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7/14【新日本】前回覇者・棚橋狩りで快進撃 KENTAが初出場初優勝を宣言

『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』東京・大田区体育館(2019年7月14日)
Aブロック公式戦=○KENTAvs棚橋弘至×

 初対決となった前回覇者の棚橋を撃破。快進撃となるG1開幕2連勝を果たしたKENTAがマイクで興行を締めくくり、「初出場・初優勝」を宣言した。

 Aブロック公式戦でKENTAと棚橋による注目の初対決が実現した。開幕戦となった7・7ラスベガスで、17年ぶりの新日本参戦となったKENTAは飯伏幸太を蹴殺して好スタート。一方、棚橋はオカダ・カズチカに敗退。連覇に向けていきなりつまずく形となった。

 試合開始前に2人と縁のある柴田勝頼が実況席に登場。場内は「柴田」コールに包まれる。ゴングが鳴ると、KENTAが先に動く。ロックアップからロープに押し込むと、ビンタを叩き込んだのだ。棚橋も下がらずにビンタをぶち込むと、2人はエルボー合戦で火花。棚橋がボディブローからエルボードロップを落とし、エアギターをかき鳴らすも、すぐに立ち上がったKENTAは背後から大胆にも蹴り飛ばしてそれを阻止した。

 場外戦も一進一退となるが、KENTAがここでもアクセルを踏み、会場の床めがけてDDTを敢行。ネックブリーカードロップやニードロップに繋げて首攻めに転じる。棚橋の首を後ろ足で足蹴にしてブーイングを浴びると、ミドルキックやサッカーボールキックなど足技でリズムを掴んだ。

 後手に回った棚橋だったが、歓声に応えるべくドラゴンスクリューで活路を開く。フライングフォアアームやダイブ式サマーソルトドロップなど得意技をお見舞い。KENTAも負けじとスワンダイブ式ミサイルキック、串刺し低空顔面ドロップキックなど得意技で主導権を奪いにかかるも、go 2 sleepは棚橋がまたまた足を絡め取り、ドラゴンスクリューをズバリ。続けて、グランド式ドラゴンスクリュー、テキサスクローバーホールドと右ヒザに集中攻撃を重ねた。耐え抜いたKENTAはセカンドロープに足を固定してのDDTで再び攻勢に出るが、ブサイクへのヒザ蹴りは一歩先に動いた棚橋がスリングブレイドで防いで、両者大の字に持ち込む。

 2人はリング中央で向かい合うと、激情をあらわにしながらエルボーを打ち合う。棚橋はビンタに切り換えるも、KENTAはクロスカウンター式の掌底で棒立ちに追い込み、ローリングラリアットを叩き込んだ。そして、再びgo 2 sleepを仕掛けるが、首を取って不時着した棚橋はツイスト&シャウト3連発で逆にチャンスを掴む。絶叫した棚橋はスリングブレイドを敢行すると、間髪入れずにコーナーを駆け上がり、ハイフライフローアタックを浴びせる。そして、試合を決するべく正調ハイフライフローへ。

 しかし、KENTAは剣山で撃墜。もん絶する逸材を見て、客席からは「棚橋」コールがこだました。KENTAは盟友・柴田ばりにスリーパーで絞め上げると、PKを発射する。棚橋は一旦足をキャッチしたものの、KENTAは空いた左足で飛びヒザ蹴りをねじ込み、今度こそPKを一閃。最後はgo 2 sleepでとうとう3カウントをもぎ取った。

 棚橋を撃破してKENTA開幕2連勝。昨年準優勝の飯伏、優勝の棚橋を連続して下し、オカダ、アーチャーと並んで首位タイに立った。KENTAは握手を求めたが、棚橋は応じず、セコンドの肩を借りながら去っていた。

 声援とブーイングが入り交じる中、KENTAはマイクを持つと、「改めまして、新日本プロレスのファンの皆さん。KENTAです」とあいさつ。「ここにいるほとんどの人がもしかしたら初めて俺のことを見るかもしれない。まあ、実際帰っている人もちらほら。それはいい。それからもしくは、昔から俺を見てくれている人も…」と続けると、客席から歓声が飛んだ。KENTAは声援を送る観客の顔を見ながら「覚えている。見覚えがある。覚えている。お前は覚えていない」と指摘して笑いを誘った。

 「今日、棚橋さんと試合をして、新日本のファンの皆さんと棚橋さんが築き上げた信頼関係みたいなものをまざまざと感じて。それは長年時間を割いてここまでの形にしてきたんだろうなと勝手に推測しました」と素直に吐露したKENTAは、「でも、俺も遊びでここに来たんじゃなくて、久しぶりにみんなに会いに来たわけでもなくて。それもあるよ。それもあるけど、俺はG1 CLIMAXを優勝するためにここに来たんだよ」と決意をあらわに。

 「みんなが俺を知っていようが、知っていまいが、そんなことはどっちでもよくて」とKENTA。客席から「オカダ・カズチカがいるんだよ!」と野次が飛んだものの、KENTAは「いい声してるな。通るな、声。誰だ? いい声してるな。野球部か」とうまくいなし、再び野次が聞こえると「いや、しつこいしつこい」と余裕タップリに返答する。その上で、「まあ、そんな感じで、俺は必ず初出場・初優勝して、またここに帰ってこようと思います」と高らかに宣言し、「せっかくだから覚えて帰ってください。KENTAでした!」と新日本初メインを見事に締めくくった。

 実力を見定めようとする観客たちの前で試合をすることに幸せを感じたというKENTAは「しっかりと期待に応えて。期待イコール優勝を目指して…いや、優勝してまた帰ってきたいと思います」とバックステージでも言い切ってみせた。次戦となる7・18後楽園の対戦相手は同じく無敗のランス・アーチャー。一方、まさかの連敗スタートとなった棚橋はザック・セイバーJr.と激突する。

【KENTAの話】「いやもう、スゲエ充実しているな、しかし。どんなもんかって見定めているような人たちもいて、スゲエ緊張感で。これすらもあんまりなかったから、こういう緊張感の中でできることを今一度幸せに感じて、しっかりと期待に応えて。期待イコール優勝を目指して…いや、優勝してまた帰ってきたいと思います」

【棚橋の話】「ああ、クソ。迷子は俺だった…」

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