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6/9【新日本】オカダがIWGP王座死守もジェリコ大暴走、ブーイングで幕切れ、棚橋と遺恨勃発

『DOMINION 6.9 in OSAKA-JO HALL』大阪城ホール(2019年6月9日)
IWGPヘビー級選手権試合=○オカダ・カズチカvsクリス・ジェリコ×

 ジェリコの回転エビ固めを押し潰したオカダがIWGPヘビー級王座を死守した。納得いかないジェリコはオカダを襲撃して大暴走。棚橋が救出に駆けつけ、ジェリコとの遺恨が勃発した。勝利したオカダはマイクを持つことすらできず無言で控室へ。まさかのバッドエンドに大阪城ホールにはブーイングがこだました。

 IWGPヘビー級王者のオカダは5・4博多でSANADAを下し初防衛に成功した。試合後、VTRを使ってジェリコが挑戦に名乗り。6・9大阪城ホールを舞台に指名すると、オカダも受諾し、刺激的なタイトル戦が決定した。ジェリコはIWGPヘビー級王座初挑戦にして、オカダと初対決。AEW旗揚げ戦となった5・25ラスベガスではオカダのライバルだったケニー・オメガに勝利しており、IWGP&AEW王座の2冠獲りも見据えていた。

 序盤はオカダが余裕を見せてリードしたものの、ミサイルキックは自爆に。ジェリコはいきなりウォールズ・オブ・ジェリコに捕獲。得意技で勢いに乗る。場外戦では本部席のテーブルの上でDDTを強行。そこからダイビングボディアタック、急角度のバックドロップやオカダのお株を奪うドロップキック、滞空式ブレーンバスターと畳みかけた。反撃したいオカダは場外戦でフェンス越えのフライングボディアタックを放ったものの、ジェリコはカウンターのコードブレイカーで撃墜。さらに、リング中央でまたもウォールズ・オブ・ジェリコに捕らえる。

 しのいだオカダは一瞬のスキを見逃さずドロップキックを連発して反攻。ツームストンパイルドライバーもさく裂する。粘るジェリコの大技攻勢を耐え忍ぶと、雪崩式ブレーンバスターを空転させ、ダイビングエルボードロップからレインメーカーを予告した。

 これをかいくぐったジェリコは、オカダのドロップキックを自爆させた直後にライオンサルトを投下。荒々しくサッカーボールキックを連打する。オカダも感情的になって「どうした、ジェリコ。そんなもんか?」とストンピングでやり返したものの、続く串刺し攻撃はジェリコが片ヒザ式のコードブレイカーで迎撃した。暴走気味のジェリコはコーナーマットを引っぺがし、むき出しになった金具にオカダを叩きつけようと試みる。切り抜けたオカダはジャーマンから再びレインメーカーの構え。呼応したジェリコが掟破りの逆レインメーカーを放っていくが、オカダは負けじと掟破りの逆コードブレイカーを敢行してチャンスを掴んだ。

 スクリュー式ツームストンパイルドライバーからレインメーカーにこだわるオカダだが、単調になった攻撃をジェリコは完璧に読んでいた。巧みに足を絡め取り、3度目のウォールズ・オブ・ジェリコに捕獲。一転してオカダのピンチに。それでもオカダは横に回転して何とかジェリコを振り払う。

 狡猾なジェリコは突進してきたオカダをコーナーの金具に衝突させると、ラリアットを一閃。ケニー・オメガを下したジューダス・エフェクト(ローリングバックエルボー)へ。避けたオカダは負けじとレインメーカーを仕掛けるも、今度はジェリコがかいくぐり、コードブレイカーで飛びつく。踏ん張られると、回転エビ固めに切り換えたが、裏をかいたオカダが押し潰し、そのまま押さえ込んで3カウントを奪い取った。

 オカダが薄氷の勝利でIWGPヘビー級王座V2。まさかの敗戦にジェリコは大荒れとなり、パイプイスをオカダの顔面めがけてフルスイングで叩きつける。ブーイングが巻き起こるも、ジェリコはどこ吹く風で、今度こそジューダス・エフェクトをぶち込むと、場外ではパイプイスを首に巻きつけて鉄柵に投げつけた。さらに、リングサイドのテーブルめがけてパワーボムの構えに。

 ジェリコの暴走を見かねた棚橋が実況席から飛びかかってオカダを救出。2人は乱闘を繰り広げる。マイクを持ったジェリコは「ヘイ、タナ。バカハシ!」と罵声を浴びせ、「ペインメーカーは決して負けない。ペインメーカーが最後には勝つ。俺こそが史上最高のレスラーであることに変わりはないんだ。それは今でも変わらない。このクソみたいな日本でも変わらないんだ」と豪語。さらにオカダと棚橋を糾弾した。

 ジェリコはオカダの入場時に舞ったレインメーカードルの紙幣を拾うと、1枚を額に張りつけ、もう1枚をタイツの中に入れて股間を拭いて高笑い。棚橋はジェリコに飛びかかろうとするもヤングライオンたちが総出で止めに入る。ジェリコが花道から去っていくと、オカダは棚橋の肩を借りて無言でバックステージへ。オカダがタイトルを防衛したとはいえ、やりたい放題にジェリコが暴走した末のバッドエンドに、大阪城ホールにはブーイングがこだました。

 オカダはノーコメントだったが、一方のジェリコは独演会状態。「オカダは歯を折られて、息も絶え絶えになって、自分の足で歩けずにドレッシングルームへと戻っていった。そして最後に立っていたのは俺だ。ペインメーカーは決して負けない。事実上、俺の勝ちだ」と言い張ると、棚橋には「試合後に入ってきて俺の邪魔をした。これは俺の遊びの時間だ。そこに入ってきたことは許せない」と敵意をむき出しにし、「オカダよ、またいつか戦おう。タナハシ…いや、バカハシよ。お前と戦うことも約束しといてやる」と通告した。

 ジェリコの鋭い舌鋒はとどまるところを知らず、来年の1・4&1・5東京ドームでのオカダ、棚橋との連戦やG1出場までぶち上げ、対戦経験のあるジョン・モクスリーやKENTAまで挑発。最後は「今夜のオカダはノーコメントらしいな。じゃあ、俺が代わりにコメントを出してやるよ。『ハロー、僕の名前はオカダです。ペインメーカーにこっぴどくやられました』。しっかり記事にしておけよ」と締めくくった。

 ジェリコの発言は話半分とするにしても、オカダと棚橋にとってブーイングでの幕切れは悔しい結末であることは確か。G1 CLIMAXに向けて様々な動きが生まれる中、オカダたちにとって課題の残る結果となった。

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