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11/14【JUST TAP OUT】ライガーが現役最後のシングルマッチ堪能 TAKAにエール「自分の足でプロレス人生歩んでいけ」

『プロフェッショナルレスリング JUST TAP OUT「恩」』東京・後楽園ホール(2019年11月14日)
○獣神サンダー・ライガーvsTAKAみちのく×

 ライガーがTAKA相手に現役最後のシングルマッチを堪能。激闘をランニング掌底で制すると、動けないTAKAに「お前ひとりで立ち上がれ!」とゲキを飛ばし、「自分の足でプロレスこれからのプロレス人生を歩んでいけ」とエールを送った。

 来年1月の新日本東京ドーム大会で引退することが決定しているライガーが最初で最後のJUST TAP OUT参戦。「プロレスラー27年のキャリアの中で一番といってもいいくらい影響を受けた選手」とリスペクトを示すJUST TAP OUT代表のTAKAが迎え撃った。

 これまでの通算戦績は2勝2敗で、“恩返し"の勝ち越しを狙うTAKAは、普段のようなラフファイトを見せず、正攻法にこだわる。序盤こそライガーの重厚な試合運びの前に後手に回ったものの、必殺のジャストフェイスロックに繋げるために首狙いに着手。首4の字固めやクロックヘッドシザース、三角絞めなどで絞め上げると、串刺しニーやランニングニーをぶち込み、一気にジャストフェイスロックでギブアップを迫った。

 しかし、ライガーは沈まない。みちのくドライバーII狙いを切り返して、風車式バックブリーカーを決めると、反撃に転じる。ランニング掌底やライガーボム、フィッシャーマンバスターなど得意技を惜しげも無く披露した。

 しぶといTAKAもまたまたジャストフェイスロックに絡め取ると、両腕クロス式に持ち込み、絶叫しながら絞め上げてあと一歩のところまで獣神を追い詰めたが、ライガーは執念のロープエスケープ。カウンターの掌底で攻勢に転じると、TAKAのスーパーKとの打ち合いになっても意地で押し切り、浴びせ蹴り、垂直落下式ブレーンバスターと猛ラッシュ。TAKAは必死に肩を上げたものの、ライガーはこん身のランニング掌底を2連続で叩き込んで、3カウントを奪い取った。

 本人曰く「俺のプロレス人生で最後のシングルマッチ」という区切りの一戦で勝利を飾り、TAKAとの通算戦績を3勝2敗とした。マイクを持ったライガーは「このJUST TAP OUTという団体はお前の肩にかかってんだ。お前ひとりで立ち上がれ、コラ!」と動けないTAKAにゲキを飛ばす。その上で、「俺は今日、第1試合から試合を見てたよ。お前、いい選手育ててんじゃねえか」とTAKAを評価し、「この団体が上がるも下がるもお前次第なんだ。若いヤツらの面倒見なきゃいけねんだよ。お前がしっかりしろよ。自分の足でこれからのプロレス人生歩んでいけ」とエールを送った。

 神妙な面持ちで獣神の言葉を聞いていたTAKAは「ライガーさんよ。俺は最初から最後まであんたを超えることはできなかった。あんたのことを呼び捨てできなかったよ。最後まで俺がガキの時に見たライガーさんだった」と本音を吐露。「最後負け越したけど、俺は悔いがない。最後、シングルマッチをやってくれてありがとうございました」と感謝の意を表した。先にリングを降りたTAKAが頭を下げると、ライガーも一礼で返答した。

 「いろんな団体に上がるけれど、マッチメイクが発表されているのを見ると、シングルはこれが最後だったかなと。いいシングルだったよ、俺の中でも。ただ、TAKAのバカヤロー、フェイスロックをねじ切るようにしやがって。しびれてるよ。それだけヤツも必死だったってことだ。俺も必死だった。だからプロレスなんだよ」と振り返ったライガー。引退まで2ヵ月を切ったが、「それまでいつも通りだ。練習して、体調を整えて、試合をして。早く寝て、疲れを取って、また次の日、同じサイクルで俺はプロレスをやる。俺はレスラーなんだ。プロレスラーなんだ。プロレスをやる。1月の4日、5日までプロレスをやる。それだけだ。他になにもない」と自然体を強調した。今までと同じように1試合1試合を大事にしながら、獣神は最後まで引退ロードを戦い抜く。

【ライガーの話】「まあ、このあとの試合を見たところ、俺のプロレス人生で今日が最後のシングルマッチだったんじゃないかと思うんだ。いろんな団体に上がるけれど、マッチメイクが発表されているのを見ると、シングルはこれが最後だったかなと。いいシングルだったよ、俺の中でも。ただ、TAKAのバカヤロー、フェイスロックをねじ切るようにしやがって。しびれてるよ。それだけヤツも必死だったってことだ。俺も必死だった。だからプロレスなんだよ。まあ、TAKAが俺を超えられなかったって言うけど、ヤツのプロレス人生まだまだこれから先があるんだよ。俺は今日で終わっちゃうんだよ、シングルはな。1月の4日、5日でライガーも終わってしまう。いくらでも超せるじゃないか。ヤツなら余裕だよ。だからあれだけサバサバしてたんじゃないか? 俺はまだ現役続けられるんだっていう。まあ、僕はとにかく4日、5日で終わる。6日はセレモニーか。それまでいつも通りだ。練習して、体調を整えて、試合をして。早く寝て、疲れを取って、また次の日、同じサイクルで俺はプロレスをやる。俺はレスラーなんだ。プロレスラーなんだ。プロレスをやる。1月の4日、5日までプロレスをやる。それだけだ。他になにもない。それだけ。それだけ。よく聞かれるんだ。迫ってきてますけど、と。変わったことやってないから。今言ったことだから。本当に忍びないと思うんですよ、同じことを言って。ただ、本当に練習して、コンディション整えて、試合をして、また次の日に向けて動く。以上なんだよ。だから、4日、5日、しっかり見届けてほしい、みんなにね。終わったあとでまた感想を聞きに来てくれたら、その時は冷静にこうだった、ああだったと答えられるかもしれない。とりあえず今の俺は、毎日、1日1日をそうやって過ごしていくから。それだけ。それだけだよ。TAKAに言っといてくれ。ありがとう。いい舞台を用意してくれたし。TAKAみちのくは強いわ。レスリングをやったって上手いし、隙はないし、決める時はキッチリ来やがるし。こんな首がボキボキ鳴ったの初めてだよ。しびれてる。そういう風に伝えておいてください」

【試合後のTAKA】※メイン終了後にコメント
▼TAKA「凄いの一言。ホントなんで引退するんだっていうぐらい1つ1つが重くて。1発1発が…何を食らったんだろう? 本当に久々に、俺は受け身には自信があったけど、掌底何発目かの時に…ライガーボムも食らったのかな? わけがわからなくなりました。何をやられたのかもわかりません。だけど、やっぱ勝ってね、最後は勝ち越して超えたって言いたかったけど、負けて悔いなし。最後の最後で物凄い強い獣神サンダー・ライガー、俺が憧れた獣神サンダー・ライガーと戦えて。物凄い1発1発が重くて、凄くいいプロレスをさせてもらったなっていう。ライガーさんからのこれはメッセージかなって。俺は去るけども、お前らはもっとガンバレっていう。凄いムチを。愛のムチかはわからないけど、物凄いそういうものを感じたんでね。ホントに神は神のままだった。結局、俺はライガーさんってさんづけをやめれなかったことが甘かったなっていうのはある。やっぱ自分の中にどこかで、少年時代の憧れが抜けないから、それが敗因なのかなっていう。勝負に徹底していたつもりだけど、物凄いこんな強いライガーさんは…鬼神ライガーか? 鬼神ライガーは違うか。とにかく強い、今まで過去4回やった中で、今日は5回目か。一番強く感じた。引退直前なのに。それぐらい今はいろんな試合をして、コンディションもいいのかなと。とは言っても、俺はまだまだ続くし、生涯現役なんでね。ライガーさんが終わって燃え尽きたくなかったので、またちょっと何かをやりたいと思った時に、ふとね、かつてのパレハ・タイチが浮かんだんで。テーマのない戦いはしたくないんで、1月はタイチと組んで、なんかやらかしてみたいなと。タイチと組めば、また何か面白いことが浮かぶんじゃないかなと思って。だから、1月14日、JUST TAP OUTのリングで、TAKAタイチのタッグを久しぶりに。相手は未定です」

――ライガー選手へのTAKA選手なりの恩返しはできた?

▼TAKA「今の俺の全てを出せたと思うんで。でも、届かなかった。まあ、過去に2回勝ったと言っても、最後の最後で引退直前のライガーさんに全てをぶつけても勝てなかった。でも、俺の今をぶつけれたんで、リング上で報告はできたなと思います。勝てなかったことは悔しいけど、でもやっぱ凄い人だった、凄い人のままで終われた。そういう意味では、俺は満足してます。だから、俺の恩はリング上で出せたと思います」

――バックステージではライガー選手から「ありがとう」という言葉があった

▼TAKA「こちらこそですよ。この忙しい引退ロードの中で、海外から帰ってきたばっかりで、明日から連戦があるのもかかわらず、俺の無理を聞いて、シングルマッチを受けてくれたライガーさんの心意気。これには最高の最大の感謝を。だからこそ全力を出して正攻法でぶつかっていったんですけどね。さすが世界の獣神サンダー・ライガーですわ。最後の最後までホントに強かった。それを最後に全身で体感できて、俺は幸せだなと思いますよ」

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