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11/27【WRESTLE-1】イケメンと芦野が最初で最後のタッグ結成 近藤&CIMA撃破でエール交換

『WRESTLE-1 TOUR 2019 AUTUMN BOUT』東京・後楽園ホール(2019年11月27日)
○黒潮“イケメン"二郎&芦野祥太郎vsCIMA&近藤修司×

 イケメンと芦野が最初で最後のタッグを結成。近藤&CIMAの強力コンビを撃破すると、互いにエールを交換した。

 近藤がW-1に新たな刺激を注入すべく、副社長権限でCIMAとのタッグ結成を独断で決定。そんな2人の対戦相手に名乗りを挙げたのが、イケメンと芦野だった。今年3月にW-1を退団し、来年から活動の拠点をアメリカに移すイケメンは電話でライバルの芦野にラブコール。若手時代から常に敵対してきた2人が最初で最後のタッグを組み、近藤&CIMAに挑んだ。

 入場時から距離のある芦野とイケメンは連携攻撃を狙っても、どちらが先に仕掛けるかで押し問答。イケメンのナックルパートは芦野に、芦野の逆水平はイケメンに誤爆し、早くも小競り合いを繰り広げる。しかし、これは近藤の隙を突く作戦。ドンピシャのタイミングでダブルドロップキックをぶち込むと、ガッチリと握手した。

 一方、近藤とCIMAは冷静に試合を展開。ベテランらしい的確なタッチワークで代わる代わるにイケメンをいたぶり、ヒザ攻めでリズムを刻んだ。タッチをもらった芦野が反撃に転じ、CIMAをアンクルロックに捕らえるが、近藤組は抜群の連携を披露する。突進した近藤をあうんの呼吸でCIMAがジャンプして回避。そのまま近藤は芦野にランサルセを敢行した。すかさずCIMAがメテオラをズバリ。イケメンのランニングニー、近藤のキングコングラリアット、芦野のジャーマンが次々と連鎖し、リング上で4人は揃って大の字となった。

 イケメンはアストロシザース、トペコンヒーロ、スワントーンボムと大技ラッシュに出たものの、雪崩式フランケンは近藤が雪崩式パワーボムで切り返す。近藤は再びCIMAと合体。串刺しキングコングラリアット、串刺しダブルニーを立て続けに放つと、近藤のアイコノクラズムからCIMAのマッドスプラッシュがさく裂。見事な連続攻撃で絶好機を掴んだ。

 しかし、続く近藤のキングコングラリアットは控えの芦野が機転を利かし、間にCIMAを押し込んで誤爆を誘発する。それでも仲間割れはせずに、イケメンのスワンダイブ失敗に乗じて、2人がかりで畳みかけた近藤組だったが、CIMAのトラースキックが近藤に誤爆してチャンスを逃す。すかさずイケメンがフランケンシュタイナーで近藤を押さえ込み、逆転の3カウントを奪い取った。

 これまで同じコーナーに立つことがなかったイケメンと芦野が近藤&CIMAの強力タッグを撃破。芦野はイケメンの手鏡で自分の髪型を直して歓声を誘った。イケメンは「お前だけにはカッコいいところを、余裕で試合をしているところをお前だけには見せたかったんだけど…立てねえ」と吐露したが、「こんな無責任な俺とタッグを組んでくれてありがとう」と素直に感謝の言葉を送り、抱擁した。

 イケメンは改めて古巣のファンにアメリカ行きを報告。そして、「芦野さん、俺への思いみたいなものをたまには聞かせてくれよ」と芦野に懇願した。「何も言わないで帰ろうと思ったのに。そっちのほうがカッコいいじゃん?」と苦笑した芦野だったが、「俺が練習生の頃から、いろいろと本当にお世話になりましたよ。文体でタイトルマッチをやった時、芦野vsイケメンでどれだけできるのか不安に思ったと思うけど、それを覆せたのは俺とイケメンだったからだと思っているし、2人でW-1を引っ張ってきた、その思いはメチャクチャ強い。だから、今日タッグを組めて本当によかったです」と熱くメッセージ。「もう2度と組むことはないけど…まあ、プロレス界はなにがあるかわからないからな。ないと思うよ。アメリカに来年行っても、イケメンワールド全開で頑張ってください」とエールを送った。

 それを満足げに聞いていたイケメンは「これは寝言だと思って聞いてくれ。お前はパーフェクトだと思うけど、人一倍メンタルがきっと弱い。ため込みすぎて爆発する。もしそのメンタルが爆発した時には、全てがイヤになったら、俺はたぶんその時はアメリカにいるから、そこに言い方は悪いけど、逃げてきていいよ」と真面目モードで助言。「またこのリングで、とは言わねえよ。どこかで会おう」と再会を約束すると、再び抱擁し、最初で最後のタッグはお開きに。イケメンが声援に応えようと南側スタンド席を練り歩くと、普段はクールな芦野も最後まで付き合った。

【試合後の近藤、芦野&イケメン】
※まず近藤が1人でコメント

▼近藤「まあ、最後は当たっちゃったけど。負けたけどね。みんながそれでどう見てるのか。俺にはちょっとわからないけど、まだ1試合やったぐらいじゃわからないだろ? あのあと、別に何も(CIMAと)会話はしてないよ。してないけど、リング上ではもう一丁って伝わってきているから。タイミングがあれば次、もう1回組んでやっても面白いと思うよ。あとはもうプロレスだもん。言葉じゃないっていうか。歴史が長いからね」

※近藤はコメントブースを立ち去ろうとするが、イケメンが強引に座らせる

▼イケメン「ありがとうございました」

▼近藤「俺は負けたし、何もしてない。結局、俺はお前に何もしてないんだよね。結局さ。何にもお前に教えてあげてないし。何かをお前にあげたわけじゃないから。期間も短かったし。ちょっともったいなかったなと思うね。彼のレスラーとしての我が出てきたもんね。それはそれで潰しちゃいけない。それはレスラーの個性になって活きてくる。そうい時は何もアドバイスはできないよ。きっとレスラーって聞かないしね、人の声を。我ができてこそだ。みんなベテランの人、上手い人…簡単に言っちゃうと、武藤さんなんて我の塊じゃん。それが芽生えた時期だよ」

▼イケメン「でも、俺は聞いてましたよ」

▼近藤「嘘をつけ! お前の師匠は誰だよ?」

▼イケメン「いっぱいいます。でも、俺は正直、そうは捉えてなくて。いろんな人の…言い方悪いけど、僕が凄いと思った人の。超上からになっちゃうんですけど、僕が凄いと思ってた人の言うことは全て聞いてるつもりでした。やってたかどうかは別として。その人から、こんな意見を、今止めてなかったら、聞けてなかったから。ニヤニヤはしますよね。師匠!」

▼近藤「お前、TAJIRIさんだろ、師匠は」

▼イケメン「TAJIRIさんは俺をプロレスラーにしてくれた人というか」

▼近藤「恩人か」

▼イケメン「そうですね。なんか別のものというか」

▼近藤「最後に俺、一言お前に言うから。ちゃんと練習して、スワンダイブの練習して、アメリカに行けよ」

▼イケメン「はい。スワンダイブの練習します!」

※近藤が去っていくと、入れ替わるように芦野が姿を現す

▼イケメン「久しぶりに俺の試合を、しかも同じコーナーから見て、『こいつダメだな』と思っただろ?(笑) 俺も思ったよ、自分のこと」

▼芦野「まあまあ、それも含めて、黒潮“イケメン"二郎かなって。それも彼の魅力なんじゃないかなっていう風に思いましたけど。アメリカは日本よりもシビアだと思うんで。スワンダイブで落っこちたらクビになっちゃうかもしれないんでね。それは気をつけてください。またその姿を見たいですからね、ある意味。W-1からアメリカに行くっていうことがやっぱり他の人間の活力になると思うし、俺たちはいいものを届けられてるんだよっていう風にも思えると思うんで。そこはファイヤーされないようにしてくださいよ」

▼イケメン「そこで俺も結果残すからさ。やることは結局変わらないんだよ。最初からやってきたことは。ただただ自分が凄くなりたい。これに尽きるじゃん。各々が持ってるから。みんなが持ってれば、きっとその団体は本当に凄いものになる。みんなが持っていればね。どっかでつまずいたり、本当にちょっとでもイヤだなって思ったりしたらさ。俺はさっきも言ったけどどこかで待っているから」

※イケメンが去っていくと

▼芦野「ずっと組むこと自体が想像できなかったんで。初めて組んでみて、やっぱり彼は人を笑顔にする力っていうのが。離れていた期間があって、改めてわかりました。俺は俺のやり方で、好きなようにW-1を盛り上げようと思うけど、それが違う方向かもしれないし、あっちの方向にまた戻るというか、修正するのかもしれないし。それはもう、その時の自分の気持ちに、心に従っていきたいなと思ってます。ただ、W-1を盛り上げるのは俺しかいないと思うんで。そこは真摯にプロレスに向き合って、頑張っていきたいと思います。今日はありがとうございました」

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