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12/30【大日本】野村&阿部が竹串餌食もタッグ王座快勝V5 2021年へシングル王座獲り照準

『年内最終興行』東京・後楽園ホール(2020年12月30日)
BJW認定タッグ選手権試合 ○野村卓矢&阿部史典vsクリス・ブルックス&ドリュー・パーカー×

 パーカー&ブルックスが投入した竹串を頭に刺されて苦しんだものの、最後は野村&阿部が快勝してタッグ王座V5。年内最終興行のメインを勝利で締めくくったアストロノーツは2021年の目標にシングル王座獲りを掲げた。

 “アストロノーツ"野村&阿部は今年8月にタッグ王座初戴冠を果たすと、積極的に防衛戦を行い、橋本大地&神谷英慶、T-Hawk&エル・リンダマン、バラモン兄弟、佐藤耕平&石川修司を次々に撃破。年内最終興行となる後楽園大会でV5戦を迎えた。挑戦者はブルックス&パーカーの外国人コンビ。2人はDDTの9・7後楽園で一騎打ちを行って意気投合し、KO-Dタッグ王座にも挑戦。アストロノーツとしても一筋縄ではいかない相手となった。

 序盤は王者組ペース。鋭い打撃と関節技を武器に試合をリードする。ブルックスがエプロンから飛びついてのダイヤモンドカッターで野村に奇襲すると、一旦流れは挑戦者組に傾く。が、パーカーが「バチバチスキデショ?」と挑発すると野村が奮起。ミドルキック連打を受け止めたうえでキャプチュードで反撃した。あとを受けた阿部は得意の蹴りで猛攻。「バチバチやりたかったんでしょ?」とパーカーが発した言葉を返し、「ジャパニーズバチバチ!」とナックルパンチやサッカーボールキックでメッタ打ちに。しかし、パーカーも強烈な頭突きで意地を見せた。

 ブルックスが巻き返すと、リング上は4人入り乱れてのエルボー合戦に。ブルックスが野村を、阿部がパーカーを同時に卍固めに捕獲すると、2人は絞め続けたまま張り手を打ち合ったが、ブルックスがリーチの差を活かして的確にヒットさせる。技を解いて2人の打撃戦となると、ブルックスが阿部の伊良部パンチに合わせてカウンターのジャンピングニーをズバリ。それでも阿部も伊良部パンチを打ち返して、両者大の字に。

 野村とパーカーの顔合わせになると、野村が怒とうのミドルキック連打から攻勢に出る。パーカーも飛びつきダイヤモンドカッター、トペコンヒーロで巻き返すが。スワントーンボムは野村がヒザを突き立てて撃墜。阿部はランニングローキックで続くと、アストロノーツは交互にエルボーやナックルパンチを叩き込んだ。野村はビンタからジャーマンスープレックスホールドで勝負に出るも、ブルックスがコーナーからダイブして強引にカットする。

 阿部は分断しようと多回転式ソバットをブルックスに狙うが、避けられてレフェリーに誤爆してしまう。それでも阿部はお卍固めに固めるが、レフェリー不在をいいことに、パーカーが竹串の束を持ち込み、阿部の脳天に刺すと、ブルックスも野村の頭に突き刺した。混乱に乗じて外国人コンビは野村相手に合体コードブレイカーを繰り出すと、すかさずブルックスがセントーンを投下。ここがチャンスと、パーカーは450°スプラッシュで勝負に。

 野村はなんとか肩を上げると、さらにパワーボムを狙ったが、阿部がリングに飛び込んで伊良部パンチでカット。すぐさま野村はジャーマンスープレックスで3カウントを迫る。キックアウトしたパーカーは打撃戦に持ち込んで抵抗を見せるが、ハイキックやビンタで棒立ちにさせた野村がドラゴンスープレックスで3カウントをもぎ取った。

 竹串の餌食になって苦しんだ野村&阿部だったが、最後はキッチリと勝利して5度目の防衛に成功。マイクを持った野村は「阿部選手、これで5度目の防衛です。ある種、一番国際的なチームに防衛したな。これで世界に向けて一歩前進です」と勝利の喜びをあらわに。阿部も「こんな時にチャンピオンであるってことに意義があると思っているし、こうやって来ている時に、皆さんがちょっとへこんだりしている時に、自分たちがプロレスをすることによって、少しでも笑顔になってもらえたらいいなと思って。そして、皆さんが来てくれるおかげで、自分たちも皆様からとてつもないパワーをいただいています。本当にありがとうございます」と観客にメッセージを送った。

 野村は「今年いろいろあって、プロレスもできなくなりましたが、こうやって最後に、大日本今年最後の大会メインイベントで勝てて、締めれて物凄く嬉しいです」と満足げ。来年の目標として、タッグ王座防衛はもちろん、野村はストロングヘビー王座、阿部はジュニア王座獲りを掲げた。

 バックステージではプロレス大賞の最優秀タッグ賞まで狙っていくと宣言したアストロノーツ。この日の勝利で王者として越年することが確定したが、来年はシングル戦線でもさらなる浮上を見せて、大日本の中心に立つ構えだ。

【試合後の野村&阿部】
▼阿部「最後、なんか串みたいのが…」

▼野村「痛いよ!」

▼阿部「あれがドリューなりのバチバチなんだろうな。マックスさん(レフェリー)大丈夫かな? さすがにお腹デカいから大丈夫か。でも、痛いなあ」

▼野村「痛すぎるだろ、あれ」

▼阿部「まあでも、大日本でやっている限り、そういうのはウェルカムなので。そんなこと思ってないんで。別にストロングだけなんてね。私たちはデスマッチと同じようなことをやっていると思っているので。まったく違わないと思っているんで。そこに武器があるのか、そこに拳があるのかの違いですよね」

▼野村「まあ、そんなところだよ」

▼阿部「やめろよ、その賢者タイム。年内最後だぞ。しゃべって」

▼野村「今年5度防衛してどうでした?」

▼阿部「あっ、俺にインタビューするんだね。とてつもなく早く濃くここまで来たんですけど、なによりも大きな怪我がなく、防衛できているっていうのが私たちのなによりの自信だし、なによりの証拠だし」

▼野村「なんかみんな全然色が違うチームと対戦して」

▼阿部「でも、2020年の最後にベルトを持っているのは俺たちだから。この勢いでさ、大日本だけじゃないと思うし、私たちがやっている限りは日本中、他の団体、そして世界の団体を敵に、お前らに負けてないよって気持ちで。俺らのタッグチームとしても、シングルとしても、別にどこの団体にも負けてないよという気持ちで我々はやっていると思うので。そういう自負を持って、来年もガンガンとやっていきたいと思います。そして、大日本プロレスの名前が我々によってどんどん広まっていって、盛り上がっていけたらなと思います。それによってBASARAもね。どう?」

▼野村「いい締めですよ」

▼阿部「やめてくれよ。お前が最後にしゃべってくれ」

▼野村「なんかありますか?」

――いろんなチームを倒してきて、これ以上の相手となるとどう考えている?

▼阿部「大日本だけじゃなくて他団体もそうですし。もちろん全員挙がりますよ。まず挙がるのは、我々的にはクレイジーラヴァーズが挙がってくるかな。クレイジーラヴァーズだって、大神だってそうだし、飛艶もそうだし、ホットジャパンも二丁拳銃も橋本和樹&佐藤耕平だって。全員とやって、全員を塗りつぶして、アストロノーツのスタイルってこうだよねっていうのをもっともっと広めていきたいと思います。そして、このベルトの価値は上がっているよな、たぶん」

▼野村「上がっているでしょう。わからないけど」

――この2人で年間最終戦のメインを締めたことについては?

▼阿部「メッチャ嬉しかったです。年内最終のメインをマイクで締めるっていうのは。後楽園に上がれるっていうのは常に嬉しいことだと思っているので。その最後を締めるっていうのは、我々がやってきたことが間違ってないという。我々は貫いて、いろんな人のおかげでやってきてよかったなって思った?」

▼野村「思った」

▼阿部「ふざけるなよ、お前。そうでしょ? メチャクチャ血が出てんだけど」

▼野村「そうだよ。メッチャ痛かったんだよ」

▼阿部「たぶん髪の毛があるより坊主のほうが痛いよ」

▼野村「いや、俺のほうが痛かった」

▼阿部「俺のほうが痛いよ、絶対」

▼野村「…以上です」

▼阿部「どんな締めですかね? メチャクチャ痛いよ、なんなんだよ。あれね。人が観てるから避けないけどさ、あんなの居酒屋とかでやられたらキレるよ。お金払って人が観ているから、やられても痛くねえ顔するけど、あれ日常の中でリビングとかでやられたら、ブチ切れますよ、本当に。でも、お客さんに『こいつらビビってねえ』と思われたいから、なんも怖くないフリしているから。怖くないよね?」

▼野村「怖くない」

▼阿部「長くなりすぎちゃったから総括しましょう。今年を振り返って、来年の抱負をお願いします」

▼野村「今年はいろいろありましたけどね。試合がなくなったりしてしまいましたが、最後こうやって、年間の最終試合を締めれたってことは、結果、まあよかったことだと思います。そして、ストロングヘビー。来年はね」

▼阿部「そして、イサミさんと橋本和樹さんがなんかゴチャゴチャ試合前に言ってたストロングジュニア。そして、我々のタッグ。これをどんどんやっていきたいと思います。東スポ(プロレス大賞)狙っちゃおうぜ。こういうのね、書きやすいから」

▼野村「東スポ狙おう。今年もノミネートしてたから」

▼阿部「話題作りしなきゃダメだから」

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