8/30【NOAH】桜庭初ベルト!杉浦とGHCタッグ奪取 中嶋衝撃の金剛入りでAXIZ電撃解散
『KAWASAKI GO! 2020』神奈川・カルッツかわさき(2020年8月30日)
第54代GHCタッグ王者決定戦 ○杉浦貴&桜庭和志vs中嶋勝彦&潮崎豪×
GHCタッグ新王者決定戦に臨んだ桜庭が、杉浦とのコンビで“AXIZ"潮崎&中嶋組を破り、キャリア27年にして自身“初ベルト"を獲得。一方で中嶋は試合後に衝撃の『金剛』入りを果たし、AXIZは電撃的に解散した。次期挑戦者には北宮&征矢組が名乗りを上げ、失意の潮崎を清宮海斗が救出するなど急展開だらけの大波乱が川崎を包んだ。
新型コロナの影響で来日不能となったレネ・デュプリ&イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.組がGHCタッグ王座を返上。前王者の指名により、杉浦&桜庭組とAXIZによって新王者の座が争われた。
約8ヶ月ぶりの王座奪回を狙うAXIZは、揃いの新コスチュームで登場。その“蜜月"っぷりがより深まった…と思われたものの、試合では意外な展開が待っていた。
潮崎が徹底して右腕を攻められ“豪腕封じ"に苦悶する展開。それでも「豪さんっ!」と声援を送り続けた中嶋の援護によって持ちこたえ、中盤過ぎには杉浦と猛烈な真っ向勝負を繰り広げる。杉浦が左ラリアットからの予選スラムを放てば、潮崎も豪腕ラリアットを叩きこんで両者大の字に持ち込んだ。
コーナーの中嶋は必死にタッチを求めたものの、超戦闘モードの潮崎は自身の勝負にこだわって応じない。顔をしかめた中嶋だったが、ならばと桜庭をヴァーティカルスパイクで突き刺して分断。潮崎も張り手を振り回す杉浦に強引なラリアットを連発し、ムーンサルトプレスで勝負をかけた。
だが、剣山で撃墜した杉浦は、同時にフロントネックロックで絡みつく。潮崎がロープをつかみかけたところで自ら後方回転するや、さらにキツく絞め上げて絶叫。桜庭も中嶋の足関節を極めてカットを阻止し、潮崎から力が抜けたところでレフェリーが試合を止めた。
新GHCタッグ王者は杉浦&桜庭組。意外にもキャリア27年にして初のベルト獲得となった桜庭は、杉浦とともに笑顔でベルトを掲げた。
とはいえ“本番"はある意味、ここからだった。まずは余韻に浸る間もなく、新王者決定戦に異議を唱えていた拳王が金剛の面々とともに登場。「会社が勝手に決めたタイトルマッチに権威なんてあるのか? こっちにもノドから手が出るほどそのベルトが欲しいヤツがいるんだ。北宮・征矢とすぐにでも戦え」と金剛として北宮&征矢組のタッグ挑戦を表明した。
ひるがえって大の字の潮崎に視線を落とした拳王は「それと…潮崎豪。なんだ、その無様な姿は。これがI am NOAHなのか? これがGHCヘビー級チャンピオンなのか? あの時の60分(フルタイムドロー)はどこにいったんだよ?」と糾弾。すかさず中嶋が潮崎をかばってマイクを持つや「おい、拳王。やってやるよ」と言葉を発した。
しかし、次の瞬間。フラフラの潮崎を引き起こした中嶋は、まさかのヴァーティカルスパイクで相棒をKO。ノア随一の“ラブラブっぷり"で知られたAXIZだけに、“声援禁止"のはずの客席からは悲鳴が漏れた。
構わず中嶋は「やってやったよ。おい、お前ら。見たか? ちゃんと今やってやったよ。潮崎豪、あんた、俺のこと、必要としてないでしょ? でもな、潮崎豪、俺ももうあんたを必要としてねえんだよ。ハッキリ言う。今日で終わりだ」とAXIZ電撃解散を表明。そして「たった今から、俺は金剛だ」と宣言し、拳王とグータッチを交わして同じ花道を下がった。
さらには猛ダッシュで駆け込んできた清宮が、失意の潮崎を救出。潮崎に肩を貸しながら、こちらも同じ花道を下がる。
最終的にリングに残ったのは、新王者の杉浦&桜庭組ら杉浦軍。“急展開だらけ"に場内が騒然となるなか、所在なさげにマイクを持った杉浦は「なんか…俺とサクがせっかくベルトを巻いたのに、なんでこんな空気になるんだよ? みんなに祝福しようと思っているのに、なんで俺らは蚊帳の外で、なんか変な気分になっっちゃったよね」と苦笑して観客を笑わせ、場内は一転して和やかな“祝福ムード"に。
最後は「ちょっと俺らでポーズ決めるから、みんな写真を撮って帰ってよ。いつものお決まりのを」と提案し、NOSAWA論外とカズ・ハヤシ、鈴木秀樹も混ざって、まさかの“金剛左右対称ポーズ・杉浦軍バージョン"を披露しながら夏の川崎を笑顔で締めくくった。
ある意味“主役"を奪われた形となっただけに「せっかく獲ったのに、ネチネチしたカップル(AXIZのこと?)が別れるだ、別れないだって。なんなんだ、あれは。あいつらの恋愛事情はどうでもいいんだよ」とボヤいた杉浦だったが、「俺の中ではサクとベルトを巻けるのは。PRIDE時代から追っかけて見てた人間なんで。そのサクとベルトを巻けるというのは、俺は非常に嬉しいです」と話した。
改めてまとめると、GHCタッグ王座が杉浦&桜庭組の手に渡り、北宮&征矢組が挑戦表明。中嶋がAXIZに突じょ終止符を打って金剛入りを果たし、孤立した潮崎を清宮が救出――。あらゆる波乱の余韻と新たな火種を抱えたまま、ノアマットは年間最大のリーグ戦『N-1 VICTORY』を擁する秋へと突入する。
【試合後の杉浦軍】
――今までのお二人を考えると、プロレスリング・ノアでの戴冠は感慨深いのでは?
▼杉浦「まあ、俺の中ではサクとベルトを巻けるのは。PRIDE時代から追っかけて見てた人間なんで。そのサクとベルトを巻けるというのは、俺は非常に嬉しいです」
――桜庭選手は杉浦選手と初戴冠となったが?
▼桜庭「助けてもらって。主役は杉浦さんなんで」
――長くて激しい試合だったが?
▼桜庭「やっぱり、あのチョップとか…。(杉浦に)よく耐えますね?」
▼杉浦「いやいや」
▼桜庭「耐えらんわ」
▼杉浦「要所要所で関節でカットに入ってくれたんで、助かりましたよね」
――最後は今後の動きを感じさせるようなリング上になった。金剛や中嶋選手が動いたが、それを見てどうだった?
▼杉浦「主役は俺らなのになあと思って。まあでも、みんな気に入らないから動いて、いろいろな行動を起こすんで。それに対してはいいと思うし、それで挑戦してくるんだったら、俺らは今度はチャンピオンなんで受けて立つし。どんな相手でも受けて立つし、それが杉浦軍だし、別にそれはいいよ。ただ、やっぱメインで勝ったのは俺たちなんで。俺たちを主役にさせてくれよ」
▼論外「試合と一緒で、勝彦は空気を読めないですね(笑) 人間的に空気を読めないヤツだから」
▼杉浦「愛だ、愛だって言っているけど、そういうところは愛がないなあ」
――最後のポージングを含めて奇跡の大会締めだったが?
▼杉浦「あれは今日で俺らが考え出したね。寝ずに考えたポーズなんで、オリジナルの。決まってたでしょ?」
――改めて今後のこの2人が楽しみだが?
▼杉浦「本当に面白くなると思います。もう今日は締まらないですよ」
▼鈴木「凄い別れ話を見させられたって感じですね」
▼杉浦「そうだよ。あんなAXIZの知らねえ別れ話にさ、なんで俺らは付き合わされないといけないんだよ。なんだろう、あれ? ドラマよりもネチネチして、なんか嫌な感じの」
▼論外「せっかく獲ったのに」
▼杉浦「せっかく獲ったのに、ネチネチしたカップルが別れるだ、別れないだって。なんなんだ、あれはね」
▼論外「ただ、杉さんが寝ずに考えたあのポーズを決めれてよかったです」
▼杉浦「あのポーズは寝ずに考えたからなあ。あれだけは決めれてよかったです」
▼論外「あれは流行りそうですね?」
▼杉浦「流行らせましょう」
▼論外「誰もやってないから。杉浦軍の新しいポーズで」
▼杉浦「いや、締まらないねえ、今日はなにも」
▼鈴木「あんな別れ話見せられたら。人前でやるなよって」
▼杉浦「あいつらの恋愛事情はどうでもいいんだよ」
【試合後の中嶋、拳王&北宮&征矢】
※稲村を除く金剛のメンバーとともに中嶋がコメントブースに姿を現す
――中嶋選手、最後の最後にあれは…
▼中嶋「あれはって、見たまんまだよ」
――もうAXIZは終わりに?
▼中嶋「だから、リング上で言った通りだよ」
――金剛入りする?
▼中嶋「だから、リング上で言ったばっかりじゃん?」
――戦う前からそんな気持ちがあったとは思えないが?
▼中嶋「さあ、それはマスコミの皆さん、考えてよ。得意でしょ、そういうの?」
――拳王選手は?
▼拳王「なにをキョドキョド質問してるんだよ? これが全てだよ。中嶋勝彦、金剛入り。これが全てだ」
――金剛はとんでもない軍団になるが?
▼拳王「とんでもない軍団? 当たり前だろ? 金剛は元からとんでもねえんだよ。そして、もっとさらにとんでもなくしてやるからな」
――タッグ王座には北宮選手と征矢選手が挑戦すると?
▼北宮「勝手にタイトルマッチが決まってんだからさ。俺たちだって言ったら組んでもらえるんだろ? そんだけだ」
▼征矢「発言よりも行動で示してやるよ。行動で示す。以上だ」
――こんな風に最後AXIZがなってしまうとは…
▼中嶋「言葉に気をつけて。金剛だから」
【清宮の話】「(最後は見かねて動いた?)いや、行かなきゃダメでしょ、あんな状態になったら。でも、なにが起きてるかわからないから。俺も今は混乱しているんで。とりあえず体が先に動いたんで。まあでも、わからないです」