プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

2/9【新日本】160発超えチョップ合戦で火花 ヒロムが因縁のリーを死闘突破、ジュニア王座初防衛

『THE NEW BEGINNING in OSAKA』大阪城ホール(2020年2月9日)
IWGPジュニアヘビー級選手権試合 ○高橋ヒロムvsリュウ・リー×

 ヒロムが長期欠場のきっかけとなった因縁のリーと160発を超す胸板へのチョップ合戦で火花を散らすと、死闘の末に激勝。ジュニア王座初防衛を果たした。

 ヒロムは昨年末に首の負傷による長期欠場から復帰。新春の東京ドーム2連戦ではオスプレイを破ってIWGPジュニア王座に返り咲き、獣神サンダー・ライガーを引退試合で介錯した。そして、迎えた初防衛戦。挑戦者のリーは積年のライバルであり、2018年の7・7サンフランシスコ大会で首を破壊されて欠場に追い込まれた因縁の相手でもあった。

 投げ捨てジャーマンやラリアットでせめぎ合い、いきなり大の字になる波乱の幕開けに。互いに笑みまで浮かべながら、バチン! バチン!と交互に胸板へのチョップを打ち合う。途中で串刺し攻撃などを放つ部分もあったが、あくまでチョップにこだわり、実に合計160発を超す打ち合いで火花。2人の胸板が真っ赤に腫れ上がる。リーがとうとうヒロムをなぎ倒すと、場内は沸騰した。

 流れを掴んだリーは攻勢に転じ、エプロンのヒロムにロープを飛び越えて飛びつき、断崖式のフランケンシュタイナーを敢行。場外フェンスにヒロムを座らせ、そこにトペスイシーダをぶち込んだ。ヒロムは実況席のテーブルに衝突し、床に頭部を強打する。破天荒な大技でリングアウト寸前まで追い詰められたヒロムだったが、即座にサンセットフリップパワーボムで逆転し、不敵な笑顔を覗かせた。リングに戻ると、ダイナマイトプランジャー、コーナーめがけてのデスバレーボムと大技を惜しげもなく見舞う。

 負傷に追い込まれたドラゴンドライバーを狙われてヒヤリとする場面もあったヒロムたが、上手く切り返し、D(三角絞め)で絞めに絞める。リーも場外方向にコーナー上からヒロムを逆さ吊りにして、パタダス・エネル・ペチョ(ダイビングフットスタンプ)を投下。エプロンでは飛びヒザ蹴りも突き刺したが、ヒロムはカウンターの断崖式投げ捨てフロントスープレックスで鎮圧。場外で棒立ちになったリーにダイビングセントーンアタックを浴びせた。

 リングアウト寸前でどちらも滑り込み、戦いは再びリングへ。冒頭と同じく壮絶な投げ捨てジャーマン合戦でせめぎ合う。互いに意地になって立ち上がっていくが、リーは2連発でチャンスをたぐり寄せ、デスヌカドーラ(ブレーンバスター式パワーボム)へ。ヒロムはDで切り返そうとするも、リーは踏ん張り、コーナーに投げつけた。が、ヒロムもカウンターのフロントスープレックスで同じようにコーナーに叩きつける。

 リーは人でなしドライバー、後頭部へのダイビングフットスタンプと危険な大技で首にダメージを重ね、しつこくドラゴンドライバーを狙うも、ヒロムはカナディアンデストロイヤーで逆転。コーナーめがけてのデスバレーボムからTIME BOMBの構えに。切り抜けたリーは生ヒザ式ランニングニー、レインメーカー式ジャンピングニーを突き刺したものの、ヒロムはロープに振られた勢いを利用して再びカナディナンデストロイヤーをズバリ。今度こそTIME BOMBを繰り出した。リーはギリギリでキックアウト。ならばとヒロムはリーの頭を鷲づかみにして、こん身のエルボーを振り抜き、2発目のTIME BOMBで3カウントをもぎ取って、ジュニア王座初防衛を果たした。

 「2018年7月7日、俺とドラゴン・リーはお互いに全力で戦い、お互いに心と身体に傷を負いました。その大きな大きな傷が、2020年2月9日、大阪城ホールで癒えました。やっぱりやってて楽しいな。ドラゴン・リー、最高だ」と充実感をあらわにしたヒロム。それでも「もう1回やろうとテンションの高いリング上では言ってしまったけど、最低でも2年はくれ。俺とドラゴン・リーのシングルは2年くれ」と早期の再戦には否定的だった。

 気になる次期挑戦者については「俺が知っている限り、俺の名前およびIWGPジュニアの名前を出した人間はファンタズモ、石森、SHO、YOH、デスペラード、金丸、そしてDOUKI、ナマハゲ、上村。その他にも言っているなら俺が見逃している」とリストアップし、「面白くなってきたじゃねえか。ジュニア戦線、そして、高橋ヒロム包囲網」と満足げ。「高橋ヒロムを崩してみろよ。このベルトさんに挑戦してこい。俺は楽しみに待っている。誰の挑戦でも受ける」と言い放った。

 メインイベント終了後にはリングに登場し、内藤とのヘビーvsジュニア王者対決も決定的に。怪我を負ったリーとの再戦を乗り越えたヒロムは、アクセル全開で新日本ジュニアを新時代に導く構えだ。

プロ格 情報局