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4/30【全日本】初の無観客タイトルマッチで熱戦 宮原5年ぶりアジアタッグ戴冠ならず、二丁拳銃が初防衛

『全日本プロレス中継2020〜全日本プロレスから世界へ届けたい想い〜』(2020年4月30日)
アジアタッグ選手権試合 ○宮本裕向&木高イサミvs宮原健斗&フランシスコ・アキラ×

 宮原がアキラと組んでアジアタッグに挑戦し、熱戦を展開したものの、5年ぶりの戴冠ならず。ヤンキー二丁拳銃が初防衛を果たした。

 3・23後楽園大会でジェイク&岩本の陣を破ったイサミ&宮本が3年8ヵ月ぶりとなるアジアタッグ返り咲きを果たした。挑戦者を募っていた二丁拳銃の前に意外な挑戦者が現れた。

 アキラだ。イタリアから来日しているアキラは2・11後楽園大会で世界ジュニア王者・横須賀ススムに挑戦したばかり。新型コロナウイルスの感染拡大によって帰国もかなわない中、「故郷で多くの人がコロナに観戦しているというニュースを見ていると、とても心が痛みます」と悲しみ、「ボクは決めました。そのベルトを獲って、イタリアのみんなに元気になってもらおうと」と決意。パートナー不在の状況に「誰かボクに力を貸してくれるパートナーはいないでしょうか?」と呼びかけたところ、宮原が名乗りを上げた。

 宮原にとってアジアタッグはレスラー人生で初めて巻いた思い入れのあるベルト。鈴木鼓太郎と組んで第95代王者に君臨し、2015年1月に陥落して以来、5年3ヵ月ぶりの返り咲きに乗り出した。3・23後楽園大会で諏訪魔に三冠ベルトを奪われ、無冠となった最高男は「新たなスタートを切る絶好のチャンスがやってきた」と最古のベルトを再び巻くことで再浮上の足がかりを作る構えだった。

 二丁拳銃と宮原の対戦は新鮮かつ刺激的。観客代わりに観戦する選手たちから健斗コールが発生する中、宮原は宮本相手に一進一退の先手争いを展開。イサミには得意の頭突きをぶち込んだ。アキラが王者組に捕まる劣勢が続いたが、宮原は何度も声援を送って後押し。呼応したアキラがスリングブレイドで突破口を開いてみせると、宮原は宮本にフロントハイキック、低空&顔面ドロップキック連射で躍動した。

 その後、イサミのフランケンシュタイナー、ドラゴンスクリューからのSTFで動きを止められた宮原だったが、これを耐え抜くとフロントハイキックで逆襲に出る。そして、ここからアキラが奮戦。二丁拳銃の連係に苦戦しながらも、トペコンヒーロを発射。宮原のブラックアウト&アキラの低空ドロップキックのサンドイッチ攻撃をズバリと決め、カサドーラからのフットスタンプ、メテオラで攻め込んだ。が、エビ固めで押さえ込んだところにイサミの勇脚・斬を食らうと、宮本に抑え込まれて3カウントを聞いた。

 宮原&アキラのアジアタッグ獲りはならず。それでも24分を超える熱戦を展開して二丁拳銃の牙城に迫った。宮原は「まさかこのフランシスコ・アキラと2人で組むという形でアジアに挑戦するなんて夢にも思ってなかったし。ていうことは、明日何が起きるかわからない」と世界中の現状に重ね合わせるように振り返ったが、無観客でのタイトルマッチという初めての経験によって、「僕の心にはこれが何かスタートだって。アジアは僕が初めて巻いたベルトなんでね。宮原健斗はまだまだ奮い立たされましたよ」と刺激を得た。

 この日は全日本にとって4・6新木場大会に続く2度目の無観客試合。興行自粛が続く現状に「すぐに跳ね返るファンの声っていうのは僕に今届かないというのが一番試合をしていてもどかしい」とやり場のない不満を感じてはいるものの、「僕らプロレスラーは無観客だろうが、見ている人がその先にいると思えば戦える」とキッパリ。「皆さんのメッセージが何らかの形でもらえたら、俺は嬉しく思います」とファンに向かって呼びかけた。

 一方、二丁拳銃は無観客試合という異例の舞台でアジアタッグ初防衛を飾った。「逆にこういうタイミングじゃなかったら、宮原選手はもちろんのこと、アキラ君ともタイトルマッチをする機会はなかったかもしれない」と前向きに捉えたイサミは、今度は観客の前での再戦を描き、「大・アキラコールを起こさせた上で、ボッコボコにするから。今日は辛勝だったけど、次はもう99%の辛勝でいくから」と返り討ちにする構え。宮本は「やっぱお客さんも絶対目の前で応援したいし、一緒にこの会場で同じ空気を吸って、応援したいと思う」とファンの思いを受け止め、「それが今はできないですけど、またできるようになった時に、みんなの1つ1つの努力でできるようになった時に、また会場に来て、しっかり応援してもらって。それで僕らももっと頑張ります」と宣言。興行再開の時までアジアタッグを守り抜く覚悟を決め、「何度でもどこでもアジアタッグの防衛戦をやっていきます」と誓ってみせた。

【試合後のイサミ&宮本】
▼イサミ「ありがとうございました」

▼宮本「ありがとうございました」

▼イサミ「何か質問ありますか?」

――こういう状況で初防衛戦を迎えることになったが?

▼イサミ「でも逆にこういうタイミングじゃなかったら、宮原選手はもちろんのこと、アキラ君ともタイトルマッチをする機会はなかったかもしれないんで」

▼宮本「そうかもしれないな」

▼イサミ「全てはそういうものだって決まってるんだろうなっていう。こっちがいろいろ考えるけど、いろいろ考えたところで結論は何か決まってて。そこに向かってみんな努力するみたいなところはたぶんあるよね?」

▼宮本「自分らもこういう無観客の中で試合をして。だけど、一番それでイヤだと思っているのはたぶんお客さんだと思うんで。やっぱお客さんも絶対目の前で応援したいし、一緒にこの会場で同じ空気を吸って応援したいと思うんで。それが今はできないですけど、またできるようになった時に、みんなの1つ1つの努力でできるようになった時に、また会場に来て、しっかり応援してもらって。それで僕らももっと頑張りますんで。もっと防衛を続けますんで」

▼イサミ「宮本さんの今のコメントが全てですね。あと言うならば、これがさっき、もしかしたら交わらなかったかもしれないって言いましたけど、もしかしたら早まっただけであって、もう1回、もう2回、もう3回って対戦することがあるかもしれないんで。もしその時に会場に来られるようだったら、今日の大・アキラコールみたいに、もう1回大・アキラコールを起こさせて。あえて起こさせて」

▼宮本「俺たちにこのベルトは流出してるからね」

▼イサミ「そう、俺たちに流出しているから。外敵とまでは言わないけど」

▼宮本「いや、外敵でしょう。あえて外敵でいいですよ。いや、外敵なんだけど、実際ね。外敵だとして、アキラコールを目の前で…」

▼イサミ「起こさせた上で、ボッコボコにするから。今日は辛勝だったけど、次はもう99%の辛勝でいくから。今日は100%の辛勝だったから。1%ずつ減らしていくから」

▼宮本「何度でもどこでもアジアタッグの防衛戦をやっていきます」

▼イサミ「誰とでもね」

▼宮本「やっていきましょう」

▼イサミ&宮本「なぜなら俺たちは強い!」


【試合後の宮原&アキラ】
▼アキラ「ケント、ゴメン」

▼宮原「ノーノー。僕も三冠ベルトを落として、何か一から自分自身をもっともっと奮い立たせて。まさかこのフランシスコ・アキラと2人で組むという形でアジアに挑戦するなんて夢にも思ってなかったし。ていうことは、明日何が起きるかわからない。この戦いで負けてしまったけど、僕の心にはこれが何かスタートだって。アジアは僕が初めて巻いたベルトなんでね。宮原健斗はまだまだ奮い立たされましたよ」

▼アキラ「ゴメンナサイ、ケント」

▼宮原「ノー、ノー。こうやって無観客試合は2試合目ですか。それでこうやって明日何が起こるかわからない状況でアジアタッグができたというのは、全日本プロレスはよかったんじゃないですかね? そして、見ている人がどう感じるか聞きたいですね。すぐに跳ね返るファンの声っていうのは僕に今届かないというのが一番試合をしていてもどかしい部分なんで。ぜひ皆さんいろんな形があるんで。これを見た人は何かしら…何かのメッセージを送ってもらえれば。僕らプロレスラーは無観客だろうが、見ている人がその先にいると思えば戦えるし、今日も負けはしましたけど、アジアタッグを戦った意味があるかなと。皆さんのメッセージが何らかの形でもらえたら、俺は嬉しく思います。アキラ! ネクスト・チャレンジ! ワンモア」

▼アキラ「カモン・ワンモア! ケントサン、僕は次の挑戦のために毎日トレーニングするよ」

▼宮原「アキラもこういう状況の中で違う国にいるということ自体、僕は凄くリスペクトしているし、俺がその立場だったら自分の国に帰りてぇなって思うしね。その中で、仕事といえどプロレスをやっている。何か今日のフランシスコ・アキラの戦いに、僕自身もまだまだこれから先もっともっと夢を持ってプロレスをしたいなって思いました。今日のリング上は本当に夢が溢れてたと思います」

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