9/29【新日本】棚橋3戦目でG1初日 ジュースから技あり逆転星

『レック Presents G1 CLIMAX 30』東京・後楽園ホール(2020年9月29日)
Bブロック公式戦 ○棚橋弘至vsジュース・ロビンソン×

　棚橋がジュースの猛攻を耐えきり、最後は技ありの逆転勝利。G1・Bブロック3戦目にしてようやく初日を迎えた。

　再浮上を誓ってG1に臨んだ棚橋だったが、内藤、矢野に敗れてまさかの連敗スタートになってしまった。3戦目の相手はジュース。過去の戦績を見れば棚橋が圧倒的有利だが、コスチュームを一新してG1に臨んだジュースは無傷の2連勝中。好対照の2人による一戦となった。

　序盤から棚橋は厳しい戦いを強いられた。ジュースは腰に連続してエルボーをねじ込み、棚橋の動きを止めると、ペンデュラム式バックブリーカー、バックドロップをお見舞い。フルネルソンで絞め上げると、棚橋の表情が苦痛で歪んだ。逸材も低空ドロップキックやドラゴンスクリューで反攻したものの、テキサスクローバーホールドには持ち込めず。ジュースはスパインバスターから再び攻勢に。

　ジュースは右のジャブを連打すると、左のナックルパンチを読まれてもDDTに切り替えて追い討ち。棚橋はツイスト&シャウトで反撃したが、いかんせん単発で流れを変えるには至らない。ジュースはラリアット、キャノンボールでアクセル全開になると、コーナー上で抵抗する棚橋を雪崩式ブレーンバスターでぶん投げ、クラッチを離さずにジャックハマーもお見舞い。タンクトップを脱ぎ捨てたジュースは逸材を仕留めるべくパルプフリクションを狙う。

　諦めない棚橋はスリングブレイド連発で逆襲。ハイフライフローアタックにつなげるが、ジュースはそのまま後転して押さえ込むと、左右のナックルパンチをグサリ。今度こそとパルプフリクションへ。勝負あったかと思われたが、ギリギリでこれをスカした棚橋は足首に絡みつくと、そのままジュースをサムソンクラッチで丸め込み、大逆転の3カウントをもぎ取った。

　3戦目にしてようやく今G1で初白星を挙げた棚橋。「以前、ジュースと戦った時と違って、自信もある、動きにムダがない。けど、なんとか1勝。ラリアット食った時にグッと噛み締めたら、奥歯が半分壊れた! すげぇパワーだね!」とジュースの実力を改めて評価したうえで、「G1 CLIMAX19回目、まず1勝! これがどれだけ気持ち的に勢いつけるかっていうのを経験として知ってるから」とここからの急浮上を予告した。次戦は10・1長岡でのYOSHI-HASHI戦。「次! ノブーーーーーッ!」と絶叫して自らを鼓舞した棚橋だった。

【棚橋の話】「(※インタビュースペースへの階段を降りながら)ヨシ…ヨシ…ヨシ! 以前、ジュースと戦った時と違って、自信もある、動きにムダがない。けど、なんとか1勝(※人差し指を立てる)。ラリアット食った時にグッと噛み締めたら、奥歯が半分壊れた! すげぇパワーだね! G1 CLIMAX19回目、まず1勝! これがどれだけ気持ち的に勢いつけるかっていうのを経験として知ってるから。……次! ノブーーーーーッ!」

【ジュースの話】「やっぱりエースと呼ばれるだけの実力だ。100年に1人の逸材、さすがだ。あの世代のレスラーの中でも特別な存在だ。今日は棚橋を倒して強くなって俺をみんなに見てほしかった。俄然、気合いが入ってた。この間、棚橋をジャングルの王と呼んだけど、俺がその座を奪いたかった。俺も"かなり"良い選手だけど、残念ながら、"最高"レベルの選手には敵わなかった。それが事実だ。いや、単に最高なんてものじゃないな。史上最高だよ。今までリングで俺の対角線に立った相手の中では、間違いなく棚橋が最高だ。(※レコーダーに近寄って)聞こえたか? 棚橋は俺が今まで戦ってきた中で最高の選手だ! 今日に関してはこれ以上語ることはない。長いトーナメントだ、運が味方につく時もあるけど、今日はそうもいかなかった。自分は絶対に棚橋を超えられるって信じてたけど、ダメだった。それだけ自信があったんだけど、現実はやっぱり厳しいな。でも、明日があるさ。日はまた昇る。次は新潟で矢野か。読めない相手だ。でもな矢野…今日の俺の渾身のパンチを見ただろ? お前にも同じパンチをお見舞いしてやるからな! 好きなだけテーピングでも何でも持って来いよ。でもお前をノックアウトさせて、俺が勝ってやる。絶対に矢野に勝つから。ここで約束する。いいな? タナハシ、ありがとう。またやろう」