プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

8/4【NOAH】拳王が赤ベルト初挑戦・初戴冠、金剛に念願初ベルト 中嶋との壮絶打撃戦制す

『DEPARTURE 2020 Day1』東京・後楽園ホール(2020年8月4日)
GHCナショナル選手権試合 ○拳王vs中嶋勝彦×

 拳王が中嶋との壮絶な打撃戦を制して、GHCナショナル王座初挑戦・初戴冠に成功。自ら率いる反骨集団『金剛』に、結成約1年3ヶ月にして初のベルトをもたらした。

 “旗揚げ20周年記念日"の後楽園2連戦初日。そのメインでノアが誇る“至極の蹴撃戦"がナショナル王座を懸けて実現した。

 のっけから、ビュンビュンと鋭い蹴りが空を切り“真剣の斬り合い"さながらの緊張感が漂う。ひとたび中嶋が左、拳王が右のミドルキック合戦に発展するや、観衆が思わず目をそむけるほどの破裂音が交錯した。

 先に決定機を作ったのは中嶋だった。拳王が狙った蹴暴からのPFSを避けるや、奥の手のダイヤモンドボムを発射。サッカーボールキックやランニングローキックで拳王をメッタ打ちにし、必殺のヴァーティカルスパイクで突き刺した。

 セコンドを固めた金剛勢のゲキに応えた拳王もギリギリでキックアウト。ならばと中嶋は地を這う拳王の顔面を狙った“人でなし式"のランニングローキックを狙ったものの、拳王も間一髪で回避だ。逆に雪崩式攻撃を股の間をすり抜けて切り抜けると、コーナー最上段からの雪崩式ドラゴンスープレックスを敢行。危険すぎる大技でチャンスをたぐり寄せた。

 さらには一気にPFSを投下。腹部直撃となった中嶋はうめき声を上げるが、3カウントは許さない。逆にPFS連発を狙った拳王をミドルキックで空中撃墜すると、今度は先を争うような壮絶なビンタ合戦に持ち込んだ。

 こん身のビンタが一発、また一発と顔面をとらえる。一撃で倒れてもおかしくない強打を受けても、2人は攻撃の手を緩めず、ガードやダッキングも駆使して打ち合いを継続した。正面突破を狙う拳王は張り手連打で前進。中嶋の反撃にぐらつきながらも、オーバーヘッドキックやスピンキックで押し切りにかかる。引かない中嶋も右ハイキックの相打ちに持ち込んで場内も息をのんだ。

 なおも倒れない両雄。だが、次の瞬間。日本拳法仕込みの掌打連発で中嶋を棒立ちにした拳王が、絶叫とともに強烈な右ハイキックで蹴り抜き、鮮烈なKO勝利を手にした。

 一昨年のグローバル・リーグ戦公式戦、昨年のN-1 VICTORY公式戦に続いて、蹴撃のライバル・中嶋をシングルマッチで3連破。大の字となった中嶋の頭上でガッツポーズを繰り返した拳王は、マイクを握ると「憎たらしいけどな、自己満足すぎるけどな、自己顕示欲の塊だけどな、なかなか良いもん持ってんじゃねえの?」と認めた。

 ともあれ、これでGHCナショナル王座初挑戦・初戴冠。昨年5月の結成から約1年3ヶ月の時を経て、自ら率いてきた赤い反骨集団に“初ベルト"となる赤いベルトをもたらした。

 拳王は「ようやくこの金剛にGHCのベルトを呼ぶことができたぞ。金剛結成して長かったけどな、このGHCのベルト、ようやくようやく手に入れたんだ。おしゃべりだけじゃねえぞ? 俺たちには実力もあるんだ! この実力を行使してな、このプロレスリング・ノアのリングを今以上に金っ剛のごとくダイヤモンドのように輝かせていくからな!」と大演説を展開。「テメーらこれからはな、ニューチャンピオンの拳王、そして金っ剛に…ついてこい!」と後楽園大会を締めくくった。

 真っ赤な真夏の記念日に、赤い集団を率いる赤い新王者が誕生。「やっぱりな、俺も含めてここいいるクソ野郎ども、まだまだ生活はぎこちないよ。制限あるよ。だがな、少しでも少しでもいいんだよ。完全にちゃんとな、日頃の行いをしっかりして、プロレスを観に来いよ。プロレスを観に来てな、少しでも気を紛らわしてくれ。そのために、俺は命を懸けて戦うんだ! そして、ゆくゆくは俺の夢、そしてテメーらの夢、そこまで連れていってやるからな」。赤いベルトとともに、情熱的に刺激を求める拳王が再び躍動する。


【試合後の拳王】
▼拳王「金剛結成して、口だけはな、デカいこと言ってきたけど、ようやくベルトという結果を出すことができたな。金剛結成して、プロレスリング・ノアの汚い部分を洗い流してやろうと思ったけどな、なかなかそれも…。俺たちは組織出てんだ。難しいだろ? だがな、今はようやくひとつの道具を見つけたんだ。俺の目標、テメーに言わずとも知ってるだろ? 言わなくていいぞ。テメーらも俺の目標知ってんだろ? まだ言わなくていいぞ。心に秘めとけよ。だがな、俺の目標は高いんだ。こんなところで足踏みしているわけにはいかねえんだよ。これからはな、おい! ひとつベルトを獲ったんだ。この勢いで突き進んでいってやるからな」

――中嶋選手はどうだった?

▼拳王「自己満足? 自己中? 戦ってみてもそれは変わんねえよ。性格はすぐ変わるもんじゃねえよ。だがな、あいつの魂は本物だったぞ。自己中心、自己中のテッペン目指せばいいんだよ。お前のな、その魂も利用させてもらうかもしれねえぞ。だがな、お前は少し大人しく休んでおけよ」

――ハイキックでフォールに行かなかった。手応えが十分だった?

▼拳王「もうその前の掌打で決まってたんじゃねえのか? だがな、俺の強さを知らしめるためにハイキックをやってやったよ。メチャメチャ気持ちよかったよ! GHCヘビー級のチャンピオンを逃してから、俺も強気で発言してたけど、少しはどうなのかなと思ってたところもあったかもしんねえよ。だがな、その思いを込めて、あいつにぶつけてやった」

――最後に言葉をかけていたようだったがなにを?

▼拳王「なにを!? ただ単に俺の強さを知らしめた。そんなことだよ」

――最後にファンにメッセージを

▼拳王「やっぱりな、俺も含めてここいいるクソ野郎ども、まだまだ生活はぎこちないよ。制限あるよ。だがな、少しでも少しでもいいんだよ。完全にちゃんとな、日頃の行いをしっかりして、プロレスを観に来いよ。プロレスを観に来てな、少しでも気を紛らわしてくれ。そのために、俺は命を懸けて戦うんだ! そして、ゆくゆくは俺の夢、そしてテメーらの夢、そこまで連れていってやるからな。おい、テメーらクソ野郎ども。これからはな、拳王、俺に…ついてこい」

プロ格 情報局