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7/3【DDT】赤井がDDT史上初の女子メインで里村に惜敗、七番勝負負け越し

 東京・新宿FACE大会『DDTで逢いましょう2020』が3日、行われ、赤井沙希がDDT史上初の女子メインでセンダイガールズの里村明衣子に惜敗。“おきばりやす"七番勝負は3勝4敗で負け越しに終わった。

 この日、赤井が七番勝負最終戦で“女子プロ界の横綱"里村に挑んだ。女子同士によるメインイベントはDDT史上初。ここまで七番勝負は3勝3敗で、里村超えを果たせれば勝ち越しが決まるところだった。

 だが、里村のヘッドロックやアームロックに捕まった赤井は序盤から劣勢。得意のキックやエルボーで対抗するものの、ペースをつかめず。里村のミドルキック連打、ハイキックへの猛攻を浴びてしまう。ダイビングボディプレスを剣山でカットした赤井は三角絞めで絞り上げたが、里村はロープに逃れた。10分過ぎには、ケツァル・コアトルからスリーパーを決めたものの、デスバレーボムで里村に逆襲されると、最後は2発目のデスバレーボムから強烈なスコーピオ・ライジングを脳天に叩き込まれて3カウントを聞いた。

 里村が盤石の貫録勝ち。試合後、赤井とガッチリ握手を交わした里村は「私も興行の中止が始まってから3ヵ月ぶりの試合だったんですよ。その一発目が赤井沙希! この3ヵ月間でチャンピオンになって、男子レスラーのなかで、ずっとあきらめずにここまできて、すごいなと思ってます」と赤井を評価。「この時期だからこそ、私も覚悟があるんですよ。弱ってらんないなって。誰もが生き残っていかなきゃならない。今日は赤井と闘って、さらに自分自身が強くなれた気がした。またお願いします!」と思いを吐露しつつ再戦に前向きな姿勢をみせた。

 赤井の七番勝負は3勝4敗で幕を閉じた。結果以上に大きいのは戦いを通じて得た収穫。しかも最後の最後で女子プロレスの象徴的な存在である里村と対戦したのは刺激となったようで、「里村さん、まだ強くなるんですか。でも、ずっと背中見てばっかじゃいられないです。里村さんがKO-Dを巻いた姿を見て、自分も女子とか関係なく、ベルト目指していいんだって気付きました。里村さんが美しさって強いんだってこととか、いろんなことを気付かせてくれたきっかけの方です。自分たちの世代も里村さんの背中見て、追い越して、女子プロレス界と言わず、日本のプロレス界を盛り上げていきたいと思ってます」と敬意を表したうえで里村超えを誓ってみせた。

 そして赤井は「最終戦を引き受けてくださって、ありがとうございました!」と涙ながらに感謝。里村が退場すると、「負けてもまた立ち上がったり、悔しいときほど、歯を食いしばるってプロレスの基本だと思うんですけど、この七番勝負を経験して、プロレスの基本を感じさせていただきました」と七番勝負を振り返り、「いつもは強い、頼もしい仲間がいるんですけど、里村さんは一人で来たし、今まで七番勝負、来てくれた選手、一人で来て一人で帰って行ったんで、自分も今日は仲間の力を借りず、がんばって一人で帰ろうと思っています。皆さん、七番勝負、最後まで見届けてくださってありがとうございました。私もっと強くなります!」と約束して初の女子メインとなった新宿大会を締めた。

 七番勝負の勝ち越しはならなかった赤井だが、男子のなかでもまれて成長した姿をみせたといえる。最終戦の相手を務めた里村も「しぶとくなってましたね。体の細さを全く感じさせない、芯の強さが違う。こんなになったかって感動しましたね」と評価。「女子の団体で生きていくのと、全然違う畑でやってるので、そのままの立場でそのままいってほしい」とエールを送っていた。

【赤井の話】「最終戦の里村選手、3ヵ月すごい充電してきたんだなってことをリング上で感じました。七番勝負の最後を里村選手が引き受けてくださって、よかったと本当に思っています。こんなすごい経験させていただいて、七番勝負、どの選手も勉強になって、怖かったし、緊張したんですけど、この経験が私の明日の強さに変わる気がします。というか変えなくちゃ意味なかったんで。変えてみせます。マイクする前と後で、里村選手の大きさが変わるんですよ。それを体感して、里村選手の背中をみんな見てると思うんです。全部その見つめている背中を背負ってらっしゃるんで。自分もそこを見つめてていいのかなって。大尊敬して、かなわないとはわかってるんですけど、かなわない相手として背中を見てるだけじゃプロレス界入った意味がないので。私もその背中の一つになってやります」

【里村の話】「しぶとくなってましたね。体の細さを全く感じさせない、芯の強さが違う。こんなになったかって感動しましたね。なぜ自分が七番勝負の最後、この時期に選ばれたという意味を自分自身きちんと考えて、見ている皆さまに伝えたつもりです。女子の枠にいないからこそ、引き立つものってあると思うんです。女子の団体で生きていくのと、全然違う畑でやってるので、そのままの立場でそのままいってほしいですね。たまに対戦したときに『本当にこの選手とタイトルかけてやりたいな』って思ったら指名するだろうし、私自身もやりたいと思うだろうし」

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