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7/28【ZERO1】ライガーが引退前にZERO1初参戦 大谷、高岩にまさかのシングル要求

『第19回真夏の祭典・火祭り2019〜優勝決定戦〜』東京・後楽園ホール(2019年7月28日)
○大谷晋二郎&高岩竜一vs獣神サンダー・ライガー&ザ・グレート・サスケ×

 来年1月の引退が決まっているライガーが、かつての盟友、故・橋本真也さんが創設したZERO1マットに初参戦。サスケと組んで大谷、高岩と“あの頃の新日本ジュニア"をよみがえらせたうえで、大谷と高岩にまさかのシングルマッチを要求した。

 引退までいよいよ残り半年を切ったライガー。意外にもZERO1は初参戦だった。故・橋本さんは公私ともに縁深い盟友で、自身も「切っても切れない存在」と言い切る仲。引退を前に数少ない“忘れ物"でもあった「破壊王の創ったリングへの参戦」を実現させた。

 サスケと組んで、大谷&高岩組と対決。90年代に新日本ジュニアのみならず、日本ジュニアシーンの礎を築いたかつてのライバルたちと相まみえた。レフェリーは保永昇男さん、リングアナウンサーは“ケロちゃん"こと田中秀和。大谷&高岩は初代IWGPジュニアタッグ王者であり、ライガー&サスケ組は第3代王者。約20年ぶりの対決で“あの頃の新日本ジュニア"が蘇った。

 “ライガー効果"でこの日の後楽園は超満員札止め。田中リングアナの前口上から場内は興奮状態で、まず現れた大谷は新日本ジュニア時代のテーマ曲で入場。サスケはライガーとのコラボマスクでリングに上がった。

 そして獣神が姿を見せると、場内は興奮のるつぼに。のっけから先発して大谷と向き合い、気迫のこもったロックアップ、大谷が“気持ち"で離さぬ執ようなヘッドロックをみせ、ライガーの壁に挑み続けた“あの頃"が早くもフラッシュバックした。

 高岩も手四つからの力比べで真っ向からライガーを押しこんでみせたが、ライガーも大谷のヒザをカウンターの低空ドロップキックで撃ち抜いて反撃。そのままサスケとともに大谷のヒザを攻め立て、さらにはサスケがケブラーダ、ライガーがエプロンサイドを走ってのローリング・トペも敢行。空中技の競演に、場内はライガーコールに染まった。

 負けじと、かつて金本浩二とともに“とんがりコーンズ"とも呼ばれた大谷と高岩も逆襲。高岩がライガーの掌底をキャッチしてのデスバレーボムを繰り出せば、大谷も3度に渡る顔面ウォッシュで獣神の顔面をこすりまくる。ライガーの掌底も、自ら顔を突き出す大谷流で受け止めてみせた

 それでも気迫の掌底でライガーが押し切ると、後を受けたサスケがサンダーファイヤーパワーボムの構え。大谷が踏ん張ったところで高岩がラリアットでサスケをなぎ倒したものの、すかさずライガーが切れ込んで掌底で相手方をなで斬りに。サスケもセグウェイで大谷に3カウントを迫る。

 だが、高岩が駆けつけてライガー&サスケをまとめてラリアットでなぎ倒して救出。報いたい大谷もスワンダイブ式ミサイルキックでサスケを打ち抜くや、場外のライガーに見せつけるようなライガーボムをズバリ。サスケも肩を上げたが、最後は“破壊王の魂"を込めた袈裟斬りチョップを叩き込んだ大谷が3カウントをもぎ取った。

 試合後には大谷がマイクを握り「ライガーさん! ZERO1のリング上がってくれてありがとうございました! ライガーさんはもしかしたら知らないかもしれませんが、このリングは橋本さんが創ったリングです! 橋本真也が創ったリングがこうしてまだ残ってるんだ。あなたが上がってくれて本当に良かった! 心の底からありがとうございました!」と深々と頭を下げて感謝。ライガーがあの頃の新日本ジュニアをよみがえらせたうえで“忘れ物"を回収し、最初で最後のZERO1参戦を美しく終えた……と誰もが思った。

 だが、ライガーの口からは思わぬ言葉が飛び出す。「橋本真也が創ったリング。知ってて当たり前だろ。だからこそ!俺は今日、このリングに立ってる。俺を呼ぶのが遅えよ」と返答した獣神は、「大谷選手、高岩選手。強くなったな。あの頃のジュニアのお前たちじゃあ、もう無い。ただ、俺は来年1月に引退するけれども、まだまだお前らとは全然やり足りない。だから、ここでお前たちに礼を言うつもりはまったく無い! 1月4日、5日まで何度でもお前たちとやってやる。ここZERO1に来てくれたファンの皆様に、約束するからな!」と“続き"を札止めのファンに公約し、場内は割れんばかりのライガーコールに包まれた。

 バックステージでは「今日負けて“はい、それまで"ではいかない。リング上で言った通り、1月4日、5日までまだ日にちはある。まだZERO1のリングに立てるチャンスはある。だから大谷、高岩とシングルでやりたい。そこで俺を叩き潰してこそ『大谷です。高岩です。橋本真也さんが創ったリングを守ってます』って言えるんじゃないかと思う」とまさかの一騎打ちまで要求。残り半年で、あらん限りの完全燃焼を。そんな獣神のプロ意識と覚悟が改めて浮き彫りとなった。

【ライガーの話】「大谷、高岩は橋本真也が創り上げたこのZERO1のリングを守り通した。感心するよ。選手やりながら、営業やりながら、凄いことだと思うよ。だからと言って、今日負けて“はい、それまで"ではいかない。リング上で言った通り、1月4日、5日までまだ日にちはある。まだZERO1のリングに立てるチャンスはある。だから大谷、高岩とシングルでやりたい。そこで俺を叩き潰してこそ『大谷です。高岩です。橋本真也さんが創ったリングを守ってます』って言えるんじゃないかと思う。あの頃の新日ジュニア、残ってる選手のほうが少ない。外国人選手もそう。リングに上がり続けてるのは、サスケ選手も含めてわずかだ。そんななかで、あいつらだって“今日勝ったらそれで終わり"じゃない。そんなヤツらじゃない。強くなった大谷、高岩とシングルで、1対1で。もちろん! ここにいるサスケ選手ともシングルやりたい気持ちはある。俺の選手生命はあと半年だ。最後まで悔いなきように闘う。以上」

【サスケの話】「ライガーさん、残り半年ですが、皆さん、絶対に目を離さないように」

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