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7/12【大日本】聖地で興行再開 伊東がメインで関本ピン、イサミは青木に興味

東京・後楽園ホール(2020年7月12日)
○伊東竜二&アブドーラ・小林&木高イサミvs岡林裕二&青木優也&関本大介×

 聖地・後楽園ホールで通常興行再開。メインで現王者・伊東&前王者・小林&元王者・イサミの歴代デスマッチ王者トリオが実現。伊東が同期・関本にピンフォール勝ちを収め、イサミはジュニア王者・青木に興味を示した。

 大日本は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4・5旭川大会を最後に興行を自粛してきたが、この日、98日ぶりの再開。聖地・後楽園ホールでのプロレス興行の再開もこれが初めてとなった。観客の入場時はサーモグラフィーによる検温と手指消毒を実施し、客席は2席分の間隔を空けてソーシャルディスタンスを確保された。スタッフはマスクはもちろんフェイスシールドも着用。リングサイドで撮影するカメラマンもフェイスシールドの着用が義務づけられた。試合中は声援の自粛が求められ、拍手に包まれる場面が多く見られた。

 メインイベントは6人タッグマッチ。デスマッチ王者・伊東が前王者・小林&元王者・イサミと歴代デスマッチ王者トリオを結成。関本&岡林とBJWジュニア王者・青木が組んだストロングトリオと激突した。

 最軽量の青木が捕まる展開に。伊東は容赦なくイスで何度も殴打し、右腕にもイスを振り下ろす。小林は地獄突きを連発したが、青木はスワンダイブ式ミサイルキックを発射した。

 ここで岡林がボディスラムを連発する大暴れ。巨体の小林を相手にしても軽々と投げてみせる。「いくぞ岡林!」と関本が叫ぶと、関本と岡林は代わる代わる小林にボディスラムを敢行。イサミは逆水平合戦で真っ向から岡林に立ち向かい、トラースキックを打ち込んだ。

 ならばと青木がランニングエルボーでイサミに突っ込み、風車式バックブリーカーでもん絶させる。ハンドスプリング攻撃は読んだイサミが低空ドロップキックで阻止。右腕を押さえて苦もんする青木を一本背負いで投げたイサミは回転十字固めで丸め込む。指を決めながら後方にのけぞる腕固めで絞め上げる。耐えた青木がブレーンバスター、延髄斬りで反撃しても、イサミは絶槍で応戦。意地の青木もジャーマンで投げ、ハンドスプリングエルボーでやり返した。

 ともに交代し、伊東と関本の同期対決に。ショルダータックルで突っ込む関本に対し、伊東もエルボーで応戦。関本が胸板へのハンマーパンチで打ち合いに持ち込んでも、伊東はローリングソバットで競り勝つ。負けじと関本もカウンターのラリアットで逆襲。青木と岡林が串刺し攻撃で援護射撃すると、関本はアトミックドロップを敢行し、アルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げる。岡林もアルゼンチンでイサミのカットを阻み、青木はコブラツイストで小林をセーブした。

 だが、青木を振りほどいた小林が関本と岡林にサミングを見舞って伊東とイサミを救出。岡林のラリアットを関本に誤爆させると、イサミがトペスイシーダで青木を場外に足止めし、小林は関本にスリングブレイド、シャイニングウィザードを立て続けにさく裂させる。関本がラリアットで小林を蹴散らしても、伊東がイスを投げつけて鎮圧。ファルコンアローで突き刺すと、ドラゴンスプラッシュを発射して関本から3カウントを奪った。

 伊東が同期・関本にピンフォール勝ちを収め、歴代デスマッチ王者トリオがメインを制した。試合後、伊東は「後楽園ホールは3月以来ですね。とても半年前には考えられなかった光景が広がっています。正直みんなしんどいと思います。いろんなものに縛られて、やってらんねぇと思うこともあります」とファンの気持ちを代弁しつつ、「しかし! それを守ることによって、大日本プロレスだけじゃなく全プロレス界、後楽園ホールだけじゃなく全プロレス会場、そして何よりも皆さんのこれからを守ることだと思います」とその先を見据え、「そうすることによってみんなで新しい未来を作っていきましょう」と呼びかけて締めた。

 「無観客でやる試合というのはカメラがあって、数日後の放送後にそれに対してやっと反応がわかるというところで、やっぱり観客がいると直に伝わってきますから、そういう点ではやりやすい」と振り返った伊東。「プロレス界から感染者を出すわけにいかない」との思いが強く、「お客さんも選手もスタッフも世の中全部が初めての中で、完全に手探り状態。もしかしたら1ヵ月後にはこんなことする必要なかったと言われるのかもしれない。でも現時点ではこれがベターだと言われているので、それに従って、少しでも明るい未来を作っていきたい」とコロナ禍という難局を乗り切ることを改めて誓った。

 一方、イサミはこの日、火花を散らしたことで「青木に興味も出てきた」という。BJWジュニア勢は7・15新木場大会でジュニア王座挑戦者決定トーナメントの開幕を控える。イサミがすぐにジュニア戦線に参入することは難しいかもしれないが、「他のジュニアの選手はあんまりやってないですけど、ジュニアのトーナメントと青木の動向にちょっと注目してもいいのかなっていう欲が出てきました」とキッパリ。機を見てジュニアの戦いに飛び込む可能性を示した。

【試合後の伊東&小林&イサミ】
▼イサミ「あれだけポンポン投げられてる小林さん、初めてみましたよ」

▼小林「力あるな」

▼イサミ「そういうレベルじゃないです。力あるとかないとか」

▼小林「俺これでも160キロだぞ」

▼イサミ「向こうで競争ありましたよ。どっちが速く上げられるか競争」

▼小林「スピード上がってきてたよね。とんでもないな、あいつら。重量挙げじゃないんだぞ」

▼イサミ「関本さんが投げたあとに岡林がタッチして出てきて『もっといったるぞコラ!』って言ってましたよ。小林さんとバーベル同じぐらいですよ」

▼伊東「久々の試合、有観客試合でしたけど、全ての人たちが初めて。お客さんも選手もスタッフも世の中全部が初めての中で、完全に手探り状態。もしかしたら1ヵ月後にはこんなことする必要なかったと言われるのかもしれない。でも現時点ではこれがベターだと言われているので、それに従って、少しでも明るい未来を作っていきたいなと。プロレス界から感染者を出すわけにいかないんで」

▼イサミ「帰ったら控室で手洗い、うがいしましょう。何ヵ月ぶりですか。3ヵ月の終わりだから3ヵ月ぶりぐらいの有人だったんですけど、声出しちゃいけないっていう、お客さんも絶対的にフラストレーションがたまったかもしれないけど、そこにあなたたちがいますよっていうのは僕らの目から見えてるんで。これが無観客と大きな違いなんで。拍手でも、声援出せる会場は出していただいて、いろいろルールがありますけど、ルールに従ってもらって、これから再開されたプロレスというのを楽しんでもらえたらいいなと。伊東さんの前のチャンピオンが小林さんで、小林さんの前が僕で、言ったら直近3人」

▼小林「負けようがないでしょ」

▼イサミ「もっとアイテムとかも絡めていってもいいし、逆に一騎当千のストロングに出たから、もっとヘビー級を相手にしてもいいかなと思ったけど、青木が気になっちゃいました」

▼小林「ほしがるね。ほしがりすぎだよ」

▼イサミ「ちょっとムキになっちゃったな」

▼小林「一騎当千あれだけ負けといて」

▼イサミ「いや、2勝1敗1分なんで。逃げ切った。青木に興味も出てきたんで、他のジュニアの選手はあんまりやってないですけど、ジュニアのトーナメントと青木の動向にちょっと注目してもいいのかなっていう欲が出てきました。もちろんデスマッチも黙ってるわけにいかないんで、今年はストロングの一騎当千がありました、これからジュニアを狙っていきます、どん欲な姿勢を、団体のBASARAの一番の古株として見せていこうと思ってます」

※イサミが去ると

▼小林「正直ね、やりにくいですね。俺みたいなショーマンスタイルはやりにくいな。声出しちゃいけないの? 思わず笑っちゃいけないか。じゃあ俺の勝ちだな。ある意味、俺の勝ちだ。新しい生活様式。けどね、簡単なことなんですよ。帰って手を洗えばいいし、帰ってうがいすればいいし、アルコールやればいいんでしょ。それやればリスクを軽減できるんで。新しい生活様式に合わせてね。今日、正直、ショーマンスタイルやりにくかったんで、新しいアブドーラ・小林を出しますから。新しいアブドーラ・小林。これ(髪が伸びた状態)はステイホーム・小林だから。みんな大声出して笑えないんでしょ。家に帰って思い出し笑いしちゃうような、そんなプロレスをやろうと思います。まぁね、イサミもいろいろ引っかき回そうとしてますけど、俺も引っかき回しますからね。これが再スタートだとか言ってる甘ちゃんどもには負けないですよ。俺はこの3ヵ月ずっと走ってましたから。走ってる上に伸ばしてますからね。伸びきった男に勝てる奴がいるのか。いないと思いますから。これからも伸ばし続け、走り続けようと思います」

――久々に観客の前で試合をして、気持ちの違いは?

▼伊東「やっぱり無観客でやる試合というのはカメラがあって、数日後の放送後にそれに対してやっと反応がわかるというところで、やっぱり観客がいると直に伝わってきますから、そういう点ではやりやすいと思いますね」

▼小林「お客さんがいなかったら、あんなボディスラム食らわないですよ。3回目ぐらいでギブアップしてる。お客さんがいるからプロレスできるというのがありますから。とりあえず成功でしょ、今日は」

――関本からピンフォールを奪ったが?

▼伊東「岡林の誤爆を誘ったりとか、そういった点で我々の方が経験と頭脳がちょっと上というところが。いくらジュニアのチャンピオンとはいえ、青木を狙ったところで、たぶんお客さんは順当と思うでしょう。なのでウチらの中で関本を狙うのが作戦でした」

▼小林「3ヵ月前からあいつら何も変わってないですから。正直この3ヵ月バーベルしか挙げてないですから、あいつらは。俺らこの3ヵ月プロレスのこと考えつつ過ごしてきましたから。バーベルは触ってませんけど。その差が出てますよ。勝つべくして勝ったと思います。よかった、勝って(苦笑)」

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