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12/23【イケメン自主興行】イケメンが渡米前最後の自主興行で涙と感謝 「心も新たに練習生の気持ちで挑みたい」

『樋口壮士朗アワー みんながもっとイケメンを好きになる FWINAL』東京・新宿FACE(2019年12月23日)
○近藤修司&スペル・デルフィン&高木三四郎vs竹下幸之介&芦野祥太郎&黒潮“イケメン"二郎×

 イケメンが渡米前最後の自主興行で一日4試合を挙行。全敗に終わったものの、涙ながらに全てに感謝し、「自分の新しい挑戦が始まるんで、心も新たに練習生の気持ちで挑みたい」と誓った。

 休憩を挟んだメインイベントでイケメンがこの日4試合目に挑んだ。DDTでKO-D無差別級王座を巡って激闘を繰り広げた竹下、WRESTLE-1時代のライバルだった芦野とトリオを結成し、近藤&デルフィン&高木組と激突。ゆかりある5人に囲まれて最後の自主興行のメインに立った。

 セミファイナルでアバラを痛め、手負いで出陣したイケメンは、かつての憧れだったデルフィンにアバラを狙い撃ちされて劣勢に。近藤にはボディへのパンチを連発され、デルフィンの変型メキシカンストレッチに苦もん。近藤のイス攻撃で脇腹を集中砲火され、高木にはストマッククローで絞め上げられた。

 それでもイケメンは近藤にフランケンシュタイナー、トラースキックで反撃して突破口を開いた。芦野が高木にランニングエルボースマッシュ、俵返しを敢行して巻き返し、竹下とともにエルボースマッシュとエルボーバットを交互に連発。竹下がダイビングボディプレスを放ったが、高木は雪崩式ブレーンバスターでエプロンの竹下を引っこ抜いて逆転。デルフィンが大阪臨海アッパー、スイングDDTと得意技を連発していく。スイングDDTを阻止した竹下が掟破りの逆大阪臨海アッパーを狙ってもイケメンに誤爆してしまい、スイングDDTからのデルフィンクラッチでピンチを迎えたが、これは芦野がカットし、竹下が近藤にブルーサンダーを敢行して主導権を奪い返した。

 いい流れでタッチを受けたイケメンは近藤相手にジャケット張り手を連発して立ち向かう。ボディエルボーを食らってもん絶しても、近藤をキャメルクラッチで捕獲。すると芦野がアンクルロックでデルフィンを、竹下がウォール・オブ・タケシタで高木をセーブする見せ場を作る。さらに竹下、芦野の順でジャーマンを決めてイケメンをお膳立てすると、イケメンがムーンサルトプレスを発射した。

 絶好の勝機だったが、デルフィンと高木のカットに阻まれて3カウントは奪えない。ならばとイケメンはハイブリッドブラスターの構えに入ったが、これも決められず。近藤にツームストンパイルドライバーで反撃されると、デルフィンが「イケメン、アメリカに行っても頑張れよ!」と大阪臨海アッパーを、高木が「イケメン、絶対に成功しろよ!」とスタナーを立て続けにさく裂。さらに近藤が「イケメン!」と同じくエールを送るかと思いきや、「死ね!」とキングコングラリアットを叩き込んだ。

 イケメンも何とか肩を挙げたが、近藤は容赦なくショートレンジラリアットをこれでもかと連打。そのたびにイケメンも立ち上がり、ジャケット張り手を狂ったように連発したが、近藤がキングコングラリアット2連打をぶち込むと、さすがに返す力はなく3カウントを聞いた。

 一日4試合を完走したものの全敗に終わった。イケメンコールの中、イケメンは思わず涙ぐみながら、「プロレスで…プロレスでこれだけ涙が出るなんて…プロレスっていいですね。今日で終わりじゃないんですけど、あと1週間あるんですけど、それでもやっぱり日本を離れるのはさびしい!」と胸の内を口にした。「ただ、ホントにみんなに感謝を言いたい。ありがとう」と続けると、「じゃあ俺、来年アメリカ行くから、みんなも死ぬなよ! アバラ痛くて大きい声出ないけど、みんな俺が帰ってくるまで死ぬなよ!」と声を振り絞ってメッセージ。「しばらくお別れになるけど、次、帰ってくる時も俺は俺だから!」と言い切ると、「頑張れイケメン!」コールが発生する中、イケメンは再び涙ぐみながらも「1、2、3、フィニッシュ! サンキュー」の叫びで締めた。

 日本との別れを惜しむように、イケメンはこの12月、W-1の12・31大阪大会まで20試合以上もこなすハードスケジュール。年内は残り5試合となった。そしてこの日、国内最後の自主興行は533人(超々満員札止め)の大盛況で終えることができた。その中でイケメンは「日本でこうやってこんなにたくさんのお客さんが来てくれて応援してくれて、やっぱり日本もいいなって心から思ってます」と再認識。もちろん感傷に浸っているつもりはなく、「そんな中で海外、自分の新しい挑戦が始まるんで、心も新たに練習生の気持ちで挑みたいと思います」と誓った。

 試合後はアバラの負傷もあって、さすがに疲労困ぱい。それでも出てきた言葉は「アバラ折れてこんな幸せな気持ちでいられるって、やっぱプロレスって不思議ですね。不思議なパワーであふれてる」だった。そんなプロレスの魅力を味わうことができたのは多くの先輩たちがいたからこそ。イケメンは「その不思議なパワーをTAJIRIさんに教えてもらったし、船木さんに教えてもらったし、メインに出た近藤さんにも教えてもらったし、よかったホントに。デルフィンさんも高木さんもみんなホントにありがとう」と感謝しきりだった。

 「幸せなプロレス人生歩めてるな」。そう噛み締めたイケメンは、「勝負はこれからですから」と気を引き締めた。この日応援してくれた選手たち、ファンの期待に応えるためにも「ただただ幸せ。この感動を自分で得るために、俺はもっともっとプロレスを続けて、もっともっとプロレスで生きて、もっともっとプロレスで金を稼いでやります」と誓っていた。

【試合後のイケメン】
――渡米前最後の自主興行が無事に終わったが?

▼イケメン「ホントによかった。何か幸せですね。僕のプロレス人生ってきっと。きっと幸せ。興行終わったあとにこうやって涙が出るって幸せの証拠だと思いますよ。プロレスでこの感情を味わえて、俺はやりきってないですよ。やりきってないんだけど、ただただ幸せ。この感動を自分で得るために、俺はもっともっとプロレスを続けて、もっともっとプロレスで生きて、もっともっとプロレスで金を稼いでやります」

――まだ年内の試合が残っているが、この興行はイケメン選手にとってどんな位置づけだった?

▼イケメン「文字にはしてないですけど、裏タイトルとしてはありがとうという。ホントに単純にありがとう。みんなありがとう、選手もありがとう。ホントはメインの入場してた時に、何かわからないけど、疲れと痛みと、あとそういう感謝みたいな。ありがとうみんな、お別れかって感情が入り乱れて、入場で止まらなくなりそうになって。さすがに試合前は大丈夫でしたけど、終わったら来ましたね」

――リングで涙をみせるのもこれまであまりなかったことだが?

▼イケメン「ないですね。でもホントによかった。幸せなプロレス人生歩めてるなって。ホントにみんなにありがとうと言いたいです。そして勝負はこれからですから。まだまだ俺に期待してほしいし、まだまだ俺に注目して。だからみんな死なないでください」

――他の選手たちからエールをもらうような試合ばかりだったが?

▼イケメン「ホントにエールちょうだいっていう気持ちもあれば、いやいや俺はお前らに応援されなくてもできるって気持ちもあるし。複雑なんですよ。メンヘラなんですよ。プロレスメンヘラ。プロレスメンヘラだからこそ、みんなが心配してくれるのかな。わからないけど。ホントにね、みんなには感謝しかない。ホントにありがとう。伝えられたかな? 今日の興行で。あとは残った試合を一つ一つ確実にこなして、年内で羽ばたきます」

――七番勝負最終戦で船木選手との師弟対決が実現したが?

▼イケメン「そこだけはボロクソに負けたんですけど、船木さんから『こんなに早く素敵な形でイケメンと七番勝負できると思ってなかった。ホントにありがとう』。この言葉を聞けただけで僕はもう感無量です。次はもっと大きくなって船木さんの前に立つのか、同じコーナーにいるのか、はたまたもう巡り会わないのか。プロレスは何があるかわからないですからね。とにかく今日で全て清算したかな。あとはこれに対して清算できていないっていうWRESTLE-1の立花の復帰戦をやって、それで全部終わりかな。まぁ、かかってこいよ小僧って感じですけど。今日でいったん俺は終わり。あとは明るく楽しく相手を倒していきたいと思います」

――船木選手は「10年は帰ってこない方がいい」と言っていたが?

▼イケメン「今日も言ってました? この間も俺、言われたんですよ熊本で。一生帰ってこない方がいいって。イケメンはアメリカの方が合うからって。そんな感じもするんですけど、日本でこうやってこんなにたくさんのお客さんが来てくれて応援してくれて、やっぱり日本もいいなって心から思ってます。そんな中で海外、自分の新しい挑戦が始まるんで、心も新たに練習生の気持ちで挑みたいと思います」

――シューズとレガースが船木選手と同じ黄色だったが?

▼イケメン「船木さんから昔もらった、船木さんがWRESTLE-1をやめる時にもらったやつで今日は挑みました。惨敗でしたけど。ハイキックってあんな痛いんですね。けど、今日はいろいろあったな。アバラも折れたし。いやぁよかったよかった。でもね、アバラ折れてこんな幸せな気持ちでいられるって、やっぱプロレスって不思議ですね。不思議なパワーであふれてる。その不思議なパワーをTAJIRIさんに教えてもらったし、船木さんに教えてもらったし、メインに出た近藤さんにも教えてもらったし、よかったホントに。デルフィンさんも高木さんもみんなホントにありがとう」

――年内残り何試合になる?

▼イケメン「あと明日、26、28、29、30、31で5試合です」

――アバラの状態は大丈夫?

▼イケメン「アバラが痛いのを売りにした試合をしますよ、プロレスラーとして。そんな感じかな。今日はありがとうございました」

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