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10/6【全日本】CC覇者ゼウス2度目の戴冠へ「心に刻む最高の試合を」、諏訪魔負ければ5冠陥落も逆境に自信あり 三冠戦会見

 10・17大阪大会で三冠ヘビー級選手権試合が決まった王者・諏訪魔、挑戦者・ゼウスが6日、東京・湯島の全日本事務所で会見。負ければ5冠陥落となる諏訪魔だが、逆境打破に自信をみせて「このコロナっていうさ、一大事な時に全日本プロレスを守るぞって立ち上がって今、5冠持って、コロナ収束より俺の方が先にギブアップしたらダメ」と覚悟をむき出し。チャンピオン・カーニバル覇者・ゼウスは「お客さんの心に刻むような最高の試合をして勝つ。それしか考えてない」と三冠ベルト2度目の戴冠を誓った。

 10・5後楽園大会で激闘となった宮原健斗との決勝戦を制したゼウスがカーニバル初優勝を飾った。史上3人目となる全勝Vを成し遂げたゼウスは10・17大阪大会での三冠王座挑戦を決定。2018年10月に第61代王者から陥落以来、2年ぶり2度目の至宝ベルト戴冠に乗り出すことになった。

 優勝の喜びに浸った10・5後楽園から一夜明け、ゼウスは三冠ベルト獲りへ向けて気を引き締めた。しかも舞台は2018年7月に初戴冠を遂げた時と同じ地元・大阪。「最高の舞台で最高の相手と最高のベルトをかけて試合できるということで本当に気合が入ってます」と拳に力を込めたゼウスは、「必ずベルトを獲って喜んでいただいて帰っていただけるような感動を与える試合をして必ず勝ちます」と誓っている。

 前回、三冠ベルトを巻いた時との違いは「ぶっちゃけ申し上げると38歳になってきたことによって、逆に自分のパワーだけに頼ることなく、技に頼るプロレスをしていく方向に変えていってますね」というように、ファイトスタイルの幅が広がったこと。それを象徴するのがカーニバルで猛威を振るった腕極めフェースロック。諏訪魔をして「アゴ砕かれるぐらいの危ない技。若い頃にアゴの骨を折って手術もしてるし、その痛みが思い出された」と言わしめるほどトラウマに近い爪痕を残すこともできた。

 2014年3月の全日本初参戦から6年半が経過。当初は「全日本プロレスに立った時に諏訪魔さんや他の選手との差を感じた」というゼウスだが、鍛練と経験を積み重ねてきた結果、「今は諏訪魔さんといろんな意味で同じラインに立てて試合できる」と自信を深めるまでになれた。だからこそ、「お客さんの心に刻むような最高の試合をして勝つ。それしか考えてないですね」と最高の内容と結果による2度目の三冠獲りを描いた。

 迎え撃つ諏訪魔は7・25後楽園大会における石川修司との「究極の5冠戦」以来、3度目の防衛戦となる。ゼウスには9・21後楽園でのカーニバル公式戦で敗れたばかり。「昨日の決勝戦を見る限り、ゼウス選手は勢いあるなと、ひしひしと感じますね。今、最強のチャレンジャー」と認めるしかない。

 三冠戦の先には10・24後楽園大会での世界タッグ防衛戦も控える。そこで諏訪魔は自らに「5冠を守る」とのテーマを課した。再びゼウスの軍門に下ることがあれば、その時点で5冠から陥落する。逆境といえる状況だが、諏訪魔は「プロになる前からもずっとそう。追い込まれれば追い込まれるだけ力って出る」と言い切り、「逆境は好きですよ。自ら追い込んだ部分もあるんでね。何としてでも乗り越えたい」と豪語してみせた。

 そこには大きな原動力がある。今年3月に7度目の三冠戴冠を果たし、5冠王に君臨してきた諏訪魔だが、「5冠王としての責任はまだ俺は果たしてないよ」というのが現状。だからこそ、まだまだ5冠王であり続ける必要があり、「このコロナっていうさ、一大事な時に全日本プロレスを守るぞって立ち上がって今、5冠持って、コロナ収束より俺の方が先にギブアップしたらダメでしょ」との覚悟を口にしてみせた。

 2020年も残り2ヵ月をきった。5冠王としての越年を誓う諏訪魔と、2度目の戴冠で長期政権を描くゼウス。王者vs覇者の頂上決戦が全日本の今後を左右する大一番となるのは間違いない。

【会見の模様】
▼ゼウス「昨日一日は勝ったあと喜びに浸らせていただきました。今朝起きた時からまた気が引き締まる状態で、さぁ三冠やと。絶対獲ろうと。それしか考えてないですね。自分の地元・大阪で諏訪魔さんと試合ということでね。ホントに最高の舞台で最高の相手と最高のベルトをかけて試合できるということで本当に気合が入ってます。ここは絶対に勝って、大阪のファンの皆さん、僕のファンの皆さん、たくさん来て下さるんで、こういうコロナの時期なんで、必ずベルトを獲って喜んで帰っていただけるような感動を与える試合をして必ず勝ちます」

▼諏訪魔「今度の三冠戦というのは俺自身にとっても凄く厳しい戦いになるのかなと思ってます。昨日チャンピオン・カーニバルで優勝したゼウス選手と三冠戦を行うということで、昨日の決勝戦を見る限り、ゼウス選手は勢いあるなと、ひしひしと感じますね。今、最強のチャレンジャーなんじゃないかなと思いますね。また戦う場所が大阪ということで、ゼウス選手のホームタウンですよね。完全にアウェーに乗り込んでの試合になるので、そこはお客さんもみんなゼウス選手を応援するかもしれないけど、俺も動揺することなく、いつも通りの戦いをやれるように心がけていきたいなと思ってます。また、今回の三冠戦、さっきの会見でも言ったんだけど、暴走大巨人存続というのもかかってくるわけなんでね。相方とは喧嘩とかいろいろあるんだけど、先は向いてるところは一緒だと思ってるんで、何としても俺自身に課したテーマでもある、5冠を守るということを頭に置いて、しっかり5冠王者としての責任を果たすべく、今回の戦いは必ず勝ちたいなと思います」

――カーニバル公式戦でゼウス選手に敗れ、苦手意識を植えつけられてはいない?

▼諏訪魔「昔から戦ってるのもあるんだけど、今回チャンピオン・カーニバルでゼウス選手が台頭したというか、フェースロックが非常に危ない技だなと思いましたね。全く対策を練らないで戦ったわけなんで。アゴ砕かれるぐらいの危ない技ですよね。そこもまた今回の試合のポイントになるんじゃないかなと思いますね。昔ね、若い頃にアゴの骨を折って手術もしてるし、その痛みが思い出された戦いだったですね。もう二度とアゴの痛みというのを思い出したくないなと思いますよ。そこらへんには十分気をつけて対策を練って挑みたいと思います」

――暴走大巨人の存続と5冠死守を背負った状況だが、逆境に対する強さへの自信はある?

▼諏訪魔「常に土俵際で戦ってるイメージがあるんで、自分の中では。それはプロになる前からもずっとそう。追い込まれれば追い込まれるだけ力って出るもんだから。そこで力尽きたらそれまでですよ。勝負の世界だから。相当アウェーだしね、でも逆境は好きですよ。自ら追い込んだ部分もあるんでね。何としてでも乗り越えたいなと。だって5冠王としての責任はまだ俺は果たしてないよ。このコロナっていうさ、一大事な時に全日本プロレスを守るぞって立ち上がって今、5冠持って、コロナ収束より俺の方が先にギブアップしたらダメでしょ。そういう気持ちで今回の三冠戦っていうのは大事な戦いになると思うんで、しっかり頑張りたいと思います」

――ゼウス選手は三冠初戴冠時に初防衛しかできなかった分、返り咲いて長期政権を目指すとのことだが?

▼ゼウス「前回は7月に獲って、8月に防衛して、10月に獲られたんでね。しかも同じ選手に獲られたんで凄く悔しい思いが今もずっと胸の中に残ってるんですね。次は必ず三冠ベルトを獲って、体の限界がくるまで…限界はないと思うんですけど、限界になるまで、ズタボロになるまで防衛したろうと思ってます」

――前回、三冠を獲った時と変わった部分は?

▼ゼウス「スピリッツ、精神的なものはいつも負けない気持ちでいるんですけど、さらに強く上がっていってると思いますね。ファイティングスタイルは、ぶっちゃけ申し上げると38歳になってきたことによって、逆に自分のパワーだけに頼ることなく、技に頼るプロレスをしていく方向に変えていってますね。もちろんパワーも要所要所で全力のパワーを出してやってますけどね」

――諏訪魔選手の警戒する点は?

▼ゼウス「諏訪魔さんっていうと僕とまた人生経験が全然違うんでね。レスリングずっとやってきて、オリンピックの候補でやってきて、それから全日本プロレスの生え抜きでずっとエースでやってきて、7回三冠チャンピオンになって、チャンピオン・カーニバルも優勝してるし、王道トーナメントも優勝してる。凄いレスラーやと思うんですよ。僕は正直、少年時代、格闘技もしてましたけどヤンチャしてきて、ボディビルもしましたし、優勝しましたけど、もともと大阪プロレスというインディー団体出身から始めて、今同じ舞台に立ててるんですよね。僕が全日本プロレスに立った時に諏訪魔さんや他の選手との差を感じたから、この7年間必死にやってきましたよ。積み上げてきたものを今は諏訪魔さんといろんな意味で同じラインに立てて試合できるんじゃないかなと思うんでね。必ずいい試合をして、ホントにまずはいい試合をする。お客さんの心に刻むような最高の試合をして勝つ。それしか考えてないですね」

――諏訪魔選手は以前、ツイッターで限界説があるのかとつぶやいていたが?

▼諏訪魔「それはもう今43で全盛期って言ってますからね。その全盛期に負けがかぶさってくると、それは俺の中で限界が来てるのかななんて思いますよね。でも常に限界というものと背中合わせで戦ってきてるんで、ダメかな、ダメかなと思うけど、でも、もうちょっといけるだろうって気持ちでやってきてますよ。だから今回も限界ってものは突破、乗り越えるっていう気持ちで戦いたいですね。で、証明したい。まだまだ全盛期は先にあるんだと」