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2/11【全日本】宮原が12周年記念日に三冠V10で最多防衛タイ、諏訪魔が挑戦状「俺が止める」

『2020 EXCITE SERIES』開幕戦 東京・後楽園ホール(2020年2月11日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○宮原健斗vs青柳優馬×

 デビュー12周年記念日となった宮原が三冠初挑戦の青柳に大苦戦を強いられながらも最多防衛タイ記録V10を達成。最高王者の記録更新に待ったをかけるべく諏訪魔が挑戦状を叩きつけた。

 1・3後楽園大会で青柳が試合後のジャーマンで宣戦布告して決まったこの日のV10戦。宮原にとって何があっても落とせない大一番となった。というのも、この日がデビュー12周年記念日で、勝てば第32代王者・川田利明が持つ三冠最多防衛記録V10に並ぶからだ。

 だが、前哨戦では青柳が不意打ちジャーマンを連発し、エンドゲームによる直接勝利も奪取。さらに師匠・北原光騎氏直伝の新兵器スピンキック投入を宣言し、直前会見では襲撃も敢行するなど挑戦者が勢いをみせつけまくってきた。

 そして迎えた本番でも最高王者を圧倒した。師匠・北原氏も応援に駆け付ける中、まずは右腕に照準を絞り、場外戦ではハンマーロックに固めたまま鉄柱や会場を仕切る鉄板に投げつける。コーナーに上がるとヒザを右腕に固定し、そのままダイブして非情なアームブリーカーを敢行。さらに、場外マットを引っぺがすと、断崖式でも同じアームブリーカーを仕掛けた。

 こらえた宮原はエプロンでのパイルドライバーで窮地を脱すると、延髄ブラックアウト、投げ捨てジャーマンの連続攻撃で反攻したが、青柳は下がらない。すぐさま立ち上がり、ジャーマンなどで両者大の字に持ち込むと、エルボー合戦で最高男を腰砕けにし、大胆にも後頭部を踏みつけ、尻を叩いて挑発。怒った宮原がエルボーの連打を浴びせても、アッパーカットで黙らせ、渕正信ばりに「パー」だと言い張ると、ロコモーションジャーマンで3連続でぶん投げた。

 苦闘が続いた宮原は後頭部へのブラックアウト、二段階式ジャーマンで立て直しを図るが、シャットダウンは時期尚早。振り払った青柳は回転足折り固めで丸め込むと、キックアウトされた瞬間、序盤で痛めつけた右腕を絡め取り、エンドゲームで絞めに絞める。決定的場面に場内は沸騰した。何とか耐え抜いた宮原はブラックアウトを乱れ打ったものの、青柳の気持ちは折れない。トラースキック、エルボー、ナックルパートの連続攻撃で宮原を棒立ちにさせ、遂に新兵器スピンキックがさく裂。ロックスターバスターで追い討ちし、大チャンスをたぐり寄せた。

 しかし、最高男は意地のキックアウト。青柳はなおもロックスターバスターやスピンキックで勝負に出たが、宮原はことごとく回避し、スタンディング式ブラックアウトで挑戦者を足止めする。そして、かつての必殺技・ブレイブハートを敢行。なおも抵抗を見せる青柳をシャットダウンスープレックスで引っこ抜き、3カウントを奪い取った。

 青柳の猛攻に追い詰められながらも、最後の最後で勝利をもぎ取った宮原が三冠王座V10を達成。デビュー12周年の記念日に、川田利明と並ぶ最多防衛タイ記録を樹立した。試合後、青柳に「NEXTREAM卒業」を言い渡し、「次からは対角線に立って、この全日本プロレスを俺らの世代で盛り上げようじゃねえか」と呼びかけた宮原は「紛れもなく全日本プロレスの歴史上、最も最高なチャンピオンはこの俺だ。今のシンボルは宮原健斗で決まりだ」と高らかに宣言。そして、「もし、俺がシンボルだということに文句があるレスラーがいるならば、出てきてほしいな。2020年のシンボル・宮原健斗にストップをかけれるヤツはいるのか?」と吠えた。

 その言葉に応えたのが諏訪魔だった。宮原を上回る大歓声で迎えられると、「おい、宮原。その三冠防衛記録、これ以上更新させるわけにはいかない。俺がその記録をストップしてやる。俺に挑戦させろ。おい、宮原。どっちが全日本プロレスの象徴か? そして、全日本プロレスとは何なのか? それがわかる戦いをしたいと思う。答えを聞かせてくれ」と迫った。

 宮原は「お前は全日本プロレスを守ってきた男かもしれない。ただ、今は俺だ」と自信満々に言い返し、「宮原健斗vs諏訪魔の全日本プロレス新旧の戦いが見たいのか見たくないのか、どっちなんだ? そして、宮原健斗と諏訪魔、どちらを求めるんだ?」と観客に確認。健斗コール、そしてそれを凌駕する諏訪魔コールを聞いた上で、「面白えじゃねえか。勝負だ」と迎撃を明言した。

 早くも防衛記録更新がかかった次期防衛戦が決定的に。宮原は「12年前の今日、ここ後楽園ホールでデビューしました。12年間、紆余曲折ありながら、ここに辿り着いた。12年前の少年は12年後にチャンピオンとしてこのリングに立っているとは思っていなかった。何があるかわからない。それがプロレスだ」と一瞬思い出に浸ったものの、即座に「訂正しよう。12年後にこうなることはわかっていました」に前言撤回。あくまでも未来を見据えた上で「全日本プロレス、最高!」の雄叫びで締めた。

 バックステージでも「お前は全日本プロレスを守った男だということは認めよう。俺もその姿、見ていたよ。ただな、それは昔のことだ。見ている人も変わってるんだよ。その当時、見てた人もいるかもしれない。ただな、いつまでも守りに入っているという話題が今の全日本プロレスには邪魔なんだ。守った男という称号が邪魔なんだ」と諏訪魔との対立姿勢を鮮明にした宮原。諏訪魔はチャンピオン・カーニバル前の挑戦を要求しており、早期実現は決定的だ。最高男は諏訪魔を打ち破って、防衛記録を更新し、改めて「全日本プロレスのシンボル」であることを満天下に知らしめる構えだ。

【宮原の話】「よっしゃ。どうでしょうか? 歴史を動かした男の試合後の姿はどうでしょうか? ああ、苦しかったなあ。V10…全日本プロレスの歴史というものを、この当日を迎えるにあたって、まざまざと感じさせられた。全日本プロレスの歴史は俺が思っていた以上に凄かった。ただ、この何十年間と全日本プロレスは宮原健斗のような輝かしいエースがいなかった。これは事実だ。ただ、俺が現れた。V10が破られるのもしょうがない。俺しかいないだろ? なあ? 青柳優馬。素晴らしいレスラーになったじゃねえか。NEXTREAMにいないほうがいいよ。卒業だ。次、現れたな。思わぬ男が現れたな。諏訪魔、お前は全日本プロレスを守った男だということは認めよう。俺もその姿、見ていたよ。ただな、それは昔のことだ。見ている人も変わってるんだよ。その当時、見てた人もいるかもしれない。ただな、いつまでも守りに入っているという話題が今の全日本プロレスには邪魔なんだ。守った男という称号が邪魔なんだ。日本全国で、このプロレス界で期待されている男・宮原健斗がチャンピオンじゃないと描けない全日本プロレスの絵があるんだよ。おそらく日本プロレス界のファンの皆様はお気づきでしょう。諏訪魔、勇気があるのは認めよう。今の宮原健斗に挑むというのは勇気がいる。ただな、簡単にはいかねえぞ。簡単にはいかねえぞ。まあ、今日一番大事なことはV10を果たしたということだ。マスコミの皆さんもね、この歴史が動いた光景を見たでしょ? 紛れもなく全日本プロレスのシンボルは俺だ。これに異議があるヤツは、諏訪魔、お前か? そのシンボルということに異議があるならば、正々堂々と勝負してやろうじゃねえか」

【青柳の話】「何が卒業だよ? チクショウ。舐めやがって。舐めんなよ、何が卒業だ。潔くいい子ちゃんぶらないで、追放って言っとけよ、あのまま。何だよ、卒業って。アイドルグループのメンバーが卒業するんじゃねえんだぞ、これはよ。そういう世界じゃねえんだよ、アノヤロー。チクショウ。今日はいいよ、もう。今日は負けましたよ。次だな。宮原健斗、覚悟しとけよ」

【諏訪魔の話】
――ああいう言葉をかけられると、諏訪魔選手の登場を会場も期待していたのでは?

▼諏訪魔「そう思っていただけたならありがたい。三冠の防衛記録をこれ以上塗りかえさせるわけにいかないんだよね。歴史ある全日本プロレスというのはあいつもわかっていると思うんだけど、まだだろうと。川田さんの持っている防衛記録、それを今、じゃああいつが塗りかえていいのかと。俺はまだ違うんじゃないかなと思うし。全日本プロレスが何なのかという、それがわかる戦いにしたいなと思ってますよ。俺もそれはありますね。まあ、宮原も、そりゃあいつは頑張ってるよ。頑張っているのはわかるんだよ。ただ、ここは全日本プロレスであり、全日本らしさというのは何のかなっていうのは本当によく俺も考えるしね。あいつだって考えていると思うんで。あいつは魅力という部分が強いのかもしれない。俺は強さをもっと追求したいし。強さと魅了する力だな。そういうものの対決になるのかな、なんて思っているんで。勝ちますよ、俺は。そして五冠。夢の五冠をもう一度達成してやる。そう思ってますよ。やりたいことがあるんで、俺には」

――チャンピオン・カーニバルも近いが?

▼諏訪魔「そうだね。チャンピオン・カーニバルの前にやりたいね。早く全日本プロレスに、PWFには決定していただきたいなと思います」

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