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12/31【RIZIN】那須川がキック頂上決戦で江畑を圧巻KO 2020年へ「オリンピック超え」予告

『RIZIN.20』さいたまスーパーアリーナ(2019年12月31日)
RIZIN キックボクシング特別ルール(56.0kg) ○那須川天心vs江幡塁×

 那須川がキックボクシングの頂上決戦で江畑を圧巻の1ラウンドKO。さいたまSAを沸騰させた神童は「オリンピックよりも面白いことをしようじゃねえかと自分は思っているんです」と2020年の目標に東京オリンピック超えを掲げた。

 昨年末にプロボクシング元世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー・ジュニアとのエキシビジョンマッチで敗れ、非公式ながら“初黒星"を喫して涙を飲んだ那須川が、大みそ日の大舞台に帰ってきた。今年はキックルールでの試合。対戦相手は新日本キックボクシング協会の最強ファイター・江畑だ。37勝1敗3分の戦績を誇る強豪。今年無敗で進んできた那須川でも一筋縄ではいかない相手だと思われたが、役者が違った。

 江畑は親友である俳優の三浦春馬さん、双子の兄でキックボクサーの江幡睦を引き連れて堂々の登場。落ち着いた表情でゴングを迎えたが、那須川は直後から前に出ると、ワンツーや左ミドルで主導権。江畑も下がりつつ打ち返したものの、那須川は前蹴りを利かせ、左ボディフックから左右の連打をまとめてダウンを奪う。もう止まらない那須川はパンチの回転をさらに加速させて、あっと言う間に2度目のダウンに繋げると、何とか立ち上がった江畑にフィギュアスケートに着想を得たという新兵器のアクセルキック(回転式ハイキック)を放って余裕を漂わせる。そして、怒濤のコンビネーションからから右フックで3度目のダウンをもぎ取り、1Rで完勝を果たした。

 判定決着すら想定された頂上決戦で那須川が圧勝。昨年を超す29315人の大観衆を沸騰させた。勝利者インタビューに応えた神童は「メチャメチャ気持ちよかったですね。なんだろう? 大みそ日ということで、絶対KOすると決めてたんで、無事にKOできてよかったです」と表情をほころばせた。

 「江畑選手は日本人最強選手と言われてたんで、レベルの差を見せてやろうと思って。ちょっと力むかと思ったんですけど、リラックスして戦えたよかったです」と試合を振り返ると、初公開となったアクセルキックに言及。「あれで倒したかったんですが、気持ちでちょっとバラバラになっちゃったんですけど」と反省も口にしたが、「初めて右のフックで倒せたんで、ちょっと成長できたかなと思いました」と胸を張った。さらに、江畑を「気持ちが強くて、何度も何度も立ってきて、でもそれでも向かってきてくれて。本当にいい選手だなと改めて思いました」と称えた那須川。試合後には感謝の気持ちを伝えたという。

 無傷の6連勝で2019年を駆け抜けた那須川は、目前に迫った2020年に向けて、「オリンピックがあるということで、オリンピックよりも面白いことをしようじゃねえかと自分は思っているんですけど」と大胆にも東京オリンピック超えを予告。「まあ、どうなるかこの先わかからないんで、自分でも自分がどういう風に成長するかわからないんで、もっともっと強くなりたいと思いますし、RIZEの55kgのトーナメントもあるんで、江畑選手もそこに出てもらえれば、もう一度最強を決めようじゃないかと思っているんです」とRIZEのトーナメント制覇や江畑との再戦も視野に。最後に「僕は皆さんに強くしてもらっているというか。自分だけの力じゃ絶対に強くなれないですし、格闘家以上でもないですし、格闘家以下でもないですし。僕はここに立っている間だけ輝くことができると思うんで、ドンドンドンドン活躍して…。また皆さん、これからも僕を強くしてください。そして、2020年はいい年になりますように、これからも応援よろしくお願いします」と観客にメッセージを送った。

 久々の適正体重で調整も完璧にできたこともあり、試合前から自分自身で動きの良さとキレを感じていたという那須川。「本気で力を抜いて戦う」「悪魔的な強さを見せる」という2つのテーマもクリアーできた。フジテレビで中継されたRIZINだけでなく、同時間帯に日本テレビで放送された『ダウンタウンガキの使い大晦日スペシャル』にも出演するという快挙も達成。本人は「僕は本当にメインはRIZINのフジテレビを盛り上げるというほうなんで。なんですかね、非常に話しづらいというか(苦笑) 自分はテレビ業界の掟というか、そういうのがあんまりわからなかったもんで」と苦笑したものの、改めて那須川天心という存在を日本中に印象づけた。今後については明言を避けたが、やはり新年もこの神童が格闘技界の中心に立ってけん引するのは間違いなさそうだ。

【試合後の那須川】
――試合後の感想は?

▼那須川「1ラウンドKOができてスゲエ嬉しかったというのはありますし、久々に適正階級に近い体重で試合ができて、非常に今回は調子がよくて。物凄くよかったんで、やっぱりいい結果になってよかったなって今は凄いホッとしています」

――戦ってみた相手の印象は?

▼那須川「1発1発重かったですし、強かったですし。攻撃も何発かもらったんですけど、凄い気持ちのこもったパンチで、いい攻撃だったなと思いました」

――今後の展望は?

▼那須川「とりあえず終わってホッとしているという感じなんで、まだわからないです」

――今年一番の強い那須川天心が見せられた感じ?

▼那須川「そうですね。結構周りからも『江畑選手強いよ』と言われてて、『負けるじゃないか』とか言われたりもしたんですけど、そういうことを全てひっくり返してやろうかなって試合前から思っていたので。今回は力まずにリラックスして、思いっきり力を抜いて、本気で力を抜いて戦うというのがテーマだったのと、悪魔的な強さを見せようと自分の中ではテーマがありました」

――そこは達成された?

▼那須川「そうですね。両方達成できましたし、最近はちょっと試合前とか力んでいたので、ちょっと調整の仕方とかを変えて、力まないで、リラックスして戦えるような練習をやってきましたね」

――前回の試合から間が空いたが、問題なかった?

▼那須川「問題なかったですね。試合前からスゲエ『試合してえ!』みたいな感じで。バックステージでアップしている時も負ける気がしなかったですし、本当にいい緊張感でしたし、アップのキレも凄いよかったので、56kgっていいなって改めて思いましたね」

――今後も56kgあたりで?

▼那須川「そうですね。というのも自分の適性だったりするんですけど、それだと相手がいないとか、いろんな問題があるので、そこはちょっと考えながら。でも、身体を大きくして、階級をドンドン上げていこうというのはあんまり思ってないので。今後にも影響すると思って、そこは慎重にやっていきたいなと思います」

――試合後に「オリンピックより面白いことをしようと思っている」という発言があったが?

▼那須川「思ってはいますけど、いろいろどうやってやればいいのかわからないですし。まずは自分が勝ち続けること、輝き続けることかなと。今日みたいな試合が毎試合毎試合できれば、ドンドンドンドン盛り上がってくると思うんで。もう誰も勝てないだろうと思われるぐらいな位置に立ちたいですね」

――いつになくスピードやキレがあったと思ったが、戦っていて実感できた?

▼那須川「できてましたね。戦ってというか、戦う前からですね。アップの時点で、メチャメチャ調子いいなっていう。で、キレもあって、動けて、いいなって自分の中でも思いましたね」

――2020年はこのぐらいの体重でやりたいなという希望は?

▼那須川「やりたいですけどね。でも、皆さん見てわかったと思うんですけど、このぐらいの迫力、動き。今年の中でも一番の動きだったと思うんで、それが江畑選手だからこそこういう試合もできたわけなんで。ただ単に知らない外国人の選手だったり、そういう選手ではないんで。本当に日本の最強と言われてた選手なんで。そういった選手と戦えたのも嬉しいですし、そういう選手を1Rで倒せたのも嬉しいですね」

――試合前に「大みそ日の借りは大みそ日で返す」と言っていたが、それは有言実行できた?

▼那須川「できましたね。相手がメイフェザー選手じゃなかったんであれですけど、去年はここに来たくなかったですからね。インタビューしたくなかったですからね。今年は笑顔でいけそうです」

――試合後、江畑選手にRIZEのトーナメント参加を呼びかけていたが、まだリアクションはない?

▼那須川「そうですね。終わってちょっと会えなかったもんで。江畑選手も本当に強い選手なんで、最強を決めるトーナメントにまた来てくれれば、やるチャンスもあると思うんで、待ってますと」

――途中で放ったバックスピンしての飛び蹴りの名前を?

▼那須川「フィギュアスケートの回るにちなんで、アクセルキックという。トリプルアクセルみたいな、そういう感じのアクセルキックです」

――回転系の技は得意だと思うが、研究して出そうと?

▼那須川「そうですね。今回はあれを狙っていたんで。あれで倒せなかったのは残念ですけど、でもしっかりと当たったんで、凄い衝撃だったと思います」

――今回試合に向けての高揚感が伝わってきたが、それで練習に変化があったり、新しいことを始めたことはあった?

▼那須川「一切変わったことはやってないんですけど、イメージを変えたっていう感じですかね。ここ最近ちょっと力みすぎな部分が多かったので、リラックスして、リラックスしすぎず、いいリラックスに。本気で力を抜いていくという感じが上手くハマったかなと思いますし、あとは試合前の1週間の調整の仕方をちょっと変えて。今までちょっと身体に刺激を入れすぎてたので、ちょっと緩い感じで。その調整が本当に上手くいったかなというのはあります」

――入場時に気合いを入れて吠えるなど、今までにない一面を見たが、気分の高揚はあった?

▼那須川「気分も凄い高かったですし、勝つ気とか、勝てる気しかなかったんで。倒せる気しかなかったんで。変な自信というか、なんとなく自信が凄くあったという。気を抜かなければ勝てるなというのは凄い感じてましたね」

――江畑選手は本当に強い相手だと話していたが、自分の中ではもっと時間がかかる、ひょっとしたら判定になるという思いはあった?

▼那須川「そういうこともプランの中ではあったんですけど、対峙した瞬間にいけるなっていうのが凄いあったというのがありますし。ちょっと試合前からアップした時に鼻血が出ちゃって。これが止まらなかったら、(パンチを)もらって(試合が)止められちゃうかなと思ったんで。早く倒さないとなと思いました」

――大みそ日にRIZINと『ガキの使い』の両方に出たことは快挙だと思うが、それを達成したことについては?

▼那須川「いや、達成したというか…。僕は本当にメインはRIZINのフジテレビを盛り上げるというほうなんで。なんですかね、非常に話しづらいというか(苦笑) 自分はテレビ業界の掟というか、そういうのがあんまりわからなかったもんで。いろいろゴタゴタあったかもしれないですけど、でもフジテレビで結果を残せたというのが嬉しいですし、今回大会の中で一番目立った試合ができたと思っているので。…質問的にちょっと(笑) 凄いいい経験になりました」

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