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9/11【DRAGON GATE】吉野号泣…ウルティモが“再合流"決意 対REDへ「闘龍門の歴史を教えてやる」

 『STORM GATE 2019』後楽園ホール大会が11日、行われ、ウルティモ・ドラゴンがDRAGON GATEへの“再合流"を決意。襲撃してきたREDに対し、「こいつらに闘龍門の歴史を教えてやるよ。もしわからなかったら、力ずくでわからせてやる」と通告した。

 DRAGON GATEの前身団体である闘龍門の創始者・ウルティモは、かつて袂を分かった弟子たちから要請を受けて、7・21神戸ワールドで待望の初参戦。その後も継続的に試合に出場し、8・24大田区にも参戦した。試合後、愛弟子の吉野正人に「そろそろ正式にこのリングに帰ってきませんか? このDRAGON GATEの一員となって帰ってきてくれないですか?」と要請を受けたウルティモは、「次回、後楽園ホール、そこに俺の答えを持っていけばいいだろ?」と今大会で結論を出すと明言していた。

 ウルティモはメインイベントで行われた『団体設立20周年記念特別試合 Vol.10』に出場。ドラゴン・キッド、ダークネス・ドラゴンとの“ドラゴントリオ"で、吉野&土井成樹&YAMATOと激突した。3人の龍が並び立つと場内は大きくどよめき、試合はお祭りムードに。ウルティモも奮闘し、土井とスピーディな先制争いを繰り広げて場内を沸かした。土井とYAMATOをヘッドシザースホイップ&首投げで同時に投げ飛ばすと、YAMATOを変型裏足4の字固めに捕らえる。キッドがクリスト、ダークネスがマフラーホールドで続き、関節技の共演に拍手喝采となった。

 終盤は両軍の大技合戦に。ウルティモのソバットからキッドがウルトラウラカンラナを仕掛けたが、YAMATOが踏ん張ると、土井吉の合体フェイスクラッシャー、吉野のリバースパワースラム、YAMATOのギャラリアが立て続けにさく裂する。ならばとダークネスの光の輪、キッドのウラカンラナが土井に火を噴くが、YAMATOがカットイン。そのYAMATOにキッドがトルネードDDTを敢行すると、ウルティモが満を持してラ・マヒストラルへ。

 決定的な場面だったが、それをぶち壊したのが極悪ユニット・REDの面々だ。REDを率いるEitaは以前から「俺たちは新しいターゲットを見つけたからな。そのターゲットを9月の後楽園で発表してやろうじゃないか」と予告。しかし、今日の自分の試合後には明言を避け、「後半3試合のどこかに俺らが現れるかもしれねえ」と意味深げに語っていた。

 Eitaたちはウルティモを襲撃。ノーコンテストの裁定が下されても構わず蹂りんする。そして、マイクを持つと、「俺らのターゲットはウルティモ・ドラゴンお前だ! 何がウルティモ・ドラゴンだ。何が闘龍門だ」と名指しし、「そんなに試合がしたいなら、俺らがぶっ潰してやるよ」となおも暴行した。

 それを見て助けに飛び込んだのが斎藤了、スペル・シーサー、ダークネスだ。本名が「サイトウ」だという共通点がある3人は、ここ最近、REDからしつこく「二軍扱い」されていた。師匠のウルティモを襲撃されて怒り心頭の斎藤は「ウルティモ・ドラゴンがターゲット? 頭が高いんだよ、コノヤロー。校長を攻撃するんだったら、俺たちは全力で体を張って校長を守る」と宣言する。なおも聞く耳を持たないEitaが改めてウルティモに対戦を迫ると、究極龍は決意に満ちた表情でマイクを握った。

 吉野をリングに招き入れたウルティモは、観客の反応を確認。大歓声が巻き起こると、「吉野、1つだけ俺にチャンスをくれ。こいつらに闘龍門の歴史を教えてやるよ。もしわからなかったら、力ずくでわからせてやる」とRED迎撃を決意し、斎藤ら3人を引き連れ、10・8後楽園でEita&ビッグR清水&神田裕之&ディアマンテ組を迎え撃つことが決定した。

 REDたちが去っていくと、斎藤が改めて「校長、本当にいいんですか? 正式にこのDRAGON GATEのリングに戻ってきてくれるんですか?」と確認する。ウルティモは「本当に自分みたいなオッサンが戻ってきていいんですかね? こんな着ぐるみ着ているからわからないですけど、中身は結構年なんで。大丈夫?」と素直に語りつつ、「吉野、本当に俺でよかったら、俺のほうからお願いします」と握手を求めた。

 これで吉野は号泣。ウルティモは優しく愛弟子を抱きしめる。「校長…。本当にこんな日が来るなんて思わなかったです。本当にありがとうございます」と吉野は涙ながらに感謝の言葉をかけ、究極龍と愛弟子たちが抱擁を交わす感動のエンディングとなった。

 団体に入団するのではなく、あくまでも信頼関係を土台にした再合流という形。これまでの「お客様」という状況から一歩踏み込んでDRAGON GATEと関わることになる。ウルティモは「実はちょっと吉野と大田区が終わって会って、自分が障害になる部分が何もないということが彼の説明からわかったので」と決断に至った理由を説明し、「吉野を含めて、周りの仲間が自由に自分らが思うプロレスを思い切ってやってほしい。それで、自分が多少のサポートができればなと」と今後のバックアップを約束した。

 REDに対しては「自分を名指しして言ってくれるのもある意味、嬉しい話、ありがたい話であって」と余裕のコメント。弟子たちとの再合流という思ってもみなかった展開に「周りのレスラーたちがドンドンリタイヤされたり、廃業されたりして、フェードアウトしている人もいる中で、こうやって声がかかるというのはひじょうにありがたいし、面白いなという」と感慨深げだった。

【ウルティモの話】「(入団という形になる?)いや、わからないですね。勢いで返事しただけで、詳細は吉野が決めるんじゃないですか。自分はもう、全て吉野に任せてあるんで。その辺はそういう時代じゃないですか。闘龍門ができて、そのあとにいろんなことがあって、今は吉野が中心になってやっていると聞いているんですけど。自分のスタイルで、自分のやってきたこと、それはもう20年目以上の話なんで。吉野を含めて、周りの仲間が自由に自分らが思うプロレスを思い切ってやってほしい。それで、自分が多少のサポートができればなと。まあ、入団とかそういう大袈裟な話じゃないと思うんですよね。実はちょっと吉野と大田区が終わって会って、自分が障害になる部分が何もないということが彼の説明からわかったので。自分はそれ以外のことを別に聞く必要もないし。これから自分がここでどういう扱いなのかとか、だいたい普通は自分で今までやってきて、当然そういうことは聞くんですけど、ここも全日本プロレスもそういうことは一切聞いたことないですし。プロレスっていうのは信頼関係でやるものなので。吉野たちが…土井とかもそうだし、斎藤了やこの辺の連中が、自分がいろいろ障害になっていたことを全部取り払ってくれたというか、それがないということがわかったので、自分からしたら何も別に。ただまあ、今はそういう体制でやっている彼ら素晴らしいなと。行動力というかね。そういうのは彼らを称えてやりたいですね。よく頑張ってきたなと。これからは自分が応援する立場ですよ。まあ、ヒールのほうはなんていうのかわからないけど、リングに上がって、自分を名指しして言ってくれるのもある意味、嬉しい話、ありがたい話であって。本当は自分がいつまでも壁になっているようじゃね。最初は賑やかしでいいと思うんですけど、自分は本当は第2試合、第3試合ぐらいで出るのが一番ベストかなと思いますね。でも、周りのレスラーたちがドンドンリタイヤされたり、廃業されたりして、フェードアウトしている人もいる中で、こうやって声がかかるというのはひじょうにありがたいし、面白いなという」