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12/19【新日本】ヒロムが1年5ヵ月ぶりに復帰も…伏兵イーグルスに敗戦で茫然自失

『有馬記念 presents Road to TOKYO DOME』東京・後楽園ホール(2019年12月19日)
○ロビー・イーグルス&ウィル・オスプレイvsBUSHI&高橋ヒロム×

 ヒロムが1年5ヵ月ぶりに復帰。欠場前とは変わらぬ動きでオスプレイと渡り合ったものの、伏兵イーグルスにまさかの敗戦を喫し、茫然自失の表情を浮かべた。

 ヒロムは昨年7月のサンフランシスコ大会で首を負傷。長期欠場を余儀なくされた。しかし、11・3大阪に突如として姿を現し、復帰を表明。1・4東京ドームではオスプレイとのIWGPジュニア戦、1・5東京ドームではライガー引退試合(リュウ・リーと組んで、ライガー&佐野組と対戦)が控えた状態で、1年5ヵ月ぶりの復帰戦に臨んだ。以前とは別バージョンの入場テーマ曲に乗ってヒロムが姿を現すと、後楽園ホールは「ヒロム」コール一色となり、客席は応援ボードで埋め尽くされる。場内には期待感が充満した。

 盟友・BUSHIと組んで、“ザ・バーズ・オブ・プレイ"オスプレイ&イーグルス組と対峙したが、ヒロムはその期待に応えた。先発を勝って出ると、ゴングと同時にオスプレイとエルボー合戦で火花を散らし、ハイスピードの先読み合戦で渡り合って欠場前と遜色ない動きを披露。場内はドッと沸く。控えに回っても止まらない。場外戦になるとオスプレイに鉄柵に連続して投げ飛ばされてしまったが、サンセットフリップパワーボム(断崖式前方回転パワーボム)こそ不発に終わったものの、場外からエプロンめがけてパワーボムを敢行。リングサイドを一周してのドロップキックでオスプレイを鉄柵に叩きつけると、「西」と書かれた看板に頭から投げつけ、キッチリとジュニア王者にお返しした。

 オスプレイも黙っていない。ロス・インゴ軍の猛攻を耐え抜いたイーグルスからタッチをもらうと、ハンドスプリング式オーバーヘッドキック、スワンダイブ式エルボーを的確にヒロムにぶち込み、バチーン!と強烈な逆水平もクリーンヒットした。粘るヒロムはコーナーへのフロントスープレックスで盛り返したが、オスプレイはタッチをもらったBUSHIごと両足オーバーヘッドキックで蹴散らす。

 その勢いのままイーグルスとともにBUSHIへ集中砲火。ヒロムが助けに入っても、オスプレイは場外に排除し、サスケスペシャルを浴びせる。4人が入り乱れての混戦となっても、流れは変わらず。イーグルスはBUSHIの右足めがけてファイヤーバードスプラッシュを投下すると、ロン・ミラー・スペシャル(裏足4の字固め)でギブアップを迫った。決定的な場面だったが、ヒロムはオスプレイの身体をパワーボムでイーグルスに投げつけて、強引に相棒の窮地を救う。タッチをもらってリングに飛び込むと、ロープに首を固定されてのダブルトラースキック、同時串刺しジャンピングハイキックを食らってしまうが、ダブルスパニッシュフライはパワーボムで返り討ちにした。

 大歓声を背に、ヒロムはまたまた躍動。BUSHIとの合体リバースパワースラムでイーグルスをマットに投げ捨てると、急行したオスプレイに後頭部へのバックエルボーを狙われてもギリギリで回避し、無造作に場外へ投げ捨てた。BUSHIがジュニア王者を場外に足止めすると、残るはイーグルスのみ。コーナーへのデスバレーボムを敢行すると、満を持して、必殺のTIME BOMBの構えに。

 誰もがヒロムの復活勝利を予感したが、その刹那、イーグルスが切り返して、ジャックナイフ式エビ固めでクルリ。隙を突かれたヒロムはキックアウトできず、伏兵にまさかの3カウントを献上する波乱の結末となった。

 自分の敗戦が信じられない様子のヒロムはあ然呆然。リング上にへたり込む。そんな次期挑戦者を見下ろしたオスプレイは、肩を落として去っていくヒロムに「ヒロム」コールを送ってみせた。ヒロムは無言で控え室へ。一方、オスプレイはマイクを持ち、「ヒロム、お帰り。復帰戦で負けるとはな。大阪で俺に挑戦表明してきたくせに、そのザマかよ。復帰戦でピンフォール負け? 残念だったね、後楽園ホール」とアピールし、「もしかしたら、ヒロムはまだ準備ができてないんじゃないかな?」と挑発気味に指摘。「今日のところはとりあえずもうリングを降りて、シャワーを浴び、食事をして、少しリラックスしよう。まだまだヒロムが準備できてないとわかったからね。じゃあ、みんな。IWGPジュニアヘビー級チャンピオン、ウィル・オスプレイでした」と余裕タップリに締めくくった。

 バックステージでは、ヒロムを真似て“ベルトさん"に扮し、「ヒロム。君はまだ僕を抱きしめるには早すぎるかもしれないよ。もっと練習してから戻ってきてね」とチクリ。試合を制したイーグルスも「ヒロムはまだ万全じゃないのかもしれない」と口を揃えた。

 1・4東京ドームでIWGPジュニア王座に返り咲く青写真を根本から覆されてしまったヒロム。前哨戦は明日、明後日の後楽園大会のみ。ドーム前にこの3連戦で完全復活をアピールする手はずだったが、暗雲が立ちこめる結果となった。

【試合後のオスプレイ&イーグルス】
▼オスプレイ「みんな、今何があったか見たか? 復帰して期待されていたあの男、負けたよ。俺に失礼がなければちょっと言わせてもらおうと思うけれど、大阪で俺に挑戦宣言をして来たにもかかわらず、このザマか。だとしたら、俺たちの階級の他の選手たち…鷹木信悟も、エル・ファンタズモもみんなそうだけど、俺に勝ててないんだから、もう少し覚悟を決めてから来てほしかったね。レッスル・キングダムでシングルマッチをするに値する選手ではなくなったのかな? そして、そのヒロムから勝利を奪ったのは、この男、ロビー・イーグルスだ。彼は世界でも最強のハイフライヤーなんだ。ロビーが今日、成し遂げたことをしっかりと見ただろうな?」

▼イーグルス「自分もこんなことを想像もしてなかったよ。俺はヒロムを倒した。しかも、プロレスの技の中では練習初日から身につけなくてはいけないであろう、とてもクリーンなピンフォールでの勝ち方だった。今、横にいるチャンピオンが言ったけれど、ヒロムはまだ万全じゃないのかもしれない」

▼オスプレイ「それはでも、“ベルトさん"に決めてもらおうか。(ベルトの後ろに隠れて、口調を変えると)ヒロム。君はまだ僕を抱きしめるには早すぎるかもしれないよ。もっと練習してから戻ってきてね。(本来の口調に戻すと)明日、明後日も楽しみだな。今、俺は凄く自信に満ちあふれている。六本木にでも行って、酒でも飲みたい気分だね」

※ヒロム&BUSHIはノーコメント

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