7/14【新日本】熱戦制してEVILが初日、手負い飯伏は悪夢の連敗

『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』東京・大田区体育館(2019年7月14日)
Aブロック公式戦=○EVILvs飯伏幸太×

　EVILが熱戦の末に飯伏を破って初日。手負いの飯伏は悪夢の連敗を喫した。

　昨年の準優勝者・飯伏は今年こその初優勝を狙っている。が、初戦でKENTAに敗れ、その試合中に左足首を負傷。序盤から厳しい状況におかれてしまっている。対するはEVIL。初戦で巨漢・ファレに敗れており、ともに開幕戦でつまずいた両者が2戦目で対決した。

　開始と同時に両者が対角線を走ってショルダータックルで正面衝突。エルボー合戦で火花を散らし、のっけからボルテージが高まる中、EVILがブロンコバスターで先手を取り、レッグロックやアンクルホールドと飯伏の左足首に的を絞って絞め上げる。飯伏もカウンターのドロップキック、ミドルキック、その場飛びムーンサルトで反撃するものの、EVILがダブルチョップ、セントーンで鎮圧。それでも飯伏は高速パワースラム、セカンドロープからのムーンサルトで巻き返しを図るものの、コーナーに上がったところにEVILがラリアットを食らわせ、トップロープからの雪崩式ブレーンバスターで叩き落とすと、こん身のラリアットを叩き込んだ。

　EVILを阻止した飯伏はジャーマンの投げ合い、ラリアットの相打ち、エルボー合戦に持ち込んで必死に食い下がる。左足を踏みつけたEVILがエルボー連打でねじ伏せたが、飯伏もScorpion Deathlockは決めさせず。掌底連打でダウンを奪い、サッカーボールキックで何度も蹴りつけると、頭突き連打を浴びせるEVILをこん身のショートレンジラリアットで返り討ち。カミゴェを繰り出したが、キャッチしたEVILが今度こそScorpion Deathlockで捕らえた。

　意地で耐え抜いた飯伏はEVILのダイビングセントーンを自爆させると、後頭部へのランニングニーでようやく流れを引き寄せた。中邑真輔ばりにたぎってからむき出しの左ヒザでランニングニーをぶち込むと、今度はむき出しの右ヒザでカミゴェを狙う。これが不発に終わると、意地の攻防に突入。飯伏がEVILを食い止めると、EVILもカミゴェを阻止。さらに両者はショートレンジラリアットを打ち合った。

　足を止めての打撃戦はEVILがノーモーション頭突きで競り勝ち、ローリングエルボー、ラリアットを立て続けにぶち込む。すかさずダークネスフォールズで追い討ちをかけたEVILは必殺のEVILをさく裂。大合唱とともに3カウントが入った。

　熱戦の末に飯伏を撃破したEVILがこれで待望の初日。初優勝へ向けて立て直しに成功した。一進一退のせめぎ合いで熱狂を生み、「言った通りだろ。予告通り大爆発させてやったぞ」と胸を張ったEVILは、「このままG1優勝してやるよ。よく覚えとけ!」と豪語してみせた。次戦は7・18後楽園大会。SANADAとのロス・インゴ対決を控える。

　一方、手負いの飯伏は対照的に2連敗で勝ち星なし。「2連敗。あと全部勝つしかない」、「まだ諦めないですよ。まだまだ」 と前向きな言葉を口にしたが、やはり気になるのは左足首の状態。「全然足は痛くないですよ。痛くない」と強調したものの、この日のEVIL同様、これからの公式戦で狙い撃ちされることは避けられそうにない。次戦は7・18後楽園大会のオスプレイ戦。ここで3連敗を喫するようだと序盤から苦しい状況となってしまいそうだ。

【EVILの話】「言った通りだろ。予告通り大爆発させてやったぞ、おい。飯伏、少しは意識したんじゃねえか? このままG1優勝してやるよ。よく覚えとけ!」

【飯伏の話】「(足を引きずりながら現れて座り込むと)クソ。何も…何も言えないですね。2連敗…。いやいやいやいや。全然足は痛くないですよ。痛くない。いやあ、本当に言うことがないです。2連敗。あと全部勝つしかないんで。もうでも、試合は終わったんで。今日の試合は終わり。次。これはリーグ戦なんで、次。まだ、まだ諦めてないです。まだチャンスはあるでしょうから。うん。まだ諦めないですよ。まだまだ」