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6/5【新日本】オスプレイがスーパージュニア3年ぶり制覇、日本定住宣言 初黒星・鷹木は無差別級路線示唆

『BEST OF THE SUPER Jr.26』東京・両国国技館(2019年6月5日)
「BEST OF THE SUPER Jr.26」優勝決定戦=○ウィル・オスプレイvs鷹木信悟×

 オスプレイが33分を超す熱戦を制し、スーパージュニアを3年ぶり2度目の制覇。試合後、日本定住宣言をぶち上げた。一方、新日本マットで初黒星を喫した鷹木はオスプレイに負けじと無差別級路線に打って出ることを示唆した。

 「BEST OF THE SUPER Jr.26」優勝決定戦としてAブロック代表・鷹木とBブロック代表・オスプレイが激突した。今回がシングル初対決。昨年10月の新日本登場以降、無敗を守ってきた鷹木は初出場となったスーパージュニア公式戦でも怒濤の9連勝を飾り、両国のメインに駒を進めてきた。一方、オスプレイは7勝2敗でBブロックを突破。3年ぶり2度目の優勝を狙う。

 “ジ・エアリアル・アサシン"の異名通り、オスプレイは入場時に刀を手に持って、鷹木狩りをアピールする。序盤戦はスーパージュニアを象徴するようなスピーディな先読み合戦に。オスプレイがプランチャで空中戦を仕掛ければ、鷹木も負けじとトペコンヒーロで決死のダイブ。激しくせめぎ合った。

 ここからしばらく鷹木のパワフルな攻撃が際立ったが、オスプレイはまたまた空中殺法で挽回。ハンドスプリング式レッグラリアット、トップロープ上での619、その場飛び式シューティングスタープレスと畳みかけると、サスケスペシャルやスワンダイブ式エルボーも火を噴く。鷹木も負けじとパンピングボンバーで巻き返したが、熨斗紙はオスプレイが回転エビ固めでクルリ。サマーソルトキック、延髄斬りなどで追い討ちすると、試合を動かすべく雪崩式ストームブレイカーの構えに。場内は大きくどよめいた。

 踏ん張った鷹木は秘密兵器のSTAY DREAM(雪崩式変型デスバレーボム)を敢行。ハンドスプリング攻撃をキャッチし、新日本では披露してないブラッドフォール(アルゼンチン式フェイスバスター)も狙っていく。これは不時着を許すと、オスプレイはオスカッターを仕掛けたが、鷹木は背中合わせで上手くキャッチし、熨斗紙で黙らせた。流れを変えたいオスプレイは急角度のライガーボムで場内をどよめかせたが、不死身の鷹木はコーナーめがけてジャーマンをズバリ。エプロンに連行し、熨斗紙の体勢に。

 振り払ったオスプレイはコーナーに飛び乗り、狭いエプロンでオスカッターをお見舞い。ピンチをチャンスに変えた。リングアウト寸前に鷹木が滑り込むが、そこをオスプレイがフロム・コーナー・トゥ・コーナーで狙い撃ち。ヒザ立ちになった鷹木の背中にシューティングスター式セントーンを落とすと、正調シューティングスタープレスも投下する。勢いを掴んだオスプレイはコークスクリューキックからオスカッターを敢行。場内はカウントの大合唱となるも、鷹木はギリギリでキックアウト。両国国技館は沸騰する。

 オスプレイはストームブレイカーで仕留めにかかるも、鷹木は腰を落として懸命に抵抗。オスプレイの蹴りをキャッチして、気迫全開のノーモーション頭突きを突き刺した。たまらず崩れ落ちたオスプレイをワンツーエルボーでメッタ打ち。トラースキックを背後から食らっても倒れない鷹木は、新日本マットで封印していたMADE IN JAPANNを強行。再び勝機をたぐり寄せると、フルスイングのパンピングボンバーを連続して叩き込んだ。そして、試合を決するべくラスト・オブ・ザ・ドラゴンへ。

 勝負を捨てないオスプレイはリバースフランケンで窮地を脱する。粘る鷹木がショートレンジのパンピング弾を3連発で繰り出したものの、あえて受け止めたオスプレイはハイキックを一閃。それでも前に出てきた鷹木をその場飛びスパニッシュフライで返り討ちに。とうとう掴んだ絶好機をものにしようと、オスプレイはトラースキックから後頭部に強烈なバックエルボーを一閃。一気にアクセルを踏み、コーナーから飛びついての新型オスカッターで畳みかけると、最後はストームブレイカーで熱戦に終止符を打った。

 新日本無敗を誇っていた鷹木に黒星をつけ、オスプレイが3年ぶり2度目のスーパージュニア制覇。トロフィーを受け取り、「リョウゴク! みんな最高だったよ。どうもありがとう」と喜びを爆発させたオスプレイは、リングを去って行く鷹木に「シンゴサン、アリガトウゴザイマシタ」と声をかけた。

 オスプレイは自らは「次世代を代表する男」と定義。「時代は流れ、いろんな選手が来ては去っていった。そういった選手たち全てにこの時代を作ってくれたことにお礼を言わずにはいられない」と素直な言葉を口にした上で、「しかし、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアは今年こそが最高の中でもベストだったと信じている」と胸を張った。

 高橋ヒロムの不在を嘆き、「早く試合がしたい」と語ったオスプレイは「止まっているわけにはいかない。何かがあったら誰かが出て行かなければいけないんだ」と責任感をあらわにし、「イギリスと日本を行ったり来たりする生活は疲れてしまった。そこで、新日本から少しのヘルプがあったので、ここで発表したいことがある」と宣言すると、日本語で「ワタシハニホンニヒッコシマス。ニホンガスキダ。ヨロシクオネガイシマス」と日本定住を発表し、大声援を浴びた。

 「世界中のファンのみんなにもお礼が言いたい。これからもジュニアだけでなくヘビー級でも戦っていくことを約束する。自分の体、そして自分の魂を捧げて戦っていく。なぜなら日本のみんな、そして新日本が自分を幸せにしてくれたからだ」と締めくくったオスプレイ。まずはIWGPジュニア王者のリーと雌雄を決することになりそうだが、これからも“ジ・エアリアル・アサシン"は階級に縛られずに新日本マットで躍動していくことになりそうだ。

 一方、新日本初黒星を喫した鷹木だったが、「鷹木信悟、こんなもんじゃねえよ。負けてすぐ、引き下がるわけにはいかない」とその目は死んでおらず、「負けて言うのも何だけど、おい、新日本プロレス。もういい加減、鷹木信悟をジュニアとか、ヘビーとか、枠に収めるのをやめてくれねえか? いつまで俺を試すつもりだ?」とオスプレイと同じく無差別級路線進出を示唆。6・9大阪城ホールを舞台に指定し、ヘビー級レスラーとの一騎打ちを熱望した。

【試合後のオスプレイ】
※オカダたちCHAOS勢と乾杯し、ビール掛けをすると

▼オスプレイ「このツアーはいいものになったけれど、心身ともに極限まで頑張ることを要求される戦いだった。それは自分だけでなく、このシリーズで戦った全ての選手がそうだと思う。だから、今回のスーパージュニアに参戦したみんなにもお礼が言いたい。そして、みんなが俺をより強い男にしてくれた。この会社、新日本プロレスが強い男にしてくれた。次は何かと聞かれたら、なんだろう? 俺はこのトロフィーが凄い気に入った。けれど、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアに勝ったということは、もう1つ欲しいものがある。それはもちろんIWGPジュニアのベルトだ。ドラゴン・リー、君が持っている。ドラゴン・リーのことは大好きだけれど、君が俺の欲しいものを今、持っているということは、ドラゴン・リーに挑戦しなきゃいけないんだ。DOMINIONで君に挑戦したい。ドラゴンスレイヤーという異名の通り、2匹目の龍を刈りにいく。そのタイトルマッチもさることながら、俺の中にはやはり特別な人がいる。バットマンvsジョーカーのように、ライバル関係にあったヒロム。本当に君がいないのは寂しい。このように遠征ばかりで、しかも自分は日本という海外での戦いが長かった。自分は家族と一緒に過ごすのが大好きな男なので、本当はこんなに戦ってばかりいるのは寂しいのだけれど、今、自分がこれだけのことをできているのは新日本のおかげ。だから、新日本に恩返しがしたいと思っている。この会社だけでなく、日本という国に恩返しがしたい。イギリスに戻ることになると思うけれど、これからしばらくは体が許す限り、心身を捧げる覚悟で日本に引っ越してくることにした。ジュニアがどれだけできるかということを見せる。そして、いつかレッスル・キングダム…東京ドームでジュニアがメインを飾れる日が来ると信じている。それまで自分は頑張っていきたいと思う」

――終盤で出したコーナーからのオスカッターは初めて使った?

▼オスプレイ「1回だけPWGでのアダム・ブルックス戦でやったことがあった。当時はストームブレイカーがなかったので、より高く首を押さえるためにやった技だった。今日もオスカッターをしのがれてしまって、鷹木選手のようなジュニアとしては重たい彼を持ち上げることはなかなか難しく、頭を押さえて、自分の腰を捻ってやった。本当にあとがなくて、全力でやった技。新日本で初めて使った」

――入場に持ち込んだ刀については?

▼オスプレイ「今日持ってきた刀というのは、日本の文化に敬意を払っての道具。ジ・エアリアル・アサシンという異名を名乗っているが、このアサシンが日本ではなにかなと考えた時に、サムライが思い浮かんだ。自分自身はドラゴンスレイヤーの異名を最近は語っているが、イギリスではセント・ジョージという実際に龍を殺して英雄になった伝説がある。そういったイギリスの伝説と日本の文化を融合させて、何か持ってきたいと考えて、今回は刀を選んだ。日本に引っ越すとリング上でコメントした通り、まだ日本語は上手く喋れないが、この国、この文化を存分に楽しむためにも、引っ越してくるのが楽しみだ」

――日本は好き?

▼オスプレイ「もちろん大好きだ。イギリスですれ違う人たちは変なヤツばかりだけれど、日本でそういう人に会ったことはない。イギリスのことは誇りに思っているし、自分の母国として愛しているけれど、今、プロレスラーとしてのウィル・オスプレイを必要としてくれているのは、イギリスではなく、日本だと思っている。特に新日本プロレスはケニーがいなくなり、Cody、ヤングバックス、リコシェ、KUSHIDAと主要選手がいなくなった。ここでは自分が必要とされているんじゃないかと思う。自分は脳味噌が空っぽだけれど、心は大きいんだ。俺はその心を持って、自分の体でこの新日本プロレスに恩返しできる時が来たんだと思っている」

【鷹木の話】「俺は負けたのか? 負けたのか!? ああ、ちくしょう。遂に負けちまったか。チクショウ。今日は何としても突破したかったぜ。さすが新日本甘くねえな。オスプレイもハンパじゃねえ。最後、なにでやられたかも俺もよくわかんねえよ。だけど、試合中、何度も勝てると思った。鷹木信悟、こんなもんじゃねえよ。負けてすぐ引き下がるわけにはいかない。悔しいね、普通に。純粋にもっと強くなるためには、やっぱり俺はジュニアとか、ヘビーとか、枠にとらわれたくないね。もしかしたら、オスプレイがそうやって無差別級で結果を残してきたことが、今日の差に出たかもしれない。負けて言うのも何だけど、おい、新日本プロレス。もういい加減、鷹木信悟をジュニアとか、ヘビーとか、枠に収めるのをやめてくれねえか? いつまで俺を試すつもりだ? このスーパージュニアで俺は証明したと思っている。別にジュニアを軽視しているわけじゃない。ジュニアだろうが、ヘビーだろうが、俺はもっと強いヤツと戦いたいんだ。それは俺自身のためでもあり、そしてここ新日本に来た時に『プロレス界を面白くする』と言ったことが嘘じゃないと証明するため。決勝で負けたからって、6・9大阪城ホール、まさか試合が組まれねえってことはねえよな、新日本さんよ。これは菅林会長、メイ社長にもちゃんと言っておいてくれ。6・9大阪城ホールでは俺にヘビー級の相手とシングルを組んでくれ。これが俺の単なるわがままか、意見なのか、新日本の対応次第でわかるはずだ。今日という屈辱の日は一生忘れないからな」

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