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3/1【ZERO1】火野陥落…耕平が3年ぶりに世界ヘビー級王座返り咲き、3・29靖国でヴァイス迎撃

『ZERO1旗揚げ19周年記念大会』東京・後楽園ホール(2020年3月1日)
世界ヘビー級選手権試合 ○佐藤耕平vs火野裕士×

 5度の防衛を誇る世界ヘビー級王者の火野を耕平が撃破。19周年記念興行で3年ぶりに返り咲いた。試合後、ブードゥー・マーダーズ(VM)が新王者を襲撃し、ヴァイスが挑戦表明。3・29靖国大会で耕平の初防衛戦が決まった。

 世界ヘビー級王者の火野は1・26大阪でGAINAを下して4度目の防衛に成功。昨年の火祭り、風林火山タッグトーナメントも制しており、名実ともにZERO1の中心に立っている。そんな火野に待ったをかけたのが耕平だ。過去4度の戴冠を誇る耕平が火野に真っ向から勝負を仕掛けた。

 試合は静かな立ち上がりとなったが、胸板への張り手合戦から一気に加熱。耕平はエルボーに切り換え、強烈な一撃でねじ伏せる。負けじと火野は重たい逆水平を連打。たまらず耕平が倒れ込むと、火野はさらに胸板に張り手を振り下ろす。耕平の胸板は早くも真っ赤に腫れ上がった。それでも「来いよ、オラ」とコーナーで胸を張ったが、火野はこん身の逆水平で黙らせる。

 しかし、耕平の闘志は消えない。エルボーを打ち合って反撃に転じると、ミドルキックを土手っ腹にぶち込み、ファルコンアローに繋げる。ここから耕平がミドルキック、火野が逆水平を放ってラリーに発展。我慢比べに突入した。火野はあえて両手を背中に回して仁王立ち。容赦ないミドルキックを正面から受け止めると、逆水平4連打で押し返す。そして、ロープに飛ぶも、耕平はキチンシンクを一閃。両者は同時に崩れ落ちた。

 火野は串刺しラリアット、エクスプロイダーでアクセルを踏むと、追いすがる耕平をリングに叩き落とし、強烈なフロッグスプラッシュを投下した。そして、Fucking BOMBの構えに。耕平が不時着してもジャーマンでぶっこ抜くが、引かない耕平も同じくジャーマンを繰り出してダブルダウンとなった。

 互いに余力はあとわずか。火野は逆水平、耕平はエルボーにこだわり、重たい打撃が交錯する。火野はショートレンジラリアットで強引に浴びせ倒すと、耕平のミドルキック3連発を受け止めた上で、珍しいミドルキックを一閃。耕平のランニングエルボーに被弾しても止まらず、ラリアットをぶち込む。耕平は意地になってラリアットを返すと、さらに頭突きをズバリ。この一発で火野の額は割れて流血する。火野は自らも頭突きを突き刺すと、耕平の頭突きには両手を後ろに回してここでも仁王立ち。だが、耕平は自分が流血してもお構いなしで一気に押し切り、パイルドライバーがとうとうさく裂した。それでも火野は沈まず、耕平が頭突きやエルボーを放っても、なおも両手を後ろに回して懸命に立ち続ける。が、耕平は両手ごとクラッチし、ダルマ式ジャーマンスープレックスホールドで3カウントを奪い取った。

 死闘を制して耕平が3年ぶりに世界ヘビー級王座返り咲き。最多記録となる5度目の戴冠を果たした。後楽園ホールは祝福ムードに包まれるが、それをぶち壊したのがVMだ。今大会でVM入りを果たした三又GMが花道から姿を現すと、ハンドマイクで「佐藤耕平に告ぐ。佐藤耕平に告ぐ。3月29日、靖国神社大会において、クリス・ヴァイスと選手権試合を行うことをここに決定します」と宣言。そのままVMがリングになだれ込み、総出で耕平に襲いかかる。ヴァイスはラリアットで耕平をなぎ倒すと、TARUはフォークを投入した。

 そこに思わぬ人物が救出に現れた。かつての常連外国人選手ハートリー・ジャクソンだ。ジャクソンはUN王座やNWAインターコンチネンタルタッグ王座を腰に巻くなど活躍していたが、2018年10月以降、ZERO1マットから遠ざかっていた。ジャクソンはラリアットでヴァイスを排除すると、大谷らとガッチリ握手。マイクを持ち、「タダイマ。ゴメン、ニホンゴ、チョットダケ」と日本語であいさつし、「耕平さん、大谷さん、高岩さんのことを尊敬している。ゼロワンのメンバーもとても尊敬しているし、ゼロワンのファミリーをとても尊敬している」と熱く語り、再び日本語で「ゼロワンノカゾクニナリタイ。ガンバリマス」と表明。後楽園はジャクソンコールに包まれた。

 最後は「3、2、1、ZERO1!」の大合唱で19周年記念興行を締めくくった耕平。バックステージでは「とりあえず勝てたことで、ちょっとホッとしました」と胸をなで下ろした。もちろんすでに先を見据えており、「もし、最後のあのクリスの挑戦表明が正式に通るんであれば、それはもう靖国でしっかりとクリスを迎え撃って、このベルトを持つ意味というのを肌で感じさせてやろうかなと思います」とヴァイス迎撃を断言。その後、3・29靖国でのV1戦が正式決定した。

 世界ヘビー級王者として大日本のシングルリーグ戦・一騎当千に臨むことになったが、「うちのチャンピオンとしてベルトを持って出る以上、しっかりと勝ち上がって、優勝してこのベルトに箔が付くように。ZERO1らしい戦いをして優勝して、戻ってきたいと思います」と宣言。もちろん今大会で発表となった来年の3・14両国も視野に入れており、「火祭りがあったり、風林火山があったり、いろいろな獲るべきものもありますんで。そこも狙いつつ、チャンピオンとして狙いつつ、獲って、両国を迎えられれば最高ですね。そのつもりで戦っていきたいなと思います」と1年間のベルト死守どころか、火祭りや風林火山タッグトーナメントを含めた完全制覇を予告した。

【試合後の耕平】
▼耕平「とりあえず勝てたことで、ちょっとホッとしました。もう火野もZERO1の一員なので、そしてあれだけ強いので、当然な気がするんですけど、19周年目という節目の大会でタイトルマッチ。どこかで負けたくないという気持ちの結果が出たのかなと思います。なんにしても、途中で決まりかどうかわからないですけど、クリスが挑戦してきたり、そこでまさかジャクソンが助けに来るとは思ってなかったし。ZERO1をジャクソンなりに思ってくれているのが凄く嬉しかったし、これからジャクソンも含めて、また面白い動きが出てくるんじゃないかと思います。もし、最後のあのクリスの挑戦表明が正式に通るんであれば、それはもう靖国でしっかりとクリスを迎え撃って、このベルトを持つ意味というのを肌で感じさせてやろうかなと思います。それと、両国が決まったということで、これから選手一同さらに熱い試合を重ねて、さらに成長して、両国に戻れるように。たぶんそれは俺だけじゃなく、選手みんなが思っていることだと思うので。今日はこういう時に来てくれたお客さんにも、今日こういうことがあって来れなかったお客さんにも、そういうものが伝わるような戦い方をしていきたいと思います。あと、個人的な話になるんですけど、これから大日本プロレスで一騎当千というリーグ戦もありますし、ウチのチャンピオンとしてベルトを持って出る以上、しっかりと勝ち上がって、優勝してこのベルトに箔が付くように。ZERO1らしい戦いをして優勝して、戻ってきたいと思います」

――1年後の両国までベルトを守り続けたいという気持ちはある?

▼耕平「それも当然なんですけど、その間に火祭りがあったり、風林火山があったり、いろいろな獲るべきものもありますんで。そこも狙いつつ、チャンピオンとして狙いつつ、獲って、両国を迎えられれば最高ですね。そのつもりで戦っていきたいなと思います」

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