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8/2【ZERO1】生え抜きの北村が意地の天下一ジュニア初制覇 願い事は「両国第1試合での丸藤戦」

『第17回天下一ジュニアトーナメント2020』(2020年8月2日)
「天下一ジュニアトーナメント2020」決勝戦 ○北村彰基vsエル・リンダマン×

 生え抜きの北村が意地のリンダマン撃破を果たし、天下一ジュニアトーナメントを初制覇。願い事して、「来年に行われる3・14両国の第1試合での丸藤正道戦」を掲げた。

 離脱者が相次ぎ、親会社も代わり、コロナ禍の最中で緊急事態を迎えたZERO1マット。そんな中、「俺がZERO1を守る」と断言し、生え抜きとして天下一ジュニアに挑んだのが北村だ。昨年は負傷のために無念の欠場となったが、そんな悔いを払拭するように決勝まで勝ち上がってきた。対戦相手は#STRONG HEARTSのリンダマン。準決勝で昨年覇者のHUBを破った外敵に、北村は持てる力を全てぶつけた。

 星川尚浩から受け継いだ流星番長の証しである学ランを着て登場した北村は、大谷や今成ら天下一ジュニア出場者の声援を受けて積極果敢に先制したが、リンダマンの連続トペコンヒーロを食らうと、守勢を余儀なくされる。リンダマンは「お前らの仲間が見ているぞ」「寝てばっかりじゃねえかよ。来いよ」と何度も挑発しながら、若い北村を圧倒。「まだまだ余裕だぜ」とヘッドスプリングまで披露した。

 防戦一方となった北村だったが、意地を発揮して巻き返しに転じる。互いに得意とするジャーマンはどちらも未遂に終わったが、北村はスピアーをぶち込み、後頭部、そして正面へのミサイルキックでチャンスをこじ開け、星川から受け継いだ流星キックの構えに。これを読んだリンダマンは、コーナー上の北村にドロップキックをぶち込むと、パワーボム、変型一本背負いと猛ラッシュ。豪快なジャーマンスープレックスを連発。北村は大ピンチに追い詰められた。

 しかし、北村の目は死んでいなかった。リンダマンのローリングエルボー2連発に被弾して腰砕けになるが、泥臭く背後から掴みかかって投げ捨てジャーマンをズバリ。リンダマンのジャーマンでぶっこ抜かれても動き続け、流星キックを振り抜くと、急角度のジャーマンで3カウントを迫った。粘るリンダマンも丸め込みで抵抗したものの、北村は2発目の流星キックで譲らず。最後はダルマ式ジャーマンで3カウントを奪った。

 生え抜きの意地を見せた北村が天下一ジュニア初制覇を果たした。今大会は新体制として初の聖地。大きなプレッシャーを感じていた北村は、前夜に眠れないほど追い込まれたという。それでも劣勢を耐え抜いて激勝しただけに、「優勝したぞ! そして、俺はZERO1を守ったぞ!」と喜びを爆発させた。

 優勝者の願い事が1つ叶えられるのが天下一ジュニアの慣わし。「願い事はたくさんあるんです」とこぼした北村は、「カッコいい車に乗りたい」「綺麗なお姉さんと付き合いたい」「美味しい焼き肉が食べたい」と宣言しては慌てて否定し、最終的に「来年3月に両国大会があります。その両国大会の第1試合で2代目・流星番長として、プロレスリング・ノアの丸藤正道選手とシングルマッチをさせてください」とぶち上げた。ZERO1の歴史は2001年3月2日、両国国技館大会における旗揚げ戦の第1試合・星川vs丸藤からスタートしている。星川の意志を受け継ぐ北村は、来年の20周年興行でそれを再現しようというのだ。

 この願い事はZERO1への熱い思いの表れほかならない。北村は「僕はZERO1が大好きです。誰よりもZERO1が大好きで大好きで、ZERO1に対する思いは誰にも負けません。そして、今日ここに集まってくれたZERO1ファンの皆さん。僕はZERO1ファンの皆様を幸せにします。だから、僕を信じてついてきてください」と溢れ出る“ZERO1愛"を告白。「今日会場に来てないですけど、星川さんやりました! 星川さんから流星番長の証しの学ランを継いで、ずっと勝てなくて、星川さんの前で勝利を上げることはできなくて。今日、こうやって優勝した姿を見せることはできなかったですけど、僕のさっきの願いは星川さんの願いでもあると思っています」と星川への思いも口にした。

 「これから来年3月の両国に向けての新しいスタート、僕は突っ走っていきます。突っ走る俺にブレーキはありません」と20周年興行に向けて全力疾走を誓った北村。最後は「俺たち若手のNEW SPIRITSがZERO1を引っ張って、プロレス界を引っ張るぞ。これで決まりだ!」と観客たちとともに人差し指を突き上げる自分流のアピールで後楽園大会を見事に締めてみせた。

 バックステージでは「今の環境に甘えることなく、感謝する気持ちを忘れずに突っ走って、ZERO1を盛り上げていきたいと思います。そして、去年優勝したHUBの持つジュニア2冠、絶対この北村彰基が獲り返します。これで決まりだ!」と早くもジュニア2冠奪還を予告した北村。ブレーキを踏むことなく、来年の両国までばく進する構えだ。

【北村の話】「やりました! 正直、とてもつらかったトーナメントでした。弱気なことを言うと、最初優勝できるかどうかなんてわからなかった。でも、ZERO1に悪いニュースがたくさん流れて、お世話になった高岩さん、耕平さん、日高さんが抜け…。そんな中で、選手会長の田中さんをはじめ、大谷さん、沖田さんが頑張って、僕たちのことを考えて、プロレスに集中できる環境をまた作ってくれたことにはとても感謝しています。今の環境に甘えることなく、感謝する気持ちを忘れずに突っ走って、ZERO1を盛り上げていきたいと思います。そして、去年優勝したHUBの持つジュニア2冠、絶対この北村彰基が獲り返します。これで決まりだ!」

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