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12/31【WRESTLE-1】稲葉がW-1&ノア王者タッグ対決制す、中嶋を次期挑戦者に指名

『WONDER CARNIVAL』エディオンアリーナ大阪 第1競技場(2019年12月31日)
○稲葉大樹&清宮海斗vs中嶋勝彦&芦野祥太郎×

 WRESTLE-1&ノア王者タッグ対決は稲葉が芦野を撃破。W-1王者の意地で大みそかのメインを勝利で飾った稲葉は中嶋から酷評を受けたものの、次期挑戦者に指名した。

 W-1初の大みそか興行にして2019年最後のビッグマッチとなった大阪大会。メインイベントに組まれたのはW-1とノアの王者4人が集った豪華タッグマッチだ。W-1王者・稲葉とGHC王者・清宮と、W-1タッグ王者・芦野とGHCタッグ王者・中嶋がそれぞれ越境王者タッグを結成しての対決で、勝敗はもちろんのこと、誰が最も存在感を放つかもテーマの一つ。稲葉は12・26後楽園大会で右ヒザ負傷から復帰したばかり。羆嵐の挑戦を退け、初防衛を果たして大阪決戦を迎えたが、「70%」としていた右ヒザの具合が気がかりだった。

 まずは探り合いに始まったが、芦野が中嶋の肩を叩いてタッチし、タッグ王者コンビに不穏な空気が漂う。それでも中嶋は稲葉を鉄柱に叩きつけ、エプロンからのランニングローキックで蹴り飛ばして真っ先に存在感を示す。負けじと稲葉も芦野にダイビングショルダーを放った。

 ここで清宮がリングを駆け回る。芦野にバックエルボーを連発し、旋回式ダイビングエルボー、ドロップキックを放ち、エプロンからのトペコンヒーロで芦野と中嶋に突っ込む。さらにミサイルキックを放ったが、芦野も負けてはいない。アンクルロックで絞め上げ、ランニングエルボースマッシュをさく裂させた。そして清宮と中嶋のノア対決もエルボー合戦で火花を散らす。制した中嶋は重たいミドルキックを連打。負けじと清宮は打点の高いドロップキックをカウンターで見舞って譲らない。

 だが、終盤に差しかかると稲葉が精彩を欠いてしまう。中嶋と芦野に串刺しランニングエルボー、串刺しサマーソルトアタックを交互に連発。ブルーサンダーで攻め立てたまではよかったが、中嶋の低空ドロップキック、延髄斬り、ドラゴンスクリューの波状攻撃で失速してしまう。稲葉を見下すように中嶋はぶら下がり式踏みつけ攻撃を四方で決め、ミドルキックとエルボーのラリーも圧倒。コーナーでの顔面蹴り、前後からのサッカーボールキック連打、ランニングローキックと蹴りまくった。

 中嶋は不敵な笑みとともにバーティカルスパイクを予告。稲葉が意地で阻止しても、ミドルキック、バックドロップで主導権を渡さない。清宮が飛び込んでも芦野がジャーマンで投げて撃退し、稲葉にもジャーマンを敢行。極反り卍とアンクルロックの決め合いも制して稲葉をもん絶させた。

 稲葉が突破口を見いだせない中、清宮がミサイルキックで救出した。稲葉がエルボー、清宮がエルボースマッシュを交互に打ち込み、稲葉が芦野に、清宮が中嶋にジャーマンを同時に敢行。清宮がセットした芦野に稲葉がダイビングヘッドバットを投下すると、極反り卍を狙う。阻止されてもヨシタニックで叩きつけ、タイガースープレックスで追い討ち。2カウントで返す芦野にタイガースープレックス178(二段式タイガースープレックス)を爆発させて3カウントを奪った。

 W-1&ノアの王者タッグ対決は、W-1王者・稲葉が辛くも勝利。ホームリングのビッグマッチのメインで意地をみせた形だが、盛り上がりを欠いた幕切れとなった感は否めない。「今日なかなか組めない清宮さんと組めて、いろいろ肌で感じるものがあったし、まだまだ負けていられないなって感じられたし、凄く意味のある大会だったと思います」と振り返った稲葉だが、その前に中嶋が現れた。公開会見で稲葉に興味なしを強調していた中嶋は「稲葉選手、今日試合をして名前を覚えたよ」と不敵な笑みを浮かべると、「でもベルト持ってたんだね。よくそれでこのベルトを持てるね。でもさ、ベルトが泣いてるよ。もっと輝いてるはずなのに、あなたと同じでくすんじゃってるよ」と言いたい放題に酷評。「なおさら今日で興味なくなったわ。頑張って」と完全に見下して去ろうとした。

 これには稲葉も黙っていられない。中嶋を呼び止めると、「そんなこと言うなら、次のWRESTLE-1無差別級の挑戦者、あなたにお願いします。俺と戦ってください」と次期挑戦者に指名した。が、中嶋は「いいよ、俺はいい。興味ないんだもん」と拒否。「俺は行くかわかんないけど好きにして」と言い放って控室に引き揚げた。

 せっかく大みそかビッグマッチのメインを勝利で飾りながら、こき下ろされてしまった稲葉。「あんなこと言われてたら俺も逃げるわけにはいかないんで。僕は次期挑戦者に中嶋勝彦選手を指名します。あとは会社が決めること」と改めて中嶋との防衛戦を見据え、「必ず勝ってWRESTLE-1のベルトをまたノアにも広めていきたい」との青写真を描いた。

 豪華王者対決から思わぬ副産物が生まれた。中嶋は消極姿勢だが、「好きにして」との言葉は受諾とも受け取れる。両者の間で生まれた遺恨は直接対決で決着する時を迎えるのか。

【試合後の稲葉&清宮、中嶋】
▼清宮「新しい景色を広めに来ましたけど、幅が、新しい箇所が、可能性が今日で広がったんじゃないですか。ありがとうございます(と稲葉と握手)」

▼稲葉「ありがとうございました。今日なかなか組めない清宮さんと組めて、いろいろ肌で感じるものがあったし、まだまだ負けていられないなって感じられたし、凄く意味のある大会だったと思います」

▼清宮「チャンピオン同士っていうのもそうだし、同じ世代でこうやって団体を引っ張っていく、それも本当に近いものを戦っていて感じました。これから2年、3年といかないかもしれないけど、5年、もしかしたら10年かかるかもしれないけど、お互いがトップとして団体を引っ張った時に、また稲葉選手と一緒のリングで戦いたいなと思ってます。ありがとうございました。失礼します(と先に控室へ)」

▼稲葉「やっぱり今日、大みそかという日にプロレスの興行をWRESTLE-1がして、いろんなイベントがある中で…」

▼中嶋「ちょっといいですか? 稲葉選手、今日試合をして名前を覚えたよ。でもベルト持ってたんだね。よくそれでこのベルトを持てるね。でもさ、ベルトが泣いてるよ。もっと輝いてるはずなのに、あなたと同じでくすんじゃってるよ。なおさら今日で興味なくなったわ。頑張って(と去ろうとする)」

▼稲葉「ちょっと待ってくださいよ。中嶋さん、そんなこと言うなら、次のWRESTLE-1無差別級の挑戦者、あなたにお願いします。俺と戦ってください」

▼中嶋「いいよ、俺はいい。興味ないんだもん、だって。まぁでも好きにして。別にいいけど、俺は行くかわかんないけど好きにして」

▼稲葉「次期挑戦者、まだ決まってないんで、あんなこと言われてたら俺も逃げるわけにはいかないんで。僕は次期挑戦者に中嶋勝彦選手を指名します。あとは会社が決めることです。そして必ず勝ってWRESTLE-1のベルトをまたノアにも広めていきたいなと思ってます」

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