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2/16【NOAH】中嶋-鈴木シングル初対決は白熱ドロー 鈴木「同じ匂い感じた」

『HIGHER GROUND 2020』東京・後楽園ホール(2020年2月16日)
△中嶋勝彦vs鈴木秀樹△

 中嶋と鈴木のシングル初対決は白熱のドロー決着に。試合後、鈴木は「同じ匂いを感じた」と振り返ったものの、両者ともに決着戦には慎重な姿勢を示した。

 杉浦軍の鈴木は潮崎に狙いを定めていたが、潮崎の視線は藤田に向き、3・8横浜文体でのGHC戦が確定。そこで鈴木は潮崎のパートナーである中嶋に「責任を取れ」と難癖をつけ、後楽園で注目のシングル初対決が実現したが、2人は白熱の攻防を繰り広げた。

 序盤は静かな立ち上がり。緊張感溢れるグラウンド戦が続き、観客は固唾をのんで見守る。中嶋はヘッドシザースでしつこく捕らえて試合をリード。長時間捕まった鈴木は首攻めで活路を開いたものの、中嶋はヒザ攻めで反攻し、エプロンからランニングローキックを放つと、場外戦に発展する。

 中嶋は鉄柵や客席に投げつけて大暴れ。パイプイスに座らせた鈴木をミドルキックでメッタ打ちにすると、一旦リングに戻すが、即座にリング下に投げ捨てて場外戦を続行した。感情むき出しに蹴りまくると、鈴木も呼応。頭突きを打ち込み、ステージ席に中嶋を投げつける。喧嘩腰になった2人はそのまま大乱闘へ。西永レフェリーが「リングの中でやれ」と割って入ったものの、両者はエキサイト。中嶋は観客の傘を強奪して首を絞め上げれば、鈴木はこん身のエルボースマッシュでカチ上げる。いつ果てることなくやり合い、戦場がリングに戻ると、場内は大歓声に包まれる。

 ここから試合はさらに加熱する。2人はエルボー合戦で激情をぶつけ合うと、鈴木がキャプチュードから猛ラッシュ。ショルダーネックブリーカーやニードロップで再び首を狙い撃ちにする。中嶋も引かない。低空ドロップキックで足止めすると、コーナーで首筋を踏みつける「撮影タイム」に突入。鈴木を挑発するように、顔面をコツコツと蹴り上げた。怒った鈴木がワンハンドバックブリーカーを敢行するが、中嶋もバックドロップで譲らず。鈴木がジャーマンで反撃すると、ミドルキックとエルボースマッシュが交錯して両者大の字に。

 残り時間がわずかになっても、2人のせめぎ合いは続いた。前後からのサッカーボールキックを乱れ打った中嶋はヴァーティカルスパイクを狙ったものの、逆に鈴木がその身体を抱え上げて、ツームストンパイルドライバーで真っ逆さま。即座にドラゴンスープレックスで引っこ抜くが、中嶋は沈まない。反対にビンタの連打から必殺のヴァーティカルスパイクがさく裂。ギリギリで肩を上げた鈴木も、残り30秒を切った場面でダブルアームスープレックスをお見舞いしたが、今度は中嶋がキックアウト。場内が沸騰する中、最後まで激しく競り合ったが、無常にも時間切れ引き分けのゴングが打ち鳴らされた。

 注目の一戦は白熱のフルタイムドローに。どちらも疲労困ぱいだったが、それでもにらみ合いを展開。レフェリーが2人の手を掲げても、視線を逸らさなかった。

 鈴木にとっては、昨年7月の潮崎戦に続き、AXIZの2人と連続30分ドローという結果に。「タッグでももちろん僕が上がってからずっとベルトを持っているはずなんで、物凄く強い。そして、シングルでも潮崎豪は強くて、パートナーの中嶋勝彦も強かった」と素直に中嶋を認め、「あのサイズで僕の攻撃あれだけ受けきって。しかも、やっぱり投げられるわけじゃないですか。サイズが小さいから。だから、投げられる時にちょっと外してるんですよ。ツームストンも少し外れて、ドラゴンも角度がちょっと甘かった。ダブルアームも少し。その少しを取れるまではいけなかったですね。惜しい」と悔しさをにじませた。

 早期の決着戦実現は求めなかったものの、“性格の悪さ"という部分で勝手にシンパシーを感じたようで、「同じ匂いを感じますね。だから、はぐれAXIZとか、やぶさかではないですね。検討に…。そういうのを考えます」とほのめかした。

 一方、中嶋は試合前に「愛で包み込んであげる」と予告していたが、試合後には「ちゃんと愛で包んであげたでしょ? 見たでしょ? わかった? 俺の愛」とニヤリ。「向こうのわがままを俺が1回聞いてやったんだよ。なのに、またもう1回っておかしいだろ? かといって、別に俺からの要求はございません。だから、愛に溢れてんだよ」と再戦は否定したが、「彼もだてにやってないし。ベタだけど、一発一発の技は本当に重いよ」と鈴木の実力を肌で感じ取った様子だった。

【試合後の中嶋】
――試合の感想は?

▼中嶋「豪さんの代理としてはいい勝負するだろ? 代わりでしょ、俺は。鈴木秀樹に聞いてくれよ。いい勝負するだろ」

――鈴木選手の発言が腹に据えかねていた部分はあった?

▼中嶋「ついでだからね。当然じゃない? だから、ちゃんと愛で包んであげたでしょ? 見たでしょ? わかった? 俺の愛。わかった? どっち? わかったの?」

――イエス…

▼中嶋「ほら」

――30分でも仕留め切れなかったという事実は残ったが?

▼中嶋「そうね。まあ、いいんじゃない、それはそれで」

――もう1回というポーズも鈴木選手からはあったが?

▼中嶋「ふざけんなよ。向こうのわがままを俺が1回聞いてやったんだよ。なのに、またもう1回っておかしいだろ? かといって、別に俺からの要求はございません。だから、愛に溢れてんだよ」

――実力は当然、感じた?

▼中嶋「まあ、それはね。彼もだてにやってないし。ベタだけど、一発一発の技は本当に重いよ」

――思った以上だった?

▼中嶋「そうね。思っていたというか、何回かタッグで当たっているんで。光るものというか、そういうのは感じていたんで。真面目に答えさせるなよ」

【試合後の鈴木】
――30分引き分けに終わったが、シングルマッチで中嶋選手と対戦してどうだった?

▼鈴木「AXISと60分トータルで。タッグでももちろん僕が上がってからずっとベルトを持っているはずなんで、物凄く強い。そして、シングルでも潮崎豪は強くて、パートナーの中嶋勝彦も強かった。いやあ、なんだろう、同じ感じですね、潮崎豪の時と。まあ、結果も同じなんですけど、結果じゃなくて」

――潮崎戦ではタフさ、打たれ強さを感じたと言っていたが、今回は?

▼鈴木「もちろんあのサイズで僕の攻撃あれだけ受けきって。しかも、やっぱり投げられるわけじゃないですか。サイズが小さいから。だから、投げられる時にちょっと外してるんですよ。ツームストンも少し外れて、ドラゴンも角度がちょっと甘かった。ダブルアームも少し。その少しを取れるまではいけなかったですね。惜しい」

――この戦いに次はありそう?

▼鈴木「ここに上がっている限り、彼はそこにいるわけですから、避けて通れない…と言いたいんですけど、現状、私のカードでは当たらないんですよ。その辺、また勝手にまた試合を組むということが必要になるのかなと。交互に責任取ってもらおうかな。あとお客さんの声だと思うので。まだまだノアにも…僕が知らないプロレス界、ノアやいろんな団体を含めて強い選手がいっぱいいて。中島勝彦って凄く強くて、同じ感じもちょっとしたような気がします。性格悪いでしょ、たぶんね? 悪いんですよ。だって、あんなのダメージないじゃないですか。(顔面を蹴る仕草を見せて)腹立つ。まあまあ、僕も大して変わらないですよ。勝てなかったのに言うもんじゃないですね。でも、同じ気持ちで悔しいですよ。川崎と同じように」

――歓声も凄かったし、内容もよかったが?

▼鈴木「僕は歓声を求めちゃダメなんです。勝たないと存在価値がないから。だから、今日は負けたわけじゃないので0じゃないんですけど、僕の中では50%ですね。守りきられた。かつ、守っただけじゃなくて、攻めきってきた、最後まで。蹴りも本当に久しぶりですね、あの強さを」

――性格の悪さも感じたと?

▼鈴木「それ、みんな知ってますよね? 同じ匂いを感じますね。だから、はぐれAXIZとか、やぶさかではないですね。検討に…。そういうのを考えます」

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