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11/15【新日本】史上初WTL&スーパーJr.同時開幕 大熱闘メイン締め・ヒロムが“熱い冬"絶叫公約

『WORLD TAG LEAGUE 2020 & BEST OF THE SUPER Jr.27』愛知県体育館(2020年11月15日)
「BEST OF THE SUPER Jr.27」公式戦 ○高橋ヒロムvs石森太二×

 新日本史上初の『WORLD TAG LEAGUE』『BEST OF THE SUPER Jr.』同時開催シリーズが名古屋から開幕。超ハイレベルな激闘の末に、ヒロムが現IWGPジュニア王者・石森を破ってメインを締めくくり、「この1か月間、俺たちがスゲー試合をみせまくって、どんどん疲れさせて、最終的に頂点に立ってやる!」と熱闘続きの心地よい“観戦疲労"を公約しながら、熱い冬の幕開けを叫んだ。

 コロナ禍の影響で、今年はヘビー級タッグとジュニアの祭典が年末同時開催に。全10試合と久々の“ボリューム"となった名古屋開幕戦のメインを飾ったのは、ヒロムと石森によるスーパージュニア公式戦だった。

 8・29神宮大会のIWGPジュニア王座戦のリマッチとなる一戦。夏の終わりに石森に敗れてベルトを失ったヒロムが、序盤から積極果敢に仕掛けた。

 「初代マッスルチワワ」と描かれた“石森太二攻略スケッチブック"持参で現れたヒロムは、いきなりフルスロットルの先読み合戦を低空ドロップキックで競り勝つと、エプロンサイドを走っての場外ミサイルキック、さらにはサンセットフリップ・パワーボムまで早々に繰り出した。

 ところが踏ん張った石森は、ヒロムの場外ウラカンラナも踏ん張ってエプロンサイドへのパワーボムへ。ジョン・ウーの追尾合戦も制してポップアップ式フランケンシュタイナーも放ったが、ヒロムもハンドスプリング攻撃を空中キャッチ式ジャーマンで投げ捨てて譲らない。すると石森もリバース・フランケンシュタイナーを完璧に決めたものの、負けじとヒロムもコーナーへの高速フロントスープレックスで応戦し、ハイテンポでノンストップな超ハイレベルな攻防が続いた。

 さらに試合はし烈さを増す。戦場がエプロンサイドに移行すると、石森がエプロンでのドリルアホールパイルドライバーでグサリ。強烈な一撃に場内がどよめくなか、さらには三角飛びケブラーダを見舞ったものの、なんと空中キャッチしたヒロムも場外での開脚式アバランシュホールドで切り返す。

 ともに場外カウント19でリングイン。両者ダメージ甚大ながらも、再び意地の追尾合戦に突入したが、ヒロムが顔面への強烈な低空ドロップキックで競り勝つと、ダイナマイトプランジャーへ。石森からジャンピングニーで反攻されても、カウンターのラリアットを叩き込んでみせた。

 それでも石森はラリアットの正面衝突で競り勝って真っ向から逆転。立て続けに得意のサイファーウタキで腹部をえぐると、鮮やかなラ・ミスティカからのYES LOCKに持ち込んでギブアップを迫った。

 だが、何とか逃れたヒロムも続くブラディークロスを着地するや、逆に大きく抱え上げてからのフェイスバスター(ビクトリーロイヤル)で応戦。それでも石森は追撃を再びブラディークロスで切り返しにかかったものの、ヒロムもグラウンド状態から強引に担ぎ上げて阻止だ。続けざまにコーナーに突っ込む形のデスバレーボムを放ったが、そのままクラッチを解かずに再び担ぎ上げ、今度はランニング式のデスバレーボムも発射。荒々しい猛攻で絶好機をこじ開けたヒロムが、最後は必殺のTIME BOMBで完璧な3カウントをもぎ取った。

 ヒロムが“神宮の雪辱"に成功したうえで、現IWGPジュニア王者食いでスーパージュニア白星発進。マイクを握ったメインイベンターは「石森太二に勝ったぞ〜! おい石森聞いてるか? 俺の勝ちだ。今すぐベルトを置いてけ!…とは言わねえよ。スーパージュニアだからな。とりあえず“BEST OF THE SUPER Jr.27"開幕戦は俺の勝ち。勝者・高橋ヒロムだ!」と叫んだ。

 新日本はコロナ禍の影響で一日の試合数を削減していたが、この日は全10試合に。言葉を続けたヒロムは「おや? おやおや? おやおやおやおや? これはこれは皆さん、久しぶりの新日本プロレス、10試合観て、相当お疲れなんじゃないですか? 大丈夫。俺は凄い疲れてるから、座らせてもらうよ。でもさ、いいよね。今、この時の、この疲労感。これって最高に幸せだろ。プロレスやって、プロレス観て疲れられるなんて、最高に幸せじゃねえか!」とも話して、声援禁止の場内も“同意"の大拍手に包まれた。

 最後は「こんなご時世だよ。こんなご時世のなか、悪いけど、まだまだ疲れてもらうぞ? プロレスファンのみんな、覚悟しておけ! この1か月間、俺たちがスゲー試合をみせまくって、どんどん疲れさせて、最終的に頂点に立ってやるから楽しみにしとけ! さあ! ワールドタッグリーグ、ベスト開幕だああ! もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと…! みんなで! 楽しもうぜえええ!!」と激情を撒き散らして締め。12・11日本武道館でダブル・フィナーレを迎える新日本“熱闘の冬"が、ヒロムの絶叫とともに走り出した。

【試合後のヒロム】
▼ヒロム「(※コメントスペースにたどり着くなり、フロアに腰を落とす)やるなあ、マッスルチワワ。なんて凶暴なチワワだ。さすがチャンピオンだ。こんなギリギリな試合を、(※フロアに寝転ぶような体勢になり)残り続けてたら、持たねえよ。これが、これが勝ち点2の、勝ち点2の試合だぞ。ああ......。俺的には......(※しばらく考え)12はある。12はあると思う。ただ、うれしいよな。今のこの状況の中で、これだけの人が、会場にいるんだよ。もちろん、来れない人だっているんだよ。来たくても来れねえ、そんな人は『(新日本プロレス)ワールド』見てるんだろ?(※TVカメラに視線をやって)このカメラの向こうに、何万人、何十万人っているんだ。そう思うと、体の底から、力がみなぎってくる。そういうもんだ。リーグ戦、リーグ戦だよ、気が抜けねえな。次は(※スケッチブックのエル・デスペラードのページを示して)なんてったってエル・デスペラード。もう今は嫌いじゃない。でも昔は嫌いだった。この意味、この意味をちゃんと俺が理解できれば、勝ちは確実だ。(※立ち上がって)さてさて、何かご質問はありますか?」

――............

▼ヒロム「(※目を閉じて質問を待っているが声がかからない。しばらくののち)ないんかーーーーーーーーーい!じゃあ、帰るわ(※と言い残して控室に歩を進めたところで)」

――ヒロム選手......

▼ヒロム「なんですか?あるんですか?(※戻ってくるも崩れ落ちるようにフロアにヘタり込み)言えよー!グイグイきますね」

――このシリーズ......

▼ヒロム「(※質問を遮って)グイグイくる人だ。だったら俺が、もっと目をつぶってる間にきてくれたらよかったのに......。あの時間、返してください。あの時間があったら、俺がなにできました?なにができたと思います?お片付けとか、お水飲んだり、いろいろできましたよ!どうしてくれるんですか、この時間を!(※と叫び、質問を受け付けず控室に消えていく)」


【石森の話】「(※コメントスペースにたどり着くなり座り込む)クッソッ!また『(BEST OF THE)SUPER Jr.』で、負けたじゃねえか。去年、あいつは(ケガで)出れなかっただろ?だから、おととしの決勝の借り、返そうと思ったのによ......。でも、俺の狙いは、現(IWGPジュニアヘビー級)チャンピオンのまま、『BET OF THE SUPER Jr.』を優勝することだ。まだ初戦だよ。まだ初戦。一番負けただけ。こっから、こっから、(※立ち上がりながら)マッスルチワワの逆襲を見せてやるよ!」

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