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4/26【大日本】大地が一騎当千史上初 シングル王者の優勝達成 「ストロングを盛り上げていく責任を負った」

『FIGHTING TVサムライ「BJW TVマッチ』会場非公開(2020年4月26日)
「一騎当千〜strong climb〜」決勝戦 ○橋本大地vsクワイエット・ストーム×

 ストロング王者・大地がストームとの熱戦を制し、一騎当千を初制覇。史上初となるシングル王者による優勝を成し遂げ、ストロングBJの頂点に立った。

 ストロング勢による一騎当千は3・3後楽園で開幕したものの、新型コロナウイルスの影響による大会中止によって公式戦全試合を消化できず。また、政府から発令された緊急事態宣言を受けて準決勝&決勝戦が行われる予定だった4・12札幌大会も延期に。この日、無観客のTVマッチを舞台に仕切り直しで行われることになった。

 決勝戦に勝ち上がったのがAブロックを1位通過し、準決勝で関本を破ったストロング王者・大地と、Cブロックを1位で突破し、準決勝でジェイクを撃破したストーム。この二人の間で栄冠が争われた。

 序盤は両者とも慎重。ローキックでけん制する大地に対し、ストームは怪力で左腕を絞め上げ、逆水平を打ち込む。エルボーで応戦する大地をショルダータックルでねじ伏せ、アームバー、脇固めで左腕攻めを継続。コーナーに上がった大地を50cm腕ラリアットで場外に叩き落としてリングアウト寸前に追い込み、再び脇固めで左腕を絞め上げた。

 耐えた大地はニーリフトからのDDTでようやく反撃を開始。ミドルキック連打を浴びせ、ストラングルホールドγで絞め上げたものの取り逃してしまう。逆にストームのブレーンバスター、低空フライングボディアタック、逆水平連打の猛攻を浴び、50cm腕ラリアットを被弾。逆水平を打ち込まれると、ミドルキックで応戦してラリーに持ち込んだものの逆転ならず。フライングボディアタック、フィッシャーマンバスター、垂直落下式ブレーンバスターの猛攻を浴び、1カウントで返す意地をみせても、再び50cm腕ラリアットを叩き込まれた。

 それでも大地は王者の意地で肩を挙げた。起死回生のカウンターニールキックで逆襲すると、二段式ジャーマンで追い討ち。2カウントで返されてもシャイニングウィザードをさく裂させ、間髪入れずライジングDDTで突き刺して逆転勝利を決めた。

 2018年の前回、初の決勝進出を果たしながら、鈴木秀樹に敗れて準優勝で涙をのんだ大地。あれから2年が経過した今年、ストロング王者として臨み、悲願の一騎当千初優勝を飾った。しかもシングル王者の優勝は史上初の快挙。新たな歴史を作った。

 だが、今年の一騎当千は新型コロナ禍の影響が直撃。優勝戦を無観客のTVマッチという異例の状況で行わざるを得なくなったとあって大地は「まだ実感わかねぇな。優勝したって。みんなの前で試合したかったな。何か寂しい気持ちと悔しい気持ちとうれしい気持ちがごちゃ混ぜになってるわ」と複雑な心境を口にした。一方で父・橋本真也(故人)が生前口にしていた「東京ドームの花道は麻薬だ」との言葉を思い出しつつ、「今日やってわかった。いかに俺らってお客さんに支えられてやってるんだなって」とファンの存在の大きさを再認識することができた。

 ストロング王者として一騎当千を制覇し、象徴・関本にも2連勝。これでストロングBJの頂点に立ったのは間違いない。「今いろいろコロナで大変だろうけど、大日本、ストロングを盛り上げていくっていう責任を負ったからね。どんどん盛り上げていく」と誓いを立てた大地は、「けれども俺の挑戦はまだ終わってないから。2年後にまたこれに挑戦するから。ベルト持って」と今から次回一騎当千を見据え、この日の再現を描いた。「我々がまた皆様の前で試合ができるようになった時、一騎当千優勝者として、そしてチャンピオンとして皆さんの前で試合をして、皆さんに元気を届けられたら」と誓った大地がこれから中心となってストロングBJを引っ張っていく。

【大地の話】(試合後のマイク)「やっと…優勝することができました! タイミングがタイミングだったんでタイトルマッチはできなかったですけど、でもトラウマを克服することができました。ありがとうございました。今、世間が大変な中でいろいろ、ホントにホントに大変でしょうけど、外出自粛とかね、3密とかね。皆さん、もっと臆病になっていいと思います。自分がなってるかもしれない、かかるかもしれないという。そうやって、どんどんよくして、そして収まってきて我々がまた皆様の前で試合ができるようになった時、一騎当千優勝者として、そしてチャンピオンとして皆さんの前で試合をして、皆さんに元気を届けられたらなと思ってますので、その時は今まで応援できなかった分、僕らも応援されながら皆さんの前で試合できなかった分、存分に暴れますので、お客さんも存分に応援をよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました」

【試合後の大地】
▼大地「やっと、トラウマを克服できたと言ったら違うかな。克服の仕方にもいろんな形があるよね。ホントだったらタイトルマッチやりたかったんだよ。タイミング的にさ、発言する場もないし、どっかで言おうかなと思ったんだけど難しいね、やっぱ。勝手が違うから。でも、そういう形でもどんな形でも克服できて、一騎当千のトロフィーがここにあって、ベルトがここにあるんだから、僕の中では克服できたと言えるんじゃないでしょうかね。凄いな、クワイエット・ストームは。ホントはジェイクが僕の中で上がってくるんじゃないかって思っていて。というのも、ただ単に僕は当たりたかったってだけなんだけど。今日は凄ぇ試合してくれたクワイエット・ストーム。ぜひ2年後の一騎当千にもまた出てほしいと思うし、ジェイク・リーも俺個人の意見としてはまた出てほしいよ。その時にはまた俺がベルト持ってると思うから。神谷か、クワイエット・ストームか、ジェイク・リーが決勝まで上がってきた時に、その時またタイトルマッチやろう。それで俺がまたベルトと優勝獲るから、その時はやっと本当に本当にたぶんトラウマを克服できたって時だと思うから。ベルト今回かけてないからさ。1個失っても失うもんないから。だから今年は俺が優勝して、それはもちろん今いろいろコロナで大変だろうけど、大日本、ストロングを盛り上げていくっていう責任を負ったからね。どんどん盛り上げていくし。けれども俺の挑戦はまだ終わってないから。2年後にまたこれに挑戦するから。ベルト持って。それまでまた楽しみ増えるじゃんね。今回は今回でチャンピオンと一騎当千優勝者の生きざまをみていてくれればいいさ。それが2年後にも通ずるものにもなるから。俺、こんなコメントでいいのかな? 聞いてもらった方がいいのかもしれない」

――関本に2連勝したうえでの優勝となったが?

▼大地「いや、前回はだってベルトを守らなきゃいけなかったってもちろんあるけれど、今回はそれ以上にトラウマを自分の中で克服したかったって気持ちがあるから。前回も負けらんないけど、今回も負けらんなかったんだよ。たぶんその気持ちが強くて自分自身。あと、この状況をうまいこと利用できたかなというのはちょっとあるかな。正直ね、お客さんがいないと好きなようにできるから楽しい一面もあれば、本当にやりづらい一面もある。そこに何度も心折れそうになったところを、そこは試合に集中しなきゃってすぐ切り替えられたのが自分の中でよかったことかなって対関本戦は思うんですけど。それをそのままつないでメインに、あの決勝に持ってこれたのが自分の中で凄くよかったかなって。モチベーションっていうかテンションっていうか」

――現役王者の一騎当千優勝は初めて。通例なら優勝者がベルト挑戦の形になるが、次の防衛戦はどうする?

▼大地「そうね。何も考えてなかった。とりあえず優勝することを目標にしてたから。そっか。この後どうしようか。とりあえずは当分、コロナと防衛戦かな。当分の間は。まだ負けてないから。かかってないし。とりあえずコロナと防衛戦しといて、物理的な防衛戦のことを後々考えていくっていう。何かでもまだ実感わかねぇな。優勝したって。みんなの前で試合したかったな。何か寂しい気持ちと悔しい気持ちとうれしい気持ちがごちゃ混ぜになってるわ。でもこれ、やるんでしょ、サムライで。サムライで見てくれた人が少しでも元気になってくれればいいや。だって、そのために今プロレスしてんだもん。そのために今日チャンピオンのまま優勝したんだもん。だから、また次の高みを目指すけど、またお客さんが見て楽しいと思えることとかやっていくんで。いま大日本でもLINEライブとかインスタライブとかみんなやってるから。そういう無料コンテンツとか楽しめるようなものいっぱい考えてるから。試合以外でもね。大日本プロレスを楽しんで、試合ができる時に俺ら試合して、それを全力で大日本プロレスを楽しんでもらえればいいかなと思ってるんで。まだまだ大日本プロレス負けないから。楽しんでいこうよ。こういう時だからこそ。写真撮影会とか握手会できないけど、できる時まで俺ちゃんとベルト持ってるから。一騎当千も優勝したし、これ(トロフィー)と一緒に撮ろうよ。そうしよう」

――この状況をうまく利用できたというのは具体的に?

▼大地「だから、さっき言ったお客さんがいないというのと、僕たちが一つ一つ技やってる時に、慣れちゃってるんだろうね、そういうのに。お客さんがワーって言ってくれるのがたぶん気持ちよくなってるんだろうね、プロレスラーって。父上がおんなじこと言ってた気がする。ちょっとまた別の話になるんだけど、『東京ドームの花道は麻薬だ』って。たぶんその感覚とよく似てると。何千、何万人が花道を歩いてる間はその人のことをみるわけじゃん。それが麻薬だって言ってた。気持ちいいというか。『だから引退した奴らがみんな戻ってくるんだ』って言ってたんですけど、何かそれに通ずるものがあるような気がする。今日やってわかった。いかに俺らってお客さんに支えられてやってるんだなって。そりゃそうじゃん。金取って金払ってみようと思うものを俺らが作ってるわけだからさ。そういうのじゃないにしろ、そういうのにしろ、お客さんって大事なんだなって思って。そういうのでさっき切り替えたって話をしたんですよ。お客さんがいなくても、声援がなくても、これは自分の世界に入り込まなきゃいけないって意味合いで。その切り替えが早かったから、次の一手までが迅速に行えたというか。って思ってます。では、また会う日まで。シー・ユー・ネクストタイム」

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