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8/15【全日本】諏訪魔が青木さんのイタズラで(?)ラストライド失敗も宮原ピン 盟友に捧げる豪快勝利

『2020 SUMMER ACTION SERIES 2〜青木篤志メモリアル AAforever〜』東京・後楽園ホール(2020年8月15日)
青木篤志メモリアル6人タッグマッチ ○諏訪魔&石川修司&入江茂弘vs岡林裕二&ジェイク・リー&宮原健斗×

 5冠王・諏訪魔が青木篤志さんのイタズラで(?)ラストライドを失敗しながらも最後は宮原にピンフォール勝ち。亡き盟友のメモリアルマッチで豪快勝利を捧げた。

 昨年6月3日、青木さんが41歳の若さで亡くなってから1年3ヵ月が経過。この日、『AAforever』と題したメモリアル大会が開催された。大会には全日勢の他、青木さんにゆかりのある選手が多数集結。メインイベントでは三冠&世界タッグ5冠王・諏訪魔が石川との暴走大巨人に入江を加えたトリオを結成し、宮原&ジェイク&岡林の越境トリオと激突する豪華6人タッグマッチが組まれた。

 諏訪魔は盟友・青木さんに届けとばかりに全力ファイトをみせた。先発を買って出て岡林相手に熱のこもった力比べを展開し、世界タッグ(8・30後楽園)前哨戦となった宮原にはダブルチョップを打ち込み、急角度の逆エビ固めで捕獲。終盤には宮原にフロントハイキック、ドロップキック連射で攻め立てられたが、宮原と岡林をダブルチョップ乱打、ショートレンジラリアットで次々になぎ倒す大暴れをみせた。

 その後、暴走大巨人の連続攻撃・境川を入江に横取りされて参加できず、むくれたものの宮原をフロントスープレックスで投げ飛ばして攻勢を続けた諏訪魔。ラストライドをフランケンシュタイナーで切り返されると、両軍が入り乱れる混戦模様の中、宮原の串刺し延髄ブラックアウト、ジャーマン、ブラックアウトで逆襲されたが、ジェイクのハイキックを同士討ちさせて主導権を奪回。石川と入江の援護射撃を受けると、宮原にラリアットを乱れ打ち、ラストジャーマンでぶっこ抜いた。

 ここで諏訪魔は天を指差し、ラストライドの構えに入ったものの、思いがけない出来事が起こった。宮原を持ち上げた瞬間、バランスを崩し、後方に倒れ込んでしまったのだ。後頭部をロープに打った諏訪魔だが、再び天を指差すと、「青木!」と叫んでラストライドを投げっ放しで豪快に決めて宮原から3カウントを奪った。

 諏訪魔が盟友・青木さんメモリアル大会のメインを勝利で飾った。1年前まで隣には必ず青木さんの姿があった。そして青木さんとの永遠の別れから1年以上が経過。「青木が旅立って1年ちょっと経つんだけど、いまだに俺の横には青木がいるような感覚がある」という諏訪魔だが、「青木が俺はいるって感じるんだけど会えない。凄くそれは寂しい。今日だって、5冠のベルトを持ってきてさ、その姿をあいつに直接見せたいんだよ。あいつの顔が俺は凄い見たいんだ。チクショーって顔をするんだよ。でも、それもできない。凄い寂しいな」と青木さんと会えない現実を悔しがった。

 それでもこの日のリング上に青木さんがいたことを実感できた。それはラストライドを失敗した時だ。「宮原が重かったから、あいつが乗っかったんだよ、俺に一度。重いよと思って」と振り返った諏訪魔は、「青木がそうさせたんだろうな。『先輩、このままじゃカッコつけさせませんよ』と怒られたな。普段、あんなことないからね」と初のラストライド失敗を天国にいる青木さんのイタズラによるものと判断。「青木が1回で見逃してくれたからよかったけどさ。だいたい2回目は失敗するからね。よかったよ。青木の野郎、覚えとけよ」とうれしそうな笑顔を見せた。

 青木さんが亡くなった時、諏訪魔は「青木が喜ぶことをやっていきたい」と誓っていた。この日も試合後のリング上で「みんなで全日本プロレス、いや、プロレス界を盛り上げることが青木が喜ぶことなんじゃないかなって俺は思います。みんな青木篤志を絶対忘れないよ」と言い切り、青木さんの遺影を抱いて追悼テンカウントゴングを聞いた。諏訪魔はこれからも亡き盟友・青木さんへの思いを胸に、全日本の看板を背負って戦い続ける。

【試合後の諏訪魔&石川&入江、光留】
▼諏訪魔「親友の追悼大会を無事に終えて。複雑だなぁ。感無量とも言えないしよ。でも、青木のためにね。何かまた前回より一歩進んだ形で、思いを伝えれたと感じる。やれてよかったな。今はこういう状況なんだけどね。みんなも来れてよかったと思う。やっぱね、リング上でさ、青木と会うとこみ上げてくるなぁ。涙が出てくる。思い出す。でも、まだまだ俺らは青木のためにもっともっとできることがあると思うよね。当然、チャンピオンになることが一番だけどさ、話題もどんどん振るように。あいつを喜ばすことがやっぱり一番なんだ。それは思った。去年とまるっきり違うよね。少しみんなで前を歩く、一歩踏み出したんじゃないかな、今日。最後さ、みんなふざけるからよ。俺もずっこけた(笑) 青木がそうさせたんだろうな。『先輩、このままじゃカッコつけさせませんよ』と怒られたな。普段、あんなことないからね、俺。ずっこけて、ロープに頭打つなんてよ。それは青木にやられた。教わったことだな。ないんだから、本当にあんなこと。初めてだ。あの頭の痛みを忘れないね。もっともっとあいつのために頑張っていきたいと思います、これから」

▼石川「やっぱり突然過ぎたんで。1年経ってもやっぱりまだ実感が湧かなくて。でも、そこには青木さんがいないですけど、みんなコメントしたと思いますけど、誰よりも自分にも厳しくて、他の人にも厳しかった人なんで、やっぱり『もっとできるんだろ?』っていうのを言われているような気がして。だから、もっと俺もそうだし、みんなももっと頑張れると思うんで、もっともっと頑張って、青木さんが愛した全日本プロレスをもっと盛り上げていくことが俺にできることだと思っているんで、もっともっと頑張ります」

▼入江「自分は1年以上経っても、まだ自分の中で言葉が見つからなくて。こうやって全日本プロレスの会場に来て、青木さんがいないというのは本当に寂しくてたまらないですね。自分はまだちょっと言葉が見つからないし、この先にどうしていったらいいのかというのも、もちろんわからないし。ただただ寂しいです」

▼諏訪魔「(光留に向かって)何かないの? お前、一番仲良かったじゃん」

▼光留「諏訪魔さんが『青木見てろよ』って天を指差した瞬間に、諏訪魔さんの足を引っ張る青木篤志がいましたよ」

▼諏訪魔「(笑)」

▼光留「本当にマジで」

▼諏訪魔「あんなのないからね。あれもね、お前(光留)もだよ。お前も宮原もふざけるから、こうなるんだよ。あそこで俺が怒らなかったからだよ。あそこで初めに怒ってれば、俺はあんなことならなかったと思うよ」

▼石川「ちょっとヤバくないですか。さっきまで悲しんでたのに、何で怒ってるんですか?(笑) ちょっとヤバいっすよ」

▼諏訪魔「いや、だいたいそうなんだよ! あんなことないんだから!」

▼石川「情緒不安定すぎる。さっきまで悲しんでたのに、何でいつの間に怒ってるんですか(笑)」

▼光留「いや、そういう諏訪魔さんを見てね、またニヤニヤしてるのよ(笑)」

▼石川「そのための青木さんのイタズラだったかもしれないですね」

▼諏訪魔「おかしいもん、あれ」

▼光留「みんなが好き勝手に。自分のメモリアルだって言ってるのに、宮原も岡林も好き勝手やって、入江もだって。やっと『俺の出番だ』って言って、諏訪魔さんの足を引っ張ってましたよ」

▼諏訪魔「宮原が重かったから、あいつが乗っかったんだよ、俺に一度。重いよと思って」

▼光留「でも、そのあと、さすがにスッと立って、もう1回決めたラストライドはやっぱカッコよかったですね」

▼諏訪魔「決まってよかったよね。だいたいあれは失敗するパターンだから」

▼石川「(笑)」

▼諏訪魔「青木が1回で見逃してくれたからよかったけどさ。だいたい2回目は失敗するからね。よかったよ。青木の野郎、覚えとけよ。カッと笑ったよね。チクショー。でも、よかったよ。面白かった。青木のことをまた思う時までさ、みんなまた頑張ろう」

▼石川「頑張りましょう」

【試合後の宮原&ジェイク&岡林】
▼宮原「岡林、コラ! テメエ! 何だ、お前!」

▼岡林「何や、こっちやろ?」

※岡林があとからやってきた宮原を真ん中に立たせる

▼宮原「今日はな、何か諏訪魔の底力が働いたんだろう。今日という日に。ただな、青木篤志さんのために集まった6人だろ? 青木篤志さんがプライドをかけた、このプロレスを俺らは守るという使命がある。そして、全日本プロレスもだ。その使命を今日果たさなきゃいけない6人が集まったんだよ。だから今後、戦うテメエ(岡林)もテメエ(ジェイク)も、このコメントが終わったら仲良くなんかしない。今日だけだ」

▼岡林「当たり前だ、そんなもん」

▼宮原「このプロレス界はまだまだ続くんだよ。8月30日、世界タッグ獲るからな。岡林とも組まねぇからな!」

▼岡林「やれよ、お前! 絶対獲れよ!」

※宮原が去っていくと

▼岡林「俺はホンマ今日戦えてよかった。この戦いは本当に青木選手も見てたと思う。そのなかで、このメンバーで思いっきり戦えた。本当に光栄に思います。ありがとうございました。今日組んだ宮原もそう。ジェイク・リーもそう。これからどんどんどんどん、たぶん全日本プロレスを引っ張っていくだろう。俺も負けてられんぞ。俺も大日本プロレスを引っ張っていくから。プロレス界を盛り上げていく。以上」

※岡林が去っていくと

▼ジェイク「結局、最後の最後まであの2人はうまくいかなかったねぇ。宮原の野郎、しっかりホールドしろって言うんだよ。だから最後、お前に当たっちまうんだよ。詰めが甘ぇよ、詰めが。やれやれ。まぁ、組んでるヤツでもないし、もし組んでたとしても青木さんならこう言う。『しっかり自分で考えて工夫しろ』って。『ここは仲良し子良しクラブじゃねぇんだぞ』って。そういうのもしっかりあの人なら言うだろうなって、戦いながら思っちゃった。常に考えて工夫する。この言葉は俺だけじゃなく、みんなに浸透してほしい。だから一周忌と言わず、二周忌でも三周忌でもいい。青木篤志を忘れないメモリアルマッチをやっても俺はいいと思っている。まぁ、とりあえず今日はスペシャルタッグということで、こんな感じだけど、チャンピオン・カーニバルも決まってるんだ。どんどん俺はいかなきゃいけない。陣のメンバーたちがベルトを巻いてるんだ。俺もいかなきゃ。じゃないと、青木さんに顔向けできないから」

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