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1/3【全日本】宮原がジェイクの連続挑戦退け三冠最多防衛タイ記録に王手、青柳が裏切りの?挑戦表明

『2020 NEW YEAR WARS』東京・後楽園ホール(2020年1月3日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○宮原健斗vsジェイク・リー×

 宮原がジェイクの連続挑戦を退け、三冠王座V9。最多防衛タイ記録に王手をかけた。そんな最高男を青柳優馬が裏切りの襲撃。タイトル挑戦を表明して、両者の対戦が決定的となった。

 ここまで8度の防衛を重ねてきた宮原が2020年最初の三冠戦でジェイクを迎え撃った。ジェイクは最強タッグ公式戦で王者から直接勝利し、昨年の10・24後楽園以来、異例の連続挑戦を果たしたが、最高男は真っ向からそれを受け止め、新春らしい熱のこもった激闘を繰り広げた。

 序盤は幾度となく場外戦に雪崩れ込む荒れた展開に。宮原が強烈な頭突きを連打したものの、ジェイクも観客の目の前で強烈なミドルキックやヒザ蹴りを連発してペースを握る。宮原が反撃を試みても、コーナーに上がった瞬間、フロントハイキックで場外に蹴落とし、エプロンからランニングローキックをズバリ。自信に満ちあふれた表情で最高男を攻め立てた。

 苦しい展開が続いた宮原だったが、エプロンでのパイルドライバーで反撃ののろし。場外に転落したジェイクは這うようにしてリングに戻るが、待ち構えていた宮原は串刺しブラックアウトを一閃。だが、ジェイクも重たい蹴りで反攻し、ジャンピングミドルキックを叩き込んで、両者大の字となった。

 ここから試合はさらに白熱。ジェイクは重たいミドルキックで王者を人間サンドバック状態にすると、ランニングローキックも振り抜くが、意地の宮原は2発目に被弾してもそのまま後転して立ち上がり、強引にブレーンバスターでぶん投げて反撃開始。後頭部への串刺しブラックアウト、投げ捨てジャーマン、正調ブラックアウトと得意の波状攻撃を繰り出すと、ジェイクのバックドロップは押し潰して切り抜け、立ち上がった瞬間、後頭部にブラックアウトをズバリ。ジャーマンに繋げてニアフォールまで追い詰めた。

 しかし、ジェイクも怒濤の巻き返しへ。ジャイアントキリング、ドクターボムと惜しげもなく大技を連発すると、生ヒザ式のジャイアントキリングの構えに。宮原はスタンディング式ブラックアウトをカウンターで合わせたものの、倒れないジェイクはそのまま突っ込んで土手っ腹に生ヒザをぶち込んだ。粘る宮原はジェイクをロープに押し込んで回転足折り固めで丸め込んだが、ジェイクは先読みしてスリーパーに捕獲して絞めに絞める。投げ捨てドラゴンスープレックス、右ハイキックも完璧に決まると、必殺のバックドロップがとうとう火を噴いた。

 決定的場面だったが、宮原はギリギリでキックアウト。聖地に重低音ストンピングを巻き起こる。焦るジェイクは再びバックドロップを仕掛けたものの、宮原は背後に不時着して、スタンディング式ブラックアウトをズバリ。シャットダウンはことごとく阻止され、ジェイクのハイキックを食らって棒立ちになる場面もあったが、バックドロップはヒザを利かせて未然に防ぐと、またまたスタンディング式ブラックアウトを発射。ジェイクの動きが鈍ったのを見逃さず、今度こそシャットダウンで投げ飛ばして激闘に終止符を打った。

 30分超えの死闘を制して宮原が9度目の防衛に成功。川田利明が樹立した最多防衛記録「10」に王手をかけた。

 そんな王者にまさかの挑戦表明を見せたのがタッグパートナーでもある青柳だ。この日、元三冠王者のゼウスを下して「2020年は青柳優馬の年だ!」と気勢をあげていた青柳は、宮原のセコンドについていたが、試合後に勝利した王者の腰にベルトを巻くと見せかけて、ジャーマンで襲撃。予想だにしない裏切りに、場内が騒然とする中、「チャンピオンお疲れ。もうな、あんたのタイトルマッチを下で見ているのは飽きた。2020年、そろそろ新しいもん見たいと思いませんか? 次、この俺、青柳優馬があんたのベルトを獲りにいく」と表明。「今すぐ答えを聞かせてくれとは言わない。このあと、またゆっくり最高ですかってやっててくれりゃいいよ。もしかしたら、今日で最後になるかもしれないからな」と不遜な態度で言い放った。

 青柳の真意はわからないが、大の字になった宮原は「この時を待ってたぜ。遅えよ、青柳優馬。何度かお前にボールを投げたぞ。いいことだ。若き挑戦者が現れることはな」と強気に迎撃宣言。「人望がないなあ…」とため息をつく場面もあったが、「青柳優馬、これだけの皆様の前で、TVの前で俺の人望の無さをあらわにしたんだ。お前に宮原健斗デビュー12周年ならびにV10のプレッシャーをこれから与えてやろうじゃねえか」と宣戦布告した。

 最後はキッチリと2020年最初の最高締めで会場を1つにした宮原。正月気分を味わっている暇はなさそうだが、「新たに全日本プロレスのシンボルとなる」と2020年の目標もできた。シンボルとなるために必要なのは三冠最多防衛記録。まずは初挑戦となる青柳を退けて最多タイに並ぶつもりだ。

【試合後の宮原】
▼宮原「ヨッシャー。ジェイク・リーという大きな渦を巻きこんでいるこの全日本。間違いなく日本全国で見ている人はジェイク・リーの時代到来だと思ったことでしょう。ただ、そう簡単にはいかなかったね。この日本プロレス界が大注目の男、宮原健斗を破るのは難しかったみたいだな。ジェイク・リー、お前とのライバルストーリーは始まったばかりだ。次はどうなるかな? そして、ファンの皆様が何を望むかだ、次は。そして、次なる挑戦者になるであろうNEXTREAM、青柳優馬。素晴らしい挑戦表明だな。あの激闘のあとに、素晴らしい挑戦表明だな。彼の真意はまったく聞いてないから、どうなるのか知らないが、次の挑戦者になるということだ。V9を達成した男に挑戦するプレッシャーを今からことごとく感じることだろうな。次はV10だぞ。歴史的日だぞ、青柳優馬。そんな日にこの三冠ベルトの重さ、そして偉大なる歴史の日、お前ににそのプレッシャーが耐えられるか楽しみにしてるよ」

――なんでこんなに人望がない?

▼宮原「やっぱりね、俺みたいな自分が好きなプロレスラーは後輩に慕われないんじゃないですかね。人望がないな、しかし。2020年になって、新たに人望があるところをお見せしたかったけど、ないみたいだ。そうだ、2月に31歳を迎える。12周年ならびにV10ならびに31歳といういろんなテーマがある月に挑戦を名乗り上げただろ、青柳優馬。人望がないな…」

【ジェイクの話】「いろんな意味で負けた…」

【青柳の話】「いい意味で足をすくってやりたかったんで。2020年、青柳優馬の年にしてやりますよ。まあ、やっぱり三冠に挑戦してない2019年のまま終わっちゃったんで。2020年、ニーゼロ・ニーゼロ、トゥエンティ・トゥエンティは俺の年だってことを見せてやりますよ。宮原健斗の時代は終わりだ。宮原健斗か、ジェイク・リーか、どっちか? どっちでもない。この俺、青柳優馬だ」

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