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10/9【全日本】念願TAJIRI&KAI戦で大苦戦もSweeperがアジアタッグV2、ジェイク三冠に弾み、岩本は世界ジュニアに照準

『2019旗揚げ記念シリーズ』開幕戦 東京・後楽園ホール(2019年10月9日)
アジアタッグ選手権試合 ○ジェイク・リー&岩本煌史vsKAI&TAJIRI×

 念願だったTAJIRI&KAIとの一戦で大苦戦を強いられたSweeperだったが、最後は逆転勝利でアジアタッグ王座V2。ジェイクが10・24後楽園に控える三冠戦に弾みをつけると、岩本は世界ジュニア獲りに照準を絞った。

 第108代アジアタッグ王者のジェイク&岩本組は8・24美幌で佐藤光留&岡田佑介を下してV1。試合後に次期挑戦者としてTAJIRI&KAIを指名した。かねてから岩本が熱望していたが、実は昨年から4人の中で温められていた顔合わせ。巡業中に集まった時に対戦実現を希望し合う相思相愛の関係だったが、いよいよリング上で4人が並び立った。

 序盤からTAJIRI&KAIが主導権を握る。狙いはジェイクの右ヒザだ。場外に転落したKAIがジェイクを挑発。それに呼応したジェイクがロープを跨ごうとした瞬間に控えのTAJIRIが奇襲を仕掛ける。即座にKAIは断崖式ドラゴンスクリューをズバリ。そこから入れ代わり立ち代わりで執拗にジェイクの右ヒザを痛めつけた。

 一旦ジェイクがピンチを脱すると、岩本が試合を立て直す。そして、再びジェイクがリングに入ると、岩本がKAIの両足をトップロープの上に固定してネックスクリューの構え。そこにジェイクがヒザ蹴りを浴びせる得意の連係攻撃に。しかし、またもTAJIRIが暗躍して阻止すると、KAIが右ヒザ攻めを再開。ジェイクはまたまた悲鳴を上げた。

 その後もTAJIRI組のインサイドワークが冴え渡る。TAJIRIはジェイクをレフェリーと交錯させて無法地帯を作り上げると、割り込んだ岩本が孤高の芸術の構えに入ったどころで、狙いすましたグリーンミストを噴射。岩本を戦線離脱に追い込むと、ジェイクを一気呵成に攻め立てた。ジェイクが強引にバックドロップを狙っても、TAJIRIはレフェリーを蹴り飛ばして、またまた無法地帯に持ち込み、ジェイクにもグリーンミストをお見舞い。KAIのラリアット、サンダーファイヤーパワーボム、TAJIRIのバズソーキックが立て続けに火を噴いた。

 しかし、ジェイクは沈まない。TAJIRIがまたもレフェリーを巻きこんで流れを奪いにかかるが、ジェイクは一気にバックドロップで引っこ抜くと、介入したKAIもバックドロップで返り討ち。粘るTAJIRIは今日3度目となるグリーンミストをジェイクに噴射したものの、横やりを入れた岩本がドンピシャのタイミングで孤高の芸術を敢行すると、ジェイクは間髪入れずにジャイアントキリングを突き刺して3カウントを奪い取った。

 ジェイクと岩本が顔を緑色に染めながらも、最後の最後で逆転勝利を挙げてアジアタッグ王座V2。試合中はやりたい放題だったTAJIRI&KAIも潔く敗北を認め、ジェイクたちを称えた。

 この日、世界最強タッグ決定リーグ戦の出場チームが発表に。ジェイクは野村直矢とエントリーすることになり、アジアタッグ王者チームでの出場は叶わなかった。試合後、岩本は「今日の防衛で、アジアタッグの権威、価値はより上がったと思います」と胸を張ったものの、「最強タッグ、アジアタッグ王者として出れないというのはちょっと俺としては寂しいです」と吐露。それでも「ただ! 最強タッグが始まるんだ。11月になるんだ。俺はジュニアに目を向けていくぞ」と宣言した。世界ジュニア王座は現在、亡くなった青木篤志さんが保持した状態だが、11月20日で返上扱いとなる。それを見据えた岩本は「世界ジュニアの争いが始まるんだ。世界ジュニアがない今、アジアを守ってきたのは俺だ。世界ジュニア、俺が真っ先にぶんどってやる」と目標を掲げた。

 ジェイクの狙いは当然、三冠王座。すでに王道トーナメント覇者として、10・24後楽園で王者・宮原健斗に挑むことが決定している。今日の勝利で弾みを付けたジェイクは「王道トーナメント優勝した、アジアタッグ防衛した。そしたら次はなんだ? 三冠ベルトに決まってるだろ? ここいらで俺がぶんどって、そして世界タッグもぶんどって、俺が話題の中心になってやる。俺は無理だと思わない。絶対俺ならできると信じてここまってやってきた。だから、お客さん、あんた方、信じてみようぜ、俺を!」と主役奪取を予告した。

 アジアタッグ王座への熱い思いはあるものの、ひとまずは岩本もジェイクもシングル王座に照準。互いにベルトを獲得し、さらなるレベルアップを果たして、再びタッグを組む構えだ。

【試合後のジェイク&岩本】
▼岩本「ジェイクさん、今日もありがとう」

▼ジェイク「こちらこそだよ」

▼岩本「何とか…何とかずっとやりたかったTAJIRI&KAIとの対戦にこぎつけて、そして防衛したぞ。終わってしまった寂しさっていうのは、正直メチャクチャある。あの2人とリング上で交わるのが途切れてしまうんじゃないかって。そんな思いもあるけどね。プロレス界って絶対巡り巡ってくるから。まだ全日本にも出るでしょ? 最強タッグもあるし。またね、出会えるよ。ジェイク&岩本組vsTAJIRI&KAI組。でも、俺はアジアタッグ王者として最強タッグにエントリーされなかった。そういうフラストレーションが溜まったよ、今日で。なんでジュニアのことを今まで言わなかったか。アジアを持ってたし、このタッグチームというのは俺に取っちゃメチャクチャ大切なんだ。これと一緒に、ジェイクさんとのタッグと一緒に、並行して世界ジュニア。そんな簡単なもんじゃないし。どっちもね。でも、最強タッグが始まって、組むことはたぶんほぼない。ジェイク&岩本組というのはほぼない。だから、俺はもう世界ジュニア、ジュニア戦線に目を向けていく。普通のジュニアと一緒にするな、俺を。ずっとアジアを守ってきたんだ」

▼ジェイク「先にポジティブな部分から。王道トーナメント、アジアタッグ防衛、2つ達成しました。シングルとして、そしてタッグとして、しっかりとした力を付けてきております、私、ジェイク・リーです。10月24日、後楽園ホール大会。三冠王者が今、何を思っているのかはわからないけど、俺はもうこのシリーズ初日からガンガン飛ばしてるよ。だからこそ、今俺が行かなきゃいけないし、俺だったら行けるって常に自分に言い聞かせているし、言い聞かせなくてもそう思うようになってきた。イメージは必ず具現化する。もう勝って乾杯している映像までイメージはできているんだ、こっちはよ。だから、10月はノンストップで行きますよ、俺は」

▼岩本「よし。幸先いいスタートを切ったからね」

▼ジェイク「そして、ネガティブなこと」

▼岩本「おい」

▼ジェイク「そう、最強タッグだ。やっぱりユニットのパートナーじゃない…一度は世界タッグを狙ったものの、けどいきなりあそこで発表されちゃちょっと。今日、ベルトの防衛をしたのに、なんでっていう気持ちになる。ただ、そこはパートナーの岩本煌史はもうジュニアってものに目を付けているし、ネガティブをポジティブに変えようかなと、今俺の心の中で思ってる。全てはプラスにだ。今年、いろいろ動いていきますよ、俺らは。だから、次はもう明日試合があるけど、そちらのほうもぜひチェックしてください」

――イケメンはイケメンだという自覚はある?

▼ジェイク「僕はまだ自分をイケメンだと思ってない。まだなんですよ。もっともっと成熟しきったら、もしかしたらイケメンにちょっと近づくかもしれないと思っている」

▼岩本「こういうところがカッコいいよね(笑)」

――リアルジェイクリームソーダ状態に

▼岩本「本当だよ(笑)

▼ジェイク「あんまり美味しくなさそうだなあ。リアルジェイクリームソーダか。まあ、ジェイクリームソーダのほうでもいろいろやってはいくので、よろしくお願いします」

【試合後のTAJIRI&KAI】
▼KAI「はかなくも、やりたいと思っていたことが散りましたね」

▼TAJIRI「そうだね」

▼KAI「でも、負けたけど、どうですか? 悔いないですよね」

▼TAJIRI「うちらの4人の物語も一章終わったな。これからそういうのは踏み越えて、次のステージに行かないと、みんな」

▼KAI「そうですね。この4人の物語は一旦今日で終わりましたね。自分たちもね、最強タッグ、2年ぶりにTAJIRI&KAIで出場が決まっているんで。そこに切り換えていくしかないですよね」

▼TAJIRI「いや、しかしなあ…。ジェイクは何か魔神のようになってきている」

▼KAI「化け物ですよね。リングに立つと、さらになんか目の前に壁が立っているような感じがしますよね」

▼TAJIRI「けどさ、まだまだ本気が足りないんだよ、あの2人も。あの2人がもっともっと本気になって、もっと変えなきゃいけない。で、あんなもんじゃないじゃん? そういう意味で、本気がまだ足りないと思うんだよね。まだまだやれる」

▼KAI「そうですね。やれますね」

▼TAJIRI「彼らの立ち振る舞いがもう全日本プロレスを変えるぐらい、ビシッとさせるぐらいにさ、彼らで持っていなきゃいけないと思うんだよね」

▼KAI「本当にそうですよね。先頭にあの2人が立っていくつもりでやってもらわないと、変わらないですよ。まあ、行ける2人だからこそ、こういう風に言っているわけで」

▼TAJIRI「うちらは地方のローカル線の私鉄のように、細々と、だけど味わい深くやっていくから」

――あれだけ何度も毒霧を出して返された試合はそんなにないのでは?

▼TAJIRI「そうですね。毒霧っていうのは、あれが僕の一生懸命、本気なんでね。あれはあれで僕の彼らに対する一生懸命の表現なんで。ジャンジャン使います」

▼KAI「ありがとうございました。最強タッグよろしくお願いします」

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