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5/22【新日本】聖地メインに大“ロッキー"コール 残り80秒で無敗ファンタズモ止めた

『BEST OF THE SUPER Jr.26』東京・後楽園ホール(2019年5月24日)
Bブロック公式戦 ○ロッキー・ロメロvsエル・ファンタズモ×

 ロメロが残りわずか80秒でスーパージュニア無敗のファンタズモに一本勝ち。シングルでは初となる聖地・後楽園ホールのメインイベントで勝利し、大きな「ロッキー」コールを浴びた。

 5・4博多でBULLET CLUBの新メンバーとして姿を現したファンタズモは、スーパージュニアBブロックにエントリーすると、無傷の5連勝。優勝候補のオスプレイも下し、Bブロック単独首位に立った。後楽園3連戦最終日のメインで、そんな“ELP"に挑むのが1勝4敗のロメロだ。破れれば脱落が決まる一戦。ファンタズモの全勝を止めるべく、キャリア初となる聖地でのシングルメインに臨んだ。

 入場時から大きな「ロッキー」コールを浴びたロメロは、ガウンを脱がずにトペスイシーダを発射して気を吐く。場外乱闘になっても、南側スタンド席の入場ゲートに上がり、手すり部分からダイブ。聖地の壁にも投げ付けて先制した。

 ファンタズモは右ヒザ攻めで反攻すると、ラフファイトで試合を掌握。「ロッキー」コールを煽ったり、「フォーエバー!」と叫びながらしつこく急所を踏みつけたりと不敵なファイトを見せてブーイングを浴びた。ロープ渡り中に突き飛ばされて、急所をロープに打ち付けてしまうが、場外戦ではロメロのジャンピングニーを鉄柱に自爆させることに成功。一気に場外マットを引っぺがしてCRIIを仕掛けた。

 ロメロはこれを意地のリバース。コーナー最上段からトペコンヒーロを放つと、左腕攻めに打って出る。鉄柱に腕から投げつけると、タイムをアピールするファンタズモの左手を容赦なく蹴り飛ばし、腕へのカーフブランディングも決まった。さらに、腕ひしぎ逆十字固めから三角絞めに移行。ファンタズモにパワーボムの要領で投げ飛ばされると、スライスブレッドも読まれてコーナーに担ぎ上げられたが、逆にそれを利用して雪崩式スライスブレッドをズバリ。場内が沸騰する中、「フォーエバー!」と絶叫しながら串刺しラリアットを乱れ打った。

 だが、ファンタズモは右ヒザ攻めでロメロの動きを止める。得意のトーチャーラックスピニングネックブリーカーがさく裂して、一転して決定機を掴んだ。たまらずロメロが場外に転落しても、ファンタズモは客席にぶん投げて追い討ちする。ロメロがカウント18でリングに滑り込むと、ファンタズモは狙いすましてフロッグスプラッシュを投下した。

 これをロメロは自爆させると、怒濤の猛攻に転じる。飛びヒザ蹴りやラリアットをぶち込むと、残り時間が5分を切ったところで、ランニング式スライスブレッドをお見舞いした。ファンタズモがこれをカウント1でキックアウトすると、吹き飛んだロメロに海野レフェリーが巻きこまれてしまい、リング上は無法地帯に。ここぞとばかりにファンタズモはローブローを狙ったが、ガードしたロメロは腕ひしぎ逆十字固めに捕獲。たまらずファンタズモはタップアウトした。

 が、これはレフェリー不在で認められず。隙を突いてファンタズモは急所を殴り飛ばすと、フロッグスプラッシュをズバリ。今度は完璧に決まるが、ロメロが何とかキックアウトすると、今度はファンタズモの体が海野レフェリーに衝突してしまう。不敵な笑みを浮かべたファンタズモは自身が保持するブリティッシュクルーザー級のベルトを持ち込んでロメロを殴り飛ばしにかかる。しかし、間一髪でロメロが避けると、ベルトを投げ合って押し問答。ファンタズモが掴んだところでロメロがわざと倒れ込むと、気がついた海野レフェリーがファンタズモに猛抗議した。

 あわや反則負けの展開にファンタズモは必死にレフェリーにアピール。その隙を突いて、ロメロは何度もELPを丸め込んで3カウントを迫る。残り時間が3分となって引き分けも近づく中、ファンタズモが勝負をかけたCRIIをロメロはウラカンラナでクルリ。重低音ストンピングが巻き起こる中、ロメロは飛びヒザ蹴り、ビンタを浴びせると、焦ったファンタズモが首固めを仕掛けてきたのを利用し、電光石火の腕ひしぎ逆十字固めに捕獲。残り時間82秒で見事一本勝ちを奪い取った。

 全勝中だったファンタズモに土を付けたロメロを見て、聖地は沸騰。何度も「ロッキー」コールを送ってくれた観客にロメロも「コウラクエン、ゲンキデスカ!」「ホントウニアリガトウゴザイマシタ」「ミンナ、ミンナ、ミンナ、ミンナ、アリガトウゴザイマシタ」と日本語で感謝の言葉を送る。RPG 3KのSHOとYOHもロメロを祝福。気をよくしたロメロは「レッツゴーロッポンギ、ノリノリダゼ」と宣言し、実況席にいたライガーに「ライガーサンゴッチャンデス」とちゃっかりアピールすると、最後は「ホントウニ、シンニホン、スーパージュニア、サイコー! ロッキー、サイコー! サイコー! サイコー!」と拳を突き上げて、エンディングとなった。

 「自分が強さを持てたのは、世界中から応援してくれているファンのおかげ。みんなからはいつも強さをもらってきた。だからこそ、今日も全身全霊で戦うことができた。本当にこのチャンスというのは自分にとって凄く大きなことだった」とバックステージでもファンに感謝していたロメロ。戦績は2勝4敗だけにブロック突破の可能性は低いが、「両国のリングに立てるチャンスはあまりないけれど、もしそれが叶わなくても、自分の仲間たちを助けたいと思っている」とSHOやYOHのバックアップを約束。「みんな本当にありがとう。棚橋じゃないけれど"アイシテマス"と言いたいな」と最後まで満足げだった。

【ロメロの話】「オーマイ・ゴッド…。キャリア初、ロッキー・ロメロが後楽園ホールのメインイベントを飾った。もう18年、新日本プロレスで戦い続けているが、後楽園ホールのメインをロッキー・ロメロがシングルで、しかもジュニアヘビー級ではトップだと思われるエル・ファンタズモと試合をした。そして、勝つことができた。トップだというのは間違いないだろう。なぜなら、エル・ファンタズモは今日の試合前の時点で5勝0敗。そして、俺は1勝…まだ2ポイントしか取れない状態で、あのヤングボーイと戦うことになったんだ。自分が強さを持てたのは、世界中から応援してくれているファンのおかげ。みんなからはいつも強さをもらってきた。だからこそ、今日も全身全霊で戦うことができた。本当にこのチャンスというのは自分にとって凄く大きなことだった。あとどれだけこんな試合ができるかはわからない。そして、両国のリングに立てるチャンスはあまりないけれど、もしそれが叶わなくても、自分の仲間たちを助けたいと思っている。俺はエル・ファンタズモに手を貸すことは絶対無い。みんな本当にありがとう。棚橋じゃないけれど"アイシテマス"と言いたいな。ホントウニアリガトウ。俺は戦い続けるよ。まだ終わってない。ナカスゾ、コノヤロー。六本木で会おう。ライガーサン、ゴチソウサマデシタ。ホントウニアリガトウ」

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