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3/10【全日本】イザナギが世界ジュニア獲りへ無法宣言「どんな手を使ってでも」、王者ススム豪語「全て受け止めた上で弾き返す」

 3・23後楽園大会で世界ジュニアヘビー級選手権試合を行う王者・横須賀ススム、挑戦者・イザナギが10日、神奈川・横浜市の全日本道場で会見。イザナギがPURPLE HAZEに初ベルトをもたらすべく「どんな手を使ってでも何とか勝利をモノにする」と無法予告を発すれば、3度目の防衛戦となるススムは「全てを受け止めたうえで、しっかり弾き返す」と正攻法で返り討ちにする構えをみせた。

 2・23大阪大会でススムが岡田佑介を下し、世界ジュニア2度目の防衛に成功。試合後、イザナギが右ハイキックwithトンファーによる襲撃の暴挙を働いて挑戦をアピールした。ススムが受けて立ったことで3・23後楽園大会でのタイトルマッチが決定。両者はイザナギが素顔の丸山敦時代の昨年12・17後楽園大会における世界ジュニア王座決定トーナメント1回戦で対決し、ススムが勝利。丸山がイザナギとなってからは初対決となる。

 イザナギが世界ジュニア挑戦に動いたのは理由がある。1月のゼウス加入を機にPURPLE HAZEを始動させ、ベルト総獲りをぶち上げたものの、現時点で無冠のまま。イザナギは「どんな手を使ってでも何とか勝利をモノにして。PURPLE HAZEとしてもまだ何一つ結果が出ていないので、ここでひとつ世界ジュニアを巻いて勢いつけたい」と軍団に初ベルトをもたらすことを誓っている。王者・ススムを「達人」と評しつつ、「私もちょっと腕には覚えがあるんで、達人同士の若いもんにはできない試合を逆に今できる」と豪語したイザナギは「今メチャクチャ調子いいんですよね。たぶんデビュー以来、今一番いいんじゃないかな」と絶好調を強調。会見中に瞑想を始めて「まだ全然本気出してないんで、当日はこれを出して場の空気自体を変える」と宣言し、ススムに心理面でも揺さぶりをかけた。

 そしてベルト獲りのためなら手段は選ばない。当日UTAMAROがセコンドにつくことを明かしたうえで、「できることは全部やっていくつもりです。ぶっちゃけそれが反則になろうが何だろうが」と宣言。セコンド介入、凶器攻撃などレフェリーの目を盗んだ反則三昧でススムを料理する構えをみせ、「王者もどうぞ何でもやってください」と投げかけた。

 対するススムはこれが3度目の防衛戦。過去2回とは打って変わって年齢、キャリアの近い相手とのタイトルマッチとなった。「十分、選手としてのこのタイトルマッチに一発でくる力はホントに持ってると思う」とイザナギを評したススムは、「ああいう感じで挑戦表明してくるっていうところにすでにイザナギ選手の本気というか感じてる」とベルト獲りにかける思いも伝わってきている。また、この日の対面によって「全くの別人になってしまったんだなと実感して、目に見えない恐怖と今戦ってるのもある」と警戒心も強まった。

 だが、ススムにとって世界ジュニアのベルトはかつての憧れであり、全日本に参戦するための通行手形のようなもの。「せっかくこうやって昔憧れたリングに立つことができているんで、なるべく防衛して、この位置を僕は自分で守り続けたい」と誓うように、そう簡単に譲るつもりはない。また、あるプランを脳裏に思い描いてはいるが、「それは僕がこの先、防衛を続けることができたら口に出したいなと。今はまだ出すべきじゃないと。まだ自分がそこまでいってない」と明言はせず。それを現実とするためにも「今は目の前に現れるチャレンジャーと1対1で向き合って戦っていくことが僕のチャンピオンとしての使命」と着実に防衛を重ねていく構えをみせた。

 そしてイザナギの無法宣言には王者らしい対応を示した。「今軍団としてやってるという部分、仲間がいるっていう部分でそのへんの怖さというのもあるんで、いろんなものを警戒しながら戦いたい」と素顔時代と違った面はもちろん想定済みで、「ここまで堂々と宣言を聞いてしまったからには、逆にそのイザナギ選手の全てを受け止めたうえで、しっかり弾き返す」と宣言。過酷な戦いとなるのを覚悟のうえで「試練は大きい方が超えがいがあるんで。それを超えることによって僕が世界ジュニアチャンピオンとして一つステップアップできる」と言い切った。

 正攻法による返り討ちを宣言したススムに、イザナギもしてやったりといわんばかり。「王者もここで宣言した以上、反則は使えない」と強調したうえで、「王者がラフファイトが苦手だと僕は全然思ってないんで、できると思ってるんで。そういう部分が怖かったんで、そこを封じられた。これでますます有利になりました」とベルト獲りを確信するように言い放っていた。

☆3/23(月)東京・後楽園ホール『2020 DREAM POWER SERIES』最終戦 18:30開始

▼世界ジュニアヘビー級選手権試合
[挑戦者]
イザナギ
(1/60)
横須賀ススム
[第52代王者]
※ススム3度目の防衛戦

【会見の模様】
▼イザナギ「王者はとても尊敬できる素晴らしい選手なんで、どんな手を使ってでも何とか勝利をモノにして。PURPLE HAZEとしてもまだ何一つ結果が出ていないので、ここでひとつ世界ジュニアを巻いて勢いつけたいと思います」

▼ススム「1月の頭に世界ジュニアチャンピオンになりまして、今回で3回目の防衛戦になりました。前回、試合が終わったあとに不意打ちというか、ああいう感じで。あとでVTRを確認したら一撃ね、右のハイキックを食らってやられてしまったんで。ああいう感じで挑戦表明してくるっていうところにすでにイザナギ選手の本気というか、感じてるんで。凄く前、たぶん試合したことあると思うんですけど、その実力っていうのは僕もわかってるんで、さらに今軍団としてやってるという部分、仲間がいるっていう部分でそのへんの怖さというのもあるんで、いろんなものを警戒しながら戦いたいなと思ってます」

――これまでの防衛戦は若い選手相手だったが、今回はキャリアの近いイザナギ選手が相手となると違う?

▼ススム「そうですね。ホントにアキラ選手とか岡田選手は純粋に壁じゃないですけど、そういう立場となって前に立ちはだかったわけですけど、今回はホントにイザナギ選手もキャリアはそんな変わらないんで。もちろん、いろんな部分で活躍してる姿も見てきましたし、かつては近いところで試合をしてるところも見てましたし、十分、選手としてこのタイトルマッチに一発でくる力はホントに持ってると思うんで。だから今回はホント純粋に守りにいくというか、そこに油断は一切なくて、自分の力を全力で出すしかないんじゃないかなと」

――イザナギとなる前に昨年末、ススム選手とトーナメント1回戦で対決しているが?

▼イザナギ「だいたい年代もキャリアも近い選手で、自分の感覚ですけど、メチャクチャ凄い選手って僕の価値観で申し訳ないんですけど、なかなかいないんですけど、その中で王者は達人と呼べるかなと。私もちょっと腕には覚えがあるんで、達人同士の若いもんにはできない試合を逆に今できると思いますね。僕も王者もいろいろ故障はあるでしょうけど、長い間やってるといろいろ故障あるんですけど、今メチャクチャ調子いいんですよね。たぶんデビュー以来、今一番いいんじゃないかな。首もこんな曲がるんですよ。こんなに曲がる首はなかなかないね、私史上で。こういうプロレス、他の格闘技もそうですけど、体力がある若いうちのものであってはいけないと思うんですね。それでは夢がないと。本当の達人の戦い方、年を取らないとできない体の使い方、そういうのがたくさんあると思うんで。僕の中で肉体のピークというのは60代なんですよね。60代までできる。ただこれはプロレスですから、相手の技もがっちり受けると。そういうことを考えた時、これから我々の年代がどんどんピークにいくであろうと。筋トレとか若い者はそういうことばっかしますけど、もうあと10年ぐらいしたら時代遅れになると思いますね。僕は全然、先いってますんで。リングに立った瞬間に他の選手との違いをみせられるとこまできてます。今も実際、この格好見て分かると思いますけど、少林寺の門弟なんですけど、それを筋力の代わりに自分の気功を使ってます。少林寺の力も使ってますけど、自分のエネルギーを使って、それのみじゃなく今、神とつながることによって、神の力をリング上におろせられないかと。今だいぶおろせるようになってきてるんで、タイトルマッチまで時間あるんで。空気を変えることが今できつつあります。ちょっと今やりましょうか。(両手の人差し指を立てて瞑想すると)まぁまぁ、今はこんなもんですけど、自分の周りに今、球体が…スカラバというんですかね。そういう場が今できたと。これまだ全然本気出してないんで、当日はこれを出して場の空気自体を変えようと。場の空気が変わったのを王者ぐらいの達人なら感じてると思いますけど、そういう次元の戦いをこれからはやっていきたいですね。それにふさわしい相手だと思ってます。こんなチャンスなかなかないんで、思い切り新しい次元の違うプロレスをやっていきたいと思います」

――素顔で戦った時と違う印象?

▼ススム「そうですね。全くの別人になってしまったんだなと実感して、目に見えない恐怖と今戦ってるのもあるんですけど。あと全日本プロレスさんに来て、僕もともと昔から紫色のコスチュームとか使ってやってきたんですけど、色もかぶってしまってる部分があるし。振り返るとそういえばアキラ選手も紫色使ってたなっていうのがあって。今度、岡田選手と試合する時、僕はブルーを基調とした新しいコスチュームで挑んだら、岡田選手も青でかぶってしまったと。ちょっと色かぶりが続いてるんで、このへんで自分の色をハッキリさせたいなと。そういう意味では今、紫を名乗ってる軍団のイザナギ選手と戦うことは全日本プロレスでの自分のポジションを見つけるいい機会かなと思ってますので。色ですね。色かぶり」

――その色かぶりで連勝中なのでゲンがいいかもしれない

▼ススム「今のところはそうですね。二つとも勝利で終えてるんで。ここでイザナギ選手に勝つことで自分の色ってものをはっきりできるんじゃないかなと。世界ジュニアのベルトともなにげに付き合い長くなってきてるんで、このままいいお付き合いができていけたら、それが僕が全日本プロレスに出続けることができる、これがあれば僕がこの場所にい続けられるのかなと思うんで。せっかくこうやって昔憧れたリングに立つことができているんで、なるべく防衛して、この位置を僕は自分で守り続けたいなと思います」

――ベルトを獲ればPURPLE HAZEに初ベルトとなるが、その責任感はある?

▼イザナギ「ベルト獲らないと軍団に勢いがつかないんで、そういう意味で獲りたいのもありますけど、さっきの王者の発言を聞いて、僕は特に紫にこだわってるわけじゃないんですけど、イザナギが紫だっていうんで。紫を使えっていう神の啓示があったんで、あとゼウスも、全知全能の神も紫でいこうと、そういうことなんで。いきがかり上、紫になった以上、どっちが本当の紫だという戦いにしてもいいのかなと思いますね。あと宣言しますけど、リング上における神というのはレフェリーになるわけですけど、目が二つしかないと。僕はその神の目をかいくぐって、できることは全部やっていくつもりです。ぶっちゃけそれが反則になろうが何だろうが。セコンドにもちろんUTAMAROもついてくれるんで、こっちは何でもやります。王者もどうぞ何でもやってください。僕は自分がやる技は自分がやられてもいい技ですから。友達がいるなら連れてきていただいて。王者の器量に任せると、僕は何でもやると、あえてここで宣言します」

▼ススム「ここまで堂々と宣言を聞いてしまったからには、逆にそのイザナギ選手の全てを受け止めたうえで、しっかり弾き返す。それがチャンピオンとしての宿命じゃないかなと。苦しい戦いは待ってるかもしれないです。この時点でもしかしたら始まってるのかもしれないです。でも、そういう試練は大きい方が超えがいがあるんで。それを超えることによって僕が世界ジュニアチャンピオンとして一つステップアップできるんじゃないかなと。だから乱入とかコノヤローじゃなくて、そのへんもしっかり踏まえて自分の中でいろいろ考えていきたいなと。当日まで時間ありますんでね」

――助っ人は連れてくる?

▼ススム「基本的に僕は全日本プロレスさんに出てる時は一人で来て寂しく戦ってるんですけど、時折、全日本プロレスの若手の方がセコンドというか、下から『ススムさん』と声を送ってくれてるのが聞こえてきて、全日本プロレスの若手の中にも僕を応援してくれる子がいるんだなと思いながらやってるんで。場合によっては全日本プロレス若い子いっぱいいるんで、もしかしたら僕の味方になってくれるんじゃないかなと。プロレスってある意味、何でもありな部分もあると思うんで、それはその場の臨機応変じゃないですけど。だから会場で全日本プロレスの若手の人に会った時は優しくしておこうかなと」

――この先の防衛ロードで考えていることは?

▼ススム「僕の中で、最初は普通にまず光栄なこと、チャンピオンになれたことが素直にうれしかった。今はやっぱりチャンピオンになった以上はできるだけこの地位にいられることがチャンピオンたるものだと思います。僕の中でうっすらとあるんですけど、それは僕がこの先、防衛を続けることができたら口に出したいなと。今はまだ出すべきじゃないと。まだ自分がそこまでいってないかなと思ってますので。だから今は目の前に現れるチャレンジャーと1対1で向き合って戦っていくことが僕のチャンピオンとしての使命だと思ってます」

――イザナギ選手はベルトを獲ったらやりたいことはある?

▼イザナギ「挑戦を目の前にして獲ったあとのことは今はまだ考える必要ないかなと。まずは獲ることを全力で。今日もこの会見があって助かりましたね。王者もここで宣言した以上、反則は使えない。王者がラフファイトが苦手だと僕は全然思ってないんで、できると思ってるんで。そういう部分が怖かったんで、そこを封じられた。これでますます有利になりました」

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