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2/23【DDT】田中がKO-D王座快勝V1 次期挑戦者に竹下指名、3・20後楽園で激突

『Into The Fight 2020』東京・後楽園ホール(2020年2月23日)
KO-D無差別級選手権試合 ○田中将斗vsMAO×

 田中がMAOに快勝してKO-D王座初防衛に成功。次期挑戦者に竹下を指名し、3・20後楽園でのV2戦が決定した。

 ZERO1・田中は無敗でD王GPを制すると、1・26後楽園でHARASHIMAを撃破し、KO-D王座初戴冠を果たした。至宝の他団体流出という非常事態を受けて、V1戦の相手になったのはMAO。短期英国遠征から帰国後、KO-D王座挑戦を表明していた。田中は「顔ではない。ちゃんと防衛してベルトの価値を上げる」と完勝を予告していたが、その言葉通りの結果になった。

 KO-D無差別級王座初挑戦のMAOはトリッキーな動きで王者を場外に転落させ、トペコンヒーロで先手を取ったものの、田中は場外戦で床直撃のブレーンバスターを強行して黙らせる。カウントアウト寸前でMAOはリングに滑り込むが、田中は首攻めを展開。エルボーを連打して優勢に試合を進めた。

 一方的に攻め込まれたMAOだったが、ランニングエルボーを皮切りに、ドロップキックやアラビアンプレスなど躍動感溢れる攻撃で反撃。そして、自身の信条とする“変なプロレス"を仕掛ける。田中の串刺しラリアットを松井レフェリーに誤爆させて無法地帯を作り上げると、ここぞとばかりに小型ひよこ人形の入ったプラケースを投入。リング上に並べると、自らのダメージを気にせず、プラケースの上で河津落としをお見舞いし、たまらず場外に転落した田中の脳天にスワンダイブでプラケースを振り下ろす。そして、テーブルをリングサイドに設置し、田中に断崖式みちのくドライバーIIを狙った。

 間一髪切り抜けた田中はエプロンデスバレーボムで逆襲。テーブルにMAOを寝かせると、スーパーフライをコーナーから投下する。テーブルがへし折れるほどの一撃で主導権を奪い返すと、エルボーやラリアットを次々とぶち込んでMAOを追い詰めた。

 MAOもアッパー掌底、みちのくドライバーIで決死の抵抗。田中のダイヤモンドダスト(雪崩式前転スタナー)やショートレンジ式スライディングDの餌食になるが、スーパーフライはヒザを突き立てて撃墜すると、盟友マイク・ベイリーの必殺技であるアルティマウェポン(シューティングスター式ダブルニードロップ)を投下し、必殺のキャノンボール450°で勝負に出た。

 だが、今度は田中が剣山で迎撃。一気にコーナー最上段からの雪崩式ブレーンバスターでぶん投げる。粘るMAOはすぐさま立ち上がり、2人はエルボー合戦で火花。MAOはみちのくドライバーIIで逆転を狙ったが、田中は即座に立ち上がってスライディングラリアットを発射だ。続くスライディングDをバク転で回避したMAOはトラースキックからスクリューハイキックを放つが、田中は蹴り足をラリアットで振り払うと、ショートレンジ式、そして正調式でスライディングDを連発し、粘る挑戦者を沈めた。

 田中が快勝V1。それでもMAOの実力を感じ取ったようで、「変なプロレス、メチャメチャ楽しめたよ。お前の敗因を言ってやろうか? ひよこがここ(タイツの後ろ側)に入ってたんや。こいつの技を吸収してくれたから、こっちへのダメージが減ってから勝てた」と告白し、「変なプロレス最高に楽しかった。またいつか変なプロレスやりましょう」と呼びかけ、握手を交わした。

 「いつでもどこでも挑戦権」を行使する選手はおらず、次回防衛戦は3・20後楽園で行われることに。そこで、田中がリングに呼び込んで次期挑戦者に指名したのが竹下だった。竹下はセミファイナルの初代DDT UNIVERSAL王座決定戦でブルックスに敗れ、ベルト獲りを逃したばかりだったが、田中は「DDTに上がるにあたって、俺が戦いたかったのはHARASHIMA、遠藤、この竹下や。その中で前に言った2人は俺が倒した。お前が俺の試合の前で負けたとかそんなんはどうだってええ。俺はお前を逆指名する」と宣言。「今のこの現状をわかってるか? 俺がリーグ戦優勝してベルトを獲って、そして今日防衛した。去年の暮れから俺がこのリングで最後こうやって手を上げとるねん。それで、DDTのトップどころだったお前が悔しくないんか? 田中将斗と試合したくなかったり、このベルトを俺から獲れる自信がないんやったら、上がってきてもらって悪いけど、そこから出てってくれ」と挑発した。

 竹下の気持ちはすでに決まっていた。「俺はあなたと戦いたいし、絶対に勝てる」と断言。「確かに俺はUNIVERSALのベルトで敗れて、去年は両国でそのベルトを落として。正直、順番は後ろにいてると思うって、今そこでコメント出してたんですよ。マスコミの人に。でも、レスラーとしても、1人のゴールドジムのトレーニーとしても尊敬する田中さんが逆指名してくれるなら、僕はぜひ戦いたい。よろしくお願いします」と田中の指名を受諾し、3・20後楽園での対戦が確定した。竹下は来月の後楽園で「俺のDDTのストロングスタイル」をぶつけると予告。田中も「望むところやね」と返答してにらみ合った。

 UNIVERSAL王座獲りを逃した竹下としては再浮上を狙ううえでまたとないチャンスとなるが、敗れればタイトル戦線で大きく後退することになる。一方、田中としてはHARASHIMAと並んでKO-D王座の象徴的存在である竹下を破り、盤石の体制を築くという思惑が見え隠れする。2人の戦いは6・7さいたまSAに繋がる重要な一戦となりそうだ。

プロ格 情報局