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5/28【全日本】福田社長が明言 C・カーニバル秋開催予定、創立50周年へカーベルが2年間のスポンサー契約でバックアップ

 全日本・福田剛紀社長、カーベル・伊藤一正社長が28日、東京・日本橋のカーベル本社で会見。伊藤社長が全日本と2年間のスポンサー契約を新たに締結したことを発表し、福田社長は『2020 Champion Carnival』を9月に開催する予定であることを明かした。(写真=福田社長と伊藤社長は濃厚接触を避けてエア握手)

 中古車販売やレンタカー業務を手掛けるカーベルは2017年9月から全日本をスポンサード。マット広告を中心に金銭面で後方支援してきたが、このほど2022年の全日本創立50周年へ向け、2年間のスポンサー契約を新たに締結することになった。

 年商75億円のカーベルはだが、新型コロナの影響で今年は15億円の減収となる見込み。それでも全日本をスポンサードするのは理由があった。伊藤社長自身がマスクマンの「カーベル伊藤」として全日本にスポット参戦。その中で選手、スタッフが「僕にとっては仲間」となり、「そういう仲間の少しでもお役に立ちたい」という思いが強いからだ。伊藤社長は「全日本プロレス選手の皆さん、関係者の皆さん、メディアの皆さん、そしてその向こうにいらっしゃるファンの皆さん、向こう2年間、カーベルがしっかり全日本プロレスをサポートさせていただきますので、安心して全日本プロレスを見守ってください」とバックアップを約束した。

 具体的な金額は示されなかったものの、これまでよりも増額になるといい、全日本にとって大きな後ろ盾となるのは間違いない。福田社長は「このように若くて元気のある企業様と一緒に活動する機会を得られたことによりまして、まだまだ我々も伸びていけると希望を持っているところでございます」と50周年へ向けて躍進を誓うばかり。「現時点で何も固まっていないので、おぼろげなイメージしかない」と前置きしつつ、「少し大きめの会場、そして普段、全日本のリングに上がっていない選手で、過去にご縁のあった方々に集まっていただいて、一人でも多くのファンに見ていただけるような大会を目指していきたい」と記念イヤーの目標を掲げた。

 現在は新型コロナ禍のため興行を自粛し、無観客のTVマッチを開催している。その中で全日本は延期となった春の祭典チャンピオン・カーニバルの秋開催を目指す。もちろん新型コロナが収束し、通常通りの興行開催が可能な状況が整うことが大前提となるが、福田社長は9月から10月にかけての開催を予定していることを明言。外国人選手の招へいが難しい状況であろうことを想定し、日本人選手のみで開催する見込みで、福田社長は「前回発表したメンバーに準ずる、皆さんの期待を裏切らないような選手に出場してもらう予定を立てております」と約束した。

 また、暮れの風物詩・世界最強タッグ決定リーグ戦も例年通りに11月〜12月開催の方向で準備を進めているという。カーベルとのタッグを継続する全日本は2つの目玉リーグ戦の開催を創立50周年へ向けた追い風とする。

【会見の模様】
▼福田社長「本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ここカーベル本社で発表させていただきますのは、私ども全日本プロレスとカーベル様とで2年間の広告スポンサー契約が整ったというご報告でございます。ここ数ヵ月の社会情勢をみますと、大変後ろ向きな報道ばかりで頭を痛めていたのですが、このように今日、前向きなご報告をできることを大変うれしく思います。昭和の頃から続く全日本プロレスですので、皆様の中には古いイメージもあろうかと思いますが、このように若くて元気のある企業様と一緒に活動する機会を得られたことによりまして、まだまだ我々も伸びていけると希望を持っているところでございます。全日本プロレスが現状で満足することなく、例えば動画配信サービスなどで露出を増やすことによって、カーベル様の社名とロゴがもっともっと多くの方々の目に留まっていけるように我々も心がけてまいりたいと思います。たとえば、今年9月には延期になっておりましたチャンピオン・カーニバルを開催する予定でございます。年末には世界最強タッグ決定リーグ戦という私どもの目玉のシリーズも準備を進めております。このように私ども日々、プロレスの仕事をしてまいりますが、この契約と同じ2年後には創立50周年を迎えます。その日まで私どもとカーベル様の両者がどれほどまでに成長できるかをぜひ皆様にも見守っていただければと思います。本日は貴重な時間ありがとうございます」

▼伊藤社長「皆さん、こんにちは。コロナに負けず、いつも元気なカーベルです。全日本プロレス選手の皆さん、関係者の皆さん、メディアの皆さん、そしてその向こうにいらっしゃるファンの皆さん、向こう2年間、カーベルがしっかり全日本プロレスをサポートさせていただきますので、安心して全日本プロレスを見守ってください。向こう2年間しっかりサポートします。改めてよろしくお願いします」

――スポンサー契約の経緯は?

▼伊藤社長「向こう2年間ということの決め手は一つですね。それは僕が選手として活動してるからだと思います。もし、してなければ野球、サッカー、バレー、柔道、卓球、全てのプロスポーツと同じように今年スポンサーをやめてたと思います。理由は簡単で、今カーベルは年商75億の企業です。コロナ君がバーっときてみんな仲良くなってしまって、カーベルが今年年商が15億下がります。年商が20%落ちる。それがわかってる状態なので、どんなスポーツのスポンサーさんもそういう状況の中、ちょっと今年休もうかなとか減額しようかなとか、どうしようかなとか、そういうふうになるのが僕は普通だと思います。カーベルもたぶん、それが普通ですが、選手としてやっていたので、全日さんのリングの組み立て、イスを並べてる、ああいう方々を地方の試合で、後楽園で見かけます。後楽園で控室で選手と一緒になります。リングの上で組んだり対峙したり、選手とともにファンのために一生懸命体を使います。だから僕が選手としてやってなければ、そういう人たちの顔が浮かんでこないので、お休みしてたと思いますけど、全日本プロレス=僕の中ではすぐ選手の顔とか、リングやイスを一生懸命並べて会場作りしていただいてる人の顔がすぐ浮かんでくるんですね。だから僕にとっては仲間ですので、そういう仲間の少しでもお役に立ちたい。あとは私とウチの社員の年収を下げてプロレスに回そうと。それだけでございます(笑)」

――チャンピオン・カーニバルの9月開催のめどは立っている?

▼福田社長「現状このまま感染者数の減少が続けば、環境が許せば、そういう条件付きなのですが、9月、そして10月、このふた月にまたがってのチャンピオン・カーニバルを予定しております。最強タッグに関しては11月中旬、あるいは下旬かそのあたりは会場の手配等によるんですが、11月開催で12月決勝ということで、これもふた月にまたがるシリーズを予定しております」

――4月開催予定の時点で出場選手など詳細が決まっていたが、変更点は出てくる?

▼福田社長「招へいする外国の方がまだ当分(日本国内に)入れないだろうということで、日本人選手だけでの開催となる見込みでございます。メンバーにつきましては改めてイチから折衝しなければいけませんので、スケジュールなどは今後の状況次第ということで、お知らせすることはまだできないでいますが、前回発表したメンバーに準ずる、皆さんの期待を裏切らないような選手に出場してもらう予定を立てております」

――カーベル伊藤選手の今後の参戦予定は?

▼伊藤社長「機会があればどんどん上がりたいなと思います」

――アジアタッグ挑戦を口にしていたが狙っていきたい?

▼伊藤社長「今、全日本のベルト二つを他団体の選手が持っているんで。この2ヵ月で僕もすることがなくて、体を大きくしましたので、いつでもスタンバイできております」

――新契約はこれまでよりも規模が大きくなる?

▼伊藤社長「今までよりも大きくなります。まぁまぁです」

――プロレスにお金を入れることに反対意見はなかった?

▼伊藤社長「私たち全国で930店舗4つのブランドで展開し、加盟店さんがそれだけの数いるわけですが、加盟店さんのほとんどが車関係で、社長さんの年齢がほぼ60歳前後です。ほぼ9割以上が男性ということで、60歳前後の男性はみんなプロレスが好きなんですね。猪木さん、馬場さん世代というのもあって。全日本プロレスさんの素晴らしいところは、全国100会場に及ぶ巡業を1年間でしていただく。すなわち、その各地域の加盟店さんがその会場に足を運んで、お客様サービス、あるいは社員の満足度アップ、あるいは取引業者さんに対する日ごろのねぎらいのサービス、そういう場になっているんで、全日本プロレスさんが加盟店さんにとっての社員、取引先、顧客満足度を上げる場になってますし、皆さんが元気になる場になっていますので、今回2年間しっかりサポートさせてもらうことに対してハレーションも起きず、どちらかというと支援、声援、早く全日本プロレスの試合を見たいです。そういう声の方が多いですね。もう一つは15億も売り上げが下がるので、2年間も大丈夫ですか?って言うのはウチの経理部門ぐらいです(苦笑) それでもやろうというのは、皆さんメディアの力をお借りして広げてもらいたいのが、今回スポーツがプロレスだった、支援企業がカーベルだったっていうだけで、僕が広まってもらいたいのはあらゆるスポーツのスポンサーさん、どうしようかなってきっと今悩んでると思うんですね。でもプロスポーツっていうのは選手、各団体、ファンとスポンサー、この三位が一体にならない限り存続しないんですね。僕の中の価値観では。だから、あらゆるスポーツのスポンサーをやられている会社さん、スポーツは人を元気にできます。人に感動やハッピーやスマイルを与えることができます。でもスポンサーなくしてプロスポーツってなかなかうまくいかないのも事実なので、プロ、アマチュア問わずですね。全てのスポーツのスポンサーさん、サポート企業、ぜひとも費用を捻出していただいて、スポーツの持つ素晴らしさを失うことなく、そういう力添えに頑張っていただきたいなと。そういう刺激に今日の発信がなればうれしいなというのも実は本音だったりします」

▼福田社長「私、実はさほど社長経験が長い方ではございませんで、まだまだ勉強中の身ですから、このように立派に成功されてる伊藤社長をみると、私自身、勉強になっております。具体的に申し上げると、伊藤社長、言葉の端端に出てくるのが『こういうことするとね、必ず1割2割の反対があるんだよ。でもね、それを押し切ってやるんだよ』みたいなことをおっしゃるんですよ。私にはその考えが全くございませんで、どう全員に迎合するかということばかりを考えていたので、伊藤社長のそのような姿勢を拝見して、目からうろこが落ちたと言いますか、これはやはり目標にすべき社長像なんだなというふうに認識しております。これだけ持ち上げればよろしいでしょうか?」

▼伊藤社長「ありがとうございます」

――2年後の50周年を迎えるにあたって定めている目標は?

▼福田社長「現時点で何も固まっていないので、おぼろげなイメージしかないのですが、やはり少し大きめの会場、そして普段、全日本のリングに上がっていない選手で、過去にご縁のあった方々に集まっていただいて、一人でも多くのファンに見ていただけるような大会を目指していきたいと思っております」

――大きめの会場とは具体的に?

▼福田社長「それは予約が取れるかどうかになりますし、大勢のお客さんを入れて開催可能かの社会情勢にもよります。ファンの一人一人に、この会場がいいなというのがありますから、想像力を膨らませていただくのがいいのかなと思います」

▼伊藤社長「経営の部分から見ると個人商店、有限、株式問わず、会社が50年続くって凄いことなんで。それをスポーツ団体として2年後に50周年を迎えるのは素晴らしいことです。カーベルは今年で15年目の会社なので、ジャンルは違えど50年続く会社、50年続いた時のステージっていうのは僕からすると16年目の会社の社長になるのでぜひ見たいなと。携われることには携わらせていただいて、こういうことするから50年続く会社になるんだなってことを勉強させていただくいい場になると思います」

▼福田社長「逆に私から申し上げますと、50年と言っても紆余曲折がございまして、我々スタッフ一同ゼロからのスタートの気持ちで今おりますので、事業としての先輩はカーベルさんの方が先輩のような気がしております」

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