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12/3【リアルジャパン】メインはレジェンド王座戦「藤田vs船木」 リアルジャパン提供12・5後楽園大会見どころ

 レジェンド選手権試合「藤田和之vs船木誠勝」が実現する12・5後楽園大会。リアルジャパン提供の見どころは以下の通り。
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 リアルジャパンプロレスが12月5日(木)、東京・後楽園ホールにて「初代タイガーマスク 佐山サトル ストロングスタイルプロレスVol.4」を開催する。前回の9・19後楽園では“猪木イズム最後の闘魂継承者"藤田和之がスーパー・タイガーの保持していたレジェンド王座を強奪。試合後には、船木誠勝が名乗りを挙げ、今大会でのタイトルマッチがいち早く決定した。全対戦カードは11月29日の記者会見で発表され、全6試合が出揃った。なかでも特筆すべきは4試合おこなわれるシングルマッチが、すべてメイン級の豪華&異色カードということである。藤田vs船木がメインなのは当然としても、ほかのシングルマッチがすべてメイン級というのは団体史上初めての出来事と言っていい。初代タイガーマスクは欠場ながら、佐山サトルの標榜するストロングスタイルを体現しようと強豪選手が続々と集まってくるリアルのリング。本欄ではその“4大シングルマッチ"を中心に、全試合の見どころに迫っていく。

☆12/5(木)東京・後楽園ホール『初代タイガーマスク 佐山サトル ストロングスタイルプロレスVol.4』17:30開場、18:30開始

◇第1試合◇
LEONA
(1/30)
鈴木秀樹

 第1試合からいきなり刺激的なカードが組まれた。鈴木秀樹とLEONAが初めて対戦、しかもシングルでぶつかり合うことになったのだ。藤波辰爾を父に持つ“飛龍二世"LEONAは、左足甲の骨折による長期欠場から1年3カ月ぶりにホームリングのドラディションで復帰した。リアルジャパン参戦は10・25後楽園、10・27大阪(ともにドラディション)、ザ・デストロイヤー追悼興行11・15大田区から数えて復帰4戦目ということになる。大日本プロレスのストロングヘビー級王座をはじめ、フリーながらも数々の団体でベルトを巻いてきた鈴木。それはまさしく鈴木の実力と強さの証明だ。それだけにLEONAのブランク期間からしても勝ち負けの試合ではないことは容易に想像できるだろう。しかし、それ以上に注目したいことが両者のバックボーンにある。鈴木はデビュー前から故ビル・ロビンソンさんのもとでイギリスのランカシャースタイル、いわゆるキャッチ・アズ・キャッチ・キャンの習得に勤しんだ、いわば最後の弟子にあたるレスラーだ。LEONAもイギリスでビリー・ライレー・ジムを引き継ぐロイ・ウッドの指導を受け、日本では鈴木と同じスネークピット・ジャパンでこのスタイルを学んだが、すれ違いによって両者の絡みはほとんど実現していない。リング上での顔合わせは一度きりで、15年10・1後楽園でのドラディションにあった。藤波のアクシデントからLEONAが急きょ立候補し、6人タッグマッチに組み込まれたのだ。このとき同じコーナーに立ったのが、鈴木。ところが、当時新人だったLEONAの印象は鈴木には希薄だという。LEONAについては現在も「なにをしたいんだ?」という疑問しか沸いてこないという。だからこそ、ヨーロッパから生まれたクラシカルレスリングという共通のバックボーンを持つLEONAがいかにしてその道の第一人者である鈴木に爪痕を残すのか。鈴木は第1試合をある意味で興行における最重要試合ととらえている。ラインナップしだいではメインで実現してもおかしくないだけに、ただのオープニングマッチでは終わらせないだろう。12・5後楽園は、午後6時30分から見逃せない。

◇第2試合◇
伊香保京介
梶トマト
(1/30)
大門寺崇
日高郁人

 第2試合はバラエティーに富んだ顔合わせとなった。日高郁人&大門寺崇組vs梶トマト&伊香保京介組。まずは、ジュニアの実力者とヘビーの新鋭対決という図式が思い浮かぶ。日高は前回の9・19後楽園で久しぶりのリアルジャパン登場、よって今回は連続参戦だ。日高と対するのは2AWからの推薦選手、梶トマト。キレのよさとスピードは日高と通じるものが多いレスラーだ。さらに天性の明るさも魅力的。前半戦を盛り上げるにはもってこいと言えるだろう。ここにランズエンドからやってきた大門寺崇と伊香保京介が入り、力強さというポイントも加わることとなる。とくに伊香保は過去の参戦からしてもファンからの歓声を引き出しそう。リングをいっぱいに使った目の離せない闘いが展開されそうだ。

◇第3試合◇
澤田敦士
(1/30)
タカ・クノウ

 かつてIGFのリングで“売名王"の名を馳せた澤田敦士。千葉県我孫子市の市会議員として活動していたが、17日に投開票された選挙で見事、二期目の当選を決めた。そして今回、リアルジャパンのリングでプロレスにも17年10・9大仁田興行以来、2年2カ月ぶりにカムバックする。相手はこちらもレスラーとしての出発点がIGFだったタカ・クノウ。それだけに格闘色も濃い、緊迫感満点の闘いが期待できそうだ。連続当選を決めた澤田は、その直後にリアルジャパンへ連絡、プロレス復帰を平井代表に直訴したという。そこで決まったのが、クノウとの一騎打ちだった。クノウは関本大介とのシングルマッチでレスラーとしても覚醒。だからこそ、このタイミングでの激突は興味深い。果たしてグラップリング世界一のクノウがブランクある澤田を容赦なく叩きつぶすのか。澤田は「我孫子市の名前も売る」と息巻いているが…。なお、11月29日におこなわれた会見で澤田は試合当日、クノウに合わせる形で柔道着着用でリングに上がると宣言。ところがクノウの方が「どうなるかわからない」と含みを持たせたからおもしろくなってきた。このあたりもプロレス慣れしてきたクノウの戦略といっていいのだろう。しかも“過激な仕掛け人"新間寿が「5日の試合で一番楽しみにしているのがこのカード」と明言している。大注目の一騎打ちだ!

◇第4試合◇
将軍岡本
崔領二
アレクサンダー大塚
(1/30)
岩崎孝樹
間下隼人
関本大介

 2度にわたる会見であらためてリアルジャパンにかける思いを吐露した生え抜きの間下隼人。当初は日高郁人との対戦を熱望していたが協議の結果、今回は6人タッグマッチに組み込まれることになった。リアルジャパン生え抜きの誇り意地を胸に、関本大介と岩崎孝樹をパートナーに、アレクサンダー大塚&崔領二&将軍岡本組を迎え撃つ。考えてみれば、このカードには間下が攻略すべきヘビー級戦士ばかりが揃っている。ということは、間下にとって日高戦以上の千載一遇のチャンス。ここでもっとも目立ち、みずから勝利を挙げることにでもなれば間下への注目度は一気にアップすることだろう。ふつうに考えれば関本への声援が集まりそうだが、そこをどう自分に持っていくか。間下からすればパートナーの関本さえも敵、ということになる。また、アジアパシフィック王座を懸けて対戦した岩崎孝樹と将軍岡本の絡みは、前回のタイトルマッチを思い出させる闘いとなるだろう。とくに、防衛することなく王座から陥落した岩崎がどう仕掛けるか。岡本が岩崎との再戦を視野に入れているのか、それとも前王者を意識から外し、ほかへと目を向けるのか。

◇第5試合◇
関根“シュレック"秀樹
(1/30)
スーパー・タイガー

 藤田和之に惨敗を喫し、レジェンド王座まで失ったリアルジャパンのエース、スーパー・タイガー。本来なら勢いを失っても仕方のないところだが、スーパーは「後退したように見られたくない」と、あえて危険な橋を渡る決意を固めた。なんと、関根“シュレック"秀樹との一騎打ちを熱望、関根が受諾し、こちらも注目のカードが実現することとなったのだ。現在46歳の関根は43歳で警察を辞め、格闘家に転身した異色の経歴の持ち主。やがてあこがれていたプロレスのリングにも上がるようになり、前回の9・19後楽園でリアルジャパン初参戦。船木誠勝とのタッグでタカ・クノウ&ロッキー川村組と対戦し、衝撃的リアルジャパンデビューをやってのけた。柔術のテクニックはもちろん、なんといっても独特の風貌がプロレスラーとしても十分すぎるインパクト。こんなモンスター級レスラーとマスクマンの激突は、プロレスならではの魅力でもある。そこに裏付けされた格闘技の技術が加わるのだからたまらない。果たしてスーパーがレジェンド王座奪回に向け新たな一歩を踏み出すのか。関根が勝利した場合、レジェンド王座取りに名乗りを挙げてもおかしくない。また、スーパーと関根のまったく新しいストーリーが始まる可能性もあるだろう。リアルジャパンの今後を占うセミファイナルになりそうだ。

◇第6試合◇
▼レジェンド選手権試合
[挑戦者]
船木誠勝
(1/60)
[第14代王者]
※藤田初防衛戦

 メインはレジェンド選手権試合。3大会連続の参戦となる王者・藤田和之に船木誠勝がチャレンジする天下分け目の大一番だ。前回の9・19後楽園でおこなわれたスーパー・タイガーvs藤田のタイトルマッチは、初代タイガーマスク佐山サトル率いるリアルジャパンにとってある意味“団体史上最大の決戦"だった。それは、猪木イズム最後の継承者が初代タイガーマスクの愛弟子と対戦するという意味に含まれている。ストロングスタイルの源流を辿るような顔合わせだったからだ。しかし実際には藤田が完勝、ストロングスタイルの復興を旗印にする団体を完全ジャックしてしまったのである。ここで挑戦を直訴したのが船木だった。船木は初代タイガーにあこがれ新日本プロレスに入門。初代タイガー欠場発表時には「自分がリアルジャパンを守る」と宣言し、レジェンド王座の底上げに大きく貢献した。スーパー・タイガーや関本大介らとの激闘で、その言葉を証明していった実績があるのだ。そしてここにきて王座奪回を最大の目標に置いた。藤田も船木も格闘技界での大一番を経験しプロレス界に戻ってきた。そのふたりがリアルジャパンのリングで遭遇するという、この運命のいたずらはなんだろう。“リアルジャパン史上最大の決戦"は、まだ終わっていなかったのだ。令和元年を締めくくるにはふさわしくも危険すぎる、「藤田vs船木」という究極カード。これを見ずして、ストロングスタイルは語れない。12・5後楽園、大会のエンディングで待っているのは藤田の咆哮か、船木の歓喜か、それとも…。(文:新井宏)

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