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10/21【大日本】聖地で月光暗闇マッチ実現 藤田が高橋絞首刑でデスマッチ王座死守、挑戦者にイサミ指名

『デスマッチ&ストロング&ジュニア〜3大タイトルマッチ』東京・後楽園ホール(2020年10月21日)
BJW認定デスマッチヘビー級選手権試合 Dark night death Halloween〜蛍光灯+αデスマッチ ○藤田ミノルvs高橋匡哉×

 聖地・後楽園ホールで月光闇討ちマッチが久々に実現。藤田がミスター・ポーゴが愛用していた鎖鎌・ヤマタノオロチを投入して高橋を絞首刑に処し、デスマッチ王座初防衛を果たした。試合後、藤田はV2戦の相手に木高イサミを指名し、11・17後楽園での対戦が決定的となった。

 藤田は8・29横浜文体において、デビュー24年目にして古巣・大日本のデスマッチヘビー級王座を初戴冠を果たした。初防衛戦の相手は9・14後楽園で直接ピンフォールを奪われた元王者の高橋。ルールは高橋の提案により、「Dark night death Halloween〜蛍光灯+αデスマッチ」と銘打たれた、いわゆる「月光闇討ちデスマッチ」となった。過去に数々の伝説を残すこの形式が行われるのは大日本で6年ぶりで、試合開始のゴングと同時に会場内の照明が落とされた。

 頼りになるのはロープ2面に吊された薄暗いカボチャ型電球、場内の非常灯や誘導灯、そしてカメラマンのフラッシュのみ。ゴングと同時に後楽園が暗闇に包まれると場内は異様なムードに。2人は闇の中でロープに吊された蛍光灯に投げつけ合い、殴り合うと、衝撃音だけが場内に響く。両者とも相手を見失い、リングサイドを徘徊する、この形式らしい展開となった。

 ようやくリングに戻ると、藤田は懐中電灯を投入。高橋の姿を見つけると、懐中電灯の明かりを頼りにエルボー合戦を繰り広げ、さらにそれで殴りつけた。赤く光る無数のカボチャ電球にも手を出し、それを使った暴行。続けて、スタンガンまで手にするが、高橋は「危ねえな!」と振り払って難を逃れた。

 高橋は暗闇なのを気にせず、藤田を蛍光灯タワーに投げつけて反撃開始。カメラマンのフラッシュを浴びながら、串刺しサマーソルトアタックもお見舞いする。すかさず電球でデコレートされた蛍光灯の束を持ち込むと、そのまま植木ばりに「確保!」と突進して追い討ちをかけた。

 藤田も同じように束を持った状態で突っ込んで譲らず。闇に手こずりながらも、ダイビングボディプレスを落とすと、ツームストンの構え。だが、高橋は背後に不時着すると、カウンターの払い腰から猛攻へ。脳天に蛍光灯を振り下ろし、変型フェイスバスターに繋げると、蛍光灯の束めがけてジャックハマーの体勢に。

 危ない場面だったが、藤田は逆に高橋を抱え上げると、「サヨナラ!」とツームストンをグサリ。これで決まらないとみるや、今後の防衛ロードに向けての秘密兵器だったヤマタノオロチをあえて投入。高橋の首に巻きつけると、そのままトップロープ越しに場外へ突き落とし、暗闇の中で絞首刑に処して試合を制した。

 “温故知新"の形式となった一戦で、伝説の凶器を使い、藤田がデスマッチ王座初防衛に成功。「こんなちょっと懐かしい匂いのする、そして新しいデスマッチ、これを提案したのは高橋匡哉です。このなんだか新しい懐かしい挑戦、心からリスペクトしますよ」と素直に敬意を表した藤田は、V2戦の舞台を11・17後楽園に指定すると、挑戦をアピールする選手が現れなかったことを受けて、自ら指名した。

 その相手はイサミだった。最侠タッグ2回戦(9・27名古屋)で直接ピンフォールを奪われている因縁の相手をリングに呼び込むと、「もう最侠タッグで勝ったとか、そんなことはどうでもいいんだよ。俺はお前にシングルマッチでまだ勝ったことがない。そして、デスマッチを木高イサミと1対1でやったことはない。もう元チャンピオンは挑戦自粛しろとは言わねえ。木高イサミ、来月後楽園、チャンピオンの挑戦をぜひ受けてくれ」と呼びかけた。イサミが“チャンピオンの挑戦を受けてくれ"という言葉に疑問符をつけると、藤田は「俺のチャンピオンの防衛記録に、木高イサミという素晴らしい元デスマッチチャンピオンの名前を刻みたい。その生け贄になっていただきたい」と今度は強気にアピールした。

 イサミは「あんたはいつだってそうだ。全部おいしいところをかっさらっていく。たとえタイトルマッチをやって、俺が勝とうが、たぶん最後のマイクで持っていかれるよ。でもな、それを覚悟のうえでそのベルトに挑戦させてもらう」と受諾。藤田の声を完璧に真似て、「ようは俺が勝って、ベルト巻けばいいんだろ? 俺に任せとけ、バカヤロー」と吠えると、蛍光灯を頭に振り下ろしてみせた。

 ひとりリングに残った藤田は「本当に勝てたのは俺の力だけじゃない。偉大なる先人のおかげかもしれない。でも、温故知新でいろんな古いものをほじくり返して、新しいことに挑戦して、木高イサミもこの防衛記録の1つの名前に刻み込みます」と意気込むと、最後に「イサミに勝てそうなデスマッチ形式は今から寝ずに考えます。来月も後楽園ホールでお会いしましょう!」と叫んで、早くもイサミ超えに向けて頭をフル回転させていた。

 「最侠タッグもストロングが優勝したし。でも、間接的にも負けたくないし。片付けの問題で、デスマッチが最後になっちゃうという場合もあるんでしょうけど、それはそれとして、デスマッチを盛り上げないとチャンピオンになった意味もないので。いろんな面でのマンネリ化も防ぎたいですし。今日は物理的に暗かったんですけど、これからまた明るく照らしていきますよ、大日本を」。初防衛を果たして王者としての自覚を深めた藤田は、年末に向けてデスマッチ戦線をけん引していく覚悟をみなぎらせた。


【試合後の藤田】
▼藤田「もう(言葉が)ないですよ。質問がない限りは」

――暗闇という形式自体はどうだった?

▼藤田「暗闇ですか? 見えなかったですね。私が鳥目だってことをちょっと忘れてました。見えましたか、皆さん? 見えたんですか? もっと見えなくしてやろうと思ったんですけど、あれ以上やると私が本気で見えなくなっちゃうんで。本当によくぞ高橋匡哉はこのルールを指定してくれたと思いました。僕はVHSでしかこの形式を見たことなかったんで。やっぱりあるんですよ。今日は蛍光灯を使うには使いましたけど、やっぱり古いものの中にも通用するものというか、新しく作り直すことができるものってあると思うんで。その辺かなと思いますね、私がやっていかなきゃいけないことって。それこそもっとシンプルな蛍光灯何百本とかだったら、絶対高橋匡哉の底力に勝てなかったと思うし、高橋匡哉もこのルールを指定してきましたけど、慣れてはなかったと思うし。ちょっと上手く僕のほうが利用させてもらったんじゃないかなって気がします」

――ヤマタノオロチを事前に用意していたということは、フィニッシュの形を想定していた?

▼藤田「違うんですよ。これは防衛していく中で、いつか後楽園ホールで使えたらいいなと思ったんですけど、まさか初防衛戦で使うことになるとは私も思ってなかったんですよね」

――新しく作った?

▼藤田「作ってないです。これは本当にポーゴさんが使っていたヤツですね。他団体で申し訳ないですけど、FREEDOMSの正岡大介戦で使用したヤツと一緒です。これは実際にポーゴさんが使用して、僕はセコンドでこれの絞首刑を見ていた、あの代物ですね」

――次の防衛戦については?

▼藤田「木高イサミですね。ストロングが前の試合であれだけの試合をやって。デスマッチをやっている人間って、見渡すと元王者ばっかりで。僕も結構イレギュラーなんで、やっぱり挑戦者側も試されるような感じにどうしてもなると思うんで。できれば無視したい存在ではあると思うんですけど、それじゃあ、意味がないので。防衛していくしかないですね。挑戦者がいないなら、こっちから逆指名して。最侠タッグもストロングが優勝したし。でも、間接的にも負けたくないし。片付けの問題で、デスマッチが最後になっちゃうという場合もあるんでしょうけど、それはそれとして、デスマッチを盛り上げないとチャンピオンになった意味もないので。いろんな面でのマンネリ化も防ぎたいですし。今日は物理的に暗かったんですけど、これからまた明るく照らしていきますよ、大日本を」

※高橋はノーコメント

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