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5/9【DRAGON GATE】ウルティモが出場要請に態度保留も…全選手が意思統一 6・6後楽園に来場か

 『KING OF GATE 2019』後楽園ホール大会が9日、行われ、出場要請を受けていたウルティモ・ドラゴンの「ウルティモ・ドラゴンをここに呼び戻したいのは吉野正人、お前1人か? それともここにいるDRAGON GATEの選手全員なのか?」というメッセージを大鷲透が代弁した。それを受け、吉野正人が出場全選手がリングに集結させて意思統一。6・6後楽園に来場する可能性が浮上した。

 ウルティモはDRAGON GATEの前身団体である闘龍門JAPANの創始者。しかし、2004年7月の神戸ワールド記念ホール大会を最後にウルティモと選手たちは袂を分かち、DRAGON GATEが立ち上げられた。それ以降、ウルティモとの間に溝が生まれ、所属選手との交流は断絶していた。

 前身の闘龍門JAPANから数えて今年は設立20周年。かつて「素行不良および職務怠慢」で解雇されたユニット・悪冠一色のメンバーたちが里帰り参戦するなど後楽園ホールを中心に記念試合が行われてきた。そこで、吉野は20周年記念大会でもある7・21神戸ワールド記念ホール大会に出場してもらいたい選手として「ウルティモ・ドラゴン校長」の名前を挙げ、今大会への来場を呼びかけていた。

 メインイベント終了後に緊張した面持ちでリングに登場した吉野は「入ってきた情報によると、校長は昨日、東京で試合してたらしいな? ということは校長は日本にいてる、東京にいてるはずや。ウルティモ・ドラゴン校長出てきてください」とリングに呼び込んだ。ウルティモの入場曲『セパラドス』がかかり、場内は大きくどよめく。しかし、花道から登場したのはウルティモのマスクこそ被っているものの、明らかに別人。「こんばんは、ウルティモ・ドラゴンです」とあいさつしたものの、あっさり正体は大鷲だと見破られた。大鷲は慌てて「俺も悪ふざけでこんなことできないよ。いろいろ大人の理由っていうのがあるんや」と状況説明。昨日開催した自主興行の会場でウルティモからマスク姿で会場を訪問するよう命じられたことを明かすと、「校長の伝言を持ってここに来ています」と宣言した。

 ウルティモからのメッセージは「15年という長い月日が経ちました。ウルティモ・ドラゴンがこのリングに上がるということはそんな簡単なことではない。ウルティモ・ドラゴンをここに呼び戻したいのは吉野正人、お前1人か? それともここにいるDRAGON GATEの選手全員なのか?」という意思確認だった。

 吉野は「それが俺の願いなのか。それともDRAGON GATE全選手の願いなのか。ここで確認してみようやないか?」と提案。「ウルティモ・ドラゴン校長にこのリングに上がってもらいたいという選手は、今すぐリングに上がってくれ」と呼びかけると、出場選手たちがユニットの枠を超えてリングに集結する。KAIや大和ヒロシなどフリー選手の姿も見られた。また、REDのメンバーも吉野の言葉を否定せず、リングサイドから動かなかった。

 “ウルティモを知る世代"の代表として土井がマイクを持ち、「闘龍門世代の俺たちからしたら、ウルティモ・ドラゴンという存在はプロレスラーになるための生みの親であり、育ての親です。今年のDRAGON GATEは20周年になりますけど、このリングの原点はウルティモ・ドラゴン校長が作ってくれました」と改めて感謝の言葉を送ると、“ウルティモを知らない世代"のYAMATOも「俺はDRAGON GATEになってからこのリングに入門した人間だ。ウルティモ・ドラゴン校長との面識はありません。だけど、ウルティモ・ドラゴン校長はどれだけ偉大な人かっていうのは、控え室の先輩方を見てたらわかる。俺もこのリングにぜひウルティモ・ドラゴン校長に上がっていただきたい。これはDRAGON GATE世代の総意と思ってもらって差し支えありません」と断言する。観客も大きな拍手を送って、2人の思いを後押しした。

 ベテラン、若手、そして観客。それぞれの意志が統一されると、吉野は「聞いた通りや。これだけDRAGON GATEの選手が集まった。この思いを大鷲、校長に伝えてくれや」と大鷲に懇願。これを受けて大鷲は「皆さんの熱い気持ちは伝わりました。そして、ここにいるお客さんの気持ちも伝わりました。この思いは、この俺が責任を持ってウルティモ・ドラゴン校長に届けたいと思います」と約束する。さらに、ウルティモから授かったもう1つ伝言として、「今日のリング上の出来事次第で、来月の後楽園で返事を出す」というメッセージを明かし、ウルティモが6・6後楽園へ来場する可能性が浮上した。

 大鷲に感謝の言葉をかけた吉野は「俺たちがこのリング上で発進したメッセージは大鷲が責任を持って校長に伝えてくれるやろう。この展開次第では来月の後楽園で返答をしてくれるかもしれない。それを楽しみに、一緒に待とうじゃないですか?」と語って拍手を浴び、「何としても来月、この後楽園にウルティモ・ドラゴン校長に来てもらえるように、俺たちもドンドン発信していきたいと思いますんで、皆さん、来月の後楽園も一緒に盛り上がっていきましょう」と締めくくった。

 15年間、断絶状態にあったウルティモとDRAGON GATEの関係。果たして、恩讐を越えた歴史的な和解が実現するのだろうか?

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