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2/12【WRESTLE-1】芦野撃沈…中嶋完勝V1で高笑い 3・15大田区へカズ指名

『WRESTLE-1 TOUR 2020 W-IMPACT』東京・後楽園ホール(2020年2月12日)
WRESTLE-1チャンピオンシップ ○中嶋勝彦vs芦野祥太郎×

 中嶋が芦野を沈めてW-1王座V1。試合後、高笑いを浮かべて、W-1の社長であるカズ・ハヤシを次期挑戦者に指名した。リングに飛びこんだカズはトラースキックで返答し、3・15大田区での対戦が決定的となった。

 ノアの中嶋は1・12後楽園で稲葉を撃破し、W-1王座を強奪。ベルトを投げ捨て、踏みつける暴挙に出た。ブーイングと声援が交錯する中、至宝流出の危機に動いたのが芦野だ。同王座の防衛記録も保持するこの男が奪還に名乗りを挙げて、注目の一戦が実現した。

 ゴング前から中嶋は傍若無人に振る舞う。ベルトの管理を拒否しているだけに、何も持たずに入場。リングでやっとベルトを受け取ると、無造作に放り投げた。芦野は激怒し、中嶋にはブーイングが飛ぶ。どこ吹く風の中嶋は、ゴングが鳴っても組み合わず、場外に退避してのらりくらりと試合を展開。怒りを必死に抑えた芦野は投げ捨てジャーマンでぶん投げ、ホームリングで大歓声を浴びたが、その後は一方的な中嶋ペースに。四方の鉄柱に左肩から投げつけ、面白いように挑戦者を蹴り飛ばすと、笑みを浮かべて首筋を踏みつける「撮影タイム」に突入。場内は幾度となくブーイングに包まれた。

 芦野はカウンターのフロントスープレックスで反撃ののろし。アンクルロックに繋げるべく、ジャイアントスイングからマフラーホールドに固める。中嶋も低空ドロップキック、ドラゴンスクリューなどで右ヒザを狙い撃ちにしたが、芦野はランニングローキックや延髄斬りを回避してアンクルロックに捕獲した。

 即座に切り抜けた中嶋は芦野をターンバックルに衝突させると、顔面をバックルごと蹴り上げ、ミドルキック、ランニングローキックとぶち込み、ヴァーティカルスパイクの構えに。何とか振り払った芦野だったが、肩とヒザのダメージで動きが鈍い。中嶋は容赦なくミドルキックを浴びせていく。意地の芦野はエルボーを打ち返すが、力が入らず、声援も悲壮感を帯び始めた。中嶋は心を折りにいくかのように、バックドロップを連発。芦野がビンタからの投げ捨てジャーマンを繰り出したものの、中嶋はトラースキックでシャットアウト。遂にヴァーティカルスパイクがさく裂する。

 芦野はギリギリでキックアウト。続く顔面蹴りをキャッチすると、アンクルロックで決死の逆襲へ。中嶋が振り払おうとしても、決して離さず絞めに絞める。場内は沸騰したが、中嶋は何とかロープに手を伸ばした。大歓声を味方につけた芦野はロコモーションジャーマンからTボーンスープレックスの構えに。振り払われても、スライディング式エルボースマッシュで突っ込んだ。

 しかし、これを避けた中嶋は強烈な右ハイキックを一閃。崩れ落ちた芦野を前後からのサッカーボールキックでメッタ打ちにすると、ランニングローキックから滞空時間をタップリ取ったヴァーティカルスパイクが爆発。W-1ファンからため息が漏れる中、芦野から完璧な3カウントをもぎ取った。

 芦野を下して中嶋がW-1王座V1。ベルトを受け取ると、またもリングに放り投げる。すると、すぐさま羆嵐、土肥、立花、ペガソらW-1勢が大挙してリングに飛び込み、王者を包囲した。コーナーに押し込まれながらも高笑いを浮かべる中嶋は「ちょっと整理しよう。こういう状況がなぜか整理しよう。俺が確か勝っちゃって、気づいたらこんなにいる。ということは、挑戦者表明みたいなやつかな、これ。俺からベルトを獲りたいか、奪いたいか」と挑発したものの、「お前ら全員わかんねえ。お前らが強いのか弱いのかもわからねえ」とこき下ろし、「俺はちょっと心残りというか、ちょっと気になっているヤツがいるんだよね。もちろんお前たちみたいに顔の知らないヤツではない」と意中の相手がいることを告げた。

 その相手はW-1の社長・カズだった。「年末に俺にいちゃもんをつけてきた大先輩がいたよな。そうだ、社長だったか。中嶋勝彦にはガッカリしたとか、確かカズ・ハヤシ社長が言ってたよな」とニヤリ。「ベルトも獲って、今日も防衛して、未だに高みの見物ってやつですかね。出てくる気にもならないかな」と言い放つ。すると、怒りの表情を浮かべてカズが花道から登場。中嶋は「僕の呼びかけにこうやって出てきてくれたってことは、このベルトを懸けて勝負をするってことですか?」と確認した上で、「お忙しい中、来ていただき、本当に申し訳ないんですけども、俺の答えはイエスかノーかで言ったら…ノーです」と拒否した。

 またまた中嶋がベルトを投げ捨てると、カズはトラースキックで返答。崩れ落ちた中嶋に「俺の答えはこうだよ、お前。次の挑戦者はカズ・ハヤシだ」と宣戦布告する。ベルトを踏みつけてから下がった中嶋だったが、バックステージで対戦を受諾。3・15大田区での対戦が決定的となった。

 2人は2000年代半ばに全日本プロレスのジュニア戦線でしのぎを削った関係にあたる。中嶋は「ああ、効いたなあ、最後。W-1に上がって、一番効いたんじゃないの…っていうぐらい効いた。やっぱり男の中の色男はひと味違うね。久々に食らったよ。懐かしいよ。またカズ・ハヤシ社長が俺に前に現れるなんて夢みたいだね」とニヤリ。「W-1ファンはもっと熱いはずなんだよな。もっと熱い声、熱いブーイング、もっとお前らのブーイングで俺を酔わしてくれ。まだまだ酔いきれねえな。だから勝っちゃうんだよ。次も頼むぞ」とW-1のファンも挑発した。

【試合後の中嶋】
▼中嶋「ああ、効いたなあ、最後。W-1に上がって、一番効いたんじゃないの…っていうぐらい効いた。やっぱり男の中の色男はひと味違うね。久々に食らったよ。懐かしいよ。またカズ・ハヤシ社長が俺に前に現れるなんて夢みたいだね。そうだな、挑戦表明、もちろん答えはイエスだ。楽しみだな。次はどこだ? どこでやるんだ? W-1の意向としては? 最近のデカいところはどこだ?」

――大田区大会がある

▼中嶋「大田区か。じゃあ、大田区なのかな? そんな感じか。大田区はいつだ?」

――3月15日に行われる

▼中嶋「3・15だ、みんな。きっとそこに持ってくるぞ。俺、中嶋勝彦とカズ・ハヤシの久しぶりのシングルマッチだ。楽しみだろ? あと、一番言いたいことがあるんだよ。今日のW-1ファン、今日の後楽園、いいよ、よかったよ。そう、それだよ。これを待ってたんだよ。ただな、もうちょっと。W-1ファンはもっと熱いはずなんだよな。もっと熱い声、熱いブーイング、もっとお前らのブーイングで俺を酔わしてくれ。まだまだ酔いきれねえな。だから勝っちゃうんだよ。次も頼むぞ。よろしく」

【カズの話】
▼カズ「取り返さなきゃいけない。そういう理由があります。僕は取り返さなきゃいけにあ理由がある。それは取り返した時に言います。これだけW-1のみんなで作ったベルトを踏まれ、投げられ。選手たちの気持ちを考えれば、作り上げたと言う気持ちを考えれば、俺にとって大事な選手みんなの思いなんで。僕が取り返します」

――最後に戦ったのがいつか覚えている?

▼カズ「世界ジュニアかな。12年前ぐらい。それ以来じゃないかな。まあ、変わりましたよね」

――目から悔しさが感じ取れるが、どんな感情?

▼カズ「なんて言うんですかね? 言っちゃえば悔しいという気持ちだけなんですけど、選手ひとりひとりのW-1に対する気持ちがわかっているからこそ出る感情なんじゃないですかね。僕ひとりじゃなくてっていう。W-1というチーム」

――会場については?

▼カズ「次の試合で言うと大田区。3月15日。そこで決定してもらいたいですね」

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