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8/10【NOAH】武藤27分超シングルで清宮撃破! GHC挑戦慎重も「新たなM」投入予告

『PRO WRESTLING NOAH 20th ANNIVERSARY NOAH the CHRONICLE vol.3』神奈川・横浜文化体育館(2020年8月10日)
○武藤敬司vs清宮海斗×

 武藤が27分を超えるシングルマッチの末に、方舟の“スーパーノヴァ"清宮を撃破。視野に入れていたGHC挑戦には慎重な姿勢を示したものの、M's allianceへの「新たなM」投入を予告した。

 天才・武藤の背中を追い続けた清宮にとっては念願の一騎打ち。武藤戦に向けて戦略を練り続けた“成果"が序盤から発揮された。

 武藤のドラゴンスクリューを先に回転して押し潰して完璧に防御。逆に腕攻めで流れを作り、ことごとくドラゴンスクリューも封じながら百戦錬磨の武藤を“圧倒"した。

 33歳年下の清宮にペースを握られ、さすがの武藤も「クソ!」と珍しく感情的に。それでも場外鉄柵を利用して巧みにドラゴンスクリュー発射に成功するや、そのまま得意のヒザ攻めに持ち込んで巻き返す。

 ならばと清宮も、今度は武藤の“代名詞"シャイニングウィザードをガード。逆にジャーマン連発から一気に必殺のタイガースープレックスへとつなげる。武藤がギリギリで肩を上げるや、清宮は武藤のお株を奪う“シュミット式バックブリーカー→ムーンサルトプレス"で宙を舞った。

 だが、冷静な武藤は自爆を誘うと、前後からシャイニングウィザードを3連発。清宮も肩を上げたものの、さらに武藤は低空ミサイルキック、逆回転ドラゴンスクリュー、正調ドラゴンスクリューと鬼の一点集中攻撃へ。続けて足4の字固めで絞めに絞め上げ、清宮も無念のギブアップとなった。

 両ヒザ人工関節手術(2018年3月)を受けて以降、初めてのシングルマッチとなった武藤が、実に27分超の熱闘を戦い抜いて超新星を撃破。「暑い!」「疲れた!」と叫んでも、バックステージで口を開いた武藤の横顔は、どこか充実感に満ちていた。

 清宮については「途中『こいつの策略に俺、ハマってるな』って思った」と将棋界の藤井聡太7段になぞらえて称賛。一方で「正直いって、(清宮は)アベレージで平均的に何でもこなすんだけど、やっぱり爆発的に突出してる何かを身に着けないとダメだろうな」と“課題"も提示した。

 ともあれ、57歳にして真夏に27分超のシングルマッチを戦い抜いて前GHCヘビー級王者を撃破。戦前王座挑戦を視野に入れていた武藤だが、「想像していた以上に(脳と体の)伝達が遅いんだよ。俺の中では遅いんだ。あとはスタミナとかさ」と厳しい自己採点で慎重姿勢。

 一方で、丸藤正道らと結成するユニット『M's alliance』に新メンバー投入を予告。ノア副社長でもある丸藤から「(8月30日の)川崎あたりいかがですか?」と提案されると、「川崎にXじゃなくて“新しいM"連れてきますよ」と話した。ヒントは「実力はしっかりしてるよ。ただパフォーマンスはやらないタイプ」。とにもかくにもノアマットにおける武藤の存在感は増すばかりだ。

【試合後の武藤】
▼武藤「敵は清宮だけじゃなかったな! 暑くて暑くて。一番この体育館に馴染んでるはずの俺なのに、今日試練与えられたねえ! 何年ぶりかのシングルマッチだったけど、まぁ疲れた疲れた! 暑い! しんどかった…! 清宮もさ、これは想像なんだけど、将棋でいうと藤井聡太7段か。彼と対戦してるプロの棋士になった気分で。途中『こいつの策略に俺、ハマってるな』って思ったんだけど、何とか勝つことができました。今コロナで何かと年寄りとかが、どちらかというと避けられてる傾向があったからね。プロレス界でいっても俺もジジイだからね。でもそういう年配の方々に、活躍することで少しでも活力、夢、希望なんかを与えられたら…って思って、途中脱水症状になるかと思いながらも頑張りました」

――GHCを見据えるかもと言っていたが?

▼武藤「試合は勝ったけど、やっぱり総合して考えてみると、想像していた以上に(脳と体の)伝達が遅いんだよ。俺の中では遅いんだ。あとはスタミナとかさ。久しぶりに20分超えの試合をシングルでやったと思うんだ。何年ぶりだと思うよ。まぁでも、ノアがOKといえば、もし丸藤副社長がOKって行ったら、一兵卒として、M's allianceの武藤として名乗りは上げますよ」

――自身的には慎重…?

▼武藤「トシとると“昨日の武藤"より“今日の武藤"のほうが自信なくなんだよ。“明日の武藤"だとより自信なくなるんだよ。そういうもんなんだよ。もしかしたら、今が一番良かったのかもしれないな。そこは考えようだよ。もう少し涼しい体育館でやってたら、もっと早い時間で終わらせてたのかもしれないし」

※近くでみていた丸藤が歩み寄り

▼丸藤「次はどうしますか」

▼武藤「次はせっかくM's alliance作ったんだからさ。プロレスなんて一人でやるもんじゃないからね」

▼丸藤「せっかくなんでベルトとかも狙っていきたいですよね」

▼武藤「いやその前にさ、M's allianceに紹介したいメンバーがいるんだ。実力はしっかりしてるよ。ただパフォーマンスはやらないタイプだけどよ。次はいつなんだよ?」

▼丸藤「(8月30日の)川崎あたりいかがですか?」

▼武藤「川崎いいねえ。高速道路つながったし(笑) 川崎でM's alliance、Xじゃなくて新しいM連れてきますよ」

――清宮にドラゴンスクリューを封じられる場面も目立ったが?

▼武藤「あの辺が藤井7段を思わせる打ち手というか。ただ、正直いって、(清宮は)アベレージで平均的に何でもこなすんだけど、やっぱり爆発的に突出してる何かを身に着けないとダメだろうな。なんでもそつなくこなす。それはそれで良いけど、何かしら凄いものを。何年かかるか分からない。あいつのプロレス人生、先はなげーからさ。頑張って欲しいねえ! OK? 以上!」

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