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8/8【NOAH】清宮「天命の闘い」、武藤はGHC挑戦への「通過点になるかも」 一騎打ちへ直前会見

 8・10横浜文体大会のスペシャルシングルマッチ「清宮海斗vs武藤敬司」に向けた会見が8日開かれ、清宮は「プロレス界ナンバーワンへの“天命"の闘い」、武藤はGHCヘビー級王座挑戦への「通過点になるかもしれない」とそれぞれ位置づけた。

 清宮が武藤の背中を追い続けて実現する念願の一騎打ち。武藤は「PCR検査を受けてお互い陰性だったら」と条件をつけていたが、ノアでは横浜文体出場全選手やスタッフを対象に改めてPCR検査を行い、全員が“陰性"との結果も出た。

 幾多のトップレスラーが経てきた天才・武藤敬司の壁。ノアに限らず“プロレス界のトップ"を目指すことを明言し続けている清宮は「この闘いは俺がこれからプロレス界のナンバーワンになるために、踏み込んでいかなきゃいけない闘い。“天命"の闘いだと思ってます」と位置づけた。

 一方の武藤も燃えている。昨年6月にヒザの人工関節手術から復帰して以来、初めてのシングルマッチとなるだけに「若干オーバーワーク気味でへばってますけど、春からコロナで自粛して何もできない時から比べたら、ホントに今、ある意味毎日が刺激的」とトレーニングにも熱が入っている。そのうえで「試合が終わった後、もしかしたら清宮の心が折れてるかもしれませんが、その時はごめんなさい。一生懸命叩き潰しにいくことが、多分(カードを組んだノアの)“要求"じゃないかと思うんで、叩き潰しにいきます」と実の息子と同年齢の新星に公然と通告した。

 表情を険しくした清宮も「この日を迎えるにあたって、俺は毎日プロレスと向き合ってきました。俺の心は折れません! 硬いです!」と語気を強めて反論。「大会まで残り2日。まだまだ作戦を練る時間はあると思ってるんで、残りの時間もすべてこの闘いに捧げたい」と“全集中"を誓った。

 一方で武藤としても先を見据えた闘いとなる。久々のシングルマッチで手応えをつかめれば、兼ねてから口にしている“GHCヘビー挑戦"もいよいよ視野に。清宮は前王者でもあるだけに「清宮選手にとっても、この闘いは“通過点"なんだよ。長いプロレス人生の。ただ、俺にとってもGHCまでの通過点の試合かもしれないね」と57歳にして、一層盛んな野望をチラつかせた。


【会見の模様】

※清宮の一騎打ち要求を受けた武藤は『もう一回PCR検査を受けてお互い陰性だったらやろう』と条件を提示していた。会見前にPCR検査の結果が発表され、武藤、清宮ともに陰性だったことがが告げられる

――改めて決戦に向けた意気込みを

▼清宮「武藤さんが出した唯一の条件もクリアしたということで、闘いだけに集中できる環境になったと思います。去年の大阪で初めて武藤さんと同じリングに立った時から、必ずもう一度武藤さんと同じリングに立たなければいけない。そう心に決めて、それから一度3対3で闘う機会があり、その次にタッグマッチでもう一度闘い、リング上で闘いを重ねるたびに武藤さんの偉大さというものに触れて、その領域にもっともっと踏み込んでいきたい。そう思うようになりました。この闘いは俺がこれからプロレス界のナンバーワンになるために、踏み込んでいかなきゃいけない闘い。“天命"の闘いだと思ってます。自らこの闘いに、この領域に飛び込んで、新しい景色を皆さんにお見せしたいと思います」

▼武藤「実はシングルマッチをやるのはひじょうに久しぶりで。2年前ヒザを手術して、武藤敬司としては初めてのシングルマッチか。俺なりにいろいろ不安も抱えていて、この清宮戦が決まってからこんにちに至るまで、若干オーバーワーク気味でへばってますけど、春からコロナで自粛して何もできない時から比べたら、ホントに今、ある意味毎日が刺激的でですね。なんかプロレス道をまい進できているなと。このような環境を与えてくれたノアという会社に感謝しています。ただ、この試合が組まれたこと、なんとなく会社が意図してることっていうのは、俺にも分かるんですが、試合が終わった後、もしかしたら清宮の心が折れてるかもしれませんが、その時はごめんなさい。以上です」

――武藤さん、心が折れるかもしれないと言っていたが、息子に愛のムチを振るうかのように叩き潰す?

▼武藤「そこに“愛"があるかないかはやってみないと分からないですけど、一生懸命叩き潰しにいくことが、多分“要求"じゃないかと思うんで、叩き潰しにいきます」

――試合後には心が折れてるかもしれない、と面と向かって言われたが?

▼清宮「この日を迎えるにあたって、俺は毎日プロレスと向き合ってきました。俺の心は折れません! 硬いです!」

――清宮と何度か肌を合わせてみてどんな印象を?

▼武藤「ウチの息子と同い年だからな。どうしても上から目線な感じで見ちゃうよね。ある意味、自分自身の“そういうとこ"も逆にしっかり見据えてやらなきゃいけないよな。さっき言った会社の“意図"っていうのも、彼に対する期待感があってこそ。だからこそぜひ、潰しますよ」

――先日の後楽園では武藤戦を見据えてヒザ攻めを試していたが、当日も攻めていく?

▼清宮「ヒザ攻めもそうですけど、作戦に関しては問題ないですよ。大会まで残り2日。まだまだ作戦を練る時間はあると思ってるんで、残りの時間もすべてこの闘いに捧げたいと思います」

――横浜文体での最後の試合となるが、会場に対する思いは?

▼武藤「鈴木みのると試合したこともあるし、諏訪魔と三冠戦やったこともあるし、いろんな試合が記憶にあるんだけど、ひじょうに古き良きというか情緒のある会場だったですね。グレート・ムタとしても、やりやすい会場だった。ちょっと古めかしいような」

――その横浜文体最後の試合もシングルマッチ…というシチュエーションについては?

▼武藤「シングルマッチ自体がホント久しぶりだからね。清宮戦っていうのは、俺の空想のなかでは、俺の勝ちパターンっていうのは出来上がってるんですよ。ただ、俺の感じたように、俺の体が動けばね。こればっかりは久しぶりのシングルマッチだから分からないから。あとは清宮選手も若いから、俺の想定している以上の、想定外のことをしてくる可能性もある。そういう時に崩れるかもしれない。そういうものが怖いよね」

――“想定外"というキーワードが出たが?

▼清宮「試合っていうのは想定できないことが起こると思ってるんで。俺は一つひとつの闘いに集中していけば、武藤さんが今おっしゃっていた“タイミング"っていうのは必ず来ると思うんで。そこを逃さないようにしていきたいと思います」

――先ほど“天命"という言葉も出たが?

▼清宮「見ている人も分かると思いますけど、特別な選手からしか出ない“威圧感"とかを持ってる人だと思うんで、ここを超えないと、ここを突破しないと、自分が言ってるプロレス界のナンバーワンというステージには絶対に立てないと思うんで、勝負していきたいと思います」

――武藤さんはGHCヘビー級王座への興味も語っていたが、この試合に手応えがあったら視野に入ってくる?

▼武藤「そうですね。さっきも言った、考えてることと体が一致するかどうか。その確かめがあれば。清宮選手にとっても、この闘いは“通過点"なんだよ。長いプロレス人生の。ただ、俺にとってもGHCまでの通過点の試合かもしれないね」

――Zoom企画の発表もあったが?

▼武藤「ちらっと小橋がVTRで俺に対するコメントを言ってたけど、『武藤さんは応援しなくてもいいか』とか言われてたから、俺のことは注目してないみたいなんで、あんまり意識しないで頑張ります(笑)」

▼清宮「俺だったら振り返っちゃいますね。お客さんがいるっていうことが体感できる企画っていうのは素晴らしいなと思うんで。当日、スクリーンを振り返って、みんなの顔を見ちゃうかなと思います」

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