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6/30【全日本】史上初の無観客三冠戦 諏訪魔が芦野の侵攻止めて初防衛、石川との「究極の5冠戦」実現へ

『ReOStaff株式会社presents 全日本プロレス中継2020 #8〜荒野の三冠戦〜』(2020年6月30日放送)
三冠ヘビー級選手権試合 ○諏訪魔vs芦野祥太郎×

 諏訪魔が史上初の無観客三冠戦で芦野との激闘を制し、三冠王座初防衛。暴走大巨人の盟友・石川との“究極の5冠戦"に合意した。

 3・23後楽園大会で史上最多となる7度目の三冠ベルト戴冠を果たした諏訪魔。5冠王に君臨すると時を同じくして新型コロナウイルスの影響のため、無観客試合に突入。その中で諏訪魔は未体験となる無観客での三冠戦を熱望。それがこの日、実現することになった。

 挑戦者はEnfants Terriblesの芦野だ。全日本参戦以来、連勝を続け、諏訪魔とのタッグ対決にも勝利。そして6・25TVマッチで青柳との一騎打ちを制し、ついに三冠初挑戦を諏訪魔に認めさせた。

 年齢は違えど、レスリングをバックボーンに持ち、馳浩氏にスカウトされてプロレス入りした共通点を持つ二人。至宝ベルトをかけたシングル初対決で両者はまずレスリング技術を競い合った。これが互角に終わると、芦野は早くもアンクルロックを狙う。阻止した諏訪魔はラリアットやダブルチョップで圧倒すると、首攻めを展開して先手を取った。

 芦野も負けてはいない。低空ラリアットや低空ドロップキックで左足を射抜いてピンポイント攻撃を開始。レッグブリーカーやマフラーホールドで絞め上げてアンクルロックの布石を打つ。徐々に動きが鈍ってきた諏訪魔もラリアットを叩き込むなど反撃に出たが、ラストライドは時期尚早で決められず。先にアンクルホールドで捕らえても、芦野にアンクルロックで切り返されてしまった。

 諏訪魔が何とか逃れると、ここから意地の攻防に突入していく。芦野がフロントスープレックスで投げれば、諏訪魔もすぐさまフロントスープレックスでお返し。エルボーとエルボースマッシュの打ち合いを経て、今度はジャーマン合戦で火花。合わせ鏡のような攻防が展開される中、ロープ越しのドラゴンスクリューを決めた芦野に流れが傾くと、エプロンから場外へのダイビングラリアット、ロコモーション式ジャーマンでたたみかけ、アンクルロックで勝負に出た。諏訪魔が脱してダブルチョップを連打しても、芦野は再びアンクルロックで捕獲。執ように絞め上げて5冠王にギブアップを迫った。

 絶体絶命のピンチを迎えた諏訪魔だったが、王者の意地だけで耐え抜いた。しつこくアンクルを狙う芦野をドロップキックで振り払うと、雪崩式攻撃を狙う芦野をパワーボムで撃墜。ジャーマン、ローリングラリアットで一気に逆転すると、ラストジャーマン、ストライクジャーマンと芦野を投げまくる。三冠への執念を物語るように芦野も最後の抵抗をみせたが、豪快なドロップキックで黙らせた諏訪魔はバックドロップ、ラリアットでたたみかけると、ラストライドを爆発させてようやく3カウントを奪った。

 史上初の無観客三冠戦は27分59秒で幕。諏訪魔が外敵・芦野の侵攻を食い止める豪快勝利で初防衛を飾った。「全日本プロレス史上で初めて無観客で三冠戦やって、勝ったぞ。ベルト守ったし、全日本プロレスの看板も守れてよかったよ」と安どした5冠王は、「あいつ俺の足をガタガタにして帰りやがった。まだまだ俺はあいつを潰し足りねぇんだよ。育ちも一緒だし、いろいろ似ているところがある。気に食わねぇ。だから、あいつは何度でも俺に向かってくればいい」と芦野が残した爪痕を噛みしめながら再戦に前向きな姿勢をみせた。

 自ら希望して実現にこぎつけた無観客三冠戦は、やはり未知の領域だった。15年以上のキャリアを重ねてきた諏訪魔をしても「全然いつもの三冠戦と違うんだ。43歳にしてさ、こんなに緊張するとは思わなかった」というほどで、三冠に初挑戦した当時と似た感覚を味わった。また、「対戦相手の芦野祥太郎の人間性というかさ、闘志だとか、あきらめない気持ちだとかがさ、モロに伝わってくるんだよね。レスラーの怖さと物凄く向き合う場だった」と振り返ったように、歓声がない分、より戦いの厳しさを実感する場にもなった。

 無観客三冠戦という歴史に残る戦いを無事に突破した諏訪魔には次なる大目標がある。世界タッグを保持する盟友・石川との暴走大巨人対決による“究極の5冠戦"だ。以前から二人が実現を誓い合ってきた大目標で、「何としてもお客さんの前でやりたい」との希望をかなえる時がきた。全日本は7・13新木場大会より通常興行を再開する。諏訪魔は「お客さん入れるのが決まったんだからさ、俺の夢である究極の5冠戦、それをやりたい」とぶち上げた。

 これに石川も呼応した。「あなたが俺との三冠戦はお客さんがいるところでって言ってたんで、ずっとずっと我慢して待ってましたよ」と歓迎し、「お客さんがいての大会が決まって、最初の後楽園大会…7月25日、俺とそのベルトをかけて、これぞ全日本という戦いをしませんか?」と舞台を再開後、初の後楽園大会に指定。諏訪魔も「石川選手とはどっちが立っていられようとさ、ボロボロになるまで、正々堂々と勝負したい」と返答し、両者は握手を交わした。

 二人が合意し、世界タッグ王者・暴走大巨人対決による三冠戦=究極の5冠戦が決定的となった。舞台は7・25後楽園が有力。初めて盟友・石川と三冠ベルトをかけて戦うことになる諏訪魔は「今も命かけてるけどさ、石川選手との戦いっていうのは次元超えてるんだよ。本当にもたないんだよ、体が。そのぐらい危険な戦いになるんで、それは見届けてもらいたい」と覚悟を示した。

 「この石川選手との5冠戦が今後の全日本プロレスの新しい歴史を作る、いいきっかけになればなと思いますよ。間違いなく全日本プロレスは新しい歴史ができ始めているんで。もうスタートしたよ、今日から」。全日本一筋16年の諏訪魔はどんな状況になろうとも、これまでと変わらず、愛する全日本を守り続けるため、その看板を背負って戦い続ける。

【試合後の諏訪魔】
▼諏訪魔「防衛した。うれしいよ。全日本プロレス史上初の無観客試合での三冠戦だからね。この三冠戦、タイトル戦をやったこともそうだけど、防衛できたことっていうのは俺自身にとって物凄い価値のあることだと思うんだよね。誰も経験したことのないことができたわけなんだ。お客さんはみんなね、カメラの向こうでさ、三冠どうなるんだろうって物凄く気にしてるんだ。全日本プロレスどうなんだろうって。そこまでファンのみんなは心配していると思うんだよね。だから、今回の三冠戦はどうしても俺は勝たなきゃいけなかったんだよ。意味があったんだよね。だから、俺は負けられなかったし。あいつの…芦野のアンクルでさ、ギブアップを何回もしそうになった。たださ、気持ちがね、負けてられなかったんだよ。ギブアップするわけにはいかないんだよ。たださ、あいつはまだまだポテンシャルがあるだろうからね。何度でもあいつとはやってやろうかな、なんて思うしよ、この程度であいつだって、アホだから心折れねぇだろ。レスリングやっているヤツは、ちょっと一本抜けてんだ。俺もか(笑) それがね、あんだけ強いもんになっているんだと思うしさ。いや、よかったな。そしてね、石川選手との究極の5冠戦が2人ともGOサインが出た。これは全日本プロレス、PWF、早急に判断してもらいたいなと思いますね。この石川選手との5冠戦が今後の全日本プロレスの新しい歴史を作る、いいきっかけになればなと思いますよ。間違いなく全日本プロレスは新しい歴史ができ始めているんで。もうスタートしたよ、今日から。これからの全日本プロレスも応援よろしくお願いします」

――初めての無観客での三冠戦は普段の三冠戦と違った気持ちで戦った?

▼諏訪魔「全然違うよね。何だろうな? 三冠戦というものを初体験する序盤の頃、若手の頃はもう緊張しまくっちゃってしょうがなかったんだけど、そのぐらいの緊張感があったな、今回は。全然いつもの三冠戦と違うんだ。43歳にしてさ、こんなに緊張するとは思わなかった。その安堵感でいっぱいですね。それほど厳しい三冠戦だったなと。戦ってみて、より声援がない分、対戦相手の芦野祥太郎の人間性というかさ、闘志だとか、あきらめない気持ちだとかがさ、モロに伝わってくるんだよね。レスラーの怖さと物凄く向き合う場だったな。鳥肌立つね、思い出すと」

――こういうレスリング勝負は久しぶりの戦い模様だったが、いい刺激になった?

▼諏訪魔「まだまだやりたいよね、レスリング。10点勝負でやるか、あいつと(笑) どっちが強ぇんだろうなって思うよね。俺が強かったのは昔の話かもしれない、レスリングは。あいつはほぼほぼ現役な状態だからね。やってみたいな。あいつの出身の日体大というのは、物凄ぇ厳しいんだ。一番厳しいんだ、大学で。俺、大学生の時に行ったんだから。厳しくてついていけないんだよ。本当だよ。地獄なんだよ、あそこは。その修羅場を潜り抜けてきているからね、あいつ。フィジカルの面ではもう無敵のはずなんだよ。そうだね。ただ、プロレスだよ。プロレスはまだ若いんだもん。終盤たたみかけられたし。あいつに終盤、何かあったら俺は危なかったんだよ。そこだね、勝負の分かれ道は」

――究極の5冠戦も念願通り、お客さんの前でできる状況で迎えられそうだが?

▼諏訪魔「そうだね。それは俺がワガママ言っている部分もあるんだけどね。でも、それは超満員じゃないかもしれないよね。だけど、お客さんには見てもらいたいんだ。命かけるんだもん。今も命かけてるけどさ、石川選手との戦いっていうのは次元超えてるんだよ。本当にもたないんだよ、体が。そのぐらい危険な戦いになるんで、それは見届けてもらいたい。覚悟をね」

【芦野の話】「完全に…三冠の重み味わいました。またこれから…これからアンファンで、Enfants Terriblesでまたこれから。まだ終わってないです。以上です」

【石川の話】
▼石川「さっき試合の解説でいたんですけど、諏訪魔さんが勝つってもちろん信じてました。本当はチャンピオン・カーニバルで優勝して、あの人の前に立とうと思ってたんですけど、いろいろあって、コロナで立てなかったんで。本当はすぐにでも行きたい気持ちがあったんですけど、諏訪魔さんはやっぱりお客さんがいるところで(究極の5冠戦を)という話があったんで。2人が戦うところはお客さんがいるところでっていうふうに。それが芦野選手から防衛してくれたんで叶ったんで、やっと7月からお客さんを入れるんでね。久しぶりに後楽園で、ぜひやりたいなと。やっぱりレスラーでいるんだから、一番価値のあるベルト、三冠のベルトを巻きたいですし。諏訪魔さんとの暴走大巨人に何も文句はないですけど、諏訪魔&石川なんでね。それを石川&諏訪魔に変えてもいいんじゃないのと。明るく楽しく激しいプロレスを、自分がベルトを獲って、先頭になって引っ張っていきたいなという思いですね」

――今日の芦野戦を見て、改めて諏訪魔選手と三冠戦をやりたい気持ちが強くなった?

▼石川「やっぱりね、強かったですね。メチャメチャ芦野選手の足攻めはしつこかったですけど、そこを耐えてからの攻撃はやっぱ…終盤のたたみかけはやっぱりこの人は強いんだなと。あの強い諏訪魔さんを倒して、自分があのベルトをもう1回巻きたいなと思います」

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