2/7【NOAH】「すべてにイラついてる」 ナショナル戦へ杉浦殺気充満、清宮を圧倒
『HIGHER GROUND 2020』神奈川・横浜ラジアントホール(2020年2月7日)
○杉浦貴&大原はじめ&NOSAWA論外vs清宮海斗&田中稔&熊野準×
“怖い杉浦"が帰ってきた。2・24名古屋大会のナショナル王座防衛戦に向けた前哨戦で、王者・杉浦が挑戦者・清宮を圧倒。現状への危機感をあらわにしながら、「すべてにイラついてる」と殺気を充満させた。
1・30後楽園大会で「新しい景色に吸収する」という清宮の挑戦表明を受け入れた杉浦。旗揚げの年にデビューし、ノア一筋で屋台骨を支え続けてきた49歳は「俺は旗揚げノアの全風景を見てきた。良い景色も、悪い景色も、見たくもない景色も。奪えるもんなら奪ってみろ、小僧!」と叫んだ。
その後、2・24名古屋大会での王座戦が正式決定。この日から前哨戦がスタートしたが、明らかにここ最近の杉浦とは違っていた。のっけから清宮の顎を鷲掴みにして殴るようなエルボーを連発し、応じる清宮に試合権のあるなしに関係なく、怒声を上げながらフルスイングを繰り返した。
終盤に入って相手方のいわゆる“トレイン攻撃"にさらされても、清宮の突進だけは左ラリアットで迎撃。最後は絞め落とさんばかりのスリーパー、ジャーマン、ニーバット、そして予選スラム…と嵐のような勢いで熊野を仕留めた。
座った目で清宮に赤いベルトを掲げ、清宮が殴りかかってきてもねじ伏せるように場外へと追いやった杉浦は、「おい! クソガキ! おい! おい! 全部ゆずらねえからな。景色も時代も、全部お前に譲らねえからな、お前に!!」と怒声を響かせた。
ノアは旗揚げ20周年イヤーに、東証一部上場企業の子会社に。だが、たび重なる体制変更のなかで身を削り続けてきた杉浦には“危機感"しかない。
バックステージでも約10年前のGHCヘビー初戴冠前のようなピリピリした“殺気"を充満させた。「何度も言うけど、俺は“後がない"んだよ、なぁ? 後がないんだ。今年50だ。あと何年できるか分からねえんだ、プロレスラー。譲らないよ」と言い切り、迫力に押されて記者が質問にまごつくと、「もういい、はい終わり!!」と打ち切って控室へ。旗揚げ20周年イヤー。20年を経ての意地と危機感、そして生々しい感情をむき出しにする“怖い杉浦"。清宮が「新しい景色」に吸収するのは、かなりのイバラ道になりそうだ。
【試合後の杉浦】
――今日から前哨戦が始まったが、清宮と闘ってみて?
▼杉浦「あ? 足りねえ。足りないよ。そんなんで奪えんの? こっちはもう賭けてんだよ、レスラー生命」
――今まで清宮と向き合ってきた時とは、明らかに“違い"を感じるが?
▼杉浦「あいつもチャンピオンになってるからね。一瞬でも俺の先を走ったんだから。そこは俺にだって悔しさや意地はあるよ」
――全部譲らないと
▼杉浦「譲らないよ。何度も言うけど、俺は“後がない"んだよ、なぁ? 後がないんだ。今年50だ。あと何年できるか分からねえんだ、プロレスラー。譲らないよ」
――ここに来て、杉浦さんから危機感というか殺気を感じるが…
▼杉浦「すべてにイラついてんだよ。イチ個人としてな、ノアがどうのこうのとか関係ねえ。イチ個人として危機感持ってんだよ」
――『プロレスをやってきて良かったって思いたいんだ』とも言っていた
▼杉浦「ノアに入って良かった、ノアでプロレスできて良かった!って終わりたいんだよ」
――いつかノアが良くなる…と長い間思い続けてきたが、なかなかそうはならない厳しい現実もある。そこへのイラ立ちも含めて?
▼杉浦「おう、その通りだよ」
――成功したと思える何かを…
▼杉浦「なんだよ? 成功したって。ノアのこととかじゃねえんだよ。俺イチ個人としてだよ。俺がレスラーとしてあと何年、どう生きるかだよ」
――もう誰かに気をつかうとか…
▼杉浦「あ!? 今まで俺は誰かに気をつかってきたか? なんだお前、ちゃんとしろ!」
――では…(※記者が質問にまごつくと)
▼杉浦「もういい、はい終わり!!」