9/20【新日本】ザックがEVILに大逆転 「G1優勝はタイチか鈴木に譲る」宣言も二冠挑戦視野に

『レックPresents G1 CLIMAX 30』大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)(2020年9月20日)
「G1 CLIMAX 30」Bブロック公式戦 ○ザック・セイバーJr.vsEVIL×

　セコンドに付いたディック東郷を乱入させたEVILが無法ファイトで押し切りにかかったものの、敗北寸前となったザックがヨーロピアンクラッチで丸め込んで大逆転勝利。「G1優勝の座はタイチか鈴木に譲る」と宣言する一方で、内藤からのタップアウト勝ちを予告し、二冠挑戦を視野に入れた。

　タイチとのコンビでIWGPタッグ王座を保持するザックがG1初戦でEVILと対戦した。2人は昨年前半にIWGPタッグ王座を巡って抗争を展開。昨年に2度シングルで対戦し、1勝1敗のイーブンとなっていた。EVILは8・29神宮球場で内藤に敗れ、二冠王から転落したばかり。G1で捲土重来を狙っており、セコンドの東郷を操って、序盤からなりふり構わぬ攻撃をザックに仕掛けた。

　ゴング前から東郷がザックを挑発。怒ったザックが東郷の手首をひねり上げたものの、そこをEVILが奇襲して先手を取る。場外戦でサイドバスターを繰り出すと、ここでも東郷が加勢。リングに戻ると、むき出しになったコーナーの金具に投げつけた。ザックがコブラツイストを狙っても、逆にEVILが捕獲。東郷は場外から手を引っ張ってアシストした。

　ザックもスピーディな動きで幻惑してからネックツイストを見舞ったり、右肩や左ヒジの関節に集中攻撃を浴びせたりと、アグレッシブに反攻するが、そのたびにEVILがラフファイトで鎮圧する。ザックが卍固めに持ち込んでも、耳をひねって脱出し、フィッシャーマンバスターをズバリ。串刺しラリアット、コーナー最上段からの雪崩式ブレーンバスターで攻め立て、首をカッ切るポーズでEVILを予告した。

　エルボーで払いのけたザックは、ローリングエルボーを巻き投げで切り返して粘りを発揮。巧みに丸め込んであわや3カウントの場面を作ると、グラウンド変型卍固めに絡め取った。しかし、エプロンに上がった東郷に気を取られてチャンスを逃すと、EVILはザックと海野レフェリーを交錯させ、無法地帯を作り上げる。東郷が堂々と乱入すると、EVILとともにダブルショルダータックルを見舞い、東郷、EVILの順でセントーンを投下した。

　孤軍奮闘したザックは東郷を排除し、EVILの急所蹴りを上手く切り抜けてアンクルホールドに捕らえたが、むき出しになったコーナーの金具に投げつけられて好機を潰される。海野レフェリーがリングに戻ったところで、EVILはすかさずダークネスフォールズをお見舞い。勝利を確信し、満を持してEVILへ。しかし、これを読んだザックは起死回生のヨーロピアンクラッチでクルリ。大逆転勝利を手にした。

　東郷の介入に苦戦したものの、最後は欧州仕込みの丸め込みで前二冠王者・EVILを料理。ザックが白星スタートをきった。「EVIL、ハッピーハロウィーンだ、バカ野郎」と勝ち誇ったザックの次戦は9・24札幌大会。今度は現二冠王者・内藤と対決する。連勝すれば、一気に弾みがつくところだが、ザックは「俺はタッグ戦線に集中しないといけないんだ。札幌で内藤をタップアウトさせて、G1優勝の座は仲間のタイチか鈴木に譲る」と宣言。G1の栄冠獲りを放棄したも同然の発言だが、一方で「今日、俺に3カウント獲られたのは前二冠王だ。つまり次、俺が内藤をタップアウトさせたら、自動的にタイトルマッチが保障される。それで俺のG1は終わりにさせてくれ」と二冠挑戦を視野に入れた。一方、EVILは初戦黒星。次戦はYOSHI-HASHIとの対決を控える。

【ザックの話】「(※右肩にベルトをかけて終始、軽い笑みをこぼしながら)おい、EVIL、ハッピーハロウィーンだ、バカ野郎。バカ野郎と言えば、次の相手は誰か知ってるか? 新日本一のバカ野郎の内藤だ。今日、俺に3カウント取られたのは前2冠王だ。つまり次、俺が内藤をタップアウトさせたら、自動的にタイトルマッチが保証される。それで俺のG1は終わりにさせてくれ。俺はタッグ戦線に集中しないといけないんだ。札幌で内藤をタップアウトさせて、G1優勝の座は仲間のタイチか鈴木に譲る。2人とも頑張ってくれ」

【EVILの話】「(※左ヒジを押さえながら)オイ、レフェリー! レフェリー、お前、ツーだろ!? オイ、テメエ、カウントが速すぎるんだよ、コノヤロー。G1だぞ。崇高なるG1だぞ、コノヤロー。テメエ、G1を汚すんじゃねえ、コノヤロー。大阪の野郎もグルか、オイ? ああ! グルか、オイ? クソどもだな、大阪も。カスどもが」

【東郷の話】「(※左ヒジを押さえながら)俺たちがよ、本当のG1をよ、見せてやるよ」