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9/20【新日本】27分超え死闘…二冠王・内藤が棚橋突破で好発進 「全勝優勝」予告

『レックPresents G1 CLIMAX 30』大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)(2020年9月20日)
「G1 CLIMAX 30」Bブロック公式戦 ○内藤哲也vs棚橋弘至×

 内藤がBブロック開幕戦で27分超えの死闘を制し、棚橋を撃破。好発進を遂げた二冠王は「今の俺に求められていること」と全勝優勝を予告した。

 8・29神宮球場で二冠王に返り咲いた内藤が史上初の秋開催となったG1の初戦に臨んだ。二冠王としてG1に出場するのは内藤が史上初。IWGPヘビー級王者がG1を制したのは過去2回しかなく、インターコンチネンタル王者の優勝も前例がない。マークされるのが確実となる中、制御不能男は3年ぶりVを目指して大阪のリングに立った。対戦相手は棚橋。2017年のG1公式戦以来、3年ぶりの一騎打ちとなった。

 序盤から棚橋はヒザ攻め、内藤は首攻めを仕掛けて消耗戦の様相に。その中でも、棚橋の気迫が際立つ。フライングフォーアーム、ダイブ式サマーソルトドロップ、ドラゴンスクリューと得意技を惜しげもなくお見舞いすると、たまらず場外に転落した内藤めがけて、コーナー最上段からハイフライフローアタックを敢行。リングアウト寸前でエプロンに上がった内藤のヒザに、なおも低空ドロップキックやドラゴンスクリューを決めると、テキサスクローバーホールドに捕らえた。逃れた内藤が雪崩式フランケンを繰り出しても、そのまま回転して切り返した棚橋がグラウンド式ドラゴンスクリューからテキサスクローバーホールドに再捕獲して急角度で絞めに絞める。内藤が執念でロープにエスケープしたものの、逸材の気合いは途切れない。豪快なダルマ式ジャーマンで制御不能男を3カウント寸前まで追い詰めると、場内は大きく沸いた。

 防戦一方となった内藤だったが、スキを突いての浴びせ蹴りからスイングDDTに繋げて試合を立て直す。バレンティアはスリングブレイドで切り返されたものの、棚橋のトゥエルブ・シックスを読んで、カウンターのデスティーノをお見舞いし、両者大の字に持ち込んだ。互いにふらつきながらも立ち上がり、エルボー合戦でしのぎを削るが、内藤は後頭部にこれでもかとバックエルボーを猛連打。首へのダメージから動きの鈍った逸材を急角度のグロリアでマットに叩きつけ、首攻めの総仕上げとばかりに、デスティーノの構えに。

 勝負を捨てない棚橋はこれをこらえると、ツイスト&シャウト3連発から猛チャージ。内藤のデスティーノ狙いを読んで、カウンターのスリングブレイドを見舞うと、正調スリングブレイド、ハイフライフローアタックと必殺技で畳みかける。そして、正調ハイフライフローへ。決定的場面に大阪は沸き立ったが、内藤は間一髪回避して自爆を誘うと、一転して猛攻へ。ランニング式デスティーノを放つと、抵抗を止めない棚橋を張り倒し、バレンティアで真っ逆さま。そして、正調デスティーノがさく裂し、とうとう棚橋を沈めた。

 27分を超え、時間切れが迫る中での勝利。タイトルマッチさながらの死闘を制した内藤にだけでなく、セコンドの肩を借りてリングを去る棚橋にも大きな拍手が降り注ぐ。棚橋が見えなくなると、マイクを持った内藤は「大阪2連戦からスタートした今年のG1 CLIMAX。昨日はAブロックの開幕戦、そして今日はBブロックの開幕戦。皆様、新日本プロレスの戦い、そしてG1 CLIMAXの熱、感じ取っていただけましたでしょうか?」と問いかけた。

 大きな拍手が巻き起こると、内藤は「来週末の神戸大会、そして10月にもここ大阪大会がありますが、Aブロックの公式戦なんでね。残念ながらBブロック、俺の試合を関西の皆様にお見せすることはできませんが、11月の大阪大会、この2本のベルト、そしてG1 CLIMAXのトロフィーを持って入場することになるでしょう。その時をトランキーロ! 焦らずに、そして楽しみにお待ちください」と大阪のファンにG1制覇を誓う。そして、「今日は残念ながら皆様と大合唱することはできませんが、ぜひ心の中で一緒に叫んでください。新日本プロレス、G1 CLIMAX、大阪2連戦、最後の締めはもちろん」と前口上すると、最後は「デ! ハ! ポン!」の雄叫びで大阪大会2連戦を締めくくった。

 試合では追い詰められる場面もあったものの、内藤は「俺にとっては、残念ながらリーグ戦の中の1つでしかなかったかな。確かに俺は棚橋への思い入れはあるよ。もちろんあるけどさ、でも残念ながら今現在、俺を脅かす存在ではないかな」と棚橋を評価せず。それでも「今日の負けにがっかりせずにさ、また俺を焦られる存在になってくれよ」と辛口のエールを送った。

 二冠王としてのプライドをあらわにした内藤が見据えるのはもちろん頂点。「このリーグ戦では『2敗までセーフだ』『3敗でもギリギリ間に合うんじゃないか』みたいな、そういう甘い考えは俺の中でないよ。全て勝って、そして優勝決定戦へ進む。そこでも勝って、全勝で優勝することこそ、今の俺に求められていることだし、G1 CLIMAX優勝者に求められていることだと思うんでね」と全勝優勝を予告した。

 第2戦は9・24札幌大会でのザック戦となる。内藤は「はっきり言っておくよ。俺にとって一番やりにくい相手だからね。もう棚橋戦のことを振り返っている暇はないよ。ザック・セイバー戦のことについて考えなきゃいけないんでね」と警戒。それでも難敵を突破し、そのまま優勝まで駆け上がる構えだ。

 一方、コメントブースに倒れ込んでしばらく動けなかった棚橋は、「初戦に懸けてました」と明かすと、「弱気はダメだけど、内藤の背中は遠いな。クソッ…」と悔しさをあらわに。古傷の首まで痛めてしまったが、それでも「これがG1だね。大丈夫。2015年かな、初戦の飯伏戦でも首を怪我しているから。縁起がいいじゃん。強がり言っときます」と気丈に笑顔を覗かせた。続く9・24札幌では矢野と対戦する。

【内藤の話】「棚橋はもうコメント出した? コメント出しましたか? 長いコメント出しましたか? まあ、彼にとってはさ、このG1 CLIMAXの中でも、特にこの内藤戦に懸ける意気込みは強かったでしょ? なんなら、他の8試合で全敗してでも、今日の内藤戦だけは勝利したかったはずだよ。いろいろ溜まってたでしょ? いっぱい吐き出せばいいよ。たくさんコメント出せばいいよ。ただし、俺にとっては、残念ながらリーグ戦の中の1つでしかなかったかな? 確かに俺は棚橋への思い入れはあるよ。もちろんあるけどさ、でも残念ながら今現在、俺を脅かす存在ではないかな。このリーグ戦では『2敗までセーフだ』『3敗でもギリギリ間に合うんじゃないか』みたいな、そういう甘い考えは俺の中でないよ。全て勝って、そして優勝決定戦へ進む。そこでも勝って、全勝で優勝することこそ、今の俺に求められていることだし、G1 CLIMAX優勝者に求められていることだと思うんでね。さっきも言ったけど、この1戦はリーグ戦9試合のうちの…いや、ちょっと待てよ。優勝決定戦も含めて、10試合の中の1つにしか過ぎないよ。それでも彼を支持するお客様がたくさんいらっしゃることに関して素晴らしいと思うよ。棚橋が今まで築き上げてきたものでしょ? 素晴らしいと思うよ。なら、今日の負けにがっかりせずにさ、また俺を焦られる存在になってくれよ。このままじゃ、ヤングライオンのほうがやり甲斐感じちゃうよ。じゃあ、次は札幌でのザック・セイバーJr.戦。はっきり言っておくよ。俺にとって一番やりにくい相手だからね。もう棚橋戦のことを振り返っている暇はないよ。ザック・セイバー戦のことについて考えなきゃいけないんでね。オクパードなんでね。じゃあ、質問ありますか? (記者から声がかかると)残念ながら受け付ける暇はないな。では、また札幌でお会いしましょう。アディオス」

【棚橋の話】「ああ、また古傷やっちゃって。スイングDDTで下半身に電気が走った。治れ、治れ、治れ……(と思いながら試合を続けてた)。これがG1だね。大丈夫。2015年かな、初戦の飯伏戦でも首ケガしてるから。(※笑顔を見せながら)縁起がいいじゃん。強がり言っときます! (※控室に歩を進めながら)ああ、クソッ!」

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