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9/2【全日本】アジアタッグ戦「ジェイク&岩本vsTAJIRI&KAI」が正式決定 相思相愛タイトルマッチへ“誓いの杯”

 全日本は2日、10・9後楽園大会の一部カードを発表。アジアタッグ選手権試合「ジェイク・リー&岩本煌史vsTAJIRI&KAI」が正式に決まった。相思相愛で実現するタイトルマッチへ向けて4人は王者組が用意した日本酒で“誓いの杯"を交わした。

 8・24美幌大会でジェイク&岩本が佐藤光留&岡田佑介を退け、初防衛に成功した試合後、次期挑戦者にTAJIRI&KAIを指名。この日、両チームによるタイトルマッチが正式に決まった。かねてから岩本が口にし、熱望してきた一戦でもあるが、実は昨年から4人の中で温められていたもの。巡業中に4人で集まった時に対戦実現を希望し合っていた相思相愛の関係だった。

 それから1年以上が経過し、王者組の指名にTAJIRI&KAIが呼応して実現することになった。この日の発表会見に4人が集結。タイトルマッチへ向けた意気込みを語った。王者組は2度目の防衛戦。しかも相手が熱望していたTAJIRI&KAIで燃えないわけがない。岩本は「僕らも待ちわびていた一戦なので、本当に楽しみの一言」と興奮しきり。特にTAJIRIとの出会いは岩本にとってとてつもなく大きく、「受けた影響は今の僕のプロレスのほとんどを占めてると言っても過言ではない」というほど。一方で「決して馴れ合いとかではない」と強調した。

 パートナーのジェイクにとってもこの二人との対戦には特別な思いがある。かつて本名のリ・チェギョンでデビューする前の新弟子時代、合宿所からの外出が禁止された状況で、大好きだった週刊少年ジャンプを買いに出かけることもできず。そんな中、「デビューしたら読めるようになるから頑張ろうぜ」と励ましてくれたのが当時の先輩・KAIだった。そして2011年8月17日の登別大会でデビューし、北海道巡業を終えて帰ってくると、合宿所の部屋には「デビューおめでとう」とのKAIによる書置きとともに大量の少年ジャンプがあった。

 当のKAI本人はすっかり忘れていたが、ジェイクは「その思い出というのは僕の中で深く深く大切に心の中にしまってあるもの」というほど思い入れのある出来事。「リ・チェギョン、ジェイク・リーというものを形成するうえでなくてはならないものだし、特別な思いがKAIさんにはある]と言い切る。そしてTAJIRIとの出会いによって「話していくうちに、だんだんそれが僕の刺激になっていって、いろんな人を考え方でTAJIRIさんが変えていって、動かしていって。しかもいい方向に」と多大な影響を受けた。そんな二人相手の防衛戦だからこそ、ジェイクは「そういうことが俺にもできるのかなって。できることならそうなりたいし、そうなるためにはやはりこの二人をもっと知らなきゃいけないし。逆を言えば超えなきゃいけない」と誓っている。

 対するTAJIRI&KAIにとってもジェイク&岩本とのアジアタッグ戦は望むところ。TAJIRIは昨夏、岩本とひと夏のかげろうを結成し、ジュニアタッグリーグ戦に優勝。あれから1年が経過し、今度はパートナーを代えて最古のベルトを争うことになった。「1年経ってもこういういい関係が崩れずにこうやってグレードアップできてるのは素晴らしいと思う」と今回のシチュエーションを歓迎し、「もともとアジアタッグに挑戦じゃなくて、この二人とやりたいというところからの話なんで。この二人とやりたいというか、ウチら4人で戦ってみたかった」と特別な思い入れを強調。KAIはジェイクの回想にテレながらも「今やアジアタッグ王者で、個別にも実力がある二人ですからね。もともとベルト持つ前から二人のことは認めてましたからね。強敵は強敵」と王者組に一目を置いた。

 そして会見の最後に王者組が用意した最高級大吟醸「徳川家康」で乾杯。アジアタッグ戦へ向けた“誓いの杯"を交わした。互いに希望して実現するからこそ、TAJIRIが「こういうことを事前に口にするのは結構、責任のあることだと思うんですよ。ここまで言ってしょっぱかったらどうするんだって話ですからね」というように下手な戦いはできない。高いモチベーションを胸に4人は最高級のタイトルマッチを魅せる。


☆10/9(水)東京・後楽園ホール『2019旗揚げ記念シリーズ』開幕戦 18:30開始

▼アジアタッグ選手権試合
[挑戦者組]
KAI
TAJIRI
(1/60)
岩本煌史
ジェイク・リー
[第108代王者組]
※ジェイク&岩本2度目の防衛戦


【会見の模様】
▼ジェイク「この対戦を会社側がやっとですけど、受諾してくれてありがとうございます。挑戦者側とかチャンピオン側とか、そんなことの前に、僕らはずっと戦いたい、戦ったら面白いんじゃないかなって話をずっとしてきました。なので今日はその4人が秘めたる思いを述べさせていただこうと思います。ねぇ、岩本さん?」

▼TAJIRI「ホストみたいだ」

▼KAI「カッコいいですね」

▼岩本「今、結構、いろんな方面でアジアタッグっていう名前を聞くんですけど、僕らが獲る前からずっと横にいるTAJIRIさん、KAIさんとやりたいと言ってましたし、もっとさかのぼれば、去年とか巡業回ってた時に4人でよく一緒に飲みに行ったりとかご飯食べに行ったりした時に、いつかこの4人でやりたいね、戦いたいたいねって。どんな形であれ、アジアタッグとは言ってなかったですけど、そういうような夢物語を4人でお酒飲みながら語っていました。それがやっとアジアタッグ選手権試合という形で実現するのは本当にうれしくありますし、楽しみにしてた僕らも待ちわびていた一戦なので、本当に楽しみの一言です」

▼KAI「いやぁ、うれしいですね。(岩本に向かって)久しぶりだね」

▼岩本「久しぶりですね」

▼TAJIRI「去年は4人でいつも一緒だったのに」

▼KAI「久しぶりだけど、久しぶりの感じしないですね会えば。今、二人が言ったように戦いたいって言ってましたからね。それが巡り巡ってこの今になったと」

▼TAJIRI「ジェイクと岩本君はSweeperという軍団ですけど、そこは人間同士なのでウマが合っちゃったりすることもあるんですね。そういう話を4人でいつもしてたんですよ」

▼KAI「組んだりとか戦ったりとかしたいなってしてたから。今回戦う機会が」

▼TAJIRI「やっとその機会が来たから、大切に対戦まで持っていきたかった。こういう順序が踏めてうれしいね」

▼岩本「ホントですね。やりたい時期とか今って時期はいくつか今日にいたるまであったんですけど、いろいろあって実現しなかったりとか、タイミングが合わなかったりとかだったので、これをやるにあたっての今は今しかないので。やっとという感じですね」

▼KAI「頼もしいというか、超えちゃってますね」

▼ジェイク「いえいえ、そんな、そんな。とんでもない」

▼KAI[さらにカッコよくなった…」

▼TAJIRI「何でボソボソしゃべってるの?」

▼KAI「さらにカッコよくなった気がしますね」

▼TAJIRI「ジェイクなんか木村拓哉みたい。カッコいいな」

――相思相愛だが、お互いのタッグチームとしての印象は?

▼KAI「もう今やアジアタッグ王者で、個別にも実力がある二人ですからね。もともとベルト持つ前から二人のことは認めてましたからね。強敵は強敵ですよね」

▼TAJIRI「ご隠居が全部言ってくれた」

▼岩本「さっきTAJIRIさんが言ったようにウマが合っちゃった4人という感じなので、印象というよりは好きなんですよね。この二人が。試合もそうですけど」

▼KAI「ありがとうございます」

▼岩本「考えもそうなんですけど」

▼KAI「テレますね」

▼ジェイク「教わったって感じですね。俺にいたってはジェイク・リーという名前で再デビューする前からリ・チェギョンの時から凄くお世話になった人で、これは公になってない話なんですけど、リ・チェギョンとしてデビューする前、僕が何をモチベーションにしていたかというと、週刊少年ジャンプが好きで、入寮したら外出禁止だよっていうことを洗面所の方でKAIさんに言われて、『デビューしたら読めるようになるから頑張ろうぜ』って。僕もともとプロレスをみて育ったわけじゃないし、プロレスラーになりたくてっていう思いも薄かったから、その一言が凄く励みになって僕の中で。何とか死に物狂いでデビューさせてもらって、それが北海道巡業かな。8月デビューさせてもらって、巡業から帰ってきて自分の部屋に戻ったら大量の少年ジャンプが置いてあって、えー!?って思って。そのジャンプの上に白紙の紙に『デビューおめでとう』って書いてあって、もうその時、俺、大号泣しちゃって。けど字体でわかるんですよ、誰がそういうふうにやったかって。言ったんですよ俺。ありがとうございますって。そしたら『いいよ、いいよ。俺、知らないし、そんなこと。頑張って』ってそれだけ言われて。今でもその思い出というのは僕の中で深く深く大切に心の中にしまってあるもので、リ・チェギョン、ジェイク・リーというものを形成するうえでなくてはならないものだし、特別な思いがKAIさんにはある。そしてジェイク・リーとして初めてTAJIRIさんに会って、最初は何だ、この人は? この考え方は何なんだ?と思って。けど話していくうちに、だんだんそれが僕の刺激になっていって、いろんな人を考え方でTAJIRIさんが変えていって、動かしていって。しかもいい方向に。何なんだろう、この二人はって。そういうことが俺にもできるのかなって。できることならそうなりたいし、そうなるためにはやはりこの二人をもっと知らなきゃいけないし。逆を言えば超えなきゃいけないしね。ただ単に目指すんじゃなくて。目指すだけだったら超えられないから。僕の中でTAJIRI&KAIというのはそういう存在です」

▼TAJIRI「俺たちのことこんな褒めてくれて」

▼KAI「ありがとう」

▼TAJIRI「少年ジャンプ全部読んだやつだったらどうするの?」

▼KAI「自分でも忘れてる。誰がやったんですかね?(苦笑)」

▼ジェイク「そんな思い出がある。ちょっと長くなりましたけど」

▼KAI「頭打ちすぎて記憶から飛んでたな。そんな人がいたんですね」

――昨年は岩本選手とひと夏のかげろうを結成してジュニアタッグリーグ戦に優勝し、1年経ってアジアタッグをかけて戦うこの状況に思うところは?

▼TAJIRI「グレードアップして戦うことになってるからいいなと思います。1年経ってもこういういい関係が崩れずにこうやってグレードアップできてるのは素晴らしいと思います。なかなかそうはいかないと思いますよ、プロレス界は」

▼KAI「もう1年前ですか」

――この1年間、TAJIRI選手から影響を受けてきた部分は大きいのでは?

▼岩本「とてつもなく大きいと思いますし、受けた影響は今の僕のプロレスのほとんどを占めてると言っても過言ではないと思いますし。ひと夏限りでのタッグチームで、そこからは何回か戦ったりとか、シングルも2回、3回ぐらいやったんですけど、全部僕もTAJIRIさんも戦いたくなかったんですね、その時は。今じゃないと思って。その間にも戦いたい時はあったんですけど、結局実現しなかったんですよね。今ベルトを持って戦いたいと思った時、これが実現するので1年前の僕の答え合わせではないですけど、どこまで入り込めるのかっていうような、お客さんにも楽しんでもらいたいけど、自分自身、そういう部分でのワクワク感は持ってますね」

――TAJIRI&KAI組は王者がこの二人ではなかったらアジアタッグに挑戦することはなかった?

▼TAJIRI「アジアに挑戦したいというか、この二人とやりたいんですよ」

――新ベルトへの興味は?

▼TAJIRI「それはできたら獲りたいよね」

▼KAI「それはもちろんほしいです」

▼TAJIRI「もともとアジアタッグに挑戦じゃなくて、この二人とやりたいというところからの話なんで。この二人とやりたいというか、ウチら4人で戦ってみたかった」

▼KAI「ないですもんね」

▼岩本「ないですね。6人タッグとかはありましたけど。でも決して馴れ合いとかではないんで」

――王者組はこれまでのタイトルマッチの相手の中で一番の強敵になるのでは?

▼岩本「ですね。ただ僕らのチャンピオン側の戦いたいって意思があるので、そこらへんはもう上回っちゃいますよね。強敵ですけどワクワクの方が上回っちゃいますし、4人で戦いたいねって言ってたのがやっと実現するうれしさもありますね」

――この二人を超えるのは大変な作業になるが?

▼岩本「そうですね。でもホント楽しみです」

――ジェイク選手は当時のジャンプで好きだったマンガは?

▼KAI「何ちゅう質問するんだ」

▼ジェイク「楽しみでした。週に1回の楽しみで。その時は本当に倍増しましたよね」

▼岩本「何が好きだったんですか?」

▼ジェイク「全部みてたな」

▼TAJIRI「今見てないの?」

▼ジェイク「今、たまーにですね」

▼岩本「週刊なのに」

▼ジェイク「けど、ジャンプ見るたびに思い出しますよ。あの時のことを」

▼KAI「忘れてたな」

――特に一番好きなのは?

▼ジェイク「何だろう。パッと出たのが『ピューと吹く!ジャガー 』。あれ、ぶっ飛んでるでしょ?」

――今回の結果に関係なく、このカードを今後も何度もやっていきたい気持ちはある?

▼KAI「簡単に、そんなにアレですけど」

▼TAJIRI「理想はまたすぐにやってくれとお客さんが言い出してくれるような戦いができればいいなと思います。こういうことを事前に口にするのは結構、責任のあることだと思うんですよ。ここまで言ってしょっぱかったらどうするんだって話ですからね」

▼岩本「この一戦をやってみて、どうなるかですよね。いろんな展開がたぶんあると思うんで。またやるのか、組んじゃうのか、どうなるのかっていう」

▼ジェイク「今この瞬間を楽しんでほしいの一言に尽きます。それをみてから今後を考えるのも一興かなと」

※写真撮影になりそうになると

▼ジェイク「少し待った。それではこの戦いを祝しまして、僕と岩本選手から…」

※日本酒と升を持ち出す

▼岩本「大吟醸です」

▼ジェイク「皆さんで一杯いかがでしょうか?」

▼岩本「まだ開いてないですからね」

▼TAJIRI「これは誓いの杯みたいなことですか?」

▼岩本「そうです」

※岩本が3人の升に酒を注いで

▼ジェイク「それでは、いい戦いをしましょう」

※と4人で乾杯

▼TAJIRI「ジェイクさん、これは何の杯だと記者の方は書けば?」

▼ジェイク「誓いですかね。いろんな意味での」

▼TAJIRI「頑張ろう」

※4人で拍手

――「徳川家康」の銘柄の意味は?

▼岩本「いい酒飲めたらいいなと思って大吟醸を」

▼ジェイク「徳川家康は天下泰平した人ですからね」

▼岩本「最高級って書いてありますからね。安い酒じゃダメかなと思って最高級を用意しました」

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