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7/28【全日本】33分苦闘 宮原が好敵手ゼウス突破で三冠V6達成

『2019 SUMMER ACTION SERIES』最終戦 エディオンアリーナ大阪 第2競技場(2019年7月28日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○宮原健斗vsゼウス×

 宮原が33分超の苦闘の末に好敵手・ゼウスを突破し、三冠王座6度目の防衛を達成した。

 ここまで5度の防衛を重ねてきた宮原がこの日、迎え撃ったのは、7・10後楽園で崔との挑戦者決定戦を制したゼウス。これまで何度も激闘を繰り広げてきた両者が三冠ベルトをかけて戦うのは昨年10・21横浜文体で勝利した宮原が4度目の戴冠を果たして以来9ヵ月ぶり。1年前の7・29大阪大会ではゼウスが宮原に勝利して三冠初戴冠を果たしている。

 前哨戦で直接勝利を一度ずつ奪い合ってきた両者の三冠決戦は30分を超える激闘となった。序盤から一進一退となったが、ゼウスの気迫が王者を苦しめる。場外でフロントスープレックスを敢行し、喧嘩腰に打撃の雨を降らせると、ノータッチトペスイシーダも発射。宮原もエプロンDDTを敢行し、ジャーマンでゼウスをエプロン上から叩き落として譲らず。ゼウスがバイセップスエクスプロージョンを叩き込んでも、宮原は垂直落下式ブレーンバスターですぐさま逆襲した。

 先に勝機を作ったのは宮原。後頭部に串刺しブラックアウトを突き刺し、ジャーマンで投げると、正調ブラックアウトをぶち込む。ゼウスもシャットダウンを食い止め、飛びつきヒザ十字固めで捕獲。ブラックアウトで反撃する宮原の背中にケサ斬りチョップ、ダブルスレッジハンマーを乱れ打ちし、ドロップキックをカウンターでさく裂させると、チョークスラムを敢行した。

 宮原もゼウスが放ったダイビングボディプレスを両ヒザで迎撃。自ら左ヒザにダメージを負いながらも後頭部へのブラックアウトをぶち込み、二段式ジャーマンで再び流れを引き寄せる。ゼウスが右ハイキック、バイセップスエクスプロージョンで反撃に出ても、ジャックハマーを首固めで切り返し、回転足折り固めで丸め込んだ。

 いよいよ王者防衛がちらつきいてきたところでゼウスが押し戻す。バイセップスエクスプロージョンを連打し、ジャックハマーを食い止めた宮原がスタンドブラックアウトを連打しても、バイセップスエクスプロージョンを叩き込んだ。が、宮原もブラックアウトを連射してゼウスの攻勢をせき止めると、満を持してシャットダウンスープレックスを爆発。意地のせめぎ合いに終止符を打った。

 33分44秒の激闘を制した宮原が三冠王座V6を達成し、頂点の座を死守した。試合後はダメージが色濃くしばし立ち上がれず。何とか立ち上がると自ら右手を差し出し、ゼウスと握手、抱擁を交わした。それはゼウスをライバルと認めている裏返しにほかならない。「宮原健斗vsゼウスという対戦カードでは、どちらかが立ち上がれなくなる。それは覚悟してるよ。ホントに苦しかった」と振り返ったように苦闘となったが、勝負を分けたのは紙一重の差。「ホントに大阪の皆様の声援のおかげ。エネルギーを体に吸収したおかげ。それ以外ないよ」と感謝した最高男は「最後はこの2019年MVPを獲る男が意地で勝ったんじゃないかな」とエースの誇りをちらつかせた。

 「俺は2019年このプロレス界で革命を起こす男」と自負する宮原にとって三冠ベルトは絶対不可欠な勲章。それを守り抜き、また一歩、目指すべき頂へと近づいた。次期挑戦者は現れなかったが、最高男は「とにかく今日は、7月いっぱいは今日の余韻に浸らせてくれ。それだけの余力も残ってない。次のことを考える余力も残ってない」とこぼし、V6の余韻を噛みしめていた。

【試合後の宮原】
▼宮原「よっしゃあ! 防衛果たした。試合後ホントに立っていられなかった。いつも見てる人はいつもの宮原健斗が出たのかなと思ってるかもしれないけど、ホントに立てなかった。それは宮原健斗vsゼウスという対戦カードでは、どちらかが立ち上がれなくなる。それは覚悟してるよ。ホントに苦しかった。ホントに大阪の皆様の声援のおかげ。エネルギーを体に吸収したおかげ。それ以外ないよ。今日はね、こうやってチケットが完売になって、俺も入場からね、その完売、そして大阪という地に感謝の気持ちを込めて入場したつもりだ。そして試合後、感謝を込めて宮原健斗のお披露目をしたかった。ただ、一つも余裕がない」

――今までの三冠戦の中でも一、二を争うぐらいきつかった?

▼宮原「ねぇ。やっぱりもうこのカードが組まれた以上、プロのレスラーとしてゼウスさん、そしてプロのレスラー・宮原健斗が対峙したら、そうならないといけないってお互い覚悟があったから、こういうものになったんだと思うし。でも最後はこの2019年MVPを獲る男が意地で勝ったんじゃないかな。ここ大阪、もちろん今日、大阪の皆様に感謝して。ただ、他の皆様も見てくれてると思ったから、ここでベルトを落とすわけにいかなかった。ただ、今日リング上で言った通り、俺は2019年このプロレス界で革命を起こす男だ。ここ大阪のみならず日本がホームだから。ここ大阪も今日、証明されたでしょ。宮原健斗のホームだよ。とにかく今日は、7月いっぱいは今日の余韻に浸らせてくれ。それだけの余力も残ってない。次のことを考える余力も残ってない。凄い。自分自身、戦ったこと言うのおかしいけど、凄いカードだ。よっしゃあ」

※ゼウスはノーコメント

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