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11/15【デストロイヤーメモリアル】武藤&宮原&ライガーが豪華足4の字共演 「プロレス、デストロイヤーさん最高!」で締め

『ザ・デストロイヤー メモリアル・ナイト〜白覆面の魔王よ永遠に〜』東京・大田区総合体育館(2019年11月15日)
○武藤敬司&宮原健斗&獣神サンダー・ライガーvsSANADA&BUSHI&KAI×

 デストロイヤーさんのメモリアル興行で武藤&宮原&ライガーが4の字固めで豪華共演。最後は宮原が「プロレス最高!」の雄叫びで絞めた。

 今年の3月7日に88歳で死去したデストロイヤーさんのメモリアル興行でメインに立ったのは、代名詞的必殺技“足4の字固め"を継承する武藤と、“マスクマン"という存在を引き継いだライガーだ。全日本の三冠王者・宮原との豪華トリオが実現した。

 対するは新日本マットでロス・インゴ軍として暴れ回るSANADA&BUSHIにフリーのKAIを加えた元全日本同期トリオ。武藤の愛弟子にあたる。武藤とSANADAの師弟対決から幕開け。グラウンド戦だけでファンの視線を釘付けにすると、武藤のフラッシングエルボー、SANADAのその場飛びムーンサルトプレスはどちらも空を切った。タッチをもらったライガーも張り切る。来年1月に引退試合を控えているとは思えない動きを披露し、スライディングキックやロメロスペシャルで大歓声を誘った。

 宮原もそんな2人より目立とうと奮闘。デビュー戦の相手であるSANADAに低空ドロップキック、側頭部へのドロップキックの連続攻撃やノーザンライトスープレックスなどで畳みかける。SANADAも華麗なリープフロッグからのドロップキック、プランチャの波状攻撃でやり返し、刺激的な攻防を展開。互いに串刺し攻撃でせめぎ合うと、額をつけてにらみ合い、エルボー合戦で火花を散らしたが、SANADAがバックドロップでぶん投げて意地を見せた。

 15分経過と同時に今度は武藤が魅せる。ドラゴンスクリューで相手チームをナデ斬りにすると、ライガーの掌底、宮原の串刺しブラックアウトが連続してKAIにさく裂。即座に武藤はシャイニングウィザードへ。これをKAIがガードすると、SANADA&BUSHIが加勢。息を吹き返したKAIはサンダーファイヤーパワーボムを決めると、武藤を羽交い締めにしたものの、SANADAのミサイルキック、BUSHIの毒霧が連続して誤爆してしまう。すかさずライガーが掌底、宮原がブラックアウトで続くと、武藤はシャイニングウィザードを今度こそ一閃。粘るKAIは肩を上げたが、武藤は低空ミサイルキック、ドラゴンスクリューから足4の字固めに捕らえると、ライガー、宮原も足4の字固めでSANADAとBUSHIを分断。足4の字の豪華共演で試合を制した。

 天国のデストロイヤーさんに見せつけるかのように、足4の字固めで試合を制した武藤だが、先にリングを降りてしまう。宮原もロープをまたいでエプロンに出たが、ライガーに引き止められてリングに戻った。するとライガーも去っていく。結果的に締めを任された宮原は「今日は最後までご声援ありがとうございました!」と代表して観客に感謝の意を表した。さらに、「ザ・デストロイヤーさんを思って集まった武藤敬司さん、獣神サンダー・ライガーさん、ありがとうございました。少しはリングに残ってくれてもいいのに…」とこぼしながらも、「自己紹介遅れました。第62代三冠ヘビー級チャンピオン、並びに2019年MVP確定男、宮原健斗です」と改めてあいさつ。「デストロイヤーさんの時代、そして武藤敬司さん、獣神サンダー・ライガーさんの時代、リスペクトします。これからのプロレス界は俺らの世代がさらに盛り上げていくから」と力強く誓った。

 「健斗」コールを煽ると、最後は「プロレス最高ですか!?」と絶叫。客席から「最高」と声が飛ぶと、「今日は凄い聞こえるぅ!」と満足げに言い放ち、「プロレス最高」、そして「ザ・デストロイヤーさん、最高!」と雄叫びでフィナーレとなった。

 宮原にマイクアピールを任せて先に引き上げてきた武藤とライガーは、今回が長いキャリアの中で最後のタッグ結成となった。武藤は「いろいろと長い間ありがとう」とライガーの労をねぎらいつつも、「ちょっとほとぼりが冷めたら、MASTERに出ようよ。MASTERは引退してもいいんだから」と勧誘。ライガーはやんわりと断ると、武藤とともに最後の合体という機会をくれたデストロイヤーさんに感謝した。

 大会を第1試合から見守っていたデストロイヤーさんの息子にあたるカート・ベイヤーさんは「今日のイベント、レスラーたち、お父さんの友達ばっかりだった。渕さん、グレート小鹿さんも来たし、藤波さんも来たし、武藤さんみんな来た。お父さん、ハッピーじゃないかと思う。とってもいい日、ハッピーだった」と父の思いを代弁。「日本は好きだった。もう1回来たかったと思う。もう1回ぐらい日本に来れたらいいなと思っていたけど、時間がなくなった」と寂しさを垣間見せつつも、「本当に今日、みんな来てくれてありがとう。ありがとうしか言えない。ありがとうございます」と最後まで感謝の言葉を口にしていた。大会を締めくくった足4の字固めからもわかるように、“白覆面の魔王"の遺伝子はこれからも日本のプロレス界で受け継がれていくだろう。


【試合後の武藤&ライガー】
――最後はトリプル4の字だった

▼武藤「まあまあ、成り行きで。ただ、相手の3人はかつて俺の弟子で、羽ばたいていって。いろいろ言いたいことはあるけど、まあまあ成長が見れてよかったです。そして、横にいる健斗? 俺が全日本プロレスを去って、初めて…初めてじゃないか。何回か見て、それも光栄に思ったし。なんて言っても、獣神サンダー・ライガー…」

※遅れてライガーがやってくると

▼武藤「ライガーが来たよ。これでライガー、見納めだ。いろいろと長い間ありがとう」

▼ライガー「こちらこそありがとう。今日は武藤選手が言うんだよ、リング上で。長い間ありがとうって。リングでお前、オジサンが泣いたらカッコ悪いだろ?」

▼武藤「いや、マスク被っているからわからないっすよ」

▼ライガー「だけど、本当に武藤選手とはいろいろと。ムタvs鬼神があったりとか、いろいろありました。武藤選手の才能に嫉妬したこともあったし。こうやってタッグを組めて、本当にプロレスラー冥利に尽きる。武藤敬司とタッグを組めたのは、プロレスラー冥利に尽きる。俺がどうのこうの言わなくたって、プロレスラーはみんな感じていることだから。(宮原のマイクアピールがきこえてくると)宮原はなんか言っているけども。ああいう風になってるけど、試合前は武藤選手と組むからって、えらい練習してたんだから」

▼武藤「俺らでも知らないタイプのレスラーですね(笑)」

▼ライガー「武藤選手が『これどうするんですか』みたいなことを最初言うから、俺もわかんねえですよ、これって。とりあえず彼を抑えておこうと。あまり走りすぎてもあれなんでって。で、武藤選手がレスリングでやって。そういうところは武藤敬司ですよ」

▼武藤「ただね、俺は本当に今日嬉しくてね。弟子たちがいて、横にはライガーがいたりして。本当にこういう機会を会えてくれたデストロイヤーに感謝ですよ。ありがとうございます」

――ライガー選手も最後は4の字固めとなったが?

▼ライガー「僕の足も太くて短くて、デストロイヤーさんに似ているところがあるんで。わりと昔は使ってたんですけど。武藤選手が最後にシャイニングウィザードを返されたのはビックリしましたけど。ここ一番は凄いわ。そのまま持っていくんだもん、4の字に。流れが凄い。こっちもついつい隣で乗せられたし。今日はデストロイヤーさんに感謝です。武藤敬司に感謝だ。凄い」

▼武藤「ライガー、ちょっとほとぼりが冷めたら、MASTERに出ようよ。MASTERは引退してもいいんだから」

▼ライガー「ほとぼりってなんだよ(笑) ほとぼりじゃねえよ。まあ、どさくさに紛れて、あれ、MASTERに上がっている…ってないない。でも、本当に武藤選手ありがとうございました。お世話になりました」

▼武藤「ライガーありがとう」

※2人で抱擁を交わすと

▼ライガー「宮原がそのうち来ると思うから。あれはあいつで単独でやってあげて。なに喋るかよくわからないから」

【試合後の宮原】
▼宮原「2人は? なんでいないんですか?」

――あとは宮原選手に任せると

▼宮原「まあ、しょうがないですかね」

――最後は3人での4の字固めとなった

▼宮原「忘れました。まあ、デストロイヤーさん、僕はお会いしたことも、試合を見たことも直接はありませんけど。ただね、プロレスの歴史っていうのは長いんであって、それを僕はずっとリスペクトしているし、先輩方もリスペクトしているし。ただ、それをずっと言っててもしょうがないんで。まあ、今日組んだ武藤さんとライガーさんというのはね、リスペクトはしてますけど、リングに立てば別ですから」

――いつも以上に自由に戦っているように見えたが?

▼宮原「いや、いつも通りですよ。見てないだけでしょ? 勉強不足です。いつもあんな感じです」

――対戦相手に対しては?

▼宮原「まあでも、時間が6人タッグっていうことで限られてもいるし。それはファンの皆様が今日試合を終えて、SNSなりで声を上げれば何かが動くのかもしれないし、何かが動かないのかもしれないですけど、それはプロレス界の中の人じゃなくて、プロレスの外の人が動かす力だと思うんでね。それは別に俺から言うことはないです」

――さらに戦いの幅がドンドン広がっていくのかなと感じたが?

▼宮原「それは今日に限らず、日々日々試合の中で、僕は一番今の試合がベストだと思ってやっているんで。ただね、武藤さんとライガーさんのように、入場曲でお金を取れるレスラーというのはそんなにいるもんじゃないと思うんで。そこは僕が目指すところかなと思いますね」

――パートナーになった2人を常に意識している?

▼宮原「日頃の生活で意識することはないですけどね。今日は組むっていうことで。でもまあ、終えてみて思ったのが、やっぱりもう俺の時代が来ているなと思ってますよ」

――凄い歓声だった

▼宮原「それはファンの人が出していただいていることなんで。リングの中での動きですよ。そう改めて感じることができたんで、自分のやっていることは間違いないなと思ってますよ」

――SANADA選手との絡みがあったが、どんな手応えだった?

▼宮原「デビュー戦以来ぐらいの、11年ぶり、12年ぶりぐらいに当たったんで。と言っても、多少触れたのみなんでね。まだまだどうなるのかは。でも、デビューして11年経って、こういう形で会うってことは想像してなかったし、ていうことは何が起こるかわからないというのがこの世界だと思うので。それは絶対はないと思います。何が起こるかわからないと思います」

――MVPを狙う宮原選手としては…

▼宮原「もう決まってますよ」

――今日はアピールするいいチャンスだったと思うが?

▼宮原「それは見ている人が判断すれば。僕が決めることではないんで」

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