あの頃の田口隆祐にどうしても戻して倒したかった。あの田口隆祐に100%戻ったわけじゃないけど、少しは戻せたんじゃねえの? これで決着がついたとは思わねえが、一区切りはついたかと。この先、またあいつとあるかどうかわかんねえけど、良かったよ、ここでできて。ちょっと客が入るか心配だったけど」

▼TAKA「まあ、十分だろ? GW明けの最初の平日だよ」

▼タイチ「新日本プロレスではできないだろ。階級も変わっちまったからな。まあ、ここでTAKAもこういう場を作ってくれてよかったよ。1000人入らないんじゃねえかと思ったけど」

▼TAKA「まあ、十分だろ。1200、1300ぐらいか? 十分だろ」

▼タイチ「田口は何か言ってた?」

――ゆくゆくはNEVERのベルトを狙いたいと。とりあえずはスーパー・ジュニアに専念するが、28分やったことが自信になったようだ

▼タイチ「去年の俺じゃないけど、俺だってヘビー級なんだよ。ヘビー級相手にあいつは28分堂々とやった。あいつも考えればいいんじゃん? あいつも踏み出せばいいんじゃない?(笑)」

▼TAKA「おお、一歩踏み出すなんとやらだ」

▼タイチ「遅くはないと思うよ。まあ、いつでも。今日とりあえず石井が決まっちまったから、それに向けてやるけど。そのあといいぞ、田口。いつでも俺はやったって田口だったらいいぞ。他にもやらなきゃいけねえヤツらがいっぱいいるけど。とりあえず城ホールで石井とやって。石井対タイチをタカタイチでやればよかったな」

▼TAKA「俺、前に1回やったよ、なぜか」

▼タイチ「誰も覚えてねえよ。笑いもしねえじゃねえか。疲れたよ、本当によ。5月3日4日から、中2日開いてこんなことしてよ。さすがに俺も疲れっぱなしだよ」

▼TAKA「いつも疲れてるからな。まあ、『タカタイチニバ〜ン』は卒業だよ」

▼タイチ「それがどういう意味になるか、どういう行動になるかはこれから。これも(NEVER)も来たことだし、いろいろ俺もあるし。TAKAだってザックといろいろやっているし。タカタイチのみならず、いろいろあるんじゃない? これからな」

▼TAKA「TAKAのT、タイチのT、略してTT! 締まった」

【試合後の田口】
――NEVERチャンピオンと28分超えの戦いを繰り広げたが?

▼田口「まあ、タイトルマッチじゃないですけど、タイトルマッチ並みの熱い攻防。タイトルに挑戦をアピールできるだけの試合はできたかなと思います。まあ、結果を出さなくては。結局は負けですから。でも、28分やってもあまり息が上がってないと思います。ご覧の通り。ちょっと呼吸は早くなったりしたんですけど、今年は休みなく試合をやってきてますから、それが心肺機能を…。この年になったら落ちていくだけですけど、試合をしてコンディションが出来上がってきているのかなと。スーパー・ジュニアの試合も発表されましたし、東北でメイン3つ任せてもらいますんで。まずは初戦の宮城ナンバーワン決定戦を制してね。とりあえずタイチとあの頃を思い出すような試合ができたから。再生させて…再生してもらったかな、俺は」

――かつての技も走馬灯の如く出していたが?

▼田口「いろいろやってない技をやって。全部これはスーパージュニアに繋げていきたいと思います。ゆくゆくはNEVERのタイチのベルトに届いたらいいですね、この頑張りが。頑張り次第ではね」

――今日のコスチュームは?

▼田口「これは入りました。ベルトは伸びないんで、きつくてちょっと取っちゃいましたけど。引っ張り出してきました。40のオッサンにはちょっともう…。パツパツですね。酒ばっかり飲んでちゃダメですね。プロテインを飲まないと。でも、プロテインを飲むとお腹がくだっちゃうから。痩せるにはいいかな。プロテイン飲むと。逆にプロテインダイエットとか。プロテインでお腹下して痩せる。スーパー・ジュニアまでそうしましょう。老体にむち打って頑張ります」

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