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12/30【大日本】イサミが吉野撃破でジュニア王座初戴冠 1・11後楽園で和樹迎撃へ

『年内最終興行』東京・後楽園ホール(2020年12月30日)
BJW認定ジュニアヘビー級選手権試合 ○木高イサミvs吉野達彦×

 イサミが吉野を破ってBJWジュニア王座を初戴冠。「ジュニアの活性化、引き継がせてもらおう」と誓った新王者に和樹が挑戦を表明し、1・11後楽園大会でのV1戦が決定的となった。

 10・21後楽園大会で青木を破って第5代王者となった吉野はここまで11・8札幌で関札、11・23大阪でアンディ・ウーを退けて2度の防衛に成功。年内最終興行となったこの日、V3戦を迎えた。しかも相手はイサミ。同王座初挑戦でジュニアの頂点の座を狙う。

 序盤は消耗戦の様相を呈した。まずは吉野がネックツイストを連発して首攻めを開始。ネックロックで執拗に絞め上げ、ネックブリーカードロップ、フェースロックと徹底攻撃に出る。ならばとイサミはドラゴンスクリューを連発し、踏みつけたり蹴りつけたりと右足にピンポイント攻撃。ダブルレッグロックで絞め上げ、エルボー合戦になってもローキックで蹴りつけて制した。

 負けじと吉野は雄たけびもろともランニングエルボーで反撃。ソバット、ナックルパンチ連打、ボディブローの猛攻で巻き返したが、ジャーマンを不時着したイサミは低空エルボーで右足を射抜き、吉野が延髄斬りを繰り出してもキャッチし、ヒザ十字固めで捕らえて先をいった。

 流れをつかんだイサミはエプロン、リング上とブレーンバスターを連発して攻勢を続ける。吉野が雪崩式攻撃を狙っても阻止し、雪崩式リバースフランケンシュタイナーを敢行。ダイビングダブルニードロップで勝負に出たが、自爆させた吉野がランニングニーで逆襲。ファルコンアローで突き刺すと、蹴りの雨を降らせたが、ボディブローをガードしたイサミがボディブロー、勇脚で返り討ちにした。

 ジャンピングニーは両者同時に放って相打ちに。それでもイサミがカカト落としを振りおろせば、吉野はロープの反動を利してのジャーマンで逆襲。ソバット、ヒザ蹴り、ミドルキックと蹴りまくると、アスリートジャーマンで勝負に出た。

 だが、イサミは3カウントを許さない。サンダークラッシュも不発に終わらせると、サムソンクラッチで丸め込み、カウンターのラリアットで吉野を鎮圧。勇脚・斬を叩き込むと、一騎当千(Kagetoraと同型)で突き刺して3カウントを奪った。

 吉野が3度目の防衛に失敗。イサミが第6代王者となり、ジュニア王座初戴冠を果たした。試合後、「(吉野が)また取り返しにきますと、そう言ってくれました」と明かしたイサミは「お前が来るまで、いや、お前らが来るまで持っててやるよ。森廣、お前もだからな。持っている間に必ず上がってきて挑戦して来い」と長期政権を見据えて宣言した。

 さっそく挑戦者が現れた。和樹だ。リングに上がってきた和樹は「まずベルト奪取おめでとうございます。ということで、次、俺とやりましょう」と挑戦を表明。一騎当千公式戦での対決が消滅したとあって、「実は今年、一騎当千スゲェ楽しみにしていた試合が2試合あったんです。1つは佐藤耕平。もう1つが木高イサミとのシングルマッチ。佐藤耕平とは来年、横浜でやれるんですけど、あなたとやりたいんです。今年の汚れは来年早々に、キレイさっぱりやりませんか?」と強く訴えた。

 もちろんイサミに拒む理由はなく「俺にとっても忘れ物でもあるから、お互い忘れ物取りにいきましょう」と呼応した。すると和樹は「僕がやるって言うとあれなんですけど、いろいろ考えてきて思ったんですけど、僕はタイトルマッチ当日カバーしません。フォールを狙いません。あなたからKOかギブアップであなたを越えて、そのベルトを僕の腰にもう1回戻します。今日の第2試合、佐藤が受けたような橋本和樹のバチバチ、覚悟してください」と予告。イサミも「お前、俺が相手の土俵王決定戦のナンバーワンだということ知らないだろ? お前の土俵乗ってやるよ」と受けて立った。

 「早いほうがいいんで1月2日! 1月2日! 1月2日!」と早期実現を希望した和樹に、イサミは「中2日無理」とやんわり拒否。そこで和樹が「後楽園ホール1月は2回あります。1月2日と1月11日。ワンワンワンの日にタイトルマッチお願いします」と訴えると、イサミも「OK。キーワードはワンワンワン」と受諾した。

 両者が合意し、1・11後楽園大会でのジュニア王座戦が決定的となった。さっそくの挑戦者出現を「ああやって活気づいてくれるんだったら、獲った甲斐もあったっていうもんですよ」と歓迎したイサミは、「橋本和樹、相手の土俵でとことんやらせてもらいます。吉野、聞いてたらでいいから、聞いといてくれ。お前がやりたいと言っていたジュニアの活性化、引き継がせてもらおう」と高らかに宣言した。

 イサミの戴冠によって、2021年からストロングJ戦線がさらに活気づくことになりそうだ。

【試合後のイサミ】
▼イサミ「ありがとうございました。吉野が思い描く試合にはならなかったかもしれないけど、強引に勝ちを手繰り寄せちゃったかなという感があったんで。そこをまたジュニアってもののやり方っていうのを、前までにいた人じゃなくて…僕もずっと大日本にはいるけど、実はジュニアというものにはそんなに参戦してなくて、俺がいることによって面白くなるであろうジュニアっていうものに期待しててもらうしかないな。今日が出発だとしたら20点ぐらいですかね。これはもう挽回して取り返すしかないです。あれはね、無理やりだったわけです。先輩の意地だね。あいつの中では完全に3カウント入ったから負けは負けなんでしょうけど、たぶん悔しかったんでしょうね。頭下げきる前に『もう一回いくんで、絶対持っていてください』って言われたんで。それはいつも一緒にいるけど、吉野も関札も森廣も神ちゃんもみんないるけど、ライバルではあるんで。逆に彼らみんなの挑戦を受けて…神ちゃんはヘビー級だから違うけど、受けて。そのためには先のこと言ってもしょうがないんで、吉野の時はあえていろいろ陽動もかけていきましたけど、和樹とは真っ向勝負。もし真っ向勝負から逃げて勝ったとしたら、それは俺の負けだから。内容でも和樹に勝ったってみんなに思ってもらえるような試合をしたいですね」

――吉野から獲ったらからにはという思いもある?

▼イサミ「はい。あと吉野がずっとジュニアをメインに引っ張りたい、メインでもいけるって言ってたけど、正直言って僕からすると、それは相当難しいよ。ジュニアを活性化させたい、それはもちろんわかるし、もっともっと自分たちで盛り上げていきたい。その気持ちもわかるんだけど、ジュニアがメインでってことに関しては、現状だとまだ苦しいかなという気がします。大日本プロレスがどう呑むかわからないですけど、1月11日とかにもしかしたらメインになってるかもしれないし、和樹と。どうなるかわからないけど、今後の流れ次第ではあるけど、彼が理想としていたものに少しでも近づけるようにとは思いますね。それぐらい熱い気持ちを持っていたんで。それは試合してて伝わってきました。最後のは一騎当千という技です。まだ不格好なんですけど、ジュニアでやるっていうので、デスマッチだと重い選手も多いんで、すんなり上げたりとかできないんですけど、ジュニアクラスの選手だったら上げられるよっていうふうに練習したんですけど、もうちょっと完璧に決めたいですね。80パーぐらい。いや70ぐらいか。もしくは60。100になった時は完勝ですね。技名はKagetoraさんの技なんで一騎当千として使わせていただきます」

【試合後の吉野】
▼吉野「次のもう一回、挑戦者になることができましたら、2020年、最悪の終わり方だったと思いますが、2021年、絶対に木高イサミから獲り返していきたいと思います。ジュニアを盛り上げる、ジュニアがヘビーに負けない、ジュニアがデスマッチに負けない、ジュニアがメインを獲る。ベルトだけじゃないですよ、僕の戦いは。その第一歩ですよ。木高イサミがああやって僕のベルトに興味を持ってくれたこと、僕を叩きのめしてくれたこと、これはジュニアにとっての一歩です。その最強のチャンピオンを僕は倒して、来年もう一回ベルトを巻きます。それしかないでしょう。面白くなってきたと思いません? 下から突き上げた方がいいのかな」

――道半ばでベルトを失ったが?

▼吉野「ベルトはずっと持っておきたいですよ。あのベルト僕が一番好きですから。誰よりも大切にしてきましたし。僕はベルトにこだわる。そして試合順にもこだわる。今日セミにしてくれた会社に感謝。お客さんも会社もジュニアのベルト一番切符売れるよねって言われるまでが勝負ですよ。25年の歴史で僕らは浅すぎる。血を流して涙を流して汗を流して、やりますよ。それしかない。負けたから今日は死人に口なしですよ」

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