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6/5【新日本】棚橋が2ヵ月ぶり復帰もジェイに完敗で涙

『BEST OF THE SUPER Jr.26』東京・両国国技館(2019年6月5日)
棚橋弘至復帰戦=○ジェイ・ホワイトvs棚橋弘至×

 棚橋が左ヒジの怪我から2ヵ月ぶりに復帰したものの、因縁のジェイに完敗。バックステージで涙を流した逸材は「やっと…やっと…やっと…プロレスに戻ってこれた。ファンの期待は裏切ってしまったかもしれないけど、よく頑張ってくれた俺の体。これからも期待しているから」と悔しさを噛みしめながらも前をみた。

 棚橋は4・6MSGでザックに敗戦。左ヒジの負傷により欠場を余儀なくされた。5・4博多のリング上で復帰を発表し、「IWGPのベルトを狙います」と宣言したものの、そこをジェイが襲撃して遺恨が再燃。棚橋は2ヵ月ぶりの復帰戦でスイッチブレードを迎え撃つことになった。両者は2・11大阪で対戦。ジェイが棚橋を下し、IWGP王座初戴冠を果たしており、逸材にとっては雪辱戦となった。

 あとから入場した棚橋はコーナーに上がって歓声に応えようとするも、ジェイが背後から襲撃。場内は大ブーイングに包まれる。気にせずジェイは場外で暴行。そこから左ヒジ攻めに転じた。リング上ではヒジを容赦なく蹴り飛ばし、腕を固めたままバックドロップまで繰り出すと、場外戦でもヒジを絞め上げたまま鉄柵やエプロン、鉄柱に投げつけた。

 一方的な展開となったが、客席から「GO ACE!」コールが何度も巻き起こると、逸材は決死の反撃へ。左足へのドラゴンスクリューでやっとジェイを足止めすると、フライングフォアアーム、低空ドロップキック、ダイブ式サマーソルトドロップと畳みかける。しかし、激しい先読み合戦からのドラゴンスープレックスやツイスト&シャウトは決まらず。ジェイのコンプリートショット→ジャーマンの連続攻撃やデスバレーボム、裏投げなどの大技攻勢に追い詰められた。それでもファンの期待に応えようと何とかツイスト&シャウトで逆襲。「棚橋」コールを浴びると、痛む左手で強烈なビンタをぶち込む。

 余力を残すジェイは脇固めや変型羽根折り固めに捕らえて、棚橋を陥落寸前まで攻め込んだが、棚橋は執念のロープエスケープ右足に絡みつき、股に挟んでから決める新型ドラゴンスクリューを敢行した。さすがのジェイも苦もんの表情を覗かせる。ここがチャンスと、棚橋は抵抗を見せるジェイにスリングブレドを連発。そして、コーナーに上がり、封印していたハイフライフローの構えに。

 しかし、外道が介入。棚橋は蹴り飛ばして食い止めたものの、そこにジェイが襲いかかって、コーナー上に棚橋を足止めする。ジェイは棚橋をコーナーから引きずり下ろして、スイッチブレードを仕掛けるも、粘る逸材は背後に回り込み、ダルマ式ジャーマンをズバリ。メリケンサックを持って飛び込んだ外道をビンタで返り討ちにした。ここでレフェリーの注意が外道に集中すると、ジェイはローブローをグサリ。なおも諦めない棚橋はブレードランナーをかいくぐって、ローブローでお返しし、グラウンド式ドラゴンスクリューからテキサスクローバーを狙ったが、ジェイはヒジを捕獲してグラウンドに引きずり込み、そのまま丸め込んでまんまと3カウントを奪い取った。

 左ヒジのダメージは色濃く、棚橋は1人で歩けない。コメントブースまで何とか戻ってきてもそこで大の字に。「プロレスラーになった時も黒星発進。そして今日、令和のデビュー戦も黒星発進。俺らしいじゃん!」と強がった棚橋だったが、無念の敗戦に思わず嗚咽。涙を流しながら「やっと…やっと…やっと…プロレスに戻ってこれた。ファンの期待は裏切ってしまったかもしれないけど、よく頑張ってくれた俺の体。これからも期待しているから」と悔しさを噛みしめた。

【ジェイの話】「棚橋、おかえりなさい。お前が前回リングを降りた時とまったく同じ結果だったな。お前は負け犬、ルーザーだ。そして、俺はお前に対して2連勝。IWGPヘビー級チャンピオンシップだったっけ? ぜいぜい素晴らしい凱旋になったな。ファンはどんなことを望んでいたかしらないが、スターが相手だろうが、後藤だろうが、オカダだろうが、俺がやることは同じ。そして、得られる結果も同じことなんだ。お前はもうすでに俺と一緒にリングに上がり、負けるという汚名によって有名になっているんじゃないか? お前はもう歴史であり、終わった男だと思っている。スイッチブレードが1ヵ月リングを離れていたからといって、鈍って戻ってくるとでも思ったのか? そんなことはありえない。俺はまだまだ現役だし、これから先に目を向けている。DOMINIONではレインメーカーと言葉にするのも忌まわしいあの名前の男…クリス・ジェリコが戦うらしいな。SANADAだろうが、オカダだろうが、どんな結果になろうと、俺にはまったく構わない。ただ、俺の邪魔はしてくれるな。このプロレスという業界そのもの、そして新日本プロレスの名を汚すことだって俺は許さない。そして誰であろうと、スイッチブレードとともに呼吸するがいい」

【試合後の棚橋】
※コメントスペースで大の字に倒れ込む

▼棚橋「プロレスラーになった時も黒星発進。そして今日、令和のデビュー戦も黒星発進。俺らしいじゃん!」

――これまで立ち上がってきた棚橋選手の姿をファンの記憶にあると思うが?

▼棚橋「でも、期待感っていうのは長く続かないから。今日の両国の応援がラストチャンスだったかもしれない。でも…(涙を流して)やっと…やっと…やっと…プロレスに戻ってこれた。ファンの期待は裏切ってしまったかもしれないけど、よく頑張ってくれた俺の体。これからも期待しているから」

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